ドラゴンクエストIX 地上で輝く星空に   作:サムハル

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番外編 ソールと忘れられた村2

 

その後、神木様の木の近くでエイリークがいろんな料理を作ってくれた。シェリーさんが山菜を出してくれたため、山菜の料理がたくさんだ。僕は食べた事ないけどどれも美味しそう

 

 

シェリー「凄いですね、エイリーク様。こんなに料理作れるなんて」

 

 

 

エイリーク「私はまだまだだよー。山菜は私のいた町でもよく採れたから慣れてるんだ。それにちょっと失敗しちゃった、もう少し刻んだ方がよかったみたいなんだけど、豪快にやって分厚くなっちゃった。えへ」

 

 

エイリークは苦笑いしながら山菜の切った物をみせてくれた。僕にはそんなに変には見えないけどな

 

 

ナイン「大丈夫だよ、エイリーク。僕には全然上手に見えるよ」

 

 

 

ソール「俺もです。いつもありがとうございます、エイリークさん」

 

 

 

ロード「.......サンキュー」

 

 

 

エイリーク「ありがとう!それにこんな綺麗な桜を見ながら食べれるんだからきっと料理も美味しくなるよね!」

 

 

エイリークは料理を並べ終わり、全員で輪になって料理を囲んだ

 

 

エイリーク「いただきまーす!」

 

 

 

三人「いただきます」

 

 

 

シェリー「?いただき、ます。.......ん!美味しい!」

 

 

シェリーさんが山菜を食べると、目を開いて驚いている

 

 

ナイン「ちょっと苦いかも」

 

 

 

ソール「最初は慣れないですよね」

 

 

 

ロード「ガキには難しいだろうよ。これが山の味ってやつだぜ」

 

 

 

サンディ「んー、結構イけるじゃない!流石エイリーク!」

 

 

全員で料理を食べてみる。僕以外は美味しそうに食べているが、僕には少し苦味がキツくて皆ほど美味しいと思えなかった

 

 

シェリー「私がいつも食べる時と全然違います!わー、こんなに美味しいの食べれてよかったー」

 

 

 

エイリーク「シェリーさんにも喜んでもらえて私も嬉しい!どんどん食べてね!」

 

 

そうして皆で話しながらあっという間に料理を食べ終えた

 

 

その後、エイリークとサンディが片付けを。ソールは神木様の近くに。ロードは何か気になる事があるらしく、周りの探索に行くようなので僕もロードについて行く事にした

 

 

エイリーク「お皿持ってきてくれてありがとう、サンディ」

 

 

 

サンディ「これくらいフツーよ。あんた達!アタシ達はここにいるからすぐに戻ってきてよね!」

 

 

 

ナイン「はーい」

 

 

 

ソール「俺もそんなに離れてないので大丈夫ですよ」

 

 

 

ロード「ナインは俺から離れるなよ、迷子にならねえようにな」

 

 

 

シェリー「ふふふ、皆様仲がよろしいんですね。歳も近そうですし、お友達様ですか?」

 

 

シェリーさんは神木様の近くにいたソールに話しかけた

 

 

ソール「俺達、友達.....も正解ではあるのですが、この四人で冒険者やってるんです。今は黄金の果実を探してて、それを持ってたというラボオさんという方に会おうとここまで来たんです」

 

 

 

シェリー「まあ、そうだったんですね。黄金の果実ですか、聞いた事ありませんね。お宝なんですか?」

 

 

 

ソール「いえいえ、そんなものではないんですけど、ちょっと危険なものなんです。見かけたら近寄らないようにお願いします」

 

 

 

シェリー「あら、そうなんですか。綺麗そうですのに」

 

 

 

ソール「綺麗ではあるんですけどね。それにしても......」

 

 

ソールは大きく息を吸い込んで、村を見渡した

 

 

ソール「(やっぱり甘い匂いがする......桜ではなさそうな匂いが気になるな)どなたか家にいるんですか?何か作ってるとか」

 

 

 

シェリー「いえ、先程も申しましたが私以外もうこの村には誰も....」

 

 

 

ソール「.......そう、ですか(ロードさんも何か気にしてたし、この村なんなんだろう)」

 

 

 

その頃、僕とロードの方では

 

 

ロード「.............妙だな」

 

 

ロードは入ってきた洞窟の前まで戻ってきていた。そこで首を傾げている

 

 

ナイン「なにが?」

 

 

 

ロード「やっぱり何かおかしいぜ、この村。何回か来た事あるが洞窟を抜けた先にこんな村があるなんて俺は初めてだ。この桜の木も見た事ねえ、それなのに昔からあるってあの女は言ったな。それに見ろ、ここの地面」

 

 

ロードは何もない地面を指さしている

 

 

ナイン「なにもないけど....」

 

 

 

ロード「そうじゃねえ。俺達、さっき来たばかりだろ?確実に俺達の足跡があるはずなんだ。それなのに何もない、しかも.....」

 

 

ロードはナイフで地面を削ろうとした

 

 

スカッ

 

 

ナイン「え」

 

 

地面に触ったはずのナイフはまるで触れてないかのようにすり抜けて何も起こらなかった。しかし、ナイフには土が付いている

 

 

ナイン「え?え?どういう事?」

 

 

 

ロード「な?変だろ?それに、これもだ」

 

 

ロードはヒラヒラと落ちてきた桜の花びらを掴もうとする

 

 

スカッ

 

 

確実に掴んだはずの桜の花びらがロードの手をすり抜けてそのまま落ちた

 

 

ロード「さっきから花びらが当たらねえと思ったら、そもそもすり抜けてんだ。どういう事だ?」

 

 

 

ナイン「本当だー、すごーい、おもしろーい」

 

 

僕は落ちていた小さな木の枝を拾おうとしても拾えず、桜の花びらもすり抜けるだけでそのまま地面に落ちていくのを何とか掴もうとしている

 

 

ロード「おい、遊びじゃねえんだぞ。何かまた変な事おこってんだ、もっと冷静にだな」

 

 

 

ナイン「でもー、害はないしいいんじゃない?」

 

 

 

ロード「あ!の!な!俺達は女神の果実を探すためにここに来てんだぞ!!それなのに女神の果実に関係なさそうな村に迷い込むわ、変な事になってるわ!早く女神の果実集めねえとめんどくせえ事になるんだぞ!こんな面倒事に関わってる暇はねえの!!わかってんのか、頭すっからかん!!」

 

 

ロードが青筋をたてながら僕の頬をちぎれそうな勢いでひっぱりながらあちこちに動かしてくる

痛い痛い!!堪らず涙が出てくる

 

 

ナイン「いひゃい、いひゃい、いひゃい!!!ごべん、ろーぢょ」

 

 

必死にロードに謝ってなんとか止めてもらった。一気に赤く腫れ上がった頬に手を当ててうずくまる

 

 

ロード「ったく.......あの女に聞いた方がいいな」

 

 

 

ナイン「うう......痛い」

 

 

 

その頃、ソールとシェリーさんの所では

 

 

シェリー「ソール様は桜がお好きなのですか?」

 

 

 

ソール「桜が、というより、俺はこういうのどかな自然豊かな場所が好きなんです。こうやって大きな木の近くで休むと安心するんですよね。俺を支えてくれる立派な木に、綺麗な青空、頬を撫でる心地よい風、周りに咲く花や虫達に包まれて、なんだかとても落ち着くんです」

 

 

ソールは木に寄りかかって地面に大の字になって空を見上げた

 

 

ソール「自然と生きてるんだなって感じるんです」

 

 

 

シェリー「...........素敵な方なんですね。中々、そのような考えを持つ方はいませんので」

 

 

 

ソール「そうですか?きっと皆、この立派な桜を見たら綺麗だな、とかまた見たいなっていう風に穏やかな気持ちになると思うんですけど」

 

 

 

シェリー「........ソール様はお優しい方ですから。よろしければ、このブルー村の歴史についてお話してもよろしいですか?」

 

 

 

ソール「歴史ですか。はい、知りたいです」

 

 

 

シェリー「よかった。それでは少しお隣に失礼します」

 

 

シェリーさんはソールの隣に座り込んだ。ソールも起き上がって座った姿勢でシェリーさんと並んだ

 

 

シェリー「まずは村の始まりからですね。このブルー村は約200年ほど前.....この桜がまだ若木だった頃、人間達が集まって大切に若木を育てながら生まれた村なんです」

 

 

 

ソール「え!?この桜、200年も前からあるんですか!?」

 

 

 

シェリー「うふふ、とても長生きですよね」

 

 

 

ソール「は、はい。自然の神秘を感じます」

 

 

 

シェリー「この村では、若木が桜の花を咲かせる度にお祭りをやっておりました。春の訪れを祝うお祭りです。皆でこの桜の木の周りでご飯を食べて、お話して、笑って踊って.......そんな幸せなお祭りです」

 

 

シェリーさんは目を閉じて優しく笑っている

 

 

ソール「........桜は、咲かせるまでが大変で、散るのも一瞬と聞きました」

 

 

 

シェリー「そうなんです。たくさんの力や栄養を貯めて、ために貯めてようやく花開いても、その花は長く持ってはくれないのです。それがまた人間達にはよかったみたいですけどね」

 

 

 

ソール「"儚い"という言葉があります。美しいものが終わりを迎える事を知って、その終わりを悲しむような刹那を楽しむような、そんな意味みたいですよ」

 

 

ソールは桜を見上げた

 

 

ソール「俺は、桜の美しさも散っていく儚さも、とてもとても素敵だと思います。俺も頑張って生きていこうと、そう思えるんです」

 

 

ソールは優しく笑ってシェリーさんを見た

 

 

シェリー「ソール様.....」

 

 

 




シェリー「わあ!こちらのお部屋はとてもキラキラしてて素敵ですね!」


サンディ「でしょー!どう?イケてるでしょ、可愛いでしょ!」


エイリーク「いらっしゃい、シェリーさん!ゆっくりしていって!」


シェリー「お邪魔します、エイリーク様、サンディ様。濃いピンクの中に緑や青や黄色、赤の様々な宝石とリボンの色のバランスがとても調和されてて素敵です!」


サンディ「うっそ、そこまでわかってくれんの!?チョーカンゲキなんですケド!」


エイリーク「凄い、サンディ!そこまで考えてたんだ!」


サンディ「えっへーん、どうよ?アタシってば結構こういうの得意なんだから!」


シェリー「ぜひ神木様にもお願いしたいくらいです!」


サンディ「あの木にも....?で、でも、桜ってのはああいうのがいいんじゃなかった?」


シェリー「そうですが、もしかしたら何か新しい見方があるかもしれません。神木様も綺麗になる事はきっと喜ばれると思います」


エイリーク「ちょっと面白そうじゃない?ここまで派手にはできないけどさ、少しならどう?」


サンディ「んー、まあ確かに。よーし、ちょっとアタシの本気、見せちゃおうかなー!」


エイリーク「うんうん、きっといい雰囲気になるって!私も手伝うよ!」


シェリー「私もお手伝いさせていただきます」


サンディ「よーし、それじゃあ桜の木のイメチェン、頑張るぞー」


三人「おー!」


その後、ソールとロードにめちゃくちゃ怒鳴られてやめさせられた

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