【僕たち】のヒーローバース   作:夢見969

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シーンと場所が飛び飛びになります。実質初投稿みたいな拙さです


戦場広がる何処までも

「なんで、敵が!?」

 

林間合宿の肝試しをしていた最中だった。森の中の様子は全く分からないし、自分が飛び出してきてしまったことにまたスパイダーマンやオールマイト、何より母へ心配をかけてしまうことに罪悪感を覚える。 洸太くんの安全だけ確保して直ぐにみんなに合流しようと思った。

 

現実は甘くない。

 

起きて欲しくないことが起きえているのが現実なのだから。

 

「ぐぅぅうう!?」

 

マスキュラーと呼ばれる敵の一撃がカスるだけ全身に痛みが走るような強く重い一撃だった。

フルカウル10%じゃ、速さもパワーも何もかも足りない…! 正面からぶつからなくても分かる。 打ち合えば確実に僕がやられる。だったらどうするか……逃げる? 洸太くんを連れて逃げ切れるのか…? 相澤先生がいる合宿所までいけばなんとかなる……いや、合宿のなんて敵が確実に狙ってる場所だろう。そこにこんな凶悪なやつを連れていくのはマズイ。

 

「どーした緑谷ぁ! 遊ぼうぜぇ? てめぇと遊んでから爆豪をとっ捕まえるからよぉ!」

「かっちゃん…!?」

 

敵連合の狙いはかっちゃん?! なんで……いやダメだ。それなら尚更、コイツをこの場から離れさせる訳にはいかない…倒さなきゃ……!倒さなきゃ!!

 

「洸太くん下がって!」

「お、やる気かァ! イイぜ来いよテメェの全力ゥゥ!!」

 

100% デトロイトスマッシュ!!!!!

 

僕の一発を、会敵一発目を僕の全力と見誤っている今こそ相手が最も油断している瞬間。 挑発的に笑い、ねじ伏せようと余裕を見せている今こそ決めるべきと全力でマスキュラーの腹部目掛けた一撃を放つ。 暴風と暴力が吹き荒れ、土埃を巻き上げる。

 

無理に使うなと言われている手先はズタボロになり、血も吹き出ている。痛みで視界がチカチカと明滅するがそんな場合では無い。すぐに洸太くんを連れていかないと…!

 

「洸太、くん……ごめん…背中に乗って」

「な、なんで俺をたすけ……」

 

「もっと遊ぼうぜぇ緑谷ァ!!!!」

 

オールマイトの100%を、現状放てる最大質力を受けて尚、マスキュラーは笑みを浮かべ土埃の中から現れる。なんて、なんて恐ろしい…!!

 

いや、折れるな! 僕がここでコイツを何とかしないと…!

自惚れでもなんでもない、何とかしないと皆も洸太くんも危なくなる!!

 

「あ、ぁ゛ぁ゛!!!」

「ハッハァ! 来いよ緑谷ァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「梅雨ちゃん!」

「…っ!!? なんなの、この人…理性を飛ばされてるのかしら…!」

 

「GAAAAAAAAAA!!!!!!!!!」

 

咆哮。 爬虫類のような見た目をし、体躯はUSJで見かけた脳無のように大柄な敵は木々を薙ぎ倒して徐々に二人へ差し迫る。

 

 

 

 

「クソが! ふざけやがって!」

「爆破はヤベェ爆豪。逃げに徹するぞ」

「わぁってるわクソがァ!!!!」

 

「肉見せて」

 

歯の刃が降り注ぐようにあらゆる物を傷つけていく。爆破も炎も放ってしまえば周囲の森へ引火し他の仲間たちを危機に落とすと即座に判断し退く二人。

 

 

 

 

「流石プロだな、イレイザーヘッド」

 

蒼炎が合宿所の一角を燃やす。焼け爛れた肌とツギハギを持つ男がプロである彼をせせら笑ってみせた。

 

「もう炎は出せねぇよ」

「はっ、知ってるよ。一人で来ると思ったか?」

 

即座に『抹消』を使い次は男の個性を消して捕縛布で捕らえるが半ばから断ち切られ、イレイザーヘッドも回避行動に移った。

同時に立っていた場所も合宿所の一角までもが吹き飛ばされるように粉々になる。

 

「一人で走るな。面倒になるじゃないか」

 

まるで、ネガ反転したかのような外見の男が禍々しいオーラを纏い歩いてきた。

 

「はじめまして、イレイザーヘッド。Mr.ネガティブと呼んでくれると助かるよ。なに、キミの同僚スパイダーマンとは関わりがあってね」

「……なるほど、アイツの知り合いは随分の陰気臭い奴が多いらしい」

「同僚ともなると、軽口は似るのかね」

「移ったのかもしれないな…!」

 

スパイダーマンの知り合い、となれば『抹消』は効かない。なればツギハギ男を視界に捉え、外す時はネガティブと名乗った男を間に立たせて誤射させればいいと行動に移す。 プロとして戦ってきたセンスと経験が彼を生き延びさせる。

 

 

 

 

「ネホヒャン!!」

 

「危ねぇ!?」

 

轟音鳴らして振り回されているチェーンソーを避ける泡瀬と頭部から血を流しているのは八百万。

毒ガスが充満し始めた頃に誰よりも早く対処に当たっていた彼女は突然の一撃に意識を飛ばしてしまっている。

 

「クソッ…八百万! 八百万起きてくれ!」

 

ヒーローはまだ、来ない。

 

 

 

 

「無事か拳藤ォ!」

「大丈夫っ、でも何人かガスにやられた!」

「クソ…っ!」

 

森の中核ではA、B組の生徒複数名がガスに巻かれていた。致命に至る毒性でない事が唯一の救いだがそれだけでは解決にならない。

鉄哲と拳藤はガスを晴らすことが状況解決のキッカケになると八百万から貰ったガスマスクを身に付けて中心へと向かう。

 

 

 

 

「ねぇ、ハーマン! 誰かにお金のために従って僕の敵として恥ずかしくないの!?」

「知るか! 俺としても事情がある。それだけだ!」

 

SHOCK!!!

 

乱れ飛ぶ振動波は木々をなぎ倒し続け、ついでにオネエ…マグネとスピナーの方まで飛んでいってしまう。

 

「ちょっとなんなのアンタ!? ヒーローの敵ならアタシたちの味方じゃないの!?」

「邪魔するなら貴様も粛清だ!」

「余所見、してて」

「いいのか!!」

 

気を取られた敵二人に虎とマンダレイが良い一撃を叩き込んだ。ショッカーだけでも何とか出来れば、皆を助けに行けるんだけど…!

 

「マンダレイ…!! 洸太くんは無事、です!」

「出久……くん…!!」

 

何度も山岳の方で爆発的な音が鳴ってたけど随分な無理をしたようで彼の腕は見るに堪えない程、ズタボロになっていた。治癒能力も持っていないのに良くやるよ本当に…後で説教が必要みたいだ!

 

「相澤先生から…A組B組、敵との交戦を許可すると!」

「嘘でしょ!?」「本当にいいのね!?」

 

つまり、イレイザーも現場に駆けつけられない状況に落とされて居るということ。 マジで最悪中の最悪のケースになっているってことだ。

 

『A組B組、生徒全員! プロヒーローイレイザーヘッドの名において戦闘を許可する!!』

 

テレパスによる一斉伝令が行われると森が更に騒がしくなった。

そうそう簡単に、皆やられないとは信じてるけど…時間が無くなった!

 

「それと敵の狙いはかっちゃん! かっちゃんを攫うことです! 僕は行きます…!」

「ちょっと、かっちゃんって!?」

「A組の爆豪勝己のこと! …なんだって爆豪くんを攫う!?」

 

『爆豪くん! 敵の狙いは爆豪くん! 一人にならないで、出来るだけ交戦は避けて!』

 

満身創痍の出久くんを追う暇がなく、彼は行ってしまった。死にに行くようなもんだよアレは…!

 

「ハーマン? ねぇ、ハーマン! お金が必要なのは分かったけどさ、大多数で襲撃して子供を攫うなんて犯罪者としての矜恃とかないの!?」

「俺が頼まれたのは貴様の相手をすることだけだ! 子供を攫うなんて知らん! 決着は付けない、俺がこの場を離れて追わないと確約するなら行かせてやる!」

「なぁんて自己保身しっかりしてるんでしょうか! もうイイよそれで! 暫く追わないし犯罪やらかさないならだけどね!」

 

直後、拳を地面へ向けて振り込むと土埃とともに器用に彼は振動波のガントレットを利用して跳ぶように高速移動し戦場から撤退を始めていく。

 

「現金な奴は嫌いじゃないよ僕は! 虎、マンダレイ! 僕は他の生徒たちの救援に行く! その二人は任せた!」

「「了解!」」

 

軒並み更地のようになった所為でスイングは出来ないけど走りやすいし、見通しが良くなった。もしかしてハーマンこの為にわざと…なんてことはありえないけど。 彼の事情って元世界に戻れなくなったこととかかな。

 

音のする方、一番近いところに向かっていると脳無が目の前を凄い勢いで吹き飛んで行った。え、誰がやったの!?

 

「ぉ、オオオオオオオ!!!!!」

「げぇ!? ライノ、と誰!?」

 

巨躯にサイの様な印象を持つ男、間違いなくライノがご自慢のカラダを振り回すように暴れていた。彼が脳無を殴り飛ばしてくれたんだろうけど…その背中には白い何かが張り付いていた。

 

「…え、スパイダーマン!? あ、ちょっと暴れんな…!!!」

「何処のどなたか存じないけど!そのままライノを押さえ込んでくれていると嬉しいな!」

「えぇ!? あー、まぁいいわ。 後でしっかりと話があるからここは任せて!」

 

白い…女の子はそのままライノの背中に引っ付いたまま森の中へと入っていく。もしかして増援?とにかく、一人でも手数は欲しかったところだ。有難く手伝ってもらおうじゃないの。

そのまま森を突っ切っているととてつもない冷気と氷が見えた。轟くんだね!

 

「おまたせ轟くん!爆豪くん!」

「先生!」「…スパイダーマン!」

 

ムーンフィッシュと呼ばれている敵が放つ歯の刃が散々二人にかすり傷を負わせてくれていた様子。 子供にも容赦なし、か。

 

「ねぇキミ、自首するなら痛くしないよ」

「きれいな肉面 見せて」

 

あ、ダメだ。言葉が通じないタイプ!

 

即座に宙返りすれば立っていた所に歯が突き刺さっていた。ウェブを打ち込むも歯で迎撃される。近付こうにも四方八方から刃が迫る……爆豪くんを守りながらだと手数が足りないか…?

途端、メキメキと音を立て周囲が騒がしくなる。まだ敵居るの…!?

 

「先生! 轟くんかっちゃん!伏せて!」

 

飛び出してきた出久くんの言葉を誰も疑うことなく即座に頭を下げると黒い影が横薙ぎに走りムーンフィッシュが地面に叩きつけられた…何アレ。

 

「あれは常闇だ! 個性が、暴走してしまって!」

 

庄司くんの言葉に爆豪くんと轟くんが個性を使って光を放つ。

シュルシュルと大きかった影は急激に縮まり普段の姿を見せた…あれが常闇くんの暴走…えぇ〜…僕だったら手を出せない類かも…

 

「すまな、い……」

「ちっ、つくづく相性さえなけりゃいい相手になったってのに」

「とりあえず! 皆が無事でよかった。出久は後でお説教ね! 爆豪くんが狙われてるらしいけどこのまま…「アンタは他を回んねぇとだろうが」…だよね。いいかい、ここから先は交戦許可が出てるとはいえ逃げに徹するんだ。目指すのは合宿所! 不甲斐ない先生を許してね」

 

猫の手を借りてるってのに敵の数が多すぎて何ともなってないのが現状。何とかしないと…

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…止まらない…!」

「…お茶子ちゃん。貴女だけでも逃げてちょうだい」

「そんな!? 行くなら二人で…」

 

獣の感なのか、暴れる敵に麗日は触れることが出来ず、蛙水も決め手に欠けており徐々に怪我を負っていく一方。現状を打破するには他のクラスメイトないしは大人の力が必要だった。 冷静に考えた蛙水は自分が引きつけるべきと思ったが…敵はそれを許さない。

 

「GuAAAA!!!!!」

「うぅ!?」

 

振るわれた豪腕が蛙水を弾き飛ばし木々に叩きつける。痛いが動けないほどでは無い…だが、その鈍った動きが致命となってしまう。

 

「梅雨ちゃん危ない!!」

「…あっ」

 

蛙水に、迫る拳が、

 

 

 

 

「くッ!?」

 

イレイザーヘッドに迫るネガティブのブレードが、

 

 

 

 

「やばっ…!」

 

泡瀬、八百万に迫る凶刃が、

 

 

 

 

 

二振りの日本刀に受け止められた。

同時に。三箇所の地点で。

 

「「「ふぅ、間一髪ってやつ」」」

 

「あのさリザード。理性ぶっ飛ばされてるか何か知らないけどティーンの女の子痛ぶって恥ずかしくないの? あぁ、理性ぶっ飛んでるからわけもわかってないって言い訳なしね」

「ネガティブなんて自分に名前をつけちゃうとかマジでドン引き。モノクロマンとかにしておきなよ、白黒映画では引っ張りだこかもしんないよ」

「チェーンソーになんかよく分からないゴテゴテしたもん装飾してキモッ!? うぇ、こんなのがスパイディの相手なの? フランシスだってカサンドラだってここまでゲテモノ作んねーよ」

 

「な、んだ?」

 

誰が呟いたか。そんな言葉を気にせずに彼らは軽く日本刀を振るうって笑った。

 

「「「デップー行きまぁす!!!」」」




緑谷出久
幾らかパワーアップしたとはいえマスキュラー相手には瀕死。


ショッカー
戦線離脱。どこかで銀行強盗やらかす。


Mr.ネガティブ
荼毘と肩組んでるんるんな模様


ライノ
謎の少女によって進行方向を操られて追加で配備されていた脳無を吹き飛ばす。


リザード
誰かさんのせいで理性を奪われ暴力の限りを尽くす暴走状態。


三人のデッドプール
喧しい

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