【僕たち】のヒーローバース   作:夢見969

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お気に入り、感想ありがとうございます。頑張ります。
描きたいシーンまで行くには大体コミック30巻ぐらいいかないといけません。たすけて


戦闘訓練!

「ヒーロースーツも色とりどりだねぇ。お、アレとか凄いな…え、あの子はあんな露出で大丈夫なの? ちょっとー? ねぇ、グローブと靴だけが動いてるんだけどまさか裸の子も居ない!?」

「「「「「誰!?!?!?!?」」」」」

 

遂に僕とオールマイトの初授業! 前もって生徒達の資料には目を通していたけどヒーロースーツを着た姿を見るのは初めてだし、透明な子、葉隠透ちゃん? はなんかぼんやりそこに居るなってことしか分からない!

 

「彼は私の相棒(サイドキック)のスパイダーマンだ!よろしくね!」

「ハァイ、みんなこんにちは。気軽にスパイダーマンって呼んでよね」

 

ワイワイガヤガヤとしていた雰囲気は一気に静まり返った。アレ僕なんかやらかした?と、首を捻っているとドッと湧きたった。

 

「オールマイトの相棒!?」「そんな人が居たなんて!」「初めて見るヒーローだけど!?」「スパイダーってことは蜘蛛の個性なのかな?」

 

「さて、盛り上がってるところ悪いがこれから皆には屋内での対人戦闘訓練をしてもらう! 監禁、軟禁など賢しい敵は屋内に潜むからね! 君らには『ヒーロー側』と『敵側』に分かれて2対2の屋内戦をしてもらう!」

「基礎訓練もなしに?」

「その基礎を知るための実戦さ!」

 

今生徒たちがどこまで出来るか、それを知るための初っ端戦闘訓練なんて聞いた時は驚いたけど僕の世界よりも超常が日常化した世界の子供達なら、そんな世界でヒーローを目指す子供達なら早すぎるって事は無い。X-Menだって養護学校とかで訓練してたわけだし。

 

「状況設定は『敵』がアジトに隠し持っていた『核』を『ヒーロー』が回収しようとしている! 『ヒーロー』は制限時間内に『敵』の捕獲か『核』の回収! 『敵』はその逆で『ヒーロー』の確保か『核』を制限時間まで死守すること!」

 

良くある設定だね。と職員室で言ったら相澤先生が信じられないような目でこちらを見ていた。

まぁそれは置いておいて、生徒達はペアをくじ引きで決め始めた。突発的に起きた事件に現場で居合わせたヒーロー同士でチームアップすることもあるから、偶然のペアを組むのになれておくのはいい事だし。因みに出久くんは丸顔の女の子とペアになってた。確かあの子の個性は触れたモノを無重力にする、だったっけ? 凄い強力だし敵を捕らえるのにも必要最低限でいい、優しい力だと思う。 格闘術とか覚えると凄そうだ。

 

対する相手は爆破の個性とエンジンの個性。

爆破は言わずもがな、出久くんのOFAも含めてみんな強力。 室内って点を考えたら飯田くんのエンジンが少し不利かもだけどね。

 

早速始まった戦闘訓練を見ていると出久くんが爆豪くんに襲われていた。教師用のインカムで全部聞いてるけどものすっっっっごいアレだ。昔のフラッシュを思い出すね…元気かなー、フラッシュ。

 

いけない、講評があるんだからしっかり見ないと。

ラッシュを捌きながら反撃を挟む出久くんに対し、爆豪くんは猛り吠えながらも冷静に出久くんのカウンターを回避している。出久くんも組手をして、だいぶ戦闘に対しての苦手意識を減らすことは出来たけどこの戦いに関しては爆豪くんのセンスが圧倒的過ぎるね。

 

「緑谷やるな!」

「爆豪怖っ!? ヤバすぎんだろ」

 

爆豪くんの篭手から放たれた鮮烈な火砲はビルの一角を吹き飛ばす! うーーーーん!? ヒーロー志望とはいえ子供に持たせていい火力かな!? ライノとかワンチャンでフィクスなら耐えられるかもしんないけど、ふつーの人間なら消し飛ぶんじゃ…でも個性とかのせいで人間自体が頑丈になってるみたいだし大丈夫なのか…?

とりあえず、訓練の設定としてはヒーローと敵のどちらにしても落第点ではあるけども。

出久くんもまだまだ課題点が見える。

麗日ちゃんは探索中。 飯田くんは一人で核を守ってるけど麗日ちゃん対策で部屋の物を撤去した判断力は素晴らしい。

 

そのまま訓練は佳境に入り出久くんのボディーブローが決まるもタフネスで押し切られた。けど、ダウンする前に振りかぶった拳で天井を吹き飛ばし、麗日ちゃんがそれを使って核を捕獲…。 僕がスパイダーマンになったばかりの時に同じことをやれ!って言われても無理だね。 この子達ってばほんと優秀。

 

「負けた方がほぼ無傷で、勝った方が倒れてら…」

「爆豪もいいの1発貰ってたけどそれ以外くらってなかったしな」

 

愕然としている爆豪くんをオールマイトが回収してきたので、右腕がまたしてもバッキバキに折れた出久くんは後にして講評が始まった。出久くん3回目だよ? 腕逝ったの。

 

「さぁて、今戦のベストは飯田少年! 理由わかる人!」

「ハイ、オールマイト先生。 それは飯田さんが状況設定に順応していたから。爆豪さんの行動は私怨丸出しの独断。屋内での大規模攻撃は籠城する側からすれば愚策。緑谷さんは爆豪さんを引き付ける役割を行いましたが、やはり同様の大規模攻撃は危険。 麗日さんは『訓練』故に行ったコンクリートの破片を核に向かって打ち込むという反則技。 故に核を守り、麗日さん対策をしていた飯田さんが最も状況を把握して訓練していたからですわ」

 

わぁ、オールマイト言いたいこと全部言われたんじゃない?

 

「せ、正解だよっ!」

 

ほら小刻みに震えてるし。

 

「下学上達。一意専心に励まねばトップヒーローになれませんので。 スパイダーマン先生からは私が上げた他にあったりしませんか?」

 

おっとこれは僕が試される側かな? ま、トップ中のトップのオールマイトの相棒がぽっと出で居るんだから気になるのもしょうがないかな。

 

「そうだね、八百万ちゃんの言う通りがほぼだと思うよ。 付け足すとすれば私怨丸出しだったとはいえ、爆豪くんの攻め方はかなり冷静だったよ。相手のペースに飲まれない。これはヒーローとして大事だからね。まぁ今回の様子はかなりヴィラン寄りだったけど……、いず…緑谷くんも爆豪くんに喰らいついて麗日ちゃんをフリーに出来たことは大きい。 彼の場合はもっと場数を踏まないと戦い方は上手くならないからそこが課題。 麗日ちゃんは周りに物がない時にでも戦えるように、格闘術をこれから覚えた方がいいかな? 飯田くんは素晴らしかったね! 僕が思いついた課題と言えば閉所での機動力の小回りをより高めると選択肢が増えると思うよ!」

 

おぉ……! と各所から声が上がったので求められてた答えは出来たのかなって思う。

 

「確かに、私はダメな点を上げましたが見習う点もありました。ありがとうございます」

「はいそれじゃあ次行くよー!」

 

そこからも結構濃い訓練だった。轟くんがビル丸ごと凍らせて、恐らく裸の葉隠ちゃんが凍えてたり。瀬呂くんの個性は僕みたいにスイングできそう!とか上鳴くんはエレクトロが居たら誘拐されそうだからこの世界生まれで良かったな、とか。佐藤くんの『シュガードープ』も単純なれど伸びしろがあって面白い感じがした。 峰田くんは化けると思うよ僕は。僕が漫画家だったら彼をメインにしてコミックを描きあげたいくらい。

 

「さて、全ての組み合わせが終わったね! 最後にスペシャル訓練を行ってみようか!」

 

僕聞いてない。

 

「スパイダーマンくんと有志生徒の対決といこうじゃないか! プロヒーローのレベルを知るのにいい機会だろう? あ、スパイダーマンくんがヒーロー側ね」

 

(ちょっと、オールマイト! 時間は大丈夫なの!? )

(うん、最近はキミが私の代わりに事件を解決しまくってくれたからね! 時間は余裕を持ってるよ!)

(ならいいんだけど…)

 

「こほん。それじゃ僕と戦いたい人!」

 

おぉ、上がる上がる。というかほぼ全員じゃない?

上がってないのは口田くんに個性の反動でボーッとしちゃってる佐藤くん、あと峰田くんに青山くん、耳郎ちゃんかな?

 

「オーケー、それならやろうか。でも人数が多いから広めの建物にしよう!」

 

そうして参加メンバー以外はオールマイトとモニタールームに移り二階建ての天井高めな大型な建物へと移動。 生徒達は『核』の設置をしに行った。

 

『それじゃ作戦会議もあるだろうから十分後に開始するからね!』

 

十分間待てば早速行動開始。排気ファンを引き剥がしてダクトの中に入って侵入し、天井に張り付きながら様子を伺うとなんというか、焦った様子の爆豪くんが突出して館内を走り回っていた。

プライドが彼をそうするんだろう。

 

「ま、今は僕は教師。 それは悪手だよ爆豪くん」

 

放ったウェブが彼の両手先を包む。 いや片手だけだ。咄嗟に腕を振るって片手を守ったのか。隠れてた僕の初撃に気がつくなんてやるね。

 

「てめ…っ!?」

「先生、ね。もしくはスパイダーマン」

 

爆破よりも先に彼を天井まで引きあげてそのまま貼り付ける。いっちょ上がり。

 

「強くなりたいなら、組手の相手ぐらいしてあげるよ。ちゃんと呼んでくれたらだけどね?」

 

確保テープを巻く前にボンっ!! とウェブに絡め取られた中で手が爆発した。自傷覚悟で僕が侵入したことを知らせたの? 覚悟決まりすぎでしょ。

次にいかないと時間が無い。

 

「爆豪くんの爆破の音! 先生はもう中に居るぞ! というか彼はまたひとりで突っ込んだのか!」

「ケロッ。固まって動いた方がよさそうね」

「うん、先生が相手だし」

 

飯田くんに蛙吹ちゃん、芦戸ちゃん。

固まって動くのはいい判断だね。 だから気をそらさせてもらう。

天井に張り付いたまま生徒達の近くの扉にウェブを貼り付け勢いよく引っ張ると大きな音を立てて扉が吹っ飛んだ。

 

「な、なに!?」

「先生か!?」

 

3人の視線が扉に集まった瞬間、一番最後尾にいた蛙吹ちゃんを絡め取る。

 

「ケロ……」

「ごめんね、少しここで捕まってて」

 

何が起こったか分からないという顔でこちらを見てる彼女を柱の上部に貼り付けたまま、すぐさま二人の真上へと移動。

 

「蛙吹くん!? うお!?」「あれ、どこに…きゃあ!?」

「おふたり様もご案内!」

 

首根っこを掴んで床に転ばせるとそのまま捕獲。 オールマイトから壁を見せるんだ!とか言われてるから油断と余裕を見せるわけにも行かないしごめんね!

あと10人ちょっと?

 

「うぉっとぉ!? 残念っ! 不意打ち失敗だねっ」

「ちっ…ダメか」

 

ぞわぞわっとした感覚に従って飛び退くと一気に周りが凍った。

轟くんの個性だね。

 

「一人で来たのかな?」

「さぁな」

「うん、オーケー。 次からは相手の目を見て返事をするといいよ」

 

氷の壁が作られたのと同時、壁の影から飛び出して来るのが見えた。尾白くんと上鳴くんか。

しっぽを使った接近戦はかなり鍛錬を詰んだのだろう、拳を弾き、しっぽを躱して足払いを仕掛けるも飛び退いて避けられた。上手いね!

そのまま氷の壁を滑るように下がった尾白くんの代わりに放電しながら上鳴くんが突っ込んできた。

 

「どーよ先生!」

「うーん、いい電気だね! 痺れちゃうかも」

「あれぇ!? 全く効いてねぇ!」

「三人とも即席のコンビネーション良かったよ! よく出来ましたっ」

 

放電しっぱなしの上鳴くんを軽く蹴り飛ばして尾白くんにぶつけると感電。そのまま2人をウェブで絡めとって捕獲。氷の壁は拳で砕いてさらにその向こうの轟くんも確保! あと何人!? というか核が見当たらないんだけど!

 

『あと10分〜!』

 

急かさないでよオールマイト!

建物の吹抜けを通って2階へと飛び上がると障子くんと大砲をセットした八百万ちゃん、瀬呂くんが居た。

 

「今!」

 

ドンッ!と大砲が火を吹き、僕目掛けて砲弾が飛んできた。ドンピシャのタイミングだ。障子くんの個性でタイミングを測ってたな!? スリングの要領で柱に打ったウェブを引き寄せ、ギリギリで砲弾を回避すると透明なテープが柱同士の間に張り巡らされていた。瀬呂くんの罠ぁ!

隙間を縫うように突破! 強度が低いから無理に破いても大丈夫そうだったけどまだ何かありそうだし!

壁に張り付いて様子を伺えば八百万ちゃんと二人は即座に反転して逃げた。司令塔はやっぱり彼女か。

追うにも瀬呂くんがテープを仕掛けながら逃げたし、中々作戦考えてるなぁ…

 

『あと5分だよ。大丈夫?』

「ちょっとオールマイト黙ってて。僕も焦ってるから」

 

ダクトを見つけたので中から探すか、と這い回り。障子くんの探知に引っかからないように出来るだけ音なく素早く覗いていく。

 

「先生居た!?」

「いや八百万達が見かけたのが最後だ」

「このまま時間切れで俺たち勝っちまうんじゃね?」

「で、でも何があるか分からないから気を抜かないでこ」

 

常闇くん、切島くん、麗日ちゃん、あと姿見えないけど声的に葉隠ちゃんが居るな。核だけを置いて全員が離れるとは考えにくいからこの部屋か。

さてどうしよう。ここで突入して4人を捕まえて目標を押さえるか、逃げた3人を捕まえるか。 答えは簡単。どっちもやる。

 

ガコンッ!と空気口を蹴り破って出てくると3人(多分葉隠ちゃんも含めて4人)はこっちを見た。

 

「やっほー!こんにちは!元気?」

「せ、先生だ!」

「よっしゃ!お願いしますっ!」

「いくぞ黒影! 『アイヨ!』」

 

元気に挨拶をすれば戦闘態勢に入る三人。気をつけるのは麗日ちゃんの手。だから爆豪くんと同じように!

 

「はい、麗日ちゃん握手握手っ!」

「うわぁ、なにこれぇ!?」

 

手先をグルグル巻にして個性を使えなくしてあげると引き寄せてそのままポイッと投げ捨てた。

 

「いくよ!切島くん!」

「おう!こい!!」

「うん、ダメだよ。相手に応えたらさ」

 

多分戦いたかったんだろうけど時間が無いからごめんね!と個性『硬化』を使って待ち構えてた彼の足を地面にくっ付けた。

 

「はぁ!? ずりィ!」

「常闇くんは常闇くんだけ確保すればいいのかな?」

「んなッ!?」

 

黒影(ダークシャドウ)の攻撃を躱しながら確保テープをすれ違いざまに巻いてやる。切島くんは真っ直ぐすぎて、常闇くんは本体が課題かな。

 

「裸はやめようね葉隠ちゃん!」

「うひゃあ!?」

 

スーツにサーモグラフィー付いてて良かったよ。じゃなかったら一生見失ってたかも。

 

「あと3人!!」

 

こうなったら障子くんと瀬呂くん、八百万ちゃんが鬼門だ。罠だらけにしながら逃げの一手だろうし!

全部突破しながらの突撃かぁ!やだなぁもう!

 

廊下へ飛び出せば早速八百万ちゃんの罠の数々。トラバサミに撒菱は壁で回避!と思ったら火炎放射機とかあるし、一人で軍隊みたいなのを相手にしてる気分なんだけど!? 創造の個性を使いこなせるのってすごいなぁ!?

罠を飛び越えようとすると瀬呂くんのテープ、追いつきそうになれば障子くんが察知してまた八百万ちゃんが罠を張る。うーん完璧だ。

 

「でも、走るのにも走る場所も限界があるよね」

 

残り2分、創造の個性を使うのだって無限じゃない。少しでも間が開けば瀬呂くんのテープだけじゃ僕を停められないんだから。

 

「こんなに逃げられるとは思ってなかったからキミ達三人、立派なヒーローの卵になれるよっ」

「ヒーロー、じゃなくて卵ですか…」

「参りましたわ…」

「きっつぅ……」

 

『スパイダーマンくんWIN〜〜〜!!!!』

 

あっぶなかったぁ。

 

 

 

 

「それでみんな感想は!」

「「「「「「めっちゃ凄かったです」」」」」」

「いやぁそれほどでも」

 

考えたらこうやって子供達に先生として褒められるのなんて初めてなわけで……予想以上に照れちゃう。

 

「急に蛙吹くんが消えた時は焦りました」

「モニタールームで見てたけど一人一人減っていくのは恐怖過ぎる…」

「プロってすげぇ!」

 

わいわいと盛り上がっている彼ら彼女らを微笑ましく見ているとオールマイトが少しヤバそうになっている。時間かっ!

 

「ってわけで、今日は今の自分を確認できたと思う! これから色々と授業をすると思うけど悩んだことがあったら何時でも聞きに来てね!」

「うん、私は緑谷少年に講評を聞かせてくるので解散!」

 

駆け出して行ったオールマイトを横目に爆豪くんを眺める。

変に拗らせなきゃいいけどなぁ……

 

 

 

 

 

結果としてなんか知らないけど爆豪くんは持ち直してた。




緑谷出久
スパイダーマンのおかげで本編よりも圧倒的に早くフルカウルを習得した。が、試運転の一発、入学試験での一発、戦闘訓練での一発で本編と同じく3回腕を壊してる模様。
個性把握テストではフルカウル"1%"で微弱ながらもそこそこの成績を残せていたので除籍なし。
かっちゃんにボディーブローを叩き込めたのは組手の成果、ではなく「クソデクの軽い一撃を受けてそのままカウンターで叩きのめそう」とかっちゃんが誘ったため。思いの外、一撃が重く咳き込んだ。
頑張れデクくん、このまま行けば体育祭には2%、3%は出せそうだぞっ。
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