なんかまた発明氏の技術力が上がりそうな方面に進みそうでやばい気がしてきたけどノリでいこう。
「さて合宿所から引き上げる前に現状確認だ…被害は」
「二人の生徒が誘拐。一人のプロヒーローも行方不明。ガスで意識を失ったのが15名、重軽傷15名、無傷8名…控えめに言って大失態だね…」
かすり傷とはいえダメージが多いイレイザーヘッドと治癒能力で回復しているとはいえボロボロのスーツの僕。ブラド、マンダレイ、ピクシーボブ、虎が顔を突合せて話していた。 生徒たちは雄英や他のヒーローたちが迎えに来て護送する予定なので今は落ち着いて休んでもらっている。
「スパイダーマン、アレはなんだ」
「…僕の世界、ではないところから来た敵だね。ここに来て最悪中の最悪を引いたみたい」
僕が別の世界線に来たんだ。敵だって別の世界から渡ってくる可能性なんていくらでもあった。1年近く見なかったから警戒心が落ちていたかもしれない。
「お前のせいでは無いだろ。俺たち教師が力及ばなかった。お前はアレだけの敵を相手にしながら意識を失った生徒達をほぼ無傷で森の中から助けてきたんだ。俺達がお前を攻めることは無い」
「スパイダーマン、私たちを助けてくれた彼らは……あーなにかしら?」
ピクシーボブがおずおず、と言ったように真っ赤な全身タイツのアイツに目を向ける。ぶっちゃけ僕は話を振りたくなかったけど助けられたのは事実なんだよねぇ…!
「あ、ようやくオレちゃんのターン? 話振ってくれてありがとうピクシーボブ。このまま放置されてたら千夜一夜漬けにでもなってたところだぜ。 オレはデッドプール。スパイダーマンの盟友にして大親友の男だ」
「全然違うけどね。お調子者のデッドプール。ヒーローだけどヒーローらしからぬ事も多々やらかす男だよ。まぁでも今回は助けてくれたし信頼してもいいかと」
問題はそれが3人いることなんだけど。
「ねぇデッドプール」
「「「なんだスパイディ!」」」
「うわぁ!? 三人いっぺんに喋んないで!キモイ!」
いや正確にはデッドプール3人と、なんかデッドプールの格好に似た奴が一人居ない?
「えーっと、キミは?」
「オレか!? オレはトゥワイス! ウェイド兄さんの仲間よ『敵だな!』」
ボロっ、とデッドプールのうちの一人が崩れ落ちて消える。なるほどトゥワイスってやつの能力?で分身作ってたのか…いやぁ良かった……三人もいたら五月蝿くて適わないし…
「んじゃ、そっちのデッドプールは……」
ドロッ…とその外見が溶けた。
溶けて、素っ裸の女の子が出てきた。いやいやいやいやちょっとぉ!?
「マンダレイ、タオル!」
「はい、ピクシーボブ!」
女性陣が素早くタオルを少女に巻いてくれた。危なく犯罪者になるところだったよ、僕たち。
「あ、解けちゃいました。 ヒーローの皆さんこんにちはです。ヒミコ・ウィルソンです」
「ウィルソン…え、デッドプールの娘!?」
「違う違う! コイツは渡我被身子! いや、ちょーっと色々あってアレがアレしてアレしちゃってさ。引き取った的な? オレちゃん、トゥワイス、ヒミコ! 三人揃ってXフォース! ドミノとケーブルはお留守番ね」
説明もクソもなかった。
「カァイイ女の子がいたから助けたんですけど、あの子たち大丈夫ですかァ?」
「…あぁ、礼を言いたと言っていた。あとで…会えばいい」
「で、デッドプール。その二人は何処で拾ったの」
「そりゃもちろん! ここから10年くらい前とか5年くらい前に! あ、気になっちゃう? 残念、その話はデッドプール&ウルヴァリン! ヒミコ/トゥワイス。で公開するからネタバレNGだ」
なんかとんでもない厄ネタそうだから聞かないでおこう。聞きたい? まぁ、それは僕の居ないところでみんなで楽しんで…。
「それで、そちらさんは誰だ? スパイダーマンに似たのが二人に中学生…?」
「そこにいるスパイダーマンとはまた別のバースから来たスパイダーマンだ。 元々はスパイダー・ソサエティという不安定になったマルチバースについて管理・研究をしている組織の一員でもある」
「私はゴーストスパイダー。 まぁ色々呼ばれ方はあるんだけど、同じ名前で被っちゃうからそう名乗ってる。そこのスパイダーマンとはある意味知り合いかしら」
スパイダー・ソサエティ…? そんな機関があったのか。僕呼ばれてないんだけど。
「私はえっと、奥田宮乙葉ですっ。それでこちらが」『オットー・オクタビアスだ。スパイダーマンの敵だ!』
一番謎なのがこの女の子なんだよねぇ…!
「オットー博士はなぁんでそうなっちゃったの?」
『クローンへ意識を移す際に混線があったようでな。この少女に混じってしまったのだ。仕方なく乙葉に付き合っているということだな』「私が付き合わされているかと思うんですけども…」
頭が痛くなる話ばっかだァ…
「………少なくとも。ここにいる面々を我々ヒーローは戦力として頼っても構わないという認識でいいか」
「イレイザー!?」
「ブラド、今回の件で俺やお前、雄英の一部教師陣は身動きが取れなくなるだろう。 スパイダーマンもだ。 だが子供は2人攫われ、プロヒーローも1人消えた。 使えるものは使う。 合理的な考えかと思うが」
「しかし…」
「いや、私からも協力を願い出よう。我々に非がない訳では無い。そもそも今回のマルチバースが絡んだ事件の一端は別のスパイダーマンが引き起こした事件に関係するもの。 解決のために私とゴーストスパイダーがやってきたと言える」
案外、話のわかる怪しい見た目のスパイダーマンだった。隣にいるなんか知ってる雰囲気がする白いスパイダーマン…ウーマン?も頷いている。
『乙葉の身体の安全が最優先だ』
「流石に少女を巻き込むつもりは無い。雄英で身柄を保護させてもらう」
オットー博士はまぁそうなるよね。メタルアームあるとはいえ身体は女の子だし。
「オレちゃんは無理!」
「「「「なんで!?」」」」
誰よりも厄介事に突っ込んでいきそうだってのに!?
「これからウルヴァリンと映画の続編の撮影があんの。今回こそキャップとかソーを呼んでアベンジャーズに正式に加わるって寸法よ。ザマァ見ろ!20thF〇X!! そういう事だからヒミコとトゥワイスは置いていくんでこき使ってやってよ。というかそもそも二人ともこのバースの人間だし」
「はァい」
「おう任せろ!『ゼッテェヤダ!』」
また来るぜ〜ちゅ。なんていってデッドプールはなんか突然現れた黄色い?透明な板みたいなのを出してその中に消えた。どうなってんの???
というか、最後にシレッと誘拐してましたって告白してなかった!?
「ヒミコ…あー、なんて呼べば?」
「トガでもヒミコでもウィルソンでもいいです」
「じゃあヒミコちゃん。ヒミコちゃんは元々ここの世界の人間らしいけど個性とかあるの?」
「ありますよォ『変身』それが私の個性です。変身するにはその対象の血を飲まないといけません。コップ1杯くらいで一日くらいは変身していられます」
あら血を飲まないといけないってプロセスがあれだけど凄い個性だ。
「好きなタイプは血の香りがしてボロボロな人……あのもじゃもじゃ頭の男の子かっこよかったなぁ…」
うっとり、とした表情で呟くヒミコちゃん。うん出久くんだね!
最近モテ始めてる?彼。
「先に言っておくとな! オレたちはヒーローって柄じゃねぇぜ『全然ヒーローだけどな!』」
「あ、そうです。私、血が大好きなんでチウチウしたいですし…血を見るのも大好きで…」
「それは、」とブラドが言いかけたところで制した。うん、まぁわかるよ言いたいこと。
「大丈夫、とは言わないけどデッドプールと約束してるんでしょ?」
「もち! スパイダーマンが居て嫌われたくないから今回は殺しはなし!『殺してぇけど!』」
「悪い人も殺しちゃいけないってヒーローは大変なんですねェ。スパイダーマン、血貰えますか?」
「僕の血?それでいいなら「やめておけ」ダメだってさ!」
次に制されたのは僕。制してきたのはあの濃紺のスパイダーマン…ややこしいな。
「ミゲルでいい。お前の血は危険だ、その少女がお前の血を飲み遺伝子を得たら次は彼女がスパイダーガールにでもなる可能性があるぞ」
「嘘マジ? それってなんか根拠ある?」
「オレだ。オレはお前の遺伝子を組み込まれてスパイダーマンになったからな」
あー、それは本当に不味そう。
「うー…ウェイドパパの血のストックもあまりありませんし…他の血は……切り札ですので」
「……雄英の方で血のストックを何とかできないか掛け合ってみる。当面の間それで何とかなるかトガヒミコ」
「あ、はいっ。戦場では好き嫌い言ってられませんし有難いです」
デッドプールのことをパパだなんて、アイツ一体何したのさ?
いやそれにしてもちゃんと育てられてるなぁ、とは思うけども。
血の件は相澤先生が何とかしてくれるようだし、ヒミコちゃんが急に人の血を啜る展開は…ないと信じたい。
「ヒミコちゃん…でいいのかしら。 貴女は人をその…」
「殺したことあります。 だから事前にここではヒーローとは名乗れないって聞いてました」
「……っ!!」
ラグドールの質問にあっけらかんと答えるヒミコちゃん。迷いの無い目をしてるなーとは思ってたけど。まぁデッドプールと一緒に生活してたんなら荒事も多いよね。
「僕たちスパイダーマンは出来る限り不殺だけど、他の世界ってそうじゃないんだよね。分かってあげて、とは言わないけどさ」
「でもパパ言ってました! 殺したら血は限度があるけれど、生きていれば生きている限り人の体は血を作るって!だから好きな人の血は少しずつチウチウすることにしてるんですっ」
猟奇さがすこーし増した気がするんだけど。
奥田宮ちゃんなんて縮こまってるし。オットー博士はホログラムでドヤ顔しっぱなしだけどもね。
「ま、とりあえず僕たちは現時点を持ってマルチバースを巻き込んだ事件を解決するチームってことで!」
「先ずは爆豪と上鳴、ラグドールだな」
「ラグドールはかなり早い段階で攫われたのよね…」
「あ、そうだその事なんだけどよ!」
トゥワイス曰く、彼が作ったデッドプールの分身体が脳無とやり合い、八百万ちゃんと泡瀬くんが上手いことその脳無に発信機を取り付けたらしい。
「ねぇ、トゥワイス。僕の分身体も作ることが出来る?」
「もちろん!『無理だな!』」
多分出来るんだろう。
「反撃の相談といこうか」
ヒーローを舐めるなよ敵達。
さて、校長達やプロヒーロー達との打ち合わせ。マスコミへの情報を周知してようやく一段落……いや、まだ目覚めていない生徒も多いし、何より三人が誘拐されたままだから一息はつけないか。
「それで、改まってのお話だよね。スパイダーズ?」
「あぁ、そういうことだ。先ずは改めてミゲル・オハラだ。スパイダーソサエティでリーダーをしている。色々あってな」
ヒスパニック系だろうか? 誰もいない密室でマスクを脱いだ彼は軽く手を差し出してきた。いいね握手。僕大好き。
ギュッ、と握ると少し力強かったけど。
「お前には謝罪と説教の二つがある。どちらからがいい?」
「嘘でしょ。ここに来て怒られることがあるの!?」
とりあえず謝罪から聞けば、なんでも最初のきっかけ。僕がこの世界にやってきた理由は彼らが追っていたヴィランにあったそうだ。スポットと呼ばれるマルチバースを無理矢理繋げる穴を空けれる能力があったそう。それで空いた穴に僕がホールインワンしてしまってここに来たと……oh......
「そいつは何とかなったが、まさか巻き込まれたスパイダーマンがいるとは思わなかった。だからこその謝罪だ」
「いいよ、なんだかんだと楽しくやらせてもらってたからね。謝罪を受け取るよ」
「そのなんだかんだと楽しんでいたことが問題なのだ!」
「えぇ!?」
そこからもう長かったよね。
正体すらバラしていないものの目立ちすぎだとか、なんだか技術面でヤバいことになりそうになっているだとか、この世界にあるスパイダーマンの芽を危うく潰しかけているだとか! マジ? この世界のスパイダーマン大丈夫!?
「彼がスパイダーマンになるのは…だいたい8年後ぐらいだろう」
「あ、誰か知ってるんだ?」
「調べたのよ。色々あって。アナタみたいに行方不明になった他のスパイダーが居ないかって」
ようやく、ゴーストスパイダーと名乗った彼女が会話に入ってきた。
「凄い気まずいけど、…もうっ」
彼女もマスクに手をかければ綺麗な金髪が下り、その顔が露わととなる…嘘ぉ…
「グウェン…?」
「そう言うってことは、アナタは『彼』なのね」
色んな可能性、マルチバース。 僕以外のスパイダーマン。
うん、全部考えたつもりだったよ。スタークさんが死ななかったり、僕がヴェノムになっていた可能性だって考えた。 まさか、まさかグウェンがスパイダーマン…ウーマン?になってた可能性だけは…考えてなかったかも。
「……よし、OK。大丈夫。ごめんミゲル、グウェン。それで僕をどうするの? 無理矢理元の世界に連れていく?」
「言っただろう。事態の収拾が先だ…スポットなんぞより厄介事になっている」
「うん。無作為とはいえピンポイントに私達の『敵』をここに呼び寄せている。 実はここに駆けつける前にもライノ、ショッカーを二人、スコーピオンを私が捕まえて、ミゲルがバルチャーとミステリオ、リザードを4人ほど捕まえてる」
「それじゃあ合宿先に来たアイツらはこの世界に来たほんのひと握りってこと!? 」
ショッカー、バルチャー、エレクトロ、ライノ、リザード、ネガティブ。これだけでも総力戦!みたいなレベルだっていうのに。
「相手が何を考えているかは分からないが、かなりの悪意を持ってヴィラン達をここに引き寄せていると考えていい」
「とはいえ、相手も完璧に制御出来ているわけでもない。 あの乙葉? ドクターオクトパスのように此方に協力してくれるのも少なくともいるから」
「確かに。アレが本当に普段のオットー博士だったら面倒になっていたかも。他には居るの?協力してくれそうなの。あんまり期待してないけど」
「ヴェノムがいる」
「へぇ、ヴェノム…ヴェノム!? スパイダーマン大っ嫌い筆頭じゃないの!?」
「驚いた事にスパイダーマンのことを知らなかった。エディ・ブロックが宿主で悪人を喰らっていたがな…」
へー! ヴェノムが! へーー!!!
なんか驚き過ぎて簡単な感想しか出てこないんだけど。
「とはいえ、刺激が強過ぎるからな。別行動だ」
「ちょっと、子供達には早いから…」
ミゲルとグウェンの言わんとしてることは分かる。
「他にもライノだったり、多少お金はかかったけどタスクマスターも手伝ってくれたり…」
「少なくとも敵ばかりでは無いのが救いだね…ん? そうだ、僕たち以外のスパイダーマンも呼び寄せればいいんじゃない?」
名案!とばかりに呟いた僕にミゲルは額を抑えて天を見上げた。
「…そうはいかない。現状我々はこの世界に囚われている」
「…何度目になるかわかんないけど、マジ?」
「本来交わらない世界が無理矢理絡み付いているような状態なんだ。 我々が元に戻るには外から無理矢理この世界に穴を開けてもらうしかない」
「待って、じゃあヴィラン達はどうなるの?!」
「呼び寄せているヤツからしたら、彼らの先なんてどうでもいいのよ…とにかく暴れてくれればね」
いい歳こいたヴィラン達だけどさ。だからって先をまるまる潰されていいわけがないんだよね。
「捕らえたヴィラン達は? 大人しくしてるの?」
「意外にも、な。 暴れる奴もいるが同位体同士でも冷静なヤツが居て大人しく……なにか企んでるやもしれんが」
ヴェノムとタスクマスター、ライノの一人、あと数人はその捕らえたヴィラン達を監視…じゃないけど共に居るらしい。誰もが信じているわけじゃないけど、自分たちが捨て駒にされていることも何となくだが理解したようで怒り心頭みたいだ。ヴィラン達怒らせたら怖いよぉ…ホント。
「あの、俺…その、どーなっちゃうんですか…」
「ァん? お前はアタシの充電池になってりゃいいんだよ」
某所。連れ去られた上鳴電気は多少怯えつつも、なんとか状況を打破できないかと自らを誘拐した敵に声をかけてみていた。
見た感じ20代から30前半の女性。 ぶっちゃけ敵じゃなかったら年上のお姉さんと喜んでいたところである。
「いやほら、充電って言ったってお姉さんの方がなんか俺より凄そうだし…」
「…………」
「なんか理由とかあったり…?」
「死なねぇ為さ。お前と違ってアタシはある程度、電気を毎度取り入れねぇと死ぬ。分かるか?ガキのテメェに電気を得ねぇとジワジワと死に近づく感覚が!」
「いや分かりませんけど!?」
なんか、少しだけ光明が見えた気がする。そう思った上鳴はとりあえず会話を続けることにしてみた。
デッドプール
配信されたよ。映画見てね。 ぶっちゃけ、今回の被害が甚大になったきっかけのひとつ。
スパイダーマンが危ない? オレちゃんが助けよう! とりあえずコミックの知識から得た誰か仲間にしてスパイディを助けさせる→開闢行動隊の人数が減る→誰かさんが援軍としてヴィラン達を呼び寄せる→被害拡がる。
トゥワイス
5年くらい前に突然現れたハイテンション赤黒タイツに絡まれ、そのまま別の世界でミュータントと戦ったりなんだり。デッドプールを兄貴と呼ぶ。
トガ・ヒミコ・ウィルソン
詳細は省くけど幼少期にデッドプール、というかウェイド・ウィルソンに連れてかれる。 元来の血に対する欲求は一切変わらないが、戦場で血を得ていたのと、毎日ウェイドの血を飲んでいたこと、あとオフザケの教えで沢山の血より、恒常的に貰える少量の血。 本作のシンデレラガール。そのせいで酷い目にあう。
エレクトロ(女)
薬を飲まなければ肉体が分解する二代目の設定を幾らか引き込み、電気を供給しなければ消滅する設定に。 つまり電力供給がちゃんと行われれば仲間になるってこちょ…??
ヴェノム、その他
スパイダーマンと共闘してたり、逆に知らなかったり、少なくとも悪事を働くよりはグレーな方で頑張ろうとしていた人々。 山奥の穴蔵で捕まったヴィランズ監視中。