その後、広い空間を進んでいくと崖のような場所がいくつもあり、頭上には太く大きな蔦がいろんな場所に伸びている。地面には一部石の床がある
エイリーク「うわー、凄い。自然の迷路みたい」
サンディ「鬱蒼としててなんかテンションアガらないんですケド」
ロード「石の階段があるのはこの先だったはずだ」
ロードは石の地面を進んでいく
すると、その先に大きな石の階段があらわれた
しかし
ナイン「あれ....」
ロード「げ、マジかよ」
その階段は崩れて壊れてしまっていた。周りには崩れた際の瓦礫や破片が飛び散っている
ソール「壊れちゃってますね。確かにここより上にも何か階段のようなものが見えますが、崩れちゃってるので行けませんね」
ソールは上を見上げる。確かに上の山の頂上付近には階段がかかっている
ナイン「じゃあ、どうやって頂上に行けばいいの?」
ロード「めんどくせえが、このまま歩いて登るしかねえ」
サンディ「マジ?そんなんやってられないんですケド」
エイリーク「うーん、結構高そうだね。まあ頑張ろっか」
ナイン「どうやって登るの?」
ロード「あの崖の上に蔦が引っかかってるだろ?あれを掴んで、ゆっくり崖を登るんだ」
ソール「なるほど」
ロードは太い蔦を掴むと、崖の斜面に沿ってゆっくり歩いて登っていく。ほぼ真横の崖を登れるなんて凄いなー
エイリーク「大変そう、これ蔦ちぎれない?」
ロード「ゴリラ女ならちぎれるかもな」
エイリーク「うるっさいわね!そこまで力かけないから!」
エイリークはむすっとした顔でロードに続く。わりとスイスイと登っていけている
エイリーク「初めてだったけど意外と大丈夫!」
ロード「.....センスあるよな、エイリーク」
ソール「よし、次は俺が。よっ....え、ちょっ.....ぐぅ.....え!難しいですって!!」
ソールも蔦を掴んで歩こうとするが、体がグラグラと揺れたり足が震えたりしてほぼ進めていない
ロード「ソールは体がブレすぎなんだよ。もっと重心を深くして、自分の体を引き寄せる感じだ!」
ソール「いや、怖い怖い!!」
エイリーク「大丈夫だよ、ソール。ゆっくり落ち着いてー」
想像と違ったのか慌ててるソールを見てサンディが少し笑いそうになっている
サンディ「なんか、ソールがオロオロしてんのって少し珍しいわね。ちょっとウケるんですケド」
ナイン「でも難しそう、僕も出来ないかも」
サンディ「ナインもああなりそうよね。そしたらアタシ笑ってあげる」
ナイン「えー、助けてよー」
ソール「うぅ....ふぅ、ふん!ぐ、ダメだ!」
なんとかゆっくり登れてはいるが、ソールは顔を赤くして息を切らしている
ロード「エイリーク、俺がヘルプしてくる。ちょっとこの辺警戒しておいてくれ」
エイリーク「はーい」
ソールの様子を見てロードがスルスルと降りてきた
ロード「よっと、まあ初めてだとキツイよな。慣れだ、慣れ。ソールならコツ掴めばすぐだろうよ」
ソール「うぅぅ....すいません」
ロードはソールを片手で担ぐと、そのまままた登っていく
ナイン「おー、ロード凄い。二人分あるのに」
ソール「確かに。ロードさん、凄いですね。俺、重くないです?」
ロード「いや普通に重いが?ただ、いけなくもねえ」
ソール「俺、ロードさんより大きいのに」
ロード「あ?このまま下に叩き落とされたい?そうか、ならそうしてやろう。いい悲鳴が聞けそうだ」
ロードが怖い顔でソールを掴んだまま、こちらに投げようと振りかぶろうとしている
ソール「あーー!!!!ごめんなさい、ごめんなさい!!ロードさん、凄いかっこいいです!!イケメン!!頼りになる!!だからやめてください!!」
ソールが泣きそうな顔でロードにしがみついた
ロード「次はねえ」
ソール「はい、肝に銘じます.....」
ナイン「仲良しだねー」
サンディ「あれはタブンそういうのじゃなさそうですケド」
ソールがロードに担がれて上に到達した
ナイン「最後は僕だねー、できるかな。よっと!」
僕も皆と同じく蔦に掴まる
ナイン「うわ!確かにこれ、難しいかも」
なんとか崖に足をつけたはいいものの、いざ登ろうとするとグラグラと揺れて安定しない
サンディ「頑張んなさいよー、ナイン」
ナイン「でも、多分できるかも。よっ!」
ゆっくりと一歩ずつ進んでいく。ロードやエイリークほど早くはないが、確実に進んでいけた
エイリーク「やるじゃん、ナイン!」
ロード「おー、流石だな」
ソール「わあ、ナインさんも凄い!出来なかったの俺だけだー....」
なんとか上に到達すると三人とも褒めてくれた。嬉しいな
ロード「うし、こんな感じでどんどん進んでいくぞ」
僕達の前には同じような蔦がある崖や細い木の橋のようなものがある
エイリーク「アスレチックみたい!楽しそう!」
ロード「めんどくせえだけだぜ、こんなん。とにかく気をつけろよ。落っこちたらしぬぞ」
ソール「こ、怖い事言わないでくださいよ!」
ナイン「でもこんな高いところから落ちたら無事ではないよねー」
サンディ「あの橋とか大勢で乗ったらマジで危ないんじゃない?」
その後、ゆっくりと山を登りながら進んでいった。広い洞窟や小さな足場しかない道など進みながら、道中いろんな魔物とも出会った
ソール「わ、でっかい岩だ」
エイリーク「え!顔あるんだけど!」
ナイン「本当だー、可愛いかも」
サンディ「流石にキモイでしょ」
ロード「ビッグモアイだな。押しつぶされねえようにな」
他にも
ゴトゴトゴト
サンディ「キャーーッ!!ちょっと!!なんかあそこの石動いてるんですケド!チョービビった!!」
突然サンディが叫び声をあげてエイリークの後ろに隠れた
サンディが指す先には石が重なってできた魔物がいた
ソール「あ、ゴーレムですね」
ナイン「んーとね、ストーンマンだって。何が違うんだろ」
ロード「使われてる石とか岩の違いらしいぜ。それによって頑丈さが変わるみたいだ」
エイリーク「私もゴーレムは固くてきらーい。風魔法使えたら楽だったんだけど」
サンディ「とにかく、あのヘンなのとっととやっつけちゃってよね」
そうして夕方ごろ、頂上付近にたどり着いた
ビタリ山 頂上付近
ソール「夕日が綺麗ですね」
白い雲と下に見下ろす緑の木々達の景色がオレンジに染まっている。所々には先程の影響か桜の花びらが落ちている
サンディ「こんな所にまでシェリーの桜の花びらがあるわね。まああの桜凄かったもんね」
ソール「はい、そうですよね。他の人にもきっと見えたんだろうな」
エイリーク「流石にそろそろ休もうよ。私ちょっと疲れちゃった」
ロード「そうだな。それに頂上も近い。ここらで休むとするか」
そのまま全員で野宿の準備をしてゆっくり体を休めた
次の日
石の町
エイリーク「なにここ.....」
頂上の階段を登っていくと、広がっていたのは地面、木、家、人、犬。そこにある全てが石の石像でできた灰色の世界だった
ソール「これ.....は....」
ロード「あのおっさん、何やってたんだよ」
ナイン「あれ、この村、見た事あるな」
サンディ「アタシも。ってゆーか、もしかしなくてもここってエラフィタ村じゃね?どゆこと?」
全員が周りを見渡しながらあまりの景色の異様さに言葉を失いかける。どこか見覚えのあるこの景色は間違いなくエラフィタ村そのものだった。見た事あるおばあちゃんやおじさん、家の位置や見覚えのある桜の木や花が全く同じだった
エイリーク「ここがエラフィタ村なんだ。でも、なんでこんな山に?なんで石像なの?なんでラボオさんはこれを?」
ロード「俺達も何もわからねえよ。おっさんを探さねえと」
ロードとエイリークは先に進んでいく
ソール「え、進むんですか?」
サンディ「流石にここキショくない?アタシもちょっとヤバそうなんですケド」
ソールは僕に、サンディがソールに少し隠れるようにくっつきながらロード達に声をかける
エイリーク「まあ私もちょっと怖いけどね」
ロード「立ち止まってても仕方ねえだろ、とっととラボオのおっさん見つけた方がはええ。ビビってないでとっととこい」
エイリークは苦笑いを、ロードは少し呆れたような顔でこちらを見ながら進んでいく
ナイン「ほら、二人とも。僕と一緒にいこ」
僕はソールとサンディの手を掴んだ
ソール「ありがとうございます、ナインさん」
サンディ「離さないでよね、ナイン。離したらマジでおこだからね!」
ナイン「はーい」
全員で奥地に進んでいった
エイリーク「じゃーん!今夜は残ってた山菜を味と食感変えて作り直してみたよ!」
ソール「おー、なんか美味しそう」
ナイン「う、また山菜か...」
サンディ「子どもねー、これくらい食べれるようになりなよ、ナイン」
ロード「お!こっちもうめえな!ピリッとした味は俺好みだ」
エイリーク「そうなんだ、覚えておくね。山椒とかで味付けてみたの。苦味も打ち消せてると思うから、これならナインも食べやすいと思って!」
ソール「へー、こんな風にもなるんだ。凄い、エイリークさん流石です」
ナイン「エイリークの料理は信頼してるから、それなら......。ん!苦くない!美味しいよ!」
エイリーク「でしょでしょ!このたれ作るの頑張ったんだ!よかったー」
サンディ「アタシもこれ好き!」
ロード「やっぱ冒険には美味い飯が不可欠だよなー。やる気も湧いてくるってもんだぜ」
エイリーク「ねー!美味しい物食べれば、明日もきっと皆でいい事目指して頑張れるよね!」
ソール「そうですね。エイリークさんがいてくれてよかったです」
サンディ「ナイン、あんたって中々人を見る目あるわよね。こうしてチョーサイコーなメンバー集まれたワケだし」
ナイン「偶然だと思うなー、事情とかいろいろあったし」
ロード「まあな。偶然か運命かわからねえが、巡り合わせには感謝しねえとな」