ドラゴンクエストIX 地上で輝く星空に   作:サムハル

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48.石の番人

 

石の町

 

全員で奥に進んでいくと、どの家も彫刻だから入れなかったが一つだけ扉が開いており入れる家があった

 

 

サンディ「この家は入れるのね」

 

 

 

ソール「確かこの家って....」

 

 

 

ロード「ああ、ソナばあに童歌を教えてもらった家だな」

 

 

 

ナイン「そうだったねー。レオコーンさん元気かな」

 

 

 

ソール「きっと幸せに暮らしてますよ。でも、なんでここだけ?」

 

 

 

エイリーク「あれ、中になにかいるよ」

 

 

エイリークが中を覗くと、視界の端に何か動いたのが見えた

 

 

ロード「こんな所に?」

 

 

 

エイリーク「こんにちは」

 

 

エイリークが中にいる何かに話しかけている。全員で中に入ってみると

 

 

スライム「ぷるぷる.....君達、だあれ?どうしてここへ来たの?」

 

 

そこにいたのはスライムだった。敵意はなさそうである

 

 

エイリーク「私達、ここにラボオさんって方がいるって聞いてやってきたの」

 

 

 

ロード「ラボオのおっさん知らねえか?」

 

 

 

スライム「おじいさんの知り合いなの?」

 

 

 

ソール「知り合いって訳ではないですけどね。あと、よかったらこの彫刻の町についても何か知りませんか?」

 

 

 

スライム「んーとね、この石の町はラボオじいさんが作ったんだよ。ラボオじいさんはずっとここで一人で彫刻をほってたんだ。何年も何十年もかけてこの町を完成させて、ラボオじいさんはしんじゃった」

 

 

スライムは最後を少し悲しそうに言った。もしかしてこのスライムは、ずっとラボオさんと一緒にいたのかな

 

 

ナイン「しんじゃったのか。じゃあ、もういないのか」

 

 

 

エイリーク「ねえねえ、黄金の果実とか持ってなかった?ラボオさん」

 

 

 

スライム「うん。ラボオじいさんは、最期に綺麗な果実を食べたんだよ。たった一度の贅沢ってラボオじいさんはその時に言ってた。この町は自分の全て、だからどうやったらいつまでも残せるだろうかって。でも、それから」

 

 

スライムがそう言った時

 

 

ドオォォン!

 

 

全員「!?」

 

 

近くで聞こえた大きな地響きのような音に全員で驚いた

 

 

スライム「ひゃあ!来た!あれからなんだか怖い音が外から聞こえるんだ!」

 

 

スライムは大慌てで家の隅に逃げていった。ぷるぷるの体をぷるぷる震わせている

 

 

スライム「君達はここに来ちゃいけなかったんだよ」

 

 

 

ロード「とりあえず外に出てみるぞ。何の気配も感じないんだが」

 

 

 

全員「うん!」

 

 

外に出ると

 

 

全員「!」

 

 

 

サンディ「わ!デカ!」

 

 

家の前に大きな石でできた鳥のような化け物が立っていた。村の真ん中にある大きな桜の木と同じくらい大きい

 

 

???「だれだ.....」

 

 

目が光って僕達を見た

 

 

エイリーク「怖いんだけど、なにあれ!」

 

 

 

ロード「魔物でない姿!こりゃあまた化け物生み出しやがったな!」

 

 

 

???「ラボオ、ではない。ならばお前達は....!我は番人。この地を荒らすお前達を許しはせぬ!」

 

 

 

ソール「お、俺達は別に荒らしたわけじゃ!」

 

 

 

ナイン「ソール、どうやら聞いてくれないみたい」

 

 

 

サンディ「頑張んなさい、あんた達!」

 

 

 

ソール「うう、俺もちょっと不気味で怖いけど、やるしかないなら!」

 

 

全員で武器を構えた

 

 

番人「うおおぉぉ!」

 

 

番人はドスドスと音をたててこちらにやってくる

 

 

ロード「氷結拳!」

 

 

ロードが素早く走り込んで跳びあがる、拳に纏った氷が思いっきり翼に当たる

 

 

パキィン!

 

 

ロード「いっ....かってえな!!」

 

 

翼が凍るが、番人は気にした様子もない。見た目通り硬かったようで、ロードは手を振っている

 

 

ソール「石、ですもんね。火炎突き!」

 

 

ガキン!

 

 

ソールの炎を纏った槍も石の体には通用せず跳ね返されている

 

 

番人「スクルト!」

 

 

番人は自身の体に緑の魔法陣を描くと、更に皮膚が固くなっていく

 

 

ナイン「うわ、更に守備力あげてきた!」

 

 

 

エイリーク「どうしよう!ソール、風魔法使えない!?」

 

 

 

ソール「そう言われましても....!」

 

 

 

番人「マジックバリア!」

 

 

話している間に番人は更に緑の魔法陣を体に描くと、不思議なバリアのようなものが浮かび上がる

 

 

ソール「わ!マジックバリアまで!」

 

 

 

ロード「おいおい、要塞にでもなるつもりかよ!魔法も効きにくくなったぞ!」

 

 

 

ナイン「攻撃するしかないかもね!はあ!」

 

 

僕はそのまま番人に切りかかる

 

 

ガキン!

 

 

ナイン「くっ!固い.....はやぶさ斬り!」

 

 

ガキンガキン!

 

 

連続で攻撃してもただ弾かれるだけだった

 

 

エイリーク「剣じゃ弾かれちゃうなら!」

 

 

エイリークは剣をしまって拳に風を纏って殴りかかる

 

 

エイリーク「ロードの真似!烈風拳!」

 

 

ガァン!!

 

 

エイリーク「いっ....たーい!硬すぎるんだけど!!」

 

 

エイリークの力でも番人が後ろに後ずさりした程度で、大きなダメージにはなっていない

 

 

ソール「一番ダメージ入ってはいそうですが、これじゃあ.....」

 

 

 

ロード「どんなに硬くても、石である以上どこかに痛点がある。そこを攻撃すればダメージになるはずだ!」

 

 

ロードが番人に向かっていくと

 

 

番人「うおおお!!」

 

 

ドスンドスン!!

 

 

グラグラグラ

 

 

全員「!?」

 

 

番人が思いっきり地面を踏み鳴らし、重さでグラグラと揺れていく

 

 

ロード「うお!」

 

 

 

ソール「ロードさん!」

 

 

思わずロードが転んでしまい、咄嗟にソールが走ってロードの体を掴んだ

 

 

ソール「大丈夫ですか」

 

 

 

ロード「サンキュー、ソール」

 

 

 

番人「はあ!!」

 

 

番人が二人目掛けて魔法陣を放つ

 

 

魔法陣がソール達の足下に出た瞬間

 

 

グサッ!!

 

 

ソール「がっ....」

 

 

 

ロード「いっ....」

 

 

地面が巨大な針の形になり、ソールとロードを突き刺した。針は二人の鎧を突き破り、腹に大きな穴を開けた

 

 

思わず二人は倒れ込んだ

 

 

エイリーク「キャーッ!ソール、ロード!!」

 

 

 

ナイン「何今の!何した、番人!!」

 

 

思わず声を荒げて番人を睨む。それと同時にまた頭の中に甲高い音が鳴り響いた

 

 

キィィン

 

 

ナイン「(この感じは....最近の)」

 

 

僕の意識が途切れた

 

 

バチバチバチ!

 

 

サンディ「ちょちょちょちょ!アタシもいるのにヤバいって!」

 

 

 

エイリーク「え、ナイン?」

 

 

ナインがいきなり全身に雷を纏ったような姿になった。髪は逆立ち、周囲にはバチバチと雷が弾けている

 

 

ナイン?「俺の仲間に手を出すなよ!」

 

 

 

サンディ「またあの姿になっちゃったし!どーすんの!?」

 

 

 

エイリーク「ナイン!!大丈夫なの!?」

 

 

エイリークは思わずナインに近寄って心配そうにナインを見る

 

 

ナイン?「......」

 

 

 

エイリーク「......本当にナインなの?」

 

 

ナイン?は一瞬睨むようにエイリークを見た。しかし、エイリークを見るとふっと優しく笑った

 

 

ナイン?「ありがとう」

 

 

ナイン?はエイリークの頭を優しくポンポンと叩いた

 

 

エイリーク「え.....う、うん。なんか、いつもの声と違うね?」

 

 

エイリークはふと、いつものナインより低い声なのに気づいた

 

 

ナイン?「まずは愚か者を消さないとな」

 

 

 

番人「うおおお!!」

 

 

番人にナイン?は向かっていく

 

 

ナイン?「ジゴストライク!」

 

 

ナインの持つ剣から黒い雷が槍のように番人に向かっていく

 

 

バチバチバチ!!

 

 

番人「グガガガガ!!」

 

 

ピシピシッ!!

 

 

黒い雷が番人を貫く。番人は痺れたような声を出すと同時に石の体にヒビが入る

 

 

エイリーク「凄い....。ナイン、その技強そう!なんなの、それ!」

 

 

 

サンディ「でもなんか見た目怖いんですケド。ちょっとヤバくね?」

 

 

 

ナイン?「くっ....」

 

 

ナイン?は突然苦しそうに膝をついた

 

 

エイリーク「あ、ナイン!!大丈夫?どうしたの!」

 

 

エイリークは駆け寄った

 

 

ナイン?「ぐっ、体が持たないか。ここまでのようだ。すまない、ナイン」

 

 

 

エイリーク「え?」

 

 

ナイン?はそう言って目を閉じると纏っていた雷や雰囲気が元通りになった

 

 

エイリーク「どういう事ー?」

 

 

 

サンディ「アタシもマジでワケわかんないんですケド。でも、今ってチャンスじゃね?」

 

 

 

エイリーク「あ、確かに!」

 

 

 

番人「ぐ....が....」

 

 

番人は崩れそうな体をなんとか支えながらフラフラしている

 

 

エイリーク「ソールとロードは....」

 

 

エイリークがチラリと二人を見ると苦しそうな顔をしながら必死にソールの回復魔法で回復していた

 

 

エイリーク「私がやるしかないよね。よし!サンディ、ナインお願いね!」

 

 

エイリークは剣を持って番人に向かっていく

 

 

サンディ「任して!」

 

 

 

エイリーク「やああ!!」

 

 

エイリークは剣を持って飛びかかる

 

 

ガキン!!

 

 

番人「がああ!!」

 

 

剣は弾かれて番人に傷がついた様子はない。むしろ、怒った様子でエイリークを睨んでいる

 

 

エイリーク「私の大切な仲間達に手を出さないで!」

 

 

エイリークは剣に風を纏わせた

 

 

エイリーク「暴風旋撃!」

 

 

エイリークはその場で勢いよく回ると、剣に纏った風をどんどん増やしていき、大きな竜巻となる。その竜巻を番人に放った

 

 

ビュオオオ!!

 

 

大きな竜巻は番人を包むと、番人を高く浮き上がらせる。そのまま番人の体にどんどんヒビが入っていく

 

 

番人「お.....おお.....」

 

 

番人は竜巻と共に煙となって消えていった

 

 

エイリーク「やった!倒せたわ!!」

 

 

 

サンディ「やるじゃん、エイリーク!ってゆーか、結局何だったワケ?チョービビったんですケド」

 

 

 

エイリーク「ナイン、ソール、ロード、大丈夫!?」

 

 

エイリークが振り返ると

 

 

エイリーク「キャッ、え、なに、そこのおじさん」

 

 

 

サンディ「おじさん?」

 

 

サンディも振り返ると、家の脇におじさんの霊が立っていた。おじさんはそのまま近くにある階段に進んでいった

 

 

サンディ「エイリーク、今のおじさんってもしかして」

 

 

 

エイリーク「ラボオさんなのかな。とりあえず、三人をおこさないと」

 

 

少しして

 

 

ソール「すいません、エイリークさん。不甲斐ないばかりに」

 

 

 

エイリーク「ううん、全然!傷は大丈夫なの?」

 

 

 

ロード「一応塞がったが、無理するとやべえかもな。この後は休ませてもらうぜ。あと、ナインがまたあの姿になっちまったんだよな」

 

 

 

ナイン「そうみたいだね。なんか、僕もどことなく疲れたかも」

 

 

 

エイリーク「また数日休まないとだね。とりあえず、この先にラボオさんだと思う人が進んでいったんだよね」

 

 

 

サンディ「いってみよ」

 

 

 

 

 




ソール「うーん...」


ロード「なに石像見て唸ってんだよ」


ソール「いえ、こういうのが芸術っていうんだろうなって。でもどう評価していいのかわからなくて」


ロード「まあ芸術ではあるだろうな。ラボオのおっさんの作品は評価されてるみてえだから、芸術家だかにこの町を見せたら大騒ぎするんだろうが、俺達にはさっぱりだな」


ソール「ラボオさんは何を思ってこの町を.....。それに、どこかエラフィタ村にしては古いですよね。俺達が見たエラフィタ村より人が若いような?」


ロード「俺が考えてんのはふもとの山小屋にあった日記について書かれてたラボオのおっさんのふるさとってのはエラフィタ村で、恋人がいたのもエラフィタ村なんじゃねえか?」


ソール「なるほど!それなら話が繋がります。流石ロードさんです」


ロード「記憶力なら任せろ。ただ.....知ってるやつがいなくなるのは少し悲しいな」


ソール「.....そう、ですもんね。尚更俺達がラボオさんの気持ちを聞いてあげましょう」


ロード「ああ、そうだな」

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