セリカ「だめ…他学園と通信が繋がらない…。」
ノノミ「やはり通信網が断たれているようですね…。ホシノ先輩、どうします…?」
ホシノ「今は市民の方々を避難させるのが最優先だよ。カイザーの駐屯地を避けて、北区に生存者を探しに行こう。」
一同は生存者を避難させるべく、北区に向かった。
ホシノ「くっ……ここにもカイザーの兵士が…」
ノノミ「中央区からかなり離れている所なのに…既に占領されているようですね…。」
セリカ「カイザーがなんだってのよ!今私達がこうしている間にも罪の無い人が殺されているかもしれないのに…!」
ホシノ「セリカちゃん、奴等がアビドスに襲撃してきた時のことを忘れたの?」
セリカ「…っ」
ホシノ「奴等には何故か攻撃が通用しなかった。まるで虚空に攻撃している様だった…。きっとカイザーは水面下で私達の理解できない技術を確立したんだ。」
ホシノ「奴等の謎を突き止めるまでは、迂闊に交戦する行為は危険だよ。」
ノノミ「取り敢えず迂回して進みましょう。この先の住宅街なら彼等の目も届いていないと思います。」
ホシノ「よし、行くよ、皆。」
一同は住宅街に向かう。
ホシノ「まずはここからだね。ノノミちゃんは外で見張ってて。私とセリカちゃんで中を見てくる。」
ノノミ「分かりました。気をつけて下さいね…。」
ホシノとセリカはドアを開け、室内に入る。
家の中は静けさが漂っていた。
ホシノ「私は2階を見てくる。セリカちゃんは1階をお願い。」
セリカ「わかった。」
ホシノが階段を登ると、一つ奇妙な異変に気付く。
ドアの隙間から、血が流れ出ている。
恐る恐るドアを開けると、そこには頭を撃ち抜かれた柴大将の亡骸があった。
ホシノ「ッ…!!」
天井には幾つもの銃痕があった。カイザー兵と交戦したのだろうか。
ホシノは、柴大将の顔に布をかけ、階下に降りた。
セリカ「ホシノ先輩、1階は誰もいなかった。そっちは?」
ホシノは少し間を置いて言う。
ホシノ「……何も、無かったよ。」
セリカ「そっか…じゃあ次の家に向かお。」
一同は、日没まで住宅地の探索を行ったが、生存者は誰一人見つからなかった。
セリカ「…ホシノ先輩、そろそろキャンプ地に戻る?」
ホシノ「いや、一か所に留まると奴等に見つかる。今日はこの空き家を借りさせてもらおう。」
ホシノは皆が寝静まった後、窓の側で見張をしながら考え事をしていた。
ホシノ「(アヤネちゃんに柴大将…この間までたわいのない会話をしていたのに…奴等に無惨に命を奪われた。)」
ホシノ「(なのに私はノノミちゃんやセリカちゃんを導くのに精一杯で、奴等に一矢報いる事も叶わない…。私はどうしたらいいのかな…ユメ先輩…。)」
ホシノは星空を眺めながらセリカの言葉を思い出す。
──私達がこうしている間にも罪の無い人が殺されているかもしれないのに…!
その言葉が深く胸に突き刺さる。
ホシノ「(もしかしたらノノミちゃんやセリカちゃんもいつか奴等に命を奪われるかもしれない。)」
ホシノ「(そんな事、絶対にさせてたまるものか。)」
ホシノ「(早く奴等の謎を突き止めなければ…。攻撃を無効化する謎の技術…。それさえ解明できれば…。)」
ホシノはある一つの手段を思い付く。
ホシノ「(……奴なら、この謎の真髄を知っているかもしれない。)」
ホシノはある人物に会いに行く為、一人空き家を出た。
???「おやおや、これは珍しいお客様ですね。ククク…。」
ホシノ「黒服、聞きたい事がある。」