エデンの来訪者   作:火取閃光

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第57話

 魔王像にいたセトを倒して砂漠の封印を解いたアレン達は2ヶ月近く過去世界に滞在していた。当初の予定通り砂漠の国の復興支援を行っていた。

 

 現在の砂漠の大地は闇のルビーを回収した事で闇が晴れたとは言え、モンスター達が蹂躙した大地や建物はとても酷い事には変わりなかったからだ。

 

 闇のルビーに関しては1つは女王フェデルたち砂漠の民が保管して、もう1つはアレン達が現代へ持っていく事にした。

 

 復興支援の滞在に当たり女王フェデルを含む巫女達にはハディートからアレン達の目的は共有していた。

 

 その上で闇のルビーは同じ場所や同じ時代にあると、またモンスター達に使われる危険性があると判断されたからだった。

 

 アレン達はそれを了承して闇のルビーを袋にしまったまま、砂漠の国の復興作業を行った。

 

 この辺りは過去世界のメモリアリーフの建設経験がとても役に立っていた。

 

 メモリアリーフは木造建築で砂漠の国は土蔵や石造建築と違いはあるが、変わらない力仕事や運搬に関しては経験済みなのでスムーズに作業を行った。

 

 アレン達は過去世界の異変を解決する度に復興とか開拓とかしているお陰か様々な技術を浅く広く学んでいた。

 

 建築から始まり木工による家具製作や農作物の耕作、鍛治や裁縫など一人前とは行かなくてもそれなりに出来る様になっていた。

 

 また、アレンとアルスに関しては精霊の力も上手く使い、木々や石材の伐採や水の確保なども行って復興を早めた。

 

 マリベルに関しては僧侶として傷や毒などの回復を行いつつも、自衛手段の確保として適正ある者達へ魔法を教えていた。

 

 グリーンフレークからずっとそうだけど、本人としても魔法を教える事について嫌いではなく楽しいらしい。

 

 魔法の習得は簡単ではないけど長く続けていけば強力な自衛手段になるので、砂漠の女王としても是非にと願われていたのだった。

 

 そして、アレン達が現代から持って来たビバ=グレイプの苗や種などを含めた栽培も順調に育っていた。

 

 なんでも、ハディートの母が言うにはビバ=グレイプは精霊像を作る前までは良くあった果物だったが、モンスターの襲撃以降見かけなくなったらしい。

 

 そう言う訳でまた思い出の果物を食べられる事に喜びを感じつつも、亡き最愛の夫ザラシュトロと食べたかったと涙していた。

 

 そんなこんなあってある程度、砂漠の民達が生きていくには十分な程に復興が進んだのでアレン達は現代に帰還する事にしたのだった。

 

「皆さん! 本当に、ありがとうございました!!」

 

「フェデルさん、これで俺達の役目は終えました。多分、もう会う事は無いでしょうが……」

 

「えぇ、分かっています。本来なら、我々は出会う筈がないのですから……。ですが、必ず……。必ずや、このご恩は未来永劫忘れは致しません……!!」

 

「えぇ、楽しみにしていますよ」

 

「アレン、砂塵の槍(これ)を……」

 

砂塵の槍(それ)はハディートさんが持っていて下さい。どうせ、俺達には無用の長物ですから……」

 

「……分かった。それなら、俺の家に伝わる家宝のルーンスタッフを持って行って欲しい。

 

 保管庫で埃を被ったり魔法が未熟な俺達が持つよりも、マリベルが持った方が有効に使ってくれるだろうからな」

 

「そう? なら、有り難く貰っておくわ」

 

「それから、本当にありがとうな。お前達との出会いは忘れない」

 

「ハディートさん達も元気で。お母君を大切にして下さいよ、新しい族長さん」

 

 お互いに握手を交わして別れの挨拶を告げたアレン達は時渡りの旅の扉を使い現代へ無事に帰還したのだった。

 

 ちなみに現代から連れて来た考古学者はこの時代に残る様で、連れて来てくれた事への感謝と共に現代に残した部下への手紙などを預かったのだった。

 

 現代から帰還したアレン達は砂漠の異変を解決した事をバーンズ王達へ報告してから休養を取った。

 

 流石に今回はとても疲れた。本当は直ぐにでも復活した砂漠の国を確認したかったが、2週間ほど間を空けてから2〜3日掛けて船で向かった。

 

 事前に調査兵団が来ていてくれたお陰もあって、復活した砂漠の国に到着したアレン達は今代の女王ネフティスに呼ばれて歓迎を受けた。

 

 過去の女王フェデルと王配であり砂漠の守護者となったハディートより、砂漠を救済した聖戦士達に当時の民達はマトモな歓待が出来なかった事をずっと悔いていた。

 

 だから、いつの日かアレン達が再び砂漠の国に来た時には盛大に歓待して、彼等の旅路を手助けして欲しいと遺言が残されていたのだった。

 

 アレン達が過去世界で復興支援を行っている時に再会の目印として、グランエスタード王国の名前や不死鳥が描かれた王家の紋章、アレン達精霊の紋章などが石碑に刻んでいた。

 

 それによってグランエスタード王国の調査兵団が来た際には、分かりやすい目印となり判断が付いたのだった。

 

「先祖に変わり改めまして、グランエスタード王国の聖戦士様方、この砂漠を救済して下さりありがとうございました。我々、砂漠の民達は貴方達を歓迎します」

 

 女王ネフティスの計らいによってアレン達は砂漠の民達から手厚い歓待を受けた。その歓待は3日に及ぶ程とても楽しい催しで、砂漠の伝統料理やビバ=グレイプの果汁酒などを味わったのだった。




これにて砂漠編終わりです!

また、あらすじにも書いてある通り一旦ダーマ神殿を飛ばしたのもストーリー進行の都合上による独自的な時系列ですので、ご了承の程よろしくお願いします。
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