オリジナル展開章のストーリーです。いくつか続きますが、ドラクエらしくビターな展開を考えたらそれなりに胸糞エンドになりました。苦手な方はお気をつけください
夜、フェリシダ
グビアナ砂漠の端の方にあり、海が見える国。常に国の人達が笑って過ごしており、毎日お祭りのように踊って賑やかに楽しく過ごしている。旅人にも好意的であり、旅人からは踊りと幸せの国と呼ばれている
「わ〜...」
国の外でも聞こえる祭囃子の音と賑やかさに僕は少し見渡した。国の真ん中にある大きな広場では国の人達が音楽に合わせていろんな踊りをしており、全員楽しそうに手拍子をしたり声を出したりしている。どこを見渡しても全員楽しそうに笑っている
「ほら、なんだかとっても楽しそうよ!」
「これは、お祭り騒ぎってのは本当だったんですね。華やかではないですけど、どこか温かい雰囲気もあります」
「へー、アタシ達もお祭りに混ざらない?なんかイロイロお店もあるみたいだし?」
「うん、いいかも。僕もこんなに皆楽しそうだと嬉しいな」
その雰囲気に全員で笑っていると
「まあ待てよ。お祭りなんてのはそう長くは続かねえもんだろ?それなのにあの大臣からの話だと、まるでずっとこうしてお祭りしてるみてえじゃねえか。踊りと幸せの国、だったか?そんな噂が出るくれえだ。このお祭り、いつまで続けてんだ?国のやつらもずっとお祭りなんてやってられねえだろ」
ロードは少し眉間に皺を寄せてそう言った
「まあそうとも考えられますか」
「えー、でも私も少しこの雰囲気楽しみたいよ」
「そうよ!ロード、この空気読みなさいヨネ!」
「へいへい、わるうござんした。とりあえず宿屋探してからだぞ」
宿屋
宿屋に入ると主人さんが一人で踊っている。外からの祭囃子に合わせているようだ
「いらっしゃ〜いませ〜!4名様、ですかな〜!」
声も音楽に合わせて話している。笑顔で楽しそうだな
「うん。二部屋あいてますか?」
「はい!喜んで!皆様〜、宿泊のお客様で〜す!パーティのご準備を〜〜!」
主人さんが声高らかに震わせながら言うと、あちこちからいろんな人が出てきた
いらっしゃいませ〜♪いらっしゃいませ〜♪いらっっしゃい、ま〜せ〜〜♪
「「「「え」」」」
よ〜う〜こ〜そ!私達、あなた様を〜、お待ちしておりました♪
いきなり大勢の人達が僕達を囲んで踊り出す。曲、なのかな。回ったりして全員同じ歌詞を歌っている
「ちょっ、なんかめちゃくちゃ歓迎されてるんですケド」
「えー、素敵!音楽の世界みたい!」
「わっ、お、俺まで!?」
ソールが手を取られて勢いで回されている
自慢の〜腕前を〜、お見せいたします♪
歌って!踊って!大切なひととき♪
ディナーも召し上がれ〜♪
ご覧ください♪最高の国♪それが!ここよ、フェリシダ〜♪
ソールだけでなく僕やエイリークまで手を取ったりして踊らされていく。少し無理やりではあるけれど、なんかこうやって皆で踊るのは楽しいな
曲が終わったのか、全員喜びながらはけていった
「それでは幸せの国フェリシダでの夢のひとときをお楽しみくださいませ」
主人さんも礼をして部屋の鍵を置いてスキップで去っていった
「なんか楽しかったねー」
「ねー!私この国好きかも!もっと踊りたいわ!」
「中々センスあるんじゃない?国中全員こうやって踊れるってコトよね。なんかよさそうなんですケド」
「びっくりしましたけど楽しそうで俺もついつい笑顔になっちゃいました」
四人でワイワイして今の踊りと歌の感想を言っていると腕を組んで気配を消して見ていたロードがムスッとした顔をした
「俺は絶対嫌だね。あんな恥ずかしい事やるかっての」
「ロードったら恥ずかしがり屋さんなんだからー!」
「そんなんじゃねえよ!とにかくとっとと部屋行くぞ。こんな訳わかんねえ国ごめんだね」
その後、ディナーも皆で賑やかに踊りながらメニューが出てきたり紹介されたりしてとても楽しくはしゃぎながら食べた。こんなに楽しく騒ぎながらご飯を食べたのは初めてかもしれない
次の日、広場
広場ではお店は片付けられたが今夜もやるのか骨組みなどはずっと残っており、その周りでも多くの人達が笑って踊って賑やかに作業している
「昨日からどこもかしこもうるせえったらありゃしねえ。とっとと宝探しすんぞー」
「ロードノリワルすぎなんですケド!こーんなサイコーな国、もっと楽しまなきゃソンだって!」
「今夜もまた踊れるかなー。私、昨日の振り付けちょっと覚えたよー。こんな感じだったよね」
エイリークは楽しそうにクルッと回って手もポーズを決めている
「うん、そんな感じだったね。見て覚えられるなんて凄いね、エイリーク」
「まあ楽しかったのはそうですね。でも、ロードさんの言う通り俺達の今の目的は宝探しなので、今日は昨日の続きで宝探しをしましょうか」
「そうだ、そうだ。このお気楽共にもっと言ってやれ、ソール。俺の言う事なんも聞きやしねえ」
その時
「キャッ!」
「あん?」
女の子が建物の角から曲がってきてロードの足にぶつかって転んでしまった
「いてて......あ、ごめ.....ヒッ、すいません!」
女の子はロードの顔を見た途端少し怯えた顔で頭を下げた
「こ、怖がんなよ。別に睨んだりしてねーだろ」
「ロードはコワモテだからねー、女の子からしたらコワイわよ」
「あんだと?ギャル妖精」
「大丈夫?」
「立てますか?」
僕とソールは女の子に近づいて、ソールが手を差し出した
「あ、ありがとうございます。突然でびっくりしました。ゴホ!ゴホ!ゴホッ!!」
女の子は激しくムセてしまった
「大変。どこか痛いの?」
エイリークもその様子に駆け寄った
「いえ、大丈夫です。買い物しないとなので、ゴホン!」
「熱は......なさそうね。無理しちゃダメよ」
「でも、私とお母さんのご飯がないから買わないと」
その言葉に僕とソールとエイリークは顔を見合せて頷いた
「私でよかったらお母さんのもご飯作るわよ。私ね、コックさんなの」
「僕達、旅人なんだ。このフェリシダには昨日来たばっかりなの。よかったら一緒にご飯食べない?」
「いいの?ありがとう!」
「......そういえば、この子はなんだか周りと比べて普通ですね。踊ってるわけでもずっと笑顔のわけでもないみたいです。あ、別に笑ってるのがおかしいわけではないんですけど」
「そういやそうだな。おい、ガキ。名前は?」
あ、ロードがサンディの首根っこ掴んで振り回してる。サンディの目が回ってるから許してあげて
「私、アンナっていいます。8歳です」
どこか顔色の悪い女の子はアンナちゃんというのか。まだ小さいのにお買い物して偉いな
「よかったらお家まで案内してくれる?」
「うん、こっちだよ。ゴホゴホ!」
咳き込みが多いな、ちょっと心配だ
アンナちゃんの家
少し国の裏通りに面した場所にある普通の家
「お母さん、ただいま!あのね、旅人さん達に会ったのー」
アンナちゃんが家に入っていき、僕達も続いて入っていく。中に入ると優しそうなアンナちゃんのお母さんがいた
「まあ。アンナがご迷惑おかけしませんでしたか?アンナ、この旅人さん達はどうしたの?」
「あのね、ご飯作ってくれるんだって」
お母さんは優しくアンナちゃんを撫でている
「まあ!わざわざよろしいのですか?」
「うん!それにアンナちゃん、体調悪そうだったから心配で。あ、私エイリーク!食堂でコックさんやってたんだ!だから料理は得意なの!」
「僕達旅人なんだ。僕はナインっていいます」
「俺はソールです。突然お邪魔してしまってこちらこそすいません」
「ロードだ。あんたもこの国の人達とは少し違うみてえだな。ガ....アンナと同じでずっと笑ったりはしてねえのな」
「ご丁寧にどうも。私はアンナの母、ナンシーといいます。そうですね。この国ではもう普通に過ごしてるのは私達だけだと思います」
ナンシーさんは座布団を敷きながら話してくれた。どこか顔は悲しそうだ
「数年前から突然国の人達全員がずっとあのように笑顔で踊るようになったのです。お祭りはもうずっと行われています。賑やかなので旅人さんや商人さんが来られるようになり、それで経営が回っている状態だと思います」
「数年前からずっと、これを?そんな事できるの?」
「いや、流石にありえませんよ」
僕の疑問にソールが首を振って答えてくれた。じゃあ、女神の果実かな
「でもナイン、女神の果実ってワリと最近でしょ?時系列的に女神の果実ではなさそうよ」
「じゃあ黄金の果実関係なくこんな異変が?どういう事?」
全員で少し考えるも答えは浮かばなかった
「まあとりあえずご飯よね。アンナちゃん、ナンシーさん何食べたい?」
「私ねー、あれがいい。シーフードのやつー」
「ああ、ごめんなさい。アンナが言ってるのはこの国の名物、パエリアなんです。作り方はご存知ですか?」
「パエリア....。知らない!私作ってみたい!」
エイリークがパチクリとした後嬉しそうに手を合わせた
「そうですか。簡単ですので私もお手伝いしますね」
「私もやるー」
「アンナはこのお兄さん達とお話してましょ。せっかく来てくれたのにそのまんまは寂しいわ」
「そっかー。ゴホン、ゴホン!お兄ちゃん達ー、私とお話しよー」
アンナちゃんは僕に馳けてきた。近くのロードではなく、僕なのはまだロードが怖いのかな
エイリーク「ご覧ください♪最高の国♪それが!ここよ、フェリシダ〜♪」
ナイン「わー、凄いね、エイリーク。踊るの慣れてるねー」
エイリーク「うふふ、そうでしょ?体を動かすのは好きだったからね。絵本なんかでお姫様が踊るのも好きでよく真似してたの」
ナイン「そうなんだ。僕はここの国の人達みたいには上手に踊れないなー」
エイリーク「リズムにあわせれば踊りになるから大丈夫よ。ステップとか難しいのは私もよくは知らないわ」
ナイン「楽しいのが一番って事かー。僕も昨日は楽しかったからなー」
エイリーク「ねー!夢みたいだったわ!今度皆とも踊りましょ!」
ナイン「あ、それいいね!楽しそう!」
エイリーク「今度はちゃんとロードにも踊らせるんだから!」