【僕たち】のヒーローバース   作:夢見969

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難産&巻き気味内容です。
とはいえ、林間学校まではほぼ既定路線のため問題なし!初投稿よし!


ユニバーサルスタジ…違うの?!

「13号先生、相澤先生。木っ端たちの相手お願いしていい? 僕はあのデカブツと手の怪人(バンドマン)を相手にするからさ」

「出来るのかスパイダーマン」

「もっちろん。僕だってヒーロー。それもスーパーなね?」

「現場ではイレイザーヘッドと呼べ。13号、生徒たちを頼む」

「わかりましたっ」

「イレイザーヘッド!? なにそれ、そんなイカしたヒーローネームしてたの!? カッコよっ!」

「いいから行くぞ!」

 

さてなんでこんな事になったかというとだ。ヒーロー科1年A組の授業で『USJ』に来たら(ヴィラン)の大群が攻め込んできた。目的はオールマイト(平和の象徴)の殺害。

つまるところ、あのオールマイトを殺せる手札が揃ってることを意味するってこと。 生憎、オールマイトはまだ居ないんだけどね。

 

「いいかい爆豪くんと切島くん。あと緑谷くんに轟くん! 相手に突っ込まないこと! 人に任せることは任せる! それだけは覚えておくんだよ!」

 

なんか、あの4人のうちの誰かが敵に突っかかりそうな気がするんだよねぇ!なんて思いつつ恐らく首魁であろう巨漢と手の怪人の所へと躍り出た。

 

「やぁ、君なんて名前? 随分と個性的な格好してるね。それが流行り……なぁんて思えないけど」

「あ〜…? 誰だよお前。 俺はオールマイトを殺しに来たんだ。名もないヒーローが出てくんなよ」

「ふぅん? じゃあ残念だったね。オールマイトに会う前に捕まっちゃって」

 

撃ち込んだウェブが脳みそ剥き出しの巨漢に阻まれた。うげぇ、ちょっとグロテスクな見た目してる。

 

「なんだこれ、蜘蛛の糸か? こんなので捕まえられるつもりだったのかよ」

「捕まえられるんだなぁ、これが!」

 

もう一度、シューターをタップして撃ち込む。同じように巨漢が阻もうと手を出したが弾かれるように腕が跳ねた。

 

「あっれぇ、これでもダメ? インパクトウェブの威力上げないとだな」

「脳無。蜘蛛野郎を殺せ」

 

ぬっと、前に出てきた脳無と呼ばれた巨漢は喋る訳でも無く、ただただ拳を振るってきた。 速すぎる、なんてこと少なくともボクにはなく躱すには問題ない程度だ。けど生徒たちには荷が重すぎる。そして問題があるとすればそのパワー。

振り下ろされた地面は陥没したかのようにひび割れ沈み込んでいる。 オールマイト並のパワー!つまりこいつが対オールマイトってところだね!

 

「おっと、なんだ指示してるだけじゃなくてキミも戦うのバンドマン?」

「バンドマンってなんだよ。俺は死柄木だ…!」

「あっそ、死柄木。それじゃあ捕まる用意出来た?」

 

執拗に手先でこちらに触れようとしてくるってことは、麗日ちゃんみたいな触らないと発動しないタイプとみた。

スパイダーセンスに脳無が引っ掛かり飛び上がって避ける。この二人を僕が引き受けている間はイレイザーヘッドも13号先生も大丈夫だと思いたいけど……!

死柄木の身体にウェブを撃ち込んで地面へ縫いつけると同時に反動をつけて会心の蹴りを脳無の腹にぶち込んでやる!

 

「どーよ! ってあれ? もしかして効いてなかったり? タンマタンマ!」

 

腹にささった脚を掴まれるととんでもない怪力で締めあげられていく。骨が折れるんだけど!

一発、二発、とグロテスクな顔面にパンチをお見舞いするも全然効いた様子がない。 こいつ、凄いパワーに加えてとんでもない耐久力を持っている? だとしたら13号先生じゃなきゃ決め手にかける…! フルパワーで脳無の腕に蹴りを叩き込んでも全くもってケロッとしてる。ハルクとも殴りあったことあるんだけど自信なくしちゃうなぁこれ。

 

「って、死柄木? どーしてウェブから逃れられてるのかなっ!」

「なんで今の気がつくんだよチートか? ムカつくなぁ……!!」

 

開かれた五指が迫り来るのにたいして、全力を持って僕の脚を離さない脳無の身体を引き寄せ、死柄木の手先を脳無の腕へ触れさせる。 ウェブから逃げたってことは壊したりなんだりする一撃必殺に近い個性なんじゃない?と思った次第。

そしてそれはビンゴ! 脳無の腕がボロボロと崩れる。全部を崩すのには長く触れていないといけないのか、侵食が遅く死柄木も狙いに気が付いたようですぐに手を離した。 けど、脆くなってしまえばこっちのモノ! 無理やりに崩れ掛けの腕を捻らせて引きちぎった。

 

「あーっと、ごめんね! でも僕の脚を砕こうとしたからお互い様ってことで!」

 

腕が引きちぎれたというのに声も上げず、リアクションもなし。痛覚も無ければ自我自体もないのか。片腕になっても追うように駆け、重い拳を振り下ろそうとする脳無を相手にしながら死柄木はキッツイかも!

ズルリ、欠けた脳無の腕先が蠢き再生した。

 

「超速再生さ」

「ずるっ!?」

 

横殴りの腕をブリッジ回避しながら死柄木の両脚をウェブで絡め取る。 彼の崩壊は強力だけど崩れ始めから完全にダメになるまでほんの少しだけラグがある。だから足止めさせるなら死柄木からだ。

 

「ァァァ!! クソックソッ! さっきからウザイ! 黒霧ぃ! 散らして殺せぇ!」

「なっ!?」

 

遥か後方、生徒たちが黒いモヤに包まれその場から消えた。侵入してきた時のワープ個性!? ちょっと僕が落ちた穴とは違うけどだいぶマズイ気がするな!?

 

「お前もだ蜘蛛野郎。消えろぉ!」

 

脳無の拳を回避したところに置かれるようにモヤが広がっていた。 広場にこいつを放置して飛ばされるのはヤバいから直ぐに戻らなきゃ!

 

目の前に広がったのは土砂崩れが起きてるエリア。 こんなエリアを作るなんて雄英高校だからこそなのかなんなのか。 ってそんなことを考えてる場合じゃないや。チンピラたちとっ捕まえてイレイザーヘッドを援護しなきゃ。

 

「スパイダーマン先生」

「あれ、轟くん? 奇遇だね。ごめん。忘れて。不覚にも僕もここに飛ばされた。というかやるねぇ、もう全員凍ってるじゃん!」

「あぁ、先生が戦ってたアイツがオールマイトを殺す本命だ」

「だよね! オーケー。僕は広間に戻るっ。轟くんには悪いけどやってもらいたいことがあるんだよね」

「俺に?」

 

というか、やることを与えとかないと脳無に突っ込んで行きそうだし。

 

「ここからすぐ近くに山岳ゾーンがあるんだけど、そこの生徒たちと合流して広間に集まって! 個々で集結するにはちょーっと危ないから!」

「せいぜいチンピラ程度のヴィランだから問題ないんじゃない、ですか?」

「そう思いたいんだけどね。嫌な予感がする」

「……わかった」

「あ、それとナイス判断だったよ! あの辺凍らさないで! 葉隠ちゃん、僕と一緒に広間に行こうかっ」

「は、はいっ!」

 

(気が付かなかった…凍らさないでよかった)

 

あ、気がついてたって顔じゃないね。

氷の道を作り山岳ゾーンへ向かった轟くんを背に葉隠ちゃんを横抱きにしながら全力で広間へと跳び、駆け出す。葉隠ちゃんが絶叫してるけどちょっと我慢して欲しい。脳無ってやつは凄いパワーに『超速再生』、それに異常なタフネスを持ってた。イレイザーヘッドじゃ相性が悪すぎる。僕の全力で蹴ってもアレだったし13号先生に削り取ってもらうしかない。

 

 

 

高い建物がないからスイングせずに走る跳ぶ。スーパーパワーを久しぶりに思いっきり使いながら広間へと向かうこと20秒とちょっと。イレイザーヘッドが脳無に腕をへし折られていて13号先生の背中が抉られていた。葉隠ちゃんを近場に下ろしながらシューターの設定を変え二度目の対峙をする。

 

「頭にきたよ。久しぶりに」

「もう戻ってきたのかよ。何してんだチンピラ共……っ」

 

ガリガリ、不快な音を立てながら身体を掻き毟る死柄木の身体に何度目になるかウェブを打ち、念入りにそのままぐるぐる巻きになるまで絡め取れば電気ショックを流し込む。普段ならここまでやらないんだけどね。 ちょーっと今の僕は怒ってるからさ。

 

「がっ…!? ぐぅぅ、!!」

「やっぱり個性を持ってる子ってみんな頑丈なのかな。フツーの人間なら気絶する威力のハズなんだけど」

 

殴られそうになっているイレイザーヘッドにウェブをくっつけて引き寄せる。片腕が思いっきり折られている。けどそれ以外はまだ無事だ。

 

「どうするスパイダーマン…脳無とかいうアレを倒す手立てあるか?」

「全く思い浮かばないね…」

 

超速再生が個性ならあのタフネスとパワーは肉体によるものなのか。それとも複数の個性を持ってたりするのか。

イレイザーヘッドに個性を消してもらって僕がどうにか倒す?

そう考えていると訓練所の大扉が音を立てて開き始めた。

 

「すまないスパイダーマンくん、みんな…! 私が来た!」

 

あ、勝ったねコレ!

オールマイトが授業に遅れること30分。ようやくやって来た。

 

「ハァイ、オールマイト! あの黒くてグロテスクなヤツ、対オールマイト用なんだってさ! 超再生ととんでもない耐久とすんごいパワー持ってる!」

「であれば、それを上回るパワーで倒せば良いだけだね!」

 

究極の脳筋! でもオールマイトにはそれを出来るだけの力が残っている。

 

「待てやテメェ!」

「本体があるんだろ!」

 

黒い霧みたいな敵が爆豪くんと切島くんに追われている。

緑谷くんに峰田くん、蛙吹ちゃん。 轟くんに八百万ちゃん、耳郎ちゃん、上鳴くんと続々とA組のメンバーが集まってくる。問題なくチンピラ達はやっつけていたみたいだね。

 

「く、そっが……まだゲームは終わってねぇ…」

「ゲームだって? だったらキミはゲームオーバーだよっ」

「は、はは、ははは!! ヒーローが、勝った気でいやがる…!」

 

死柄木は妙なヴィランだ。僕の世界にいたグリーンゴブリンほどの邪悪さは感じないが、純然たる悪なようで稚拙。 信念も何も感じさせずとも多くのチンピラを連れて雄英なんてヒーローの卵を育てる総本山に乗り込んでこれる計画性。

全てがちぐはぐ。

 

「オールマイト、アンタを殺せばクリアなんだ…」

 

ゴゥ! と風を切る音を鳴らして脳無がオールマイトに肉薄した。さっきまで僕を相手にしていたのに一切見向きもしなくなるなんてね。

 

「ホント、硬いなぁ!!?」

 

オールマイト、個性が残り火になってるとはいえ正面から殴り合ったら絶対負ける自信がある。 そんなパワーでも脳無に響いた様子はなく、逆にオールマイトの身体を殴打しまくる。

 

「本当はオールマイトが死ぬところを見届けたかったけど、先生が帰ってこいってさぁ……黒霧」

「えぇ、収穫はないわけではないです。スパイダーマン、貴方という存在をね」

「僕…? ちょっと、それはどういう!」

 

こと、って聞く前に霧に飲み込まれて脳無を残し消えていってしまった。ってそれどころじゃないか!

脳無の背後から腕を縛り上げてオールマイトをこれ以上殴らせないように僕が留め、イレイザーヘッドが脳無の個性を消し、負傷しながらもブラックホールで脳無の脚を削り取った13号先生。

 

「ここまでお膳立てされなくてはいけないとは! いや違うか。雄英の教師を甘く見るな。ということだね! 私も……Plus ultra!!」

 

 

DETROIT SMASH!!!!!!

 

 

正しく大気が揺れる様な一撃。圧倒的タフネスを誇った脳無の身体をひしゃげさせそのまま撃破した。全盛期のオールマイトだったらどれ程強かったんだろうか。

チンピラ敵達が生徒たち、そしてオールマイトの後に駆けつけた雄英教師たちに拘束されて行く様子を眺めつつ、僕は念入りに脳無を縛り上げていく。 ウェブも1カートリッジ使い切っちゃったしラボで補充しないとなぁ……あの子が変なもん作って散らかしてなきゃいいけど。

 

「スパイダーマンくん、すまない。キミが居てくれたお陰で被害が少なく済んだ」

「少なく、ね。 13号先生は大怪我、イレイザーヘッドも腕を折られているんだけど。リカバリーガールならすぐ治せるのかな」

「あぁ。13号くんも1週間かからない。相澤くんも体力を使ったが1日もあれば元通りだそうだ」

 

生徒達も出久くんが指を一本骨折、尾白くんが軽い火傷、その他みんなも軽度のかすり傷がせいぜいの怪我だ。なんだったらオールマイトが一番怪我をしてるまである。

 

「オールマイト、時間は?」

「今日はまだ一時間以上このままで居られるよ。ここ最近ずっと私の代わりにキミが治安維持をしてくれてたからね」

「お陰で地域のヒーローからはだいぶヤッカミを受けてるけどね」

 

生徒達がブラドとスナイプに連れられて学校に戻った辺りで本題。

 

「さてと、オールマイト。彼らに心当たりは?」

「……あると言えばあるが、あの敵達は初めて見る」

「A組の生徒達がぶちのめした敵たちを軽く調べたが、どいつもこいつもチンピラ同然の奴らだったぜぇ!」

「チンピラ同然、とはいえ100人近くを集めて雄英の敷地に入り込むなんて今までにない事例よね」

「私としても生徒に不安を与えることが起きてしまった以上、考えることが山積みさ!」

「A組の生徒は見事乗り切ったようですが…、始まりに過ぎないと?」

 

プレゼントマイクにミッドナイト、根津校長、セメントスと事後処理を終えた面々。 ヒーロー歴がみんな僕より大先輩になるからちょっとドキドキする。

 

「スパイダーマンくんはどう思う?」

「間違いなく、次があると思うね。 だって対オールマイトだって言い切ってた脳無を置いていくんだよ。ちょっとだけ自分たちが不利になったからって」

「それに奴は『先生』と言っていた」

「先生?」

 

オールマイトが先生をやってる事の当て付けに(ヴィラン)も先生をやってヴィランアカデミーなんてもの作ってたりするのか?

 

「なるほど。先生。登録されてないワープ系の個性。オールマイトにすら手傷を負わせる脳無という怪人。 敵連合という組織は中々に不味い組織なのかもしれないね」

「雄英体育祭も近いから私たちは学校を中々離れられないし…これを機に街の治安が悪化するのは困るわねぇ」

「私がなんとか「オールマイトはダメ」……申し訳ない…」

 

しゅん、とすると同時にトゥルーフォームに戻るオールマイトを眺めながらプレゼントマイクが僕の肩を組んでくる。

 

「Hey! スパイダボーイ!ここらでちょっとランクアップしてみねぇか?」

「なぁんか、僕が忙しくなる予感。別にいいんだけどね?」

「我々は体育祭での役割があるが、確かにキミならフリーに動けるか」

 

死柄木弔に黒霧、それに脳無。

この襲撃からあの子たち、ヒーローの卵が巻き込まれ世界の大戦へと繋がる出来事が立て続けに起こり始めるのはほんの一時の日常を過ごした後のことだ。




オールマイト
言わずと知れたヒロアカ界の平和の象徴。
スパイダーマンが居るおかげで通勤中のヴィラン事件はほぼスパイダーマンが解決。マッスルフォームも未だに一日3時間近く維持出来るほどに損耗していない。 脳無戦も思いの外、傷が浅かった教師陣のアシストで殴られる回数が減り、抹消で【ショック吸収】が消えて13号のお陰で大きな隙を晒した瞬間の一撃必殺。

全盛期オールマイトならばサノスとかソーを殴り倒せるんじゃ? なんてスパイダーマンに思われている。

スパイダーマンとは歳がかなり離れているものの、良きヒーロー、良き友のような存在に思っていたりする。




死柄木弔
スパイダーマンが居るせいで貧乏くじ。かと思いきや原作ほど負傷してないし精神が妙に安定してたり、不安定になったりする。
先生のせい。
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