【僕たち】のヒーローバース   作:夢見969

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お気に入りが800越え、評価も皆さんありがとうございます。
やったぜ、感想も増えてきたし頑張るぞぃ。


悪夢の序章

八百万ちゃんの発信機による脳無工場への襲撃、警察の聞き見込みによる敵連合への反撃。そして多くの人々の目を逸らすための教師陣での謝罪会見。

敵達は作戦が上手くいった直後。気が緩むだろう。だからこその速攻戦!

 

根津校長達が上げたプランを聞いた時はたまげたよ。まさかそこまで考えていたとはね。引率していた相澤先生とブラドと僕…の分身体が謝罪会見に出ている。トゥワイスくん大活躍!

最初は相澤先生もヒミコちゃんが変身して現場に来るって打ち合わせをしていたんだけど、流石に戦闘判断を下した自分が代替を置いておくのは筋が通らないと断った。それを言われたら僕も心苦しいんだけどさぁ!

 

「……ん?」

「どうしたのヒミコちゃん」

「いえ、近くに知った血の匂いがあります」

「嗅覚で血を嗅ぎ分けられるの!?」

「はい、特に惚れ込んだ血の匂いなら」

 

うっとり、口角が上がり可愛らしい笑顔をうかべるヒミコちゃんに若干驚きながらもその言葉の意味に戦慄した。

つまり、この現場。脳無工場の近くに出久くんが居る……だって? まさか発信機の話を八百万ちゃんから聞いて!? ってことは八百万ちゃんも居るかもしれないってこと…引率で複数人の生徒が来てる!?

 

「どうしたスパイダーマン」

「あ、いやぁ。なんでもないよギャングオルカっ!」

「ちょっと、その子は大丈夫なの?」

「大丈夫ですよォ。死線だけなら何度もくぐって来てますので」

 

Mt.レディも心配して言ったのだろうがヒミコちゃんはやんわりと要らぬ心配と切り捨てた。幼少期から連れ出されてたんなら、僕よりも経験年数長いしデッドプールに変身して暴走リザードと殺り合えてたんだから間違いなく強いよねヒミコちゃん…

 

「それよりも、Mt.レディ! 血、分けてくれてありがとうございましたァ! とっても美味しかったので次はチウチウしていいですか?! いいですか!?」

「ひぇ……!? そ、その、お願いされたらあまり断りたくないのだけど…痛いのは許してください…」

 

一瞬で気圧されて逆転してるし。

 

「大丈夫ですっ! 色んな人に協力してもらったので痛くないように血チウチウ出来るようになったのでっ」

「ホント……?」

「ちゃんとした吸血鬼さんに習ったので大丈夫ですっ」

 

ちゃんとした吸血鬼さんって居るんだ…。

大丈夫? 別のコミックの世界とか行ったりしてない? 考えれば考えるほどに不安になってくるなぁ…!

 

「そういえばスパイダーマンさん。他のお二人は別行動なんですかァ?」

「ん、あぁ、ミゲルとグウェンのこと? あの二人はとりあえずは別行動だよ。 いつヴィランが出てくるか分からないし。ここに戦力を集中させるのはマズイからね。あとデッドプールの娘を名乗るんなら、畏まって呼ばなくていいから」

「それじゃあスパイディくんで。私も呼び捨てで大丈夫」

「OKヒミコ、 それじゃあ皆も準備出来たようだし……」

 

 

ヒーローをなめるなよ。

 

 

凄まじい轟音と共に脳無格納庫が崩壊した。巨大化したMt.レディの一撃が諸共を踏み潰したのだ。

大きく崩れ去った穴から次々とヒーローが突入し、ベストジーニストやギャングオルカが次々と稼働していない脳無達を捕縛していく。本命は…あっちか?

 

「うええ〜〜これ本当に生きてんのォ……? こんな楽な仕事でいんですかねジーニストさん」

「難易度と重要性は切り離して考えろ新人」

 

機動隊が移動式牢を運び、脳無達を搬送していく。

倉庫の中には連れ去られていたラグドールが発見され虎に保護されていたけど…どうにも反応がない。意識がないだけで命に別状は無さそうだけど……

 

「…………すごい、嫌な匂い。 気持ち悪い…!!!」

 

ビリビリとした悪寒が一帯を覆う。 あぁ、この感じ……

 

「すまない虎。ラグドールの個性は前々から良い"個性"だと思っていてね。丁度いいから貰うことにしたんだ」

「連合の者か!」

 

ザっ、と一歩。倉庫の奥。暗闇から踏み出した瞬間。

再び轟音が辺りを包んだ。

 

 

「せっかく弔が自身で考え、自身で導き始めたんだ。出来れば邪魔はよして欲しかったな」

 

 

ビル数棟を一瞬で破壊し尽くし、広い更地にしてしまったソイツ。

 

CLAP CLAP

 

「……驚いた。僕は全員消し飛ばしたつもりだったというのに。皆無傷かい? さすがはNo.4 ベストジーニスト!! それにスパイダーマン! そちらのキミは存じ上げないが、踏んできた場数が違うらしいね」

 

あぁ、これは。

 

「ジーニストが衣服を操り、スパイダーマンがウェブで引き寄せ、そしてキミは…Mt.レディに姿を変えて盾になった? 面白い個性を持っているじゃないか……!」

 

吐き気を催す邪悪の類だ。

 

「貴様、何者だ…!!」

「ちょっと、大丈夫!?」

「問題、ないですよォ……! ちょっと響きましたが…!」

 

一瞬の判断がみんなの命を奪う可能性があった。

ヒミコちゃんも変身が解け、ほぼ全裸に近い格好ながらブレード(デッドプールの刀を少し短くしたモノ)を構えて絶対にソイツから目を離さない。

 

ふぅ…オールマイトが来るのはそう遠くないよね。

 

「やぁ、はじめまして。僕の名前まで知ってくれてるなんて感激だよ。 アナタがオールフォーワン、だね?」

「あぁその通り。 キミとは長い付き合いになりそうだねスパイダーマンくん。……少し待っていてくれ、そろそろだ」

 

手で制された。いや、違うな。指先一本でヒーロー何人かを吹き飛ばせるってことか。

 

バシャッ…!と水音がすると……

 

「ゲホッ!! くっせぇぇ…! んっじゃあこりゃあ!!」

 

黒い泥のような中から爆豪くんが出てきた。人質!?

続くように幾つもの黒い泥が現れ弾け、ツギハギくんに仮面をつけた敵、マグネ、スピナー、Mr.ネガティブが出てきた。向こうの奇襲が失敗に終わったのか!

 

「また失敗したね弔。でも決してめげてはいけないよ。またやり直せばいい。 こうして仲間も取り返した。いくらでもやり直せ、その為に(先生)がいるんだよ。全ては君の為にある」

 

導くように…利用している。死柄木弔も彼のコマか。

 

「…………来たか」

「オールフォーワン…!!!」

 

 

SMASH!!!!!!!!!

 

 

オールマイトがやってきた。

 

「……ジーニスト、ギャングオルカ、虎! 辺りの市民の避難範囲を広げて! Mt.レディ、ヒミコちゃん、僕と敵連合の足止め!」

「ッ!? わかった!」

「頼んだぞスパイダーマンっ」

 

それと同時に我に返ったヒーロー達は動き始める。一人でも多く、この戦いに巻き込まれないように。

 

「バーからここまでま5km余り……僕が脳無を送り出して優に15秒過ぎての到着。 スパイダーマンにヒーロー活動を任せて温存していたとはいえ、衰えたじゃないかオールマイト」

「貴様こそなんだその工業地帯のようなセンスのないマスクは。 厨二病でも再発したかな!」

 

ギチリ、力むオールマイトに対してオールフォーワンは自然体で立っている。なるほど、これは強敵巨悪。 とんでもないスーパーヴィランが出てきたもんだよ…!

 

殴り掛かるオールマイトに対して手を突き出しただけでカレを遥彼方まで吹き飛ばした。

 

「さてと、ここは逃げるんだ弔。」

 

─個性強制発動─

 

僕やヒミコちゃんが動くよりも早く黒霧のモヤが肥大化し敵連合を飲み込もうとする。

爆豪くんまで連れ去られたら冗談じゃないぞ…!

 

突如、意識の外側で巨大な氷壁が現れ僕も、オールマイトも、オールフォーワンまでもが動きを止めた。

いやはや全く。最近の子供ってばすぐ成長して予想外のことをしてみせるんだから。

 

大きく飛翔した緑谷出久、飯田天哉、切島鋭児郎が戦場の上空を横断した。

 

「来いっ!!!!」

 

級友の掛け声と共に爆豪くんも宙へと上がり戦線を離脱。

 

「逃がさないわ! 反発破局! 」

 

あ、マズイっ!

 

「させないっての!」

「此方がさせないだけだスパイダーマン」

 

ウェブを打ち出しマグネに巻き付けるもネガティブが横合いから遮ってきた。

 

「ホント邪魔!」

「こちらのセリフだ!」

「夜逃げ砲!!」

 

マグネから打ち出された仮面の敵が宙を飛び、手を伸ばす。その少し先には爆豪くん達…!

 

「舐めるんじゃない、わよ!!」

「なぁ!?」

「Mt.レディ!!?」

 

再度、巨大化した彼女が片手で敵を受止め、もう片方の手で生徒たちを受け止めた。そして…

 

「行きなさいバカガキ共……!」

 

振りかぶって更に遠くへと投げた。

 

「うそっ!? あの距離は間に合わないわ!!?」

 

遠くへと逃げおおせた人質と生徒。これで心置き無くオールマイトも僕も戦える。

 

「まったく。一手でキレイに形勢逆転とは…君は戦い続けるんだ弔」

 

空気を押し出す個性で敵連合の面々は吹き飛ばされ黒霧の中へと飲み込まれていく。

 

「先生…!俺まだ……!」

 

静寂。 ヒーローが複数人にオールフォーワンと残されたMr.ネガティブ。これだけの戦力差があってもそう簡単に負けないという確固たる自信を末恐ろしく感じてしまう。

 

「まぁここまではある意味想定内。いや予見できた未来のひとつだろう。 大した問題でもない……」

「へぇ、僕とオールマイトを同時に相手をしても勝てるとか?」

「まさか。僕とてキミ達を同時に相手取るのは少々手間と面倒があるからね…スパイダーマン。キミには感謝してるんだ。キミのおかげで僕は可能性を、世界を、全てを」

 

またバシャ……と音が鳴り何かが落ちてきた。

まーた脳無? と思ってたら大きな巨体に鷲の翼、蠍の尻尾にサイの頭、爬虫類じみた腕に蛸と蜘蛛を折半したかのような金属の八足……

 

「「Wow……」」

 

あまりにもあまりなソレにヒミコちゃんと二人で口元を隠して驚いてしまった。

だってキメラ過ぎるんだもん。

 

「ヒミコちゃん!」

「無理無理、無理です。気持ち悪いです。生理的に無理! まだネガティブさんの方が相手できます」

「遠回しにマーティンのことも生理的に無理って言ってない?」

「だって根暗そうだし」

 

あ、少し怒った顔してるネガティブ!

 

「じゃあ行くよMt.レディ!」

「私も気持ち悪いんだけど!」

「つべこべ言わないの!」

 

オールマイトがオールフォーワンと殴り合いをはじめる中、僕たちの戦いもこうして始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ……逃げ、切れた…!」

「大丈夫かよ爆豪!」

「あァ!? 余裕だわクソっ!」

 

数日ぶりに見たかっちゃんは何時ものように悪態を吐くもどこか、消耗しているようだった。……でもこれでオールマイトがスパイダーマンが戦いやすくなったはず…。

 

「あ、ヘリ……」

「報道か?」

 

逃げてきた方へ向かう数機のヘリを下から眺めていると、ひとつが爆散した…

 

「え……?」

 

悲鳴が響き、人々が逃げ惑う。 空に犇めく夥しい脳無。

まるで悪夢だ。

 

「逃げるぞオメェら…!」

「あ、あぁ!」

「轟くんと八百万さんと合流しないと!」

「しかし、人々の流れが……頭を下げろ切島くん!」

 

ゴウッ! 風を切るように急降下してきた脳無の一匹の爪がギリギリで硬化した切島くんの頬を掠めた。

 

「あっぶね……!?」

「アイツこっちを狙ってんぞ!」

 

旋回し再び降りてこようとする脳無。

撃退は難しい、逃げるにしても人が……!

突如、雷撃が脳無を撃ち抜きその身体は近くのビルへと突っ込んだ…まさか……!

 

「ちょ、姐さん!? 狙いはいいけど被害出すの不味くないっすか!? 流石に俺もスパイダーマン先生に言い訳すんのムズいっすよ!?」

「うっさいね!? クソガキ共を助けろ!って言ったからやってやったんだろうに!」

 

いや、どういうこと!?

 

「みんな! 大丈夫か!?」

「あ、う、うん大丈夫だけど……えーとどういうこと!?」

「上鳴くん!無事だったのかっ! 先生たちが誘拐されたと言っていたが…!」

「テメェも誘拐されてたんかよクソが!」

 

かっちゃんと違ってまったく手掛かりがなかった上鳴くんが戻ってきてくれて凄く嬉しい…んだけど、そのお姉さんはいったい誰なの…?

 

「こちらエレクトロの姐さん! 俺を誘拐した人なんだけどなんだかんだ説得出来まして…」

「スパイダーマンに与するのは癪だけどそれしか無かったんだよ! …こっちにも事情ってもんがあんだ。ガキ共は早く行け。少しくらいは手伝ってやる」

 

 




オールフォーワン
やっと出てきた今作の大ボス。オールマイトに嫌がらせできるぞウキウキ! スパイダーマンくんのお陰で色々出来るぞワクワク!


Mt.レディ
気絶してないためにゲテモノの相手に巻き込ませてしまう。可愛そう


ヒミコ
素の状態でネガティブとやり合ってるぞ!強いなおい。


バケモノ
脳無ではない、でもなんか見た事のあるような部位がたっくさんの化け物。何をされたかは考えられるが…


ベストジーニスト
原作と違って重傷を負わずに戦線離脱。神野区の避難誘導に奔走する。


オールマイト
本編と違ってかなり残り火に余裕があったりする。口プはスパイダーマンに習った。
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