憧れてたんですよね、年明けに投稿するのを...なのでストックしてて書けなくなったら放出する予定だった雑人格ストーリーを上げます、正月関係無いけど許しておくれ。アリウス自治区の奇跡と濁流ホシノの続きは...暫し待て!
毎度ながら評価お気に入り登録感想等有難く頂戴しておりますわよ
「...これで、一先ずアリスちゃんの目標は達成出来たんだね。おめでとう。」
そう話す少女―小鳥遊ホシノの顔は、言葉に反して酷く暗い。
そして、ホシノの眼前にいる子供―天童アリスの顔色もまた、同様だ。否、以前と違い、血が通った色をしているが、それが彼女の抱えるあらゆる種類の感情を如実に映し出している。
「じゃあ次は、私の番だね。」
感情を押し殺すように、ホシノは淡々と続けた。
それに対して、アリスは何の反応も起こさない。代わりに、眼を瞑って、何かを待っているか、或いは思い出すように佇んでいる。
「私がここに来た理由は一つ、このキヴォトスに撒かれたねじれ現象、その原因の特定だった。」
「その為に、アリスを手伝ったって...利用したっていうんですか...?」
「うへ~、そう言い方をされると困っちゃうな~?サボったことはないじゃんか~。」
誤魔化す様に軽く言ったが、アリスの目線に促されるように、また次第に口調が落ちていく。
きっとその変化は不可逆的だ。そしてそれは、彼女たちが築き上げてきた関係にも同じことが言えるだろうし、そのの事に彼女ら自身が気づいてないこともまた無かった。
「成果は十分だった。結果としてアリスちゃん、貴女が原因だってことも分かったから。
貴女が最後にあんな――復讐の為に全てを裏切ることをしなかったら、こうはならなかっただろうから。」
「じゃあ、何でアリスを止めなかったんですか?」
少し涙の混じった声を抑えながら、彼女はそう聞いた。
口調を変えずに、ホシノはそれに答えた。
「一つは、殺せる存在じゃないと分かったから。
二つ、どうしてそんな選択をしたのかが気になったから。
三つ、そんな貴女が、私とは違った選択を出来るかもしれないと思ったから。
そして最後――」
一呼吸おいて、ホシノはキッとアリスを睨んだ。
「願いを叶えることの出来たすべての元凶に、最も巨大な喪失と苦痛を味わわせる為に。」
その視線には、過去においてきた後悔と怒り、或いは――また別の感情も紛れていたのかもしれない。きっとホシノ自身もそれに気づいていただろう。だが、それがどうした。それで留まり立ち返れる道などもう無かったから。
「私も少しは思ったよ。アリスちゃんにも大きな苦痛や挫折があって、どうしてそんな選択をしたのかが気になった。
そして、その様子を見て、私も選択の余地があるかも、なんてね。」
でも、とホシノは続けた。アリスは未だに沈黙を貫き続けている。
「私が味わった苦しみは、アリスちゃんのものに比べれば大したことは無いだろうけど...そんなこと関係ない。
私はあの日、あの広大な砂漠となった裏路地の只中で、この都市に必ず同じ喪失を抱かせてやるって、誓ったから。貴女みたいに。」
ホシノ自身も気づかないまま、語尾が荒くなっていく。気づいたとしても、それを正すことなど出来ようもない。
「それなら、アリスは――誰に報われたら良かったんですか?アリスの百万年の苦痛は、一体誰にぶつければ良かったんですか?」
「知ってたのなら――こんな選択なんてしなかっただろうね。」
そう言いながら、ホシノは盾を顔を覆い隠すように構えた。
「アリス、貴女は私と同じ――いや、それ以上の苦痛を、私の全てだったユメ先輩を奪われたあの苦しみ以上のものを味わうべきなんだ。」
数多の人をこの場所で屠ってきた。その中には顔見知りもいた。
何時しか来た「アビドス事務所」、彼女の古巣。そこにいた大切な後輩たちも、この手で殺した。
かつてある子供に渡したマフラーは、今や再び彼女の首に巻かれている。
「この瞬間のために――全部抑圧して、ただ貴女の隣で笑ってばかりいた。」
マフラーを握りしめる、或いはそれで己の首を絞めつけるようにしながら、再びアリスを睨みつける。
その声の中には、嗚咽が混じっていた。
「貴女が想像すらできないような方法で、この世界で一番苦しんでるのは自分だって思わせながら、殺してやる。」
「私はただ、勇者になりたくて――」
呆れたような溜息を吐きながら、ホシノはそれに答えた。
「そんな御伽噺の為に、ただ自分が報われる物語が欲しいが為に、そんなことを宣ってるんでしょ?
でも、誰もそれを否定しない、否定できないんだ。」
銃を構えなおし、再びアリスの眼前に銃口が突き付けられた。
「何も迷うことはない。ただ一つの心構えで、貴女も私に立ち向かえばいい。
それはそれで、これはこれだから。」
それは、彼女が、最大の敵であり、もしかしたら友達になれたかもしれなかった人に贈った、この世界を生き抜く為の言葉。
それは、彼女が友達だった人に向けた、覚悟を決めさせる言葉。
パチンと音が鳴り、舞台が開かれた。
星が瞬く階層の中、眼前に立ったのは、狐耳の少女だった。
「御前もまた、その選択をするのだな。」
無感情に言い放つ少女とその仲間に対して、無言のまま、銃を構える。
小鳥遊ホシノのもう一つの名前、『暁色の眼』には、或る由来がある。
どれ程夜が昏くとも、その眼は容易く闇を切り裂く。
燃え盛る様な弾丸は、周囲の色を夜明けに染める。
かつていた、今はもういない人の盾を構え、
この手で屠った、大切だった後輩に渡したはずのマフラーを首に絞め、
それはそれで、これはこれ――そう小さく呟いて、
最後の踊りを、踊り始めた。
ご拝読ありがとうございました。
毎度のことながら、感想やお気に入り、評価などしてくれると作者がとても喜びます。
それと、リクエストも募集しているので、感想などに書いてくだされば書こうと思います。
マシュマロも開いたよ!俺、いいアイデアが思い浮かんだ...人は投げつけてくれると喜びのたうち回ります。幻想体×生徒とか、この協会この生徒に似合いそうだな...とか、そういうのをくれると嬉しくなります。アイデアなんて幾らあっても嬉しいもの。
https://marshmallow-qa.com/pfrcn2t7nqzsj38?t=hb5gJk&utm_medium=url_text&utm_source=promotion
プロムン関係無い純粋なブルアカ創作をここに載せてもいいか
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ええよ
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あかんで