BlueArchive ZERO   作:skyfish_0

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エピソード4 受け継がれる意思

黒煙があたりに舞っている。眼前には頭部を複数回撃たれ、身体を無惨に斬り刻まれている友人の亡骸。

 

ナグサ「───私の所為で……私がッ!!皆を殺したんだ……。」

 

アヤメに意思を託されたというのに、私は逃げる事しかできなかった。

 

私に期待してくれている皆に失望されたくなかったから。

 

私が逃げた所為で、弱い所為で、馬鹿な所為で、大切な人を全て失った。

 

残酷な現実を直視する事は出来なかった弱い私は、自決を図った。

 

その時だった。懐かしい声が聞こえると共に視界が暗黒に包まれた。

 

気づけば見覚えの無い建物の中にいた。ここは地獄だろうか。目の前に人が立っているのに気づく。

 

そこにいたのは、アヤメだった。

 

ナグサ「アヤ…メ……?」

 

私は即座に彼女から顔を背けた。私はアヤメが目の前で窮地に陥っているというのに、何もできなかった。彼女に託された使命も全うできず、使命から逃避していたのだから、合わせる顔がない。

 

両頬を掴まれ、無理やり顔を合わされる。

 

アヤメ「ナグサちゃん、現実から目を背けては駄目だよ。」

 

ナグサ「……っ」

 

アヤメ「確かに貴方は部長の座を自ら拒否し、皆を導けず、大切な人も失ってしまった。」

 

アヤメ「でも、貴方にはまだすべき事が残っているでしょう?」

 

ナグサ「アヤメ……私には無理だよ…私はアヤメの様に強くも賢くもない。此度は大切な人の窮地に手を差し伸べる事すらできなかった……それに私は…」

 

???「其方の友に救われた命を無駄にする気かの?」

 

途中で発言を遮られ白髪の女性に質問をされる。

 

ナグサ「…貴方は…?」

 

???「嗚呼、其方と会うのは初めてか。妾は百鬼夜行の予言者、クズノハ。」

 

クズノハ「其処で起きた惨事から目を背ける気かの。其方の友を見殺しにした時と同じ様に。」

 

ナグサ「……!!」

 

クズノハ「もう一度問おう、其方は亦、逃避するのか?」

 

私は、本当の自分が露呈することを恐れ、周りを騙し、自分自身を騙る事しかできない臆病者だった。そして、眼前の恐怖から背を向ける事しかできなかった弱者だ。

 

───けれど、もうアヤメの意思を無碍にはしたくない。

 

アヤメ「今度は、ナグサちゃんが他の誰かを助けてあげて。信じているよ。ナグサちゃん───。」

 

ナグサ「待って!アヤメっ!」

 

視界が光に包まれ、目覚めると、黒煙と憎悪が舞う浮世に戻っていた。

 

アヤメに救われた命、託された意思は決して無駄にはしない。

 

私はただ、目に映るカイザー兵を殺し続け、夜が明けた頃には、カイザー兵は撤退していた。

 

 

 

後日、私は自治区内にカイザーの残党がいないか巡視しながら、クズノハの言葉を思い出す。

 

────其方の身体は不治の病に侵されている。もう半月も持たないじゃろう。その身体で敵との交戦は無理じゃろう。そこで一つ、助言をしてやろう。

 

 

 

桜の木の側に、手負の女の子がいるのに気付く。

 

 

 

────其方は近い未来、一人の人間と邂逅するじゃろう。其奴に意思を託せ。

 

 

 

ナグサ「そこの君。」

 

私は彼女が自決を図っているのに気付き、咄嗟に口に咥えている拳銃を木刀で弾いた。

 

 

 

ナグサ「貴方が……」

 

 

 

貴方が────意思を継ぐ者なんだね。

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