【僕たち】のヒーローバース   作:夢見969

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連休初投稿です。

競技シーン難しいから巻き気味で申し訳!


雄英体育祭 前編

僕が居るってことを見ててください……っ

 

『スタートッ!!!』

 

開幕のブザーと同時に雄英高校1年、全11クラスが障害物競走のコースへと走り込む。 が、スタートゲートからコースまでの距離があり、そしてゲートの幅が極端に狭い。つまり、スタート地点が最初のふるい…!

 

目の前を走っていた人には大変申し訳ないけど、その背を踏み狭いゲートの壁へと飛び上がる。

 

ワンフォーオールの制御に苦心した末にスパイダーマン先生の例えてくれた蛇口から水を出す感覚を応用して、出す(パワー)を自分というコップ()に収める感覚。

 

ワンフォーオールフルカウル 3%。

 

指先と足のつま先辺りに緑電が奔る。

両手両足で壁にスパイダーマンのように着地すれば、跳ねて対角の壁へ、ジグザグに前へと飛んでいく。同時にヒンヤリとした空気が流れ、下を走っていた多くの生徒たちの足元が氷漬けにされてしまった。轟くんが仕掛けたんだ!

 

「そう上手くいくかよ半分野郎ォ!!!」

「甘いですわ轟さん!」

 

かなりの人数が氷に絡め取られる中、クラスメイト達はジャンプしたり個性を使ったりと様々な方法で回避していきコースへと躍り出る。狭かったルートが開けて広いコースと思いきや…

 

『さぁ!いきなり障害物だァ! まずは手始めェ……第一関門・ロボ・インフェルノ!!』

 

入試の時の0ポイントがたくさんいるぅ!?

 

「沢山いすぎて通れねぇ!?」

 

所狭しと並んでいる巨体に足並みが止まる。そんな中、先頭を走っていた轟くんだけが即座に動き巨体まるまる凍らせてしまった。 不味い僕も動かないと!

かっちゃん、瀬呂くん、常闇くんがロボの巨体を駆け上がり上からの突破を目指す。 僕が今できる最前は…正面からの強行突破!

素早い移動でロボの足元をくぐり抜けると背後から轟音。恐らくロボットが倒れ込んだんだろう。

 

『おぉっと! 二人ほど巻き込まれたなぁ!? 大丈夫かあれ!?』

 

あの巨体に押しつぶされた人居るの!?

 

『あ、ありゃA組の切島とB組の鉄哲か』

『あの二人なら大丈夫だろう。頑丈だからな』

 

その2人じゃなかったら危なかったって事じゃないかな相澤先生!

スパイダーマンと一緒に特訓をしてたせいか彼みたく、少し心に余裕を持たせて競技に挑めてる。なんだか内心でツッコミが多く入っちゃうけど…!

 

「むっ、緑谷くん! 速いな!」

「飯田くんも…っ危なっ!?」

 

隣を走る飯田くんとの間にでかい拳が落ちてきた。剥がれ落ちた装甲が雨霰のようについでとばかりに降り注ぎ、後続の生徒達を襲う。

前は轟くん、かっちゃん、瀬呂くんに常闇くんだけ。2%とはいえかなりの速度で走れるからまだまだ追いつける範囲だ。焦る必要はないっ。

 

ドドドドっ!

 

思考の外から快音が聴こえると僕と飯田くんの間をエンジンを鳴らしながら走り去っていく存在…

 

「八百万ぅ! ぶっちぎれェ!」

「後ろは任せましたわ峰田さん!!」

 

「「「「「えええぇぇ!? バイクゥ!?」」」」」

 

『おいおいおいおい!アレはアリかよイレイザー!』

『個性で生み出したモンだろ。問題ない。私有地だしな免許もセーフだ』

 

八百万さんがバイクで追い抜きざまに峰田くんがモギモギをばら蒔いていく。なんて足止め極悪戦術!?

次々と他の人たちがモギモギに足をとられて転んでいく様を見れば、更にその後続は慎重にならざるを得ない。僕と飯田くんは出来るだけ巻き込まれないように速度を上げてバイクを追従する。

 

『さぁ先頭は第二関門! 落ちりゃアウト! ザ・フォーーーーール!!』

 

崖っ! 飛び飛びの足場にロープがつけられている。いわば綱渡りだ。 轟くんはまだ先頭、かっちゃんは飛んで綱渡りを無視! 蛙吹…梅雨ちゃんも止まることなく進んでいき、飯田くんもエンジンを吹かせながら進んでいった。

八百万さんと峰田くんは八百万さんが出したロープにモギモギを沢山つけて投げ、貼り付け、スパイダーマン先生のようにスイングで一気に前へと飛んでいく! 凄いや!

 

「僕も……っ!」

 

後続への妨害も意識して、手近なロープをパワーで引きちぎり八百万さんたちと同じくターザンロープの要領でスイング! は、速い!思ったよりも怖い!? スパイダーマン先生って凄いんだなぁ!?

ちょうどいい位置で離せば空中へと舞い上がった。 身体を壊さないように、コップ一杯に貯めた水を一気に捨てるように……!

 

SMASHッ!

 

着地と同時に地面へ向けて拳を振るう。ただの1%で拳圧を出すほどの威力が出せた。だからそこから少しだけ底上げして地面に打てば弱々しいが衝撃波のように着地の速度を落とせる…はず!

ほんの少しの痺れ。骨を折るレベルじゃない!

 

『さぁ!最終関門! 一面地雷原!!! 怒りのアフガンだ!!』

『たまに思うがコース設定バカなんじゃないか』

 

轟くんをかっちゃんが抜き去り1位が入れ替わった!地雷を避けて走る轟くんに比べて爆破を利用して空中を移動するかっちゃんの方がここは有利…!

だったら2度目の使い所は今しかない!!

 

『爆破爆破爆破ァ! 生徒達が次々に宙に舞ってくなぁ!』

『本物の地雷じゃなくて良かったなオマエら。ん?』

『どうしたイレイザー…って大爆発ゥ! 先頭から離れ中団にいたA組 緑谷が猛追ィ!!!!? アイツあんな個性だったかぁ!?』

『いや、上手く地雷を利用したな』

 

一度目の放出で大跳躍。 爆発しそうな威力を内から発するのではなく外に放出するように! ビキッ、と筋がおかしくなった気もするがこの程度なら問題ない!

 

そして二度目の放出は着地地点の地雷に目掛けて!

 

 

地雷を使った劣化版爆速ターボ!二度目の大跳躍は轟くんとかっちゃんの頭上を飛び越すように躍り出る。

 

「デクゥ!! 俺の前に出るんじゃねぇ!」

「ちっ、前に行かれた…!」

 

上手くいった上手くいった上手くいった……!!!

個性を授かって2ヶ月近く。出力は全然少ないけど咄嗟の扱いが出来るようになってきた! 前のめりで地面を踏み締め駆け出す。

かっちゃんの爆発の加速力では追い抜かれるかもしれないけど、轟くんと競っている今なら轟くんは先ずかっちゃんを落とす為に氷を使う!

 

『今一番にスタジアムに還ってきた男ぉ! 中団から虎視眈々と前を狙っていたのは緑谷出久だぁ!!!』

 

1位! 1位になれた……い、いやいや。アレほどオールマイトとスパイダーマンに目を掛けてもらってたんだ。ここで緩んじゃダメだ。 開会式の前に轟くんにも負けないって宣言したんだし。第1競技をせいぜい1位取ったくらいで……!

 

「クソが……またっ、俺は…!」

 

続々とゴールしてくる面々を眺めていると地雷原で少し足止めをくらっていた八百万さんと峰田くんがやってきた。

 

「流石ですわ緑谷さん。個性把握テストの時から思ってましたが制御が精密に出来るようになるほど貴方の個性は脅威ですね」

「オイラも負けないぞ緑谷ぁ!」

「あ、ありがとう八百万さん、峰田くん……なんで二人一緒だったの?」

「あぁそれは…最初のロボットのところで私が大砲でも出して倒そうとしたのですが……」

「あそこでロボット倒しちまうと後続がそのまま来ちまうだろ? だからオイラがバイクを提案して、乗せてもらう代わりに妨害したのさ!」

 

なるほど、1位を狙わなければ手を組んで少しでも上を目指す手もあったのか…

 

「それにプロになった時のチームアップの予習って言ったら簡単に頷いてくれたぜ」

 

ボソッ、と耳打ちしてくる峰田くん。

なんだろう、八百万さん大丈夫かな色々と…。でも最近、峰田くんが大々的にエッチなことを言わなくなってきたな…

 

「デクくん、1位おめでとう〜……凄かったねぇ…」

「う、麗日さんっ! 麗日さんも上位の方だったじゃないかっ」

「くっ、僕としたことが……この個性を持ってしてレースで1位を取れなかったとは…」

 

『さあさあ! 上位42名が2回戦に進めるわ! 2回戦の競技はこちら、騎馬戦よっ』

 

ミッドナイトの宣言によってモニターに映し出される文字。

騎馬戦。

 

『制限時間は15分、選手それぞれ振り当てられたP(ポイント)が騎馬の合計P。騎手はそのP数が表示された"ハチマキ"を装着! 終了までにハチマキを奪い合い保持したPを競い合う! 奪い取ったハチマキは首の上から巻くから奪えば奪うだけ管理が大変になるわ!』

 

『そして与えられるP! 1位の緑谷くんは1000万P!』

 

はい?

 

ギョロっと、周囲の目がこちらを向いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっぐいことするなぁ、ミッドナイト」

「子供の頃から競争と協力をすぐにやらせてるのねぇ」

 

モニターを眺めているMt.レディと僕。 エッジショット達は飲み物を買ってくると居なくなっていた。

 

「それじゃ、僕はそろそろ行くかな」

「ん? スパイダーマンは観て行かないの? アンタの教え子たちなんでしょ」

「まぁそうだけどね。今日は結構なヒーローと警察が雄英の警備に割り振られているでしょ? だったら僕は外を回ってこようかなってさ」

 

長期的に計画をする敵ならば、雄英体育祭を見て将来のヒーローの個性を確かめておくんだろうけど短絡的な敵ならば、オールマイトや他のヒーローが沢山会場に詰めている今を狙って行動を起こすだろうし。

 

会場の外に向かって歩いていると角で大きく、何だか暑い人にぶつかってしまった。

 

「むっ、悪いな」

「いやぁ、大丈夫。僕もちゃんと前を向いてなかった…し……」

 

炎が揺らめく髭にイカついフェイス。間違いない彼はフレイムヒーロー エンデヴァー。 轟焦凍のパパで僕と何度か鬼ごっこをした仲である。

 

「貴様スパイダーマン!」

「おおっとタンマタンマ! ほら、僕! 雄英の教師! ヒーロー免許もあるから!」

 

スーツの収納部から取り出して見せつけると猛った炎が少しだけ弱まった。危なく会場内で丸焼きにされるところだった…!

 

「知っている。貴様にヒーロー免許が交付されたことも、オールマイトの相棒になったことも」

「なんだ知ってたの? だったらそんな怖い顔と炎やめて普通にしてよね。 ただでさえ威圧感バリバリなんだからさ」

「…黙って聞いていれば」

「で、今日はお子さんの応援?」

「アレは最高傑作だ。いずれオールマイトを越える…な」

 

ボゥッ…と炎が湧き上がるのを見てゾワリとした感覚に襲われる。ヤバいね彼!

 

「エンデヴァーってば、いま敵も真っ青な顔してるの分かってる? アナタの事情とか向上心とか野心とか僕にとっては至極どーでもいいけどさ。 自分じゃ出来ないことを人に押し付けるなんていい歳こいて恥ずかしくないの?」

「なんだと…貴様に、貴様に何がわかる!!」

「だから分からないって。オールマイトを超えたくて努力を続けてたってのは聞いた事あるし僕も凄く思ったさ。 でも結局、自分じゃどーにもならなかったから、人に押し付ける方へ逃げたんでしょ」

 

一触即発、とはこの事だろう。関係者席側の通路だったから良かったものの今のエンデヴァーは憎しみで人を殺せそうな目をしてる。 てか、僕が彼の地雷を踏み抜きまくったからだろうけどさ。流石にこの状態のエンデヴァーを見過ごす訳にはいかないよね。

 

何度か追いかけられた程度の関わりだけど、ヒーローとしての彼の活動はしっかり見た。迅速な対応に、人に安心を与えられるほどの力。 彼は間違いなく市民のヒーローだろう。オールマイトが居なければそれこそNO.1になれたほどの実力者だ。

それがオールマイトに関することとなると敵みたいなレベルになってもー大変。

 

「焦凍くんが最高傑作。まぁわかるよ。凄い個性だ。 で、焦凍くんはアナタのナニ? 作品?」

「焦凍は俺の息子だ」

「へぇ、息子ね。 だったら、息子の晴れ舞台を親として、見に行けばいいんじゃない? ね、炎司さん」

 

ブォン! と一筋の炎が顔の横を横切った。あっぶな!?

正直、エンデヴァーとはやり合いたくないんだよねぇ。いくら耐火スーツとはいえあのレベルの炎だと全然ヤバイし。

 

『緑谷チーム、上手く相手を寄せ付けねぇぇ!!』

 

騎馬戦が始まって少し経つのか実況が聴こえてくる。

出久くん、上手くやってるようだし心配要らないね。と、会場の外に出て軽く背を伸ばしてるとスーツに連絡が入ってきた。

 

『スパイダーマン? 聞こえているかしら』

「通信良好! どーしたの。敵関係の事件でも見つけた?」

『ちょっときな臭いものをね。ヒーロー殺しって知ってる?』

「聞いた事ないな。でも随分と厄介そうな名前だね」

『既に十数名殺害してるわ』

 

思ったよりもヤバそうな相手じゃん。

 

『そのヒーロー殺しが都内…保須市っていうところで活動を始めたんじゃないかって。貴方、今は雄英? でしょ。行けるかは分からないけど知らせておこうと思ったのよ』

「大丈夫。トーキョーってここから180kmくらいなんだ。だったら30分かからないよ」

『………えぇ〜』

「ってことでナビゲートお願いねっ」

 

ウェブを打ち出して会場から上へ。建物の屋上に向かって全力で翔る。

ついでにお土産でもオールマイト達に買って帰ってこよ。

 

 




最後にでてきた連絡先の人誰ですかね(すっとぼけ)
分かったとしても名前を出さないでいただけると…うん、助かるかも。


今回の緑谷出久
原作よりもかなり個性OFAの使い方が上手い。微調整を繰り返しながら最適な出力を探り当ててフルカウルで爆走しているので飯田くんに負けず劣らずの走力をしている。とはいえ、全身に力を満遍なく送るのはまだまだ難しいので5%ではなく、3%。
溜め込んだパワーを拳に込めて殴るのではなく、衝撃を打ち出すようにパンチとキックをしてるので許容量5%を超えて8%で打てるぞ! この時点でエアフォースもどきまで打ってるぞ! どうしてこうなった。


エンデヴァー
ちょっと前にオールマイトに絡まれて超不機嫌な時に地雷原でタップダンスされた気分。野心やらなんやらで心情グッチャぐちゃ。とはいえ、ヒーロー、正義側の人間の為に踏み込んで話してくるスパイダーマンは二、三度殴る程度に留めておこうと思っている。


峰田 実
スパイダーマンに普段は誠実にしてほんの少しだけそういうジョークを言ったらマスコットみたいな見た目も合わせて海外ウケすると教えられて自制中。
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