ドラゴンクエストIX 地上で輝く星空に   作:サムハル

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70.願いを叶えるランプ

 

その後、エイリークとナンシーさんがパエリアを作ってくれた。海鮮がたくさん入ったご飯で少しスパイスの効いた味が特徴的だ

 

 

「ん〜、美味し〜い!」

 

 

「エイリークさん、流石コックさんですね。手際がよかったです。私も近くで見ててとても楽しかったです」

 

 

「そうかなー?ありがとう、ナンシーさん!」

 

 

「うめえな、このパエリアってやつ。俺はこういうの好きだぜ」

 

 

「ロードさん、勢いよく食べるのはいいですけど床に落ちてますよ」

 

 

「後で拾うからほっとけ」

 

 

「昨日みたいな賑やかに食べるのもよかったけど、こういうのもやっぱりいいよね。温かいな」

 

 

昨日のような派手だったり賑やかさはないけれど、皆が笑ってご飯を食べる光景はいいよね

 

 

「そうですね。というか、昨日が特別なんですよ」

 

 

「うるさかったよな。集中できなかったぜ」

 

 

「ちょっとロード、ちゃんと見てたワケ?曲も踊りもよすぎてヤバかったでしょ。ワクワクしたわよ、アタシ」

 

 

「ゴホッゴホッ!!」

 

 

「あらあら。アンナ、そろそろ休まないとじゃない?今日はいつもよりはしゃいじゃったから」

 

 

「まだ......ゴホッ!平気だもん。ゴホッゴホッゴホッ」

 

 

アンナちゃんがまた激しく咳き込んだその時

 

 

「ゴホッ!!」

 

 

強い咳き込みと同時にアンナちゃんが口から血を吐いた

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

「ちょっ、アンナさん!?」

 

 

「キャッー!ソール、回復!」

 

 

「ガキ、大丈夫か!?」

 

 

全員で一気にアンナちゃんへ駆け寄った

 

 

「大丈夫です、ナインさん達。ご心配かけさせてすみません」

 

 

「これで、大丈夫なの?」

 

 

「そんなワケないって!この子やっぱりなんか病気なのよ!顔白いしさ!」

 

 

ナンシーさんはそのままゆっくりアンナちゃんを布団に横にした

 

 

「すいません。アンナは生まれてから重い心臓病を患ってまして。あまり体を動かせないのです」

 

 

「心臓病、ですか」

 

 

「そんな.....こんなに明るいいい子なのに」

 

 

「ゴホッ!心配、かけてごめんね、お兄ちゃん、お姉ちゃん。ゴホンゴホン!」

 

 

「ガキがそんな事気にすんな。ゆっくり休んでな」

 

 

ロードが優しくアンナちゃんのお腹をさすっている

 

 

「お兄ちゃん......ありがとね」

 

 

「アンナは......もう長くはないのです」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

ナンシーさんからのつらすぎる言葉に全員で黙り込んだ

 

 

「すみません、こんな関係ない話をしてしまって。アンナは私の大事な大事な娘なんです。母の私が、アンナが少しでも元気に長く楽しく生きてもらおうとしているんですけど......それも難しくて。アンナには......苦しい思いばっかりさせて......母親失格です」

 

 

ナンシーさんの目から涙がこぼれた

 

 

「.........ねえ、ロード」

 

 

「ん?」

 

 

「宝探しのランプって、なんでも願いを叶えてくれるんだよね?」

 

 

「お前......そんなん眉唾もんだって言っただろうが」

 

 

「でも!......このままなんてかわいそうだよ。少しでも可能性があるならさ、なんとかしてあげたいじゃん」

 

 

「「「......」」」

 

 

「ダメ、かな?」

 

 

全員が困ったような、でも悩んでるような顔をしている。難しい話だと思うし、本当に願いが叶うのかもわからないけど、僕はアンナちゃんとナンシーさんを助けてあげたいんだ

 

 

「ハァ......本当にあるかもわかんねえからな」

 

 

「えっと、何のお話でしょうか」

 

 

「あのですね、俺達宝の地図で宝探しをしようとしてたんです。そのお宝の内容が、なんでも願いを叶えるランプ」

 

 

「なんでも......?そんな、本当に?」

 

 

ナンシーさんも驚いたような、でもどこか不安な顔をした

 

 

「本当かどうかは私達にもまだわからないの。でも、どうかな。もしも本当にランプがあったら、アンナちゃんの心臓病、治せるかもしれないわ」

 

 

「......でも、それは皆様の物では」

 

 

「大丈夫。宝探しがしたいだけだから、ランプ自体がほしい訳じゃないんだ。ね?皆」

 

 

「「うん」」

 

 

「まあ、な」

 

 

「ああ......ありがとうございます!ありがとうございます!!皆様は神様です!どうか、どうかお譲りください!アンナを助けてください!!」

 

 

ナンシーさんは泣きながら土下座をして頼み込んでいる

 

 

「ナンシーさん、待ってて。きっと見つけてくるよ。でも、もしもなかったらごめんなさい」

 

 

「いいのです。僅かな希望が見えただけでも充分です。本当にありがとうございます」

 

 

僕は横になっているアンナちゃんの元に行く

 

 

「お兄ちゃん達、私のために?」

 

 

「うん、少しだけ頑張ってくるね。だからアンナちゃんももう少し頑張って。必ず楽になるから」

 

 

「うん。ありがとう、お兄ちゃんは天使様みたいだね」

 

 

「!?」

 

 

天使様という言葉に少しだけビクッとする

 

 

「ふふ、そうかもね」

 

 

広場

 

 

「ま、宝探しがなんか重要になったがまあいいさ。準備していくぞー」

 

 

「うん」

 

 

「にしても......いろいろ施設がありますね。それなりに栄えてて凄いです」

 

 

その時

 

 

夢の街の♪短い一日♪

 

 

夢で溢れてる♪

 

 

周りの人達が続々と歌って踊り出した

 

 

「わ、またなんか始まった」

 

 

「私も私も!踊ろう!」

 

 

「アタシも今度はやるわよー!」

 

 

この街の♪どこをみても♪

 

 

あなたが〜訪れたいと思う♪魅力的な〜場所がある♪

 

 

1日が〜終わる前に♪

 

 

周りの人達に合わせて僕達も踊っていく。ソールや僕はまだ少し恥ずかしいけど、エイリークとサンディはノリノリだ

 

 

「ドレスサロン!」

 

 

「図書館!」

 

 

「「素敵ね〜♪」」

 

 

「レストラン!」

 

 

「博物館!」

 

 

「「なんでもある〜♪」」

 

 

全員で息を合わせて歌っていく

 

 

ここは!夢の国さ〜♪

 

 

楽しんで!わずかな時間〜♪

 

 

人生のほんの少しだけ〜夢を見よう〜♪

 

 

皆で仲良く歌って踊っているのを気配を殺したロードが腕を組んでムスッとして見ていた

 

 

「ったく、あいつらあんなにはしゃぎやがって。それどころじゃねえんだってのに......。あん?」

 

 

ロードは足下に何か埋まっているのを見つけた

 

 

「これは、石版か?昔の看板みてえだな。なになに......フェリシダ・ロカ。ふーん、昔は国の名前違ったのか。まあどうでもいいけどよ」

 

 

ロードは石版を元に戻した

 

 

「とりあえず馬鹿どもは放っておいて俺だけでも準備するか」

 

 

その後

 

 

「ありがとう、ロード!踊るの楽しくてさ」

 

 

「ったく!ソール、てめえまではしゃいでなにやってんだよ」

 

 

「すいません、ロードさん。皆さん楽しそうだから抜け出せなくて」

 

 

「全部準備させちゃってごめんね。さ、宝探しに行こっか」

 

 

ロードが準備し終わって声をかけてくれるまで4人で歌って踊っていた。ついつい楽しいと時間を忘れてしまうね

 

 

Esta es una♪tierra de felicidad♪

 

 

Una tierra donde se comparten♪Esta es una tierra de felicidad♪

 

 

Felicidad♪Felicidad♪Felicidad♪

 

 

そんな僕達を応援するように街の人達が明るく何かの歌を笑顔で歌っている。よくわからないけど楽しそうだし励ましてくれてる感じだな

 

 

その音楽を背中にフェリシダを出た

 

 

砂漠

 

 

「よし、ここら辺だろうな」

 

 

砂漠の近くでロードが立ち止まって足下を探し始めた

 

 

「何もないよ?」

 

 

「こんな所にランプが埋まってるってワケ?」

 

 

「場合によるな。ダンジョンみてえな場所もあれば、隠れた入口がある場合もあるし、はたまたこうやって砂の中に埋もれてる場合だってあるんだ。見た目は変わらねえからダンジョンではねえみてえだし、砂漠だから埋もれてんだろうな。ほら」

 

 

ロードが砂を掘り起こすと、穴が出てきた。どんどん周りを掘り起こすと、それなりに大きな穴が広がっていた

 

 

「ここが入口なんですね」

 

 

「よし、アンナちゃんのためにも頑張ってランプ見つけないとね」

 

 

「眉唾もんだからな。偽物だったとしても残念がるなよ」

 

 

黄金の空間

 

 

穴に入っていくと、中は広いピカピカの黄金に包まれていた

 

 

「うわー、凄い。天の箱舟みたい」

 

 

「アレよりヒドいんですケド!金一色だけとか信じられないんですケド!マジでセンスのカケラもナイんですケド!」

 

 

「これはちょっと目には優しくないですね、眩しいな」

 

 

「うげー、これならまだサンディの部屋の方がマシだと思えるぜ」

 

 

「ちょっとロード、それどういうイミ?」

 

 

全員で目をしぼめながら周りを見渡す。砂と共に金の空間があり、奥に金のランプが祭壇のような場所に置かれている

 

 

「あれだ!!」

 

 

「マジか、本当にあるのか」

 

 

エイリークがランプを持った

 

 

「これ、本当になんでも願いを叶えてくれるのかな」

 

 

「そこまでは試してみねえとわかんねえな。まあここで使うわけにはいかねえな。あのガキの母親に使ってもらおうぜ」

 

 

「そうですね。早く持っていって安心させてあげましょう」

 

 

「よーし、とっととフェリシダに戻ろー、ナイン」

 

 

「うん。いくよ、皆。ルーラ!」

 

 

穴の下から移動呪文でフェリシダへと飛んでいく

 

 

フェリシダ

 

 

アンナちゃん家族の家

 

 

「これが......本当に、そのランプ」

 

 

ナンシーさんが驚いたような、どこかすがるような顔でランプを持って眺めている

 

 

「本当に願いが叶うのかはわからねえ。でも、本当にランプはあった。試すだけ試す価値はあると思うぜ」

 

 

「これでアンナちゃんの病気が治るといいね!」

 

 

「皆様、本当にありがとうございます......本当にありがとうございます」

 

 

ナンシーさんが涙ぐみながら頭を下げて何度もお礼を言う

 

 

「じゃあ俺達はこれで。また明日様子を見に来ます。明日を楽しみにしてますね」

 

 

ソールのその言葉と共に僕達は宿へと戻った

 

 

宿

 

 

「なんか宝探しってあっさりしてたねー。わりとすぐに見つかったし」

 

 

「そうですね。難しいと聞いてたんですが」

 

 

「俺もなーんか引っかかるんだよな。まあこういうパターンもなくはないんだろうが、普通は入り組んだダンジョンに大量の罠、魔物がいたりするもんだがそれもねえし、祭壇みてえなのはよくあるがあんなに金ピカなのもちょっとわかんねえんだよな」

 

 

「砂漠だったんだし、ダンジョンとかも砂に埋もれちゃったのかしら」

 

 

「んー、まあそれはありそうだな」

 

 

「とりあえず今日はもう休んで、明日アンナちゃんが元気になったかどうか見に行こう。それが終わったら今度は黄色い流れ星が見えたっていう北の方に向かおうか」

 

 

 




サンディ「なにあのチョー趣味ワルイ部屋!マジでありえないんですケド!」


ソール「俺も思い出すだけで目がチカチカしますよ。中々キツかったです」


サンディ「ホントよね!金はワルくないですケド、あそこまで主張はげしいとかマジムリ」


ソール「サンディさんはピンクが好きですけど、他の色もしっかり使いますもんね」


サンディ「そうそう。ピンクだけだと流石にセンスないからね、他の色もちゃんと使ってバランスとか考えてるワケよ」


ソール「流石です。サンディさん、選ぶ服のセンスも素敵ですもんね。今度俺の服も選んでみてもらえませんか?赤が好きなんです、俺」


サンディ「もちろんいいわよ!アタシに任せておきなさい!」

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