【僕たち】のヒーローバース   作:夢見969

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ボーボボの舞台を見てきました。頭痛がしました。
この話は夢と魔法の国のエントランスから投稿しています。実質初投稿です。


林間合宿

林間合宿当日を目の前にして、出久くんがクラスメイト達と行ったショッピングモールでたまたま死柄木弔と出くわして言葉を交わしたそうだ。いやぁ、なんと言うか出久くんもかなり運がないというか、僕に似てると言うか……

そんなことがあって直近になってから合宿先が変わった。なんでもワイルド・ワイルド・プッシーキャッツのサポートを得ながらみんなの個性伸ばしが行われるらしい。 イレイザーが僕に合宿に来るかどうかを聞いたのは"個性"を持たない僕が個性伸ばしに関係できることがあまり無いからだそうで…

 

だから僕と僕のお仲間は車で別移動である。

先に着いてはいるのでワイルド・ワイルド・プッシーキャッツの虎とラグドールと共にのんびーり待たせてもらっていた。

 

「スパイダーマンはあちきらと一緒に待ってていいの?」

「まぁね。僕が来たのは……ま、戦力としてって感じだしさ」

「なにか一波乱ある、と?」

「なかったらなかったでいいじゃない? 念には念をってことさ」

 

森の中から爆音やら土煙が巻き上がるのはピクシーボブの土流で生み出した魔獣たちをA組生徒たちが退けている音だろう。

何事もなければ僕と僕の相棒は暇でいいんだけども…ね?

 

そんな僕の相棒は子供…マンダレイが面倒を見ているという洸太くんに股間を殴られて悶絶していた。アレは僕も痛いから遠くから見ておくだけにしよう。

 

本格的な個性伸ばしは二日目から始まる。

あのさ、僕って個性に関しては素人だよ? 教師としても半人前さ。でも今目の前で起きてることは控えめに言って拷問にしか見えなかった。

 

峰田くんは頭皮から血が流れてももぎもぎを引きちぎり続け、爆豪くん煮えたぎる湯の中に手を突っ込み、砂藤くんは3倍のパワーを維持し続けながら糖分を頬張り、八百万ちゃんも脂質を摂り続けながら創造をしまくり、切島くんはぶん殴られまくってる。

 

酷くない?

 

「筋肉と同じく、個性も使い続ければ強くなる」

 

とは、ブラドとイレイザーヘッドの説明だった。

 

「スパイダーマン、手伝え」

「はいはぁい。んじゃいくよ!」

 

切島くんと鉄哲くんを殴ったり蹴ったりしつつ、無重力化した麗日ちゃんを空に放り投げまくっている。 うーん、ちょっと楽しいかもしれない。

 

「さァ撃って来い!!」

「8%デトロイトスマッシュ!!」

 

ゴゥ!!!! 強い踏み込みから放たれた一撃は音を鳴らすが虎はそれを軽々と避けてみせる。そしてカウンター気味に出久くんの頬を張り倒した。

 

「いい一撃だぁ! 疲れてない証拠! もっと気張れェ!!」

「イエッサー!」

 

フルカウルを維持しながらのエクササイズ運動をしたり、シャトルランをやらされたり増強型として身体能力と個性の両方を伸ばすための訓練をしている。B組の拳藤ちゃんや庄田くんも虎のところでブートキャンプを行っているので40人を7人のヒーローで面倒見ることになっている。

あ、僕の相棒はヒーロー免許持ってないから合宿所で掃除してるけど。

 

「切島くんも鉄哲くんも硬さがぬるくなってるよー!頑張っ!」

「「押忍ッッッ!!!」」

 

歯を食いしばってまた硬さを増す二人をタコ殴りにしていく。

晩御飯は生徒たちが作ったカレーだった。あのズタボロの生徒たちを引き摺ってご飯まで作らせるなんてねぇ、と思ったけど大きな被害があった際の救助の一環。と考えると必要なことなのかもしれない。

炊き出しとかを見るとメイおばさんを思い出すなぁ……

 

 

夜のことだ。

 

「スパイダーマン、もしだ。もし敵たちがここを攻めるならどんな手を使うと思う」

「イレイザー、随分と悲観的な例え話をするじゃないか」

「ブラド。俺たちは既に何度も後手に回ってる。ここらで何かあっても」

「向こうにはワープ系の個性が居るしね……何をやろうにもなんでも出来てしまうけど…やっぱり森の中だし燃やしてきたりするんじゃない?」

「……お前がかつて戦った敵はどんなやつらだったんだ?」

「おぉ、それは俺も聞いてみたいな。別の世界……マルチバース?だったか。そこのヴィランというのを」

 

コーヒーを飲みながらこちらを見る教師二人。ははぁん、さては明日のカリキュラムを考える休憩に僕を使う気だな? 使われてやろーじゃん。

 

「そうだね、炎繋がりでパイロってやつがいたんだ。そいつは自分じゃ炎を出すことは出来ないんだけど、代わりに炎を自在に操れた。 炎を爪にしたり、大きくしたりね。使いようによっては火災現場から人を助けられるのに」

「炎を操れるとなると俺は厳しい相手だな。例え個性だとしても、炎自体は消せない」

「なるほど…やりにくい相手はいたか?」

 

やりにくい相手……めちゃくちゃ居るけどどーしようかな。

誰か……誰か…

 

「敵って訳でも味方って訳でもないけど、タスクマスターっていうのが居てさ。もう何でも真似されるんだ。個性みたいな能力は無理だけど体捌きとか足運びとか全部。それこそ、イレイザーの捕縛布を使った戦闘とか一度見ただけで完璧に模倣できる」

 

ぶっちゃけ格闘戦だけで勝てる気がしないレベルにまでなってる。この前なんてキャップを負かせてたし。あの動き誰の動きだったんだろ、シャンチー?

 

「魔境だな、お前の世界は」

「これでもこっちの世界みたく個性みたいな力を持ってるのはほんのひと握りなんだからね? 世界中のほとんどが個性持ってるこっちの方が魔境だと思うけど」

「じゃあヒーローはどんな奴がいたんだ?」

「あー、言っていいのかなぁ……」

「ん? 今更言い渋る理由があるのか」

 

あるって言うか…

 

「この世界に僕が知ってるヒーロー達がいないのは、まだ時が来てないからじゃないかと思ってさ」

「時が……来てない?」

 

実はすごく気になることがあって調べた。調べたらその人は、この世界にも居た。少し立ち位置は違ったけどそれでも間違いなく存在していた。

 

「そう、だからここで僕が話してしまうとそのヒーローが存在しなくなってしまう可能性がある。少しでもその可能性があるなら…僕はそれを防ぐために秘めておきたい」

「まぁ話せないならいい」

「ごめんね。 あ、代わりに宇宙人は居るってことは言えるかな!」

「「マジか」」

 

この世界のその辺の技術はまだまだ安定していない……と言うより、調べた限り超常が日常となったことでそういった部門の発展がピタリと止まってしまったらしい。エラ・イヒトって昔の人の記事があった。とはいえ、個人間でそういったことを研究してる人はいるようでオールマイトの旧友の娘が今は色々としているようだ。確か名前はメリッサだったかな。メリッサに協力してる人も……まぁ、凄い人だったし。

個性を持った人類が宇宙へと上がれば何が起こるやら……少なくとも何れ宇宙での大戦争が起きるのは間違いない。 たった一人、歴史に消され、秘密裏にデータが残されている僕の知ってるヒーローがいた事は調べがついている。僕の協力者がハッキングまで仕掛けて吸い出した情報だしダミーとも考えにくい。そもそもダミーなんて仕掛ける必要も無いし。超常黎明期より少し後、一人宇宙へと旅立った彼女『キャロル・ダンバース』。

 

彼女は確かにこの世界に居たのだから。

 

ってことはだよ? あと10年とかしないうちに下手をするとサノスとかがやって来たりするわけ?

出久くんが100%のOFAを使えるようになってて、他の子達もヒーローとして大きく成長をしていて、かつこの世界でもアベンジャーズが結成されれば……大丈夫なのかな?

うーん、未来は分からないね。

 

「さて、仕事に戻るか…」

「だね。とりあえず切島くんと鉄哲くんは僕が殴り続けてればいい?」

「いや、明日は硬化したまま岩を殴ってもらう。今日は身体を痛めつけたからな。明日は拳を自分たちで痛めつけてもらう」

「物間はどうするか…只管コピーさせて色んな個性を使えるように仕込むか」

「なら庄田くんと尾白くんを僕は面倒見るかな。魔獣ばかり相手にしてても変な癖がついたら問題だし」

「お前を相手にしても変な癖がつきそうだが……それで頼む」

「それじゃ、僕はワイプシ達ともお話してこようかな〜」

 

逃げるようにそそくさと教員待機室を後にして合宿所の広間へ顔を出すと、ちょうどワイプシの四人がコーヒー飲みながら座っていた。夜のカフェインは大人の魅力ってね。寝れなくなるけど。

 

「あ、スパイダーマンにゃ!」

「やっ、こんばんは。昨日は忙しかったし今日の日中もあまり話せてなかったから今更だけど挨拶と思ってね」

「そうだったな。まぁ座れ」

 

ラグドールと虎が迎えてくれたので言われるがまま着席。コーヒーをもって来てくれようとしたマンダレイを手で制して顔を見た。

 

「私らは雄英の教師じゃないから貴方のことよく知らなかったのよ。丁度良かったわ」

「オールマイトの相棒だなんて将来有望ね。唾つけとかないと」

「うわぁ!? ホントに唾つけないでよね!?」

「悪いな、こいつもそろそろそういう願望が強くなってる時期なんだ…スパイダーマン。お前は何歳なんだ?」

「僕? 僕は23だよ。 まだまだ若造だね」

「「「23!?」」」

 

ラグドール以外驚いてるな。僕より若いヒーローは居るのに。ホークスとかさ。

 

「ねぇスパイダーマン。昨日見た時も思ったんだけどあちきは見ただけで相手の個性とか分かるの。だけどスパイダーマンって…」

「あ、うん。無個性だよ」

「嘘っ」

「実は人体実験で作られたミュータントだったり…とは違うけど」

 

なんかイチから全部説明するのは大変だしテキトーに言葉で濁しておこう。

 

「そんな!?」

「いや嘘だから信じないで!?」

 

結局、話しても当たり障りのない部分だけを説明するのに一晩掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして三日目。

日中は前日のメニューを引き続き行ったり、別のメニューを行う生徒たちを相手し続けた。案外教師陣も体力使うんだよねぇ合宿って。まぁヒーロー志望の子達だから悪いことはしないんだけども……峰田くんが女風呂を前に血涙を流しながら我慢してお湯に浸かってたと聞いた時は彼も生きにくい性格してるとは思った。

 

さて夜だ。夜は補習組は合宿所でイレイザーとブラドに絞られている頃合。他の生徒たちはレクリエーションとして肝試しをやっていた。二人一組になって御札をとって森を一周し戻ってくる簡単なモノだけども。

僕は虎とピクシーボブ、マンダレイと一緒に待機していた。

 

ひと組、またひと組と森の中に入っていく生徒たちを見送りながらのんびりと待っていると違和感を感じ、スーツの機能で森の中を眺めるとモヤがかかっていた。霧……じゃなくて煙?

 

「ちょっと、森の中が……っピクシーボブ!!」

 

チリチリと焼け付くような感覚が首筋に走る。

咄嗟に彼女にウェブを貼り付けて抱きしめるように身体を引き寄せる。

 

「ちょ、ちょっとスパイダーマン!? 情熱的というか……!?」

「そうじゃなくてね!?」

 

なんか急に顔を真っ赤にして慌てる彼女に誤解だと慌てて声をかけていると鉄柱が振り下ろされ、ギリギリ片手で受け止めた。

 

「ウソでしょ。鉄柱なのだけれど」

「やぁ、いきなり背後から女性の顔を狙うなんてマナーがなってないんじゃない!?」

 

いきなり現れたガッチリとした肉体を持つ女性……? まぁそんなヤツとリザードみたいな姿の人物が立っていた。

 

「マグ姉! 勝手に仕掛けるなっ、スパイダーマンはあの方が認めたヒーローなんだぞ!?」

「あらら、僕ってばしっかり名前知られてるね。キミ達の名前はなにかな?」

 

抱きしめていたピクシーボブを離すと生徒たちを背後に庇いながら陣形を組む。

 

「な、なんで敵が!?」

「虎、ピクシーボブ、みんなを頼むね。マンダレイは全生徒にテレパスお願い!」

 

個性は……少し使われた気がした。ピクシーボブが相手に引き寄せられるような感覚があったからそれ系だとして、もう1人の方は見ての通り異形系か。となれば、僕と虎で相手した方が確実だね。

だけど時間をかけてる場合じゃない…、ここに2人ということは森の中にも敵が何人も出ているってことだろうから…!

 

「マンダレイ! 僕、知ってます!」

 

出久くんが声を張り上げ、目を見合せてそのまま何処かへと飛んで行った……なにを…!?

 

『ごめんスパイダーマン。あの緑谷くん、光太の場所を知ってるんだ』

 

なぁるほど、そういうことか。

まずは目の前の2人をさっさと……ッ!?

 

響く轟音。近くの木々がへし折れ咄嗟に、背後にいた尾白くんを突き飛ばした。さっきから人を庇ってばかり……っ

 

「ごほっ!? がっ……」

「先生!?」

 

不可視の一撃が内臓を痛めつけ、そのまま僕を近くの木々まで吹き飛ばされる…衝撃波……!?

痛めた身体を抑えながら何とか立ち上がりながら相手の様子を伺っておく。 僕が吹っ飛ばされたことにマグ姉と呼ばれたのと、爬虫類っぽい二人は驚いているのを見るに、どうやら僕をぶっ飛ばしたのは第三勢力のようだ。お陰で虎とマンダレイが敵二人に蹴りを叩き込んでる。

 

「子供を、狙うなんて随分なんじゃない……?」

「金のためだスパイダーマン。 お前のことは知らないがお前は嫌いだ」

 

黄色いアーマーを身にまとい、両手のガントレットを構える姿が森の奥から現れた。

 

いやいやいやいや嘘でしょ!?

 

「ハーマン!?」

「ショッカーだ、スパイダーマン!」

 

ブォン!! 振るわれた腕からまた振動波が放たれ木々を薙ぎ倒す。なんか僕が前に見たハーマンよりも凶悪な装備してるんだけど!

 

不意に空が光った。上鳴くん…は補習組だから合宿所に居るはず。って事は……

 

「調子はどうだスパイダー…………マン? 男なのかお前」

「なぁんでキミまで居る…のかな? え、女の人だけどエレクトロ? エレクトロだよね?」

 

バチバチと音を鳴らして辺りに電撃を落としまくりながら宙に浮いている女性。いや、なんというか特徴は全然エレクトロなんだけどそもそも性別が違う。

 

「ハッ!そうさ、私はエレクトロだよっ」

「なんか調子狂うなぁ……!」

 

そんでもって風を斬る音を立てながら背後から迫ってきたナニかを飛び上がって回避する。

もうホント勘弁して欲しいんだけど!

 

「ハッハハハハ!!! 貴様とははじめましてかのう、スパイダーマン!」

「おじいちゃんのヴァルチャー? もうそんな歳になってまでヴィランやってて恥ずかしくない?」

「煩いわ! 貴様のところの儂は若いのか?」

「うん、30前半かな」

「若さはいいのう!」

 

振動波に雷、ウィングスーツのブレードが次々に襲いかかってくる。

 

「子供を、狙わないの!?」

「一発目はお前が庇うことが分かっていたからだ。金のためとはいえそうそう狙わん!」

「私は私で狙いがあるんでねぇ!」

「貴様はここでくたばっておれスパイダーマン!」




ピクシーボブ
まさかの負傷回避。将来有望、若いスパイダーマンにときめいてしまった。スパイダーマンは責任を取ろう。

エレクトロ
どこかの世界線の女版エレクトロ。 いいじゃん、女版のヴィランが居ても。

ショッカー
どこかの世界のハーマン・シュルツ。 ショックガントレットの性能がめちゃくちゃ高い、なんかチタウリの技術とか使われてるしスーツの動力も普通では無い。なんだコイツ

ヴァルチャー
ゲーム版ヴァルチャーに近いご老体。テンションがハイ

ヴィラン達はどこかから現れた。それは多分次回か次次回
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