エデンの来訪者   作:火取閃光

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誤字脱字など感謝です。
これにてグリンフレーク編終了!


第36話

 ぺぺ達の新たな村メモリアリーフの建設から約2ヶ月が経った。過去世界でこんなに長く滞在した事と村の建設をした事は何気に初めてだった。

 

 メモリアリーフの場所は、グリンフレークの南の入り口から馬車道を進んでいき大きな山を背後にした開けた土地だった。

 

 グリンフレークからの移動距離は徒歩で半日くらい掛かるが、土地の大きさからグリンフレークに負けない広さとハーブの育成に適した土壌があった。

 

 俺達がこんなに長く滞在したのはメモリアリーフの建設手伝いだけではなく、グリンフレークを含めた街の防衛戦力の増強と周辺地域の探索などを行ったからだった。

 

 防衛戦力の増強とは、具体的に言えば前回のアメフラシの一件でグリンフレークの人達から自衛手段である呪文の習得や戦闘指南を頼まれた。

 

 俺達からしてもそれは有難い事で彼等が戦える様になれば、それだけでぺぺのハーブが現代に残りやすくなる。それは即ち当初の目的を完遂出来る事を意味していた。

 

 また、その報酬として武器屋の主人から祖先から受け継がれてきた魔法剣や耐魔防具のレシピとその現品を貰えたのだった。

 

 現品は破邪の剣と魔道士のローブの2つだ。どちらも祖先が作り上げた家宝の様な物だが、街の発展や命の恩人への感謝を込めて有り難く譲り受けた。

 

 破邪の剣は閃光と言うワードと共に少量の魔力を流すとギラ相当の魔法が使える優れ物だ。

 

 魔力消費もかなり少ない為、双剣スタイルのキーファが鋼の剣と交換して装備した。

 

 また、魔道士のローブはその丈夫さと軽さに加えてメラやギラ、イオのダメージを軽減してくれる優れ物の為、この中で筋力が低く防御力や体力に不安があるマリベルが装備したのだった。

 

 正直、戦闘指南は兎も角として呪文の習得は難航したがそれでも簡単なメラやヒャド、ホイミやキアリーを習得する人達が増えて何とか無事に役割を果たせたのだった。

 

 また、戦闘指南はグリンフレークの周辺にある沼地の洞窟へ赴いて行った。どうやら石板レーダーが反応している事もあり丁度良かったからだ。

 

「皆さん、色々と本当にありがとうございました!」

 

「アレンさん達のお陰で何とかやっていけそうです」

 

「これは私達からの信頼の証です」

 

 ぺぺ達がそう言うと鍛冶屋の主人が丁寧に作った記念品を貰った。要はこれが自分達の子孫を訪ねる時に証明になる証らしい。

 

「ありがとう。大切に保管するよ」

 

「それじゃ、みなさん! またどこかで会えたら! お元気で!」

 

 そして、俺達は久しぶりの現代へと帰還したのだった。現代に帰還した俺達はまずはバーンズ王達に旅の報告などをして、それぞれが家に帰ったのだった。

 

 俺だけはフィル神父達の元へ直ぐには帰らず、鍛冶屋の親方や城の学者達へ過去で知り得たレシピ等を報告してから帰還した。

 

 もう最初に旅をしてから気が付けばもう1年以上が経過していた。長い様な短い様な不思議な感覚だった。

 

 そう言う事情もあり今回も長めに休暇を取る為に数日休んでから現代のグリンフレークやメモリアリーフへ足を運んだのだった。

 

「グリンフレークは滅んでしまったのか……」

 

 メモリアリーフは過去のグリンフレークを超える大きさで発展していたが、現代のグリンフレークはまるで廃墟だった。

 

 一体過去で何があったのかは不明だけど、メモリアリーフが大繁栄していた事も考えると俺達が出て行った後に何かあったのかも知れないと思い少し悲しくなった。

 

 そして、現代のグリンフレークやメモリアリーフ周辺を探索して石板などを回収している時、ぺぺから貰った証を見せるとメモリアリーフの当主から声が掛かった。

 

「もし、貴方達はもしかしてっ……!?」

 

 話しかけられて直ぐに屋敷の地下へ案内を受けるとそこには、メモリアリーフが作られた経緯が記された石碑が鮮明に残っていた。

 

 そして、当主から祖先の恩を返す為にグランエスタード王国との取り引きと共に、現在の当主がようやく形に出来たパデキアの根っこと言う万病に効くとされる根っこを貰った。

 

 元々は祖先が旅の商人からスノキアの根っこと言う万病に効く根っこを貰って育てた事がキッカケだったらしい。

 

 ただ、スノキアの根っこは寒冷地域に適した植物らしくメモリアリーフには適さなかった事から一度は失敗した物だったが、世代を重ねる毎に品種改良を行い今の形になったそうだ。

 

 俺達は数少ないその成功例を貰いメモリアリーフを後にした。そして、次の異変までの休暇として3ヶ月の休みをそれぞれが十分に取ったのだった。

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