その後、食事場
エイリークが作ったサンドイッチをジーラさんや大臣さん達と並んで食べていた
「美味しい!エイリーク、やっぱりあなたの作ったサンドイッチ美味しいわ!」
「本当!?えへへ、嬉しい!ありがとう、王女様!」
「さっき食べたやつと違う味がします!わざわざ味変えたんですか?」
ジーラさんも食べてびっくりしている
「そうなの。さっきのは私がやってるDAYBREAKっていう食堂の頃の味なんだけど、これはコックさんに教えてもらったグビアナのソースを改良してみたの。私も初めてだったから怖かったけど、味見したら美味しかった!」
確かに前のやつはさっぱりしてる味わいだったけど、今回のは濃厚なクリームのような味わいだ。こっちもサンドイッチと合うなー
「へー、うちのコックもいい所あるじゃない。エイリーク、あなたは今年のグルメフェス出るの?よかったらぜひ出てほしいのだけど」
「うん!昔にお父さんとお母さんが優勝したって聞いてるから私も出たいんだ!」
「凄い!過去の優勝者の娘さんだったんですね!」
ジーラさんが手を口に当てて驚いている
「ふふ、この腕前なら優勝してくれるわよね。私、応援するからね」
「あ!私も応援します!ぜひ食べに行きますね!」
「ジーラそれいいわね。私も行かせてもらうわ」
「わーい!そう言ってくれると嬉しい!今年はいつ開催するの?」
エイリークの問いに大臣さんが口を拭きながら答えた
「女王様次第なのです。女王様、ぜひ早めに準備と検討をよろしくお願いします」
「そうね。まだ何も考えてなかったけどエイリークのために頑張るわ。決まったらまた教えるから、ぜひグビアナに来てちょうだい」
「はい!」
「それと女王様、お礼もしっかりとお願いします」
「そうだったわね。サンドイッチですっかり忘れてたわ。ごほん。エイリーク、それとえっと......」
ユリシスさんがチラリとこちらを見た。そういえば自己紹介すらさせてもらえなかったもんな
「ナインといいます」
「俺はソールです。よろしくお願いします」
「ロードだ。そんな気にしなくていいぜ」
「ありがとう、ナイン、ソール、ロード、エイリーク。私を命懸けで助けに来てくださって。私はこれまで、自分の事を見てくれる人なんてもう誰もいないと思っていたわ。けれど、この件で思い知ったわ。アノンだけじゃない。ジーラやエイリーク、私の事を大事に思ってくれてる人がいるという事を......」
「女王様......」
「本当にありがとう。これからは皆と力を合わせて王女として国を盛り上げていきますわ。アノンやジーラ共々お待ちしておりますわ」
ユリシスさんは優しく笑った
「そんじゃあ礼なんだけどよ」
ロードがほんわかとしていた空気の中悪そうな顔で声を出した
「ちょっとロード、ゼッタイヘンなコト言わないでヨネ!」
「ええ、お金とかどう?」
「潤沢だから別にそこまでいらねえ。それよりも情報がほしい。今回の果実の情報や目撃情報とかなかったか?それかここら辺の情報とかよ」
思ってたよりしっかりした内容で少し安心した。ソールなんてホッと息をこぼしてるし
「そうね......。ジーラや大臣達は何かある?」
「結構前ですけど、黄色の流れ星みたいなのを見ましたね。ここより北の方に落ちたように見えました」
「この周辺の情報ですと、とある噂を聞きますな。なんでも幸せの国と。フェリシダという少し小さな国がここより南東にあるのですが、普通の国だったはずがなにやら旅人からは住民がいつも笑っていて踊っていると。踊りと幸せの国と呼ばれておりましたな」
「フェリシダが?あそこなんてつまらない国じゃなかったかしら」
「ええ、特に大きくめぼしいものもない普通の国だったはずです。何かあったのでしょうか」
ジーラさんと大臣さんから気になる話が出てきたな。黄色の流れ星もきっと女神の果実だろうし、フェリシダでの異変ももしかして女神の果実のせいなのかも
「ん、わかった。サンキュー」
「どうしますか?俺はフェリシダが怪しいのですが」
「僕もそう思う。フェリシダの方が近いしそっち行ってみようか」
「お気を付けてくださいませ」
グビアナ王国 噴水前
「次の目的地はフェリシダね。フツーの国がそんな急にお祭り騒ぎしてるとかちょっとアヤしすぎるんですケド」
「そうね。でも、なんだか楽しそうよね。笑顔で踊ってるなんてさ」
「あと俺、グビアナに来た目的がもう一つあってな。これだ」
ロードは自身のカバンから何かの地図を取り出した
「なんの地図ですか?これ」
「へへ、宝の地図だぜ。前に入手したんだけどグビアナ王国の近くっぽかったんだ。宝探しといこうぜ」
ロードの持つ地図を見ると、何もないような土地に大きく赤いバツが付いている
「え?これだけでグビアナ周辺ってわかるの?」
「ああ。こんだけ周りに何もないのは砂漠以外この世界の地図上存在しないからな。木の模様なりなんなり書いてあるのが普通だがそれもねえ。という事は荒れ果てた大地って事だぜ」
「ふーん、そのお宝ってなんなワケ?」
「眉唾もんだが、なんでも願いを叶えてくれるランプだとよ」
「うっわ、うさんくさすぎるんですケド。ホントーにそんなのアテにしていいワケ?」
サンディは嫌そうな顔をしているが、僕はとっても興味が湧いた。なんか凄そうだ
「そんなのあるの!?凄いね、僕見てみたいかも!」
「ほら、餌が釣れた」
ロードは得意げな顔をしてサンディを見た。ソールは苦笑いしている
「ナインさん......。まあ宝探しは俺やったことありませんし体験としていいかもしれませんね」
「たまには息抜きもしないとだもんね」
「そういう事。楽しみも必要だろ?ナイン」
「うん!じゃあランプ探しに行こう!」
砂漠
夕日のオレンジが砂漠の砂の色と合わさって全体がオレンジ色に染まったように見えてくる
「あっぢぃ......」
王国内でのいつものクールなロードはどこへやら。すっかり国に来る前のぐったりロードに戻ってしまった
「グビアナ王国で慣れちゃいましたけど、砂漠はこんだけ暑かったですね」
「そうよね。まあ昼とかより少しマシじゃない?」
「確かに。気持ちだけ風が涼しいかも」
昼間はカラッとした熱の風がどことなく夕方だからか爽やかな雰囲気を感じるような気がする。気のせいかもだけど
「どこがー。アタシもマジ無理なんですケド。早くその地図の場所かフェリシダって場所着かないワケ?」
「多分だけどよ、あそこに見えてんのがフェリシダだぜ」
ロードが指さす先にまだ遠いが小さく街のような建物が見えている。明かりもついているのがわかる
「あれですか。先にフェリシダに向かいましょうか」
「うん、そうしよう。フェリシダの近くなんだ?宝の地図の場所」
「この周辺ではねえみてえだからな。俺もフェリシダなんて行った事ねえや。暑くてとにかく退散してたからよ」
その時
「ウパパ、ウパパ」
オレンジに染まって反応が遅れたが近くにオレンジ色の体をして緑や黄色の武器を持つ魔物が集まっていた
「わあ、全然気づかなかった」
「この世界に馴染んでましたね。鳴き声で俺も気づきましたよ」
「ウパパロンだな。群れで行動するちょっとダルいやつらだ」
「へー、可愛い名前ね」
「ねー、見た目もなんか可愛い」
「って言って、あん時の猫みたいになるのはアタシゴメンだからね!」
サンディは地下水道でのベンガルクーンの事を思い出したのか少し僕とエイリークから距離を取った
「確かに。じゃあ私の魔法で!ヒャダルコ!」
エイリークは慣れた手つきで水色の魔法陣から氷の破片を出してぶつけていく
「ウパパー!」
何体か倒れるが、数体は武器で防いでこっちに走ってきた
「じゃあ残りは僕が。サンダーウェーブ!」
雷を纏った手を合わせて雷の波を作りだしてウパパロンに当てる。周りが砂だからすぐに吸収されて範囲が狭まるけど、直接当てればいいよね
「ウパ....パ」
武器や体が痺れて動けなくなって倒れた後煙となって消えた
「流石ですね。新技かっこいいです」
「もっと手短に倒せよな」
ソールは拍手して褒めてくれたが、ロードは少し不満そうにしていた
「別にいいでしょー。もうすぐ街にも着くんだし」
「俺は早く涼しいところに行きてえの。さっさと行くぞ」
「あはは、ロードからしたら砂漠なんて居たくないもんね」
サンディ「うさんくさいのは置いておくとして、宝探しってのはアタシも楽しみね。ワクワクするわ」
ソール「そうですね。これも冒険の一つですから。ロードさんは宝探しをメインとして冒険してたんですか?」
ロード「まあな。知っての通り俺は基本盗賊してたからよ。こういうお宝や盗みはお手のもんだ」
サンディ「盗みは一旦スルーしますケド、お宝って他にはどんなのがあるワケ?アタシが好きそうなのある?」
ロード「あー、そうだな。珍しい装備みてえなのもあれば、でけえ宝石、昔のコインや過去の遺物もあるな。呪われた物とか、な?」
ソール「うわ、聞いた事ありますよ。触ったら何が起こるかわからないってやつですね」
サンディ「ヤバー、そういうの見つけてもゼッタイこっちにやらないでよね」
ロード「お前らの反応面白そうだし、どうしようかなー」
サンディ「サイテー。ソール、ちゃんとこいつ見張っとくのよ」
ソール「まあまあ。危険なものだったらそもそもロードさんは近寄らないはずですし。ね?」
ロード「さー、どうだろうなー。ロマンを求めるのも好きだからな、俺」