ドラクエIX 地上で輝く星空に   作:サムハル

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63.王女とアノン

 

グビアナ城 入口

 

 

お城の方にやってくると周囲には砂漠にしては綺麗な庭があり、噴水も飾られている。久しぶりに見た緑に少し安心感を覚える

 

 

「砂漠なのにお庭があるんだね。それも中々大きい」

 

 

「そうですね。やはり大国なだけあって砂漠にはこういう緑や水が多くある方が威厳とか裕福の象徴とかあるのかもしれませんね」

 

 

「だとしてもジマンされてるみたいでなんかイヤなんですケド」

 

 

サンディは暑いのかずっと不機嫌そうにしている。サンディに手招きすると、定位置と言わんばかりに僕の肩にやってきて座った

 

 

「ずっと飛んでるのも大変でしょ、特にこんな暑いとさ」

 

 

「そうなのよ。ありがと、ナイン。ちょっと足としてヨロシク」

 

 

「うん、休んでて」

 

 

庭を通って城門にやってくると一人兵士が立っていた

 

 

「なんかお城にやってきたのセントシュタイン以来だからソールとの出会いを思い出すね」

 

 

「あ、俺も思ってました。ちょうど俺が城の見張り仕事してた時にナインさんがこうやって来たんですもんね」

 

 

ソールとお互い顔を合わせて笑い合った

 

 

「へー、そうだったんだ」

 

 

「あの頃のソールを思い出すと今とはあまり想像できないですケドね。ヨワヨワしそうでアタシはナインの勧誘に反対だったんだから」

 

 

「うっ...手厳しいですね」

 

 

「ま、今となっちゃあの頃よりはマシだと思うわよ。これからも頑張んなさいよ、ソール」

 

 

「はい」

 

 

そんな風に話していると兵士さんも気づいてやってきた

 

 

「旅人ですか。お城に何のご用事で?」

 

 

「すいません。王女様に謁見の許可を貰いたいのですが」

 

 

「ユリシス王女様に?こんな事を言うのはあれだが、王女様はあなた達のようなただの旅人には興味がない。きっと追い返されるだけだと思うぞ」

 

 

「え、それは困るなー。あの、黄金の果実がお城にきたと聞いてやってきたんだ。それは危険なものだからお伝えして僕達が回収しておきたくて」

 

 

兵士さんの返答に僕は困った顔でお願いをする

 

 

「ああ、一昨日の商人が持ってきたやつか。そうか、王女様は大層あれを気に入っていたが危険なものか。それならば一度話をしておこう。だが、なにやら男が多いな。すまないがここはあまり男がおらず、女性が中心なのだ。警戒されない為にももしよければ女性のあなただけで同行願えますか?」

 

 

兵士さんはエイリークに手を向けている。男だと入れないなんて困ったなー

 

 

「私だけ?どうする?」

 

 

「別に城に入るくれえいいだろーがよ」

 

 

「そうなのだが念の為だ。それにこれは防犯も兼ねている。女性ばかりの場所に武器を持った男が何人も入って、もし暴れられればどうしようもできない。申し訳ないが理解してほしい」

 

 

兵士さんは少し困ったような仕草をしている。そう言われると確かにその通りだなと思った

 

 

「仕方ないよ、ロード。エイリーク、黄金の果実の事お願いしてもいい?」

 

 

エイリークにそう言いながら横に座っているサンディに目を合わせた。サンディも僕の言いたい事がわかったようで頷いた

 

 

「ヤバくなったら宿屋に伝えに行くから」

 

 

「ありがとう」

 

 

小声でサンディとやり取りした後、サンディはエイリークの肩に向かっていき座った

 

 

「わかった。ちょっと不安だけど頑張るね」

 

 

「それではついてきてください」

 

 

兵士さんはそのまま扉を開けて城に入っていった。エイリークはついて行きながらこちらに手を振った

 

 

「さて、どうしよっか」

 

 

「潜入するか?別にいくらでも入る手段はあるが」

 

 

「バレたら捕まるんでダメですよ。とりあえずサンディさんも向かいましたし、何かあれば連絡が来ると思うので俺達はここら辺にいましょうか」

 

 

「あ、じゃあ僕庭の方見てみたいかも」

 

 

「お庭ですか?まあいいとは思いますけど」

 

 

「そうだな。庭の方から入れそうなところ探してみようぜ」

 

 

「だからそれはしないってば」

 

 

僕達は庭の方に向かっていった

 

 

城内 大広間

 

 

私が城内に入ると水が廊下の両脇に流れており、とても涼しく金の装飾などもされておりとても豪華な雰囲気だった

 

 

「わー、すごーい」

 

 

「お城ですのでどこでも快適に過ごせるようこのようになっております」

 

 

周りを見渡しながら兵士さんについて行くとなにやら遠くから女性の声が聞こえてきた

 

 

「....ノン...ーん」

 

 

「なんか、誰か探してる?」

 

 

「ああ......。実は先程ユリシス王女様の大切なペット、アノンがいなくなってしまったのです。逃げた事などこれまでなかったので今城の者で探している真っ最中なのです」

 

 

「そうなんだ!大変だね、私も探すの手伝おうか?」

 

 

「いえいえ、大丈夫ですので。このまま玉座の方に案内させてもらいます」

 

 

「どんな子なの?」

 

 

「黄色いトカゲでして、紫のスカーフを付けております。人懐っこいので可愛がられていたのですが...」

 

 

「トカゲがペットなんだ。なんだか珍しいね」

 

 

軽く周りを見渡してみても特にそのような生き物も見当たらないなー

 

 

「はい。あ、階段はこちらになります」

 

 

「はーい」

 

 

とりあえず探すのはお城の人達に任せるのがよさそうだわ

 

 

玉座の間

 

 

玉座の場所にやってくるが、玉座は空で王女様は見当たらなかった

 

 

「あれ?王女様は?」

 

 

「む、この時間なのにいらっしゃらないとは....。大臣!」

 

 

兵士さんが近くでアノンを探し回る大臣さん?と呼ばれる男の人に声をかけた

 

 

「おや、どうされました?この方は?」

 

 

「こちらは旅人の方で一昨日商人が持ってきた黄金の果実について知っているようで、危険な物だとお教えしてくれたのです。その話を王女様にもお聞かせしてもらおうとお連れしたのです。王女様はどちらへ?まさか....」

 

 

「あの黄金の果実が!うーむ、困った......。それはそれとして、王女様は予想通り湯汲みに行かれてしまいました」

 

 

「またか......。すまない、旅人よ。ユリシス王女様はご存知かもしれないがワガママが多くてな、仕事もせずこうして湯汲みに行かれる事が多いのだ。暫し待ってもらってもいいか?」

 

 

兵士さんは申し訳なさそうにしながら私に頭を下げた

 

 

「うん、大丈夫だよ。気にしないで」

 

 

「そう言ってもらえると助かる。では私はこれで失礼する」

 

 

兵士さんは敬礼をした後そのまま降りていった

 

 

「どうする?サンディ」

 

 

「とりあえずその王女が来ない事には始まらないわよね。とりあえず少しブラブラしてましょ。ココ涼しくてサイコー」

 

 

「ねー、外とは全然違う」

 

 

ナインside

 

 

お庭には背の高い木や赤い花が咲いた植物などがあった

 

 

「綺麗なお庭だね」

 

 

「そうですね。それなりに彩りもありますね」

 

 

「んー......あそこはちょい厳しいな。それならやっぱりあのやり方で...」

 

 

僕とソールが純粋に庭を見ている中、ロードはずっと城の方の壁や上を見て何かブツブツ呟いている

 

 

「ロードさん、いい加減その考えやめましょうよ」

 

 

「いや、いつかの時のためにだな」

 

 

「どんな時だよ」

 

 

ガサ

 

 

ソールとロードがやり取りしてる時、ふと近くにあった茂みが動いた

 

 

「ん?」

 

 

風かなと思い見てみると

 

 

「ピィ」

 

 

茂みの中から紫のスカーフを付けた黄色いトカゲが飛び出してきた

 

 

「わ、トカゲだ」

 

 

僕に向かって飛びついたトカゲを難なくキャッチする

 

 

「ピィ...」

 

 

「なんでこんな所に?」

 

 

「あれ?ナインさん、なんですかそれ」

 

 

「あ?なんだそのトカゲ」

 

 

ソールとロードも僕の腕の中にいるトカゲに気がついた

 

 

「なんか今この茂みから飛び出してきたんだよ」

 

 

「へー、スカーフ付けてるし誰かのでしょうか」

 

 

「わざわざトカゲなんか飼う変わり者いるか?」

 

 

「聞いて回ってみようか」

 

 

「そうですね。誰か探してるかもしれません」

 

 

「なんかまためんどくさい気配がするぜ。本当にそういう事引き当てるよな、お前」

 

 

グビアナ城 入口

 

 

城の入口に戻ってくるとさっきの兵士さんが戻ってくるのを見つけた

 

 

「あ、ちょうどいいからさっきのあの兵士さんに聞いてみようよ」

 

 

「そうですね。すいません」

 

 

「む?先程の旅人か、どうした?お仲間の女性なら今ほど玉座の間に......アノン!?」

 

 

「わ」

 

 

兵士さんが僕の腕の中にいるトカゲに気づいた途端大きな声を出した。思わず僕もトカゲもビクッとした

 

 

「知ってんのか?このトカゲ。そこの庭で見つけたんだ」

 

 

「そうだったか、まさか外に逃げていたとは...。いやすまない、旅人よ。先程のお仲間にも話したのだが王女様のペットであるそちらのアノンが逃げ出してしまってな。それを探していたのだ。なにぶんこれまで逃げた事などなかったから大慌てでな。いや助かった」

 

 

「王女のペットだったのかよ!」

 

 

「うわ、本当に凄い事しましたね、ナインさん」

 

 

「へー、それならよかった。アノンっていうの?」

 

 

ソールとロードは驚いたような呆れたような声を出している。僕はアノンの頭を撫でると少し安心したように鳴いた

 

 

「たまたまとはいえ旅人に助けられるとはな。仕方ない、お前達も城の中に入っていいぞ。王女様に直接アノンを渡してやってくれ」

 

 

「え、いいの!ありがとう!」

 

 

「おー、なんかお城に入れるようになった」

 

 

「なんだ、潜入する必要なくなったじゃねえか」

 

 

「だからそんな事させませんってば」

 

 

「ただし!絶対に暴れたり問題を起こしたりしないと約束するのだぞ!特例だからな!いいな!」

 

 

「「はい!」」

 

 

「へいへい」

 

 

兵士さんのその言葉に僕とソールはしっかり返事をするも、ロードはやる気なさそうな返事をしていた

 

 

 




ロード「あっぢぃ......」


ナイン「いくら多少は涼しいとは言っても、今までいた場所に比べたら暑いよね」


ロード「全くだぜ。俺は暑いのが苦手なんだ、早いところ女神の果実回収してとっととこんな国からオサラバしようぜ」


ナイン「うん、ロードが見てわかるくらいぐったりしてるから僕達も急ぐね」


ロード「サンキュー、助かるぜ」


ナイン「でもさ」


ロード「あ?」


ナイン「いつもロードはかっこいいけど、こうやって普段とは違う姿見れて僕は嬉しいよ」


ロード「......恥ずかしいやつ」

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