なお学校が始まったので投稿頻度は今以上に死ぬらしい。
この所、毎日のように夢を見る。
夢といっても、そこに幸せなんて欠片すらない。全てが悪夢だ。
夢の中では、二度と会いたくない彼女が必ず私のもとを訪れてくる。
それも、一人ではない。彼女の連れてくる影が、息が詰まるほど湧いて出てくる。
その中には、私の知っている顔もある。
幾らそれらを切りつけようとも、幾ら魔女の首を掻き切ろうとも、終わることはない。
そして。
雷が鳴るたびに自分の見知った顔が死んでいき、その度に、夢の中なのにどうしようもない無力感に襲われる。
自分に仕える給仕達。かつていたが、奪われてしまった愛する妹。
頼りになる給仕長も、結局は雷鳴とともに死んでしまう。
そうして自分一人になって、ようやく己の非力さを悟る。
どれだけ鍛えようとも、どれだけ剣先を鋭くしようとも、魔女の前には無意味だと。
悟りながらも足掻いて、足掻き続けて、無様に腕を切り落とされる。
数多の影が押し寄せてきて圧迫しながら、魔女が笑いながら自分の命に手をかける。
その時、雷が鳴った。
「...ッ!!!」
悪夢から目が覚め、亡いはずの腕が痛むのを感じる。
桐藤ナギサは、あの日―ミカに腕を奪われ、狂笑と共に狩りを宣言されたあの日から、毎日がこうだ。
悪夢から目を覚まさせるのは、決まって窓を叩く嵐だ。笑えない皮肉だと自嘲する。
あの日―彼女の左腕が亡くなったあの日。
あの日から、ナギサが誰かを信じる理由は消えてしまった。
深い後悔と疑念だけが心の中にわだかまり、終ぞそれが吐き出されることはなかった。
側近の者であろうと、真に心を開いたことはなく、それは最近見知った大人についても同様であった。
この家を守れるのは自分しかいない。それを、誰よりも深く知っていたから。
色褪せた、巨大な屋敷。先生は今日も、その前に立っている。
このところ毎日訪れているが、やはりこの圧倒される感覚には未だに慣れていない。
この辺りはいつも曇天だ。今日も雨こそ降っていないが、風は追い返すように吹いている。
いつものようにサオリの名前を呼ぶ。
「...また先生か。毎日来ているが、仕事は大丈夫なのか?」
「...」
サオリには痛いところを突かれた。まあユウカやリンちゃんからの電話がそれなりの頻度で掛かってくること以外はさしたる問題じゃないだろう。多分。
「はあ...まあいい、上がってくれ。ナギサも...今日は大丈夫だろう。」
そう言いながら先を急ぐサオリの背中を見ながら、お邪魔しますと小さい声で呟きつつ自分も上がっていく。
バトラー達は今日も忙しなく働いている。サオリの指示も見慣れたものだ。
勿論、日毎に増していくサオリに対する噂にも。
サオリもそれには慣れているようで、聞こえていないかのように振る舞う。
もはや見慣れた廊下を歩き、灰色の扉の前に立った。
「では、私は仕事があるから...手が空いたら様子を見に行こう。」
そう言うと、サオリは一礼をして足早にどこかに去っていった。
「ナギサ、今は大丈夫?」
「ええ。お入りください。」
扉の前でノックをすると、奥から細い声がして、すぐに扉が開けられる。
向こう側、死の匂いが未だ濃いあの部屋には、やはりナギサが独りいた。
「やっほーナギサ、元気?」
「...皮肉ですか?」
このやりとりも、早くも一週間ぐらいは続けているだろう。
心なしか、初めての来訪の時よりも表情が柔らかくなっている気がする。
それでも、目の下の隈は未だに薄くならないようだ。
「...まだ眠れてないの?」
「ええ。悪夢がずっと、窓を叩いてくるものですから...もう慣れましたし。」
ナギサはそう言っているが、やはり疲れが残っているようだ。
それでもなお気丈に振る舞おうとするその姿は、プライドの高さか、或いはまだ心を開ききっていないことの表れなのだろう。
初めて会ったあの日、ナギサの眼には不信感と焦燥しか無いように見えて。
それは、まだ奥底に残り続けているのだろう。
暫くの間、沈黙が二人の間に残る。ナギサはまだ心を開ききっておらず、先生もまだ距離感をつかみ損ねているから、当然といえるだろう。
しなやかな腕で剣を磨くナギサの姿を見ながら、先生は数日前の光景に思いを馳せた。
その日は、偶々ナギサが鍛錬をしている所に出くわした。
あの時のナギサの剣技は美しく、同時に――少し物悲しかった。
身に溜まった負の感情を、剣に叩きつけて吐き出しているような...そんな印象さえ受けた。
その様子に、息を詰まらせてしまったのは記憶に新しい。
「先生。」
磨き上げたセイバーを覗きながら、ナギサが呼びかけた。
その時の顔を忘れることなどないであろう。怒りと焦燥、そして後悔が全面に押し出された、複雑な顔。
その中に一筋見える、決まりきった覚悟に、一瞬気圧されてしまった。
「どうしたの?」
「いえ...とうとう、明日なのかと思うと。」
ナギサの言う明日とは、すなわち「魔女狩り」の日のことだろう。
彼女は、聖園ミカという少女――魔女とナギサ自身は呼んでいるが、それに自分の家を荒らされてしまったらしい。
そして、その話の根がとても深いことも、サオリの話で知っていた。
ナギサ曰く、ここ数年の彼女の剣技は、魔女の首を狩り取るためのものだという。
その為に、何年もの間、身に余る憂鬱を一人で抱え込み、剣に吐き出していたのだろう。
「...何でもありません。私はあの人の首を取り、この果てしない物語を終わらせなければいけないんですから。」
その刹那、ナギサに掛ける言葉を失ってしまった。
それが本当に彼女の為したいことなのか、それで外してしまう道もあるのではないかと考えを巡らせるが。
一体どうやって、自分はこの物語に関わればよいのだろうか。
お話の中のすれ違いは修復されないまま終わってしまい。
今この場に残っているのは、果てしなく積もった怨嗟と恐怖だけだ。
迷っているのなら手を差し伸べられよう。間違っているのなら正せよう。
しかし。
目の前の人間は、迷うことなく剣を研ぎ澄まし、
その心情を間違いだと言うことはできない。
それでも。
「先生は――魔女を、どうなさるつもりなのですか?」
「手を――差し伸べるよ。」
先生は先生だ。
生徒が道を外しそうなら。
「勿論、君にもね。」
手を差し出すしかないじゃないか。
「...はあ。噂通りですね。」
ナギサは呆れたような声を出し、正面から私と向き合った。
「あなたは、この物語で全員を救おうとするでしょう。
そして、私たちの責任を、全て自分で背負おうとするでしょう。」
しかし。
「この物語は、どちらかの血でしか終わりません。そしてそれは、あなたが背負えるものでは無いんです。ですから...」
一息ついて、ナギサはキッとこちらを見てくる。
「ですから、もしその心づもりがないのでしたら。帰ってください。」
その言葉は、無関係の人間を巻き込まない為のものだった。
今までのどの言葉よりもキツく、優しかった。
「...ごめんね。でも、今から逃げ出す気はないかな。」
「そうでしょうね。あなたは誰よりも誠実で頑固だと、噂で聞いておりましたので。」
「ただ生徒を守ろうとしただけだよ。」
「...私は、沢山の大人を見てきました。それでも、あなたのような人間は初めてですね。」
ふと顔を見上げると、ナギサの顔には薄く笑顔が浮かんでいた。初めて見た表情だった。
「サオリさんからあの邸宅について話を聞いたようですね。
私のほうからも少し、昔話をしましょうか。
きっと、これが最後の会話になるでしょうし。」
「知られているでしょうが、私はこの『
この家は――自分で言うことではないですが、大層な家柄でして。私はその長女として大切に育てられました。
昔は妹もいましたが...後で話すとしましょう。
私は幼いころから、体が弱いほうでした。
今でもそうですが...あの頃は、体を動かすことさえままならず、健康的な妹とは対照的に、よく寝室から外の様子を眺めていました。
父もそうだったみたいで...いえ、関係ない話ですね。すいません。
ええ、私は必死に自分の体を恨みました。毎日死にそうになる度、この呪われた体を捨て去りたい衝動に駆られました。
その癖、この家が抱える財産と、それ故の責任だけは大きかったんです。勿論、いずれ当主になるであろう私が、それを無視することなどできませんでした。
溌溂と成長していく妹を見るたびに、酷く羨ましく思ったものです。決して言葉には出しませんでしたが...もしかすると、どこかでそれに気づかれていたかもしれませんね。
...先程、この家の抱える責任について少し触れましたが、それは単にこの家が支えたり支えられている人などに限った話ではありません。
先生ならご存じでしょうが、この世界には他人の財産を狙う輩もいるんです。
そういった手合いは狡猾に機会を狙い、少しの隙を穿っては奪いに来るんです。
勿論、この家も彼らに対する対抗手段が無いわけではありません。バトラー達が正にそうでしょう、彼女らはこの辺りでも指折りの腕を持っています。
それでも、狙われる隙など無いほうがいいんです。父親が当主ならまだしも、もし自分が上に立った時は...あの頃はそのことばかり考えていました。
そして次第に、体を鍛え始めるようになったんです。
体力をつけて、一分の隙も見せないようにして。
剣技を覚えて、憂鬱を叩きつける術を身に着けました。
そうやって、いつか自分のものになってしまう全てを、この手で守ろうと必死に足搔いてました。
―――結局、それでも足りませんでしたが。」
ナギサはそこで言葉を区切ると、冷たくなってしまった紅茶を飲み干しながら息を整えた。
「全ての転機はあの日――セイアさんがこの家にやってきたことでした。
サオリさんの話でご存じでしょうが、ある日、この家にセイアさんが来ました。
番犬に襲われたと聞いて...百合園家のご令嬢ということもあり、大慌てで治療を施しました。
――その時、ミカさんも家の前にはいたようですが...家の者が突き返し、顔を合わせるには至りませんでした。百合園家に拾い子がいるという噂は聞いていましたので、一目見たかったのですが...。
いえ、セイアさんの話ですね。
セイアさんの怪我自体は軽傷で済んでいたのですが...あの人は身体が弱いようで、療養のために数週間の間、この家に留まることになりました。
その時、ちょうど私も持て余していたもので...色々と物事を教えていました。要領がよく聡明でしたので...こちらも話していて楽しかったですね。
時々、そんなセイアさんの口からミカさんの話が出ることがありました。
私が噂で聞いていたのは、百合園家の拾い子で、賤しい身分の子供であるということ。私も、それを聞いて...警戒といえばいいのでしょうか。少なくとも、良い印象を抱いていたとはいえませんね。
けれどセイアさんが語る人物像は、誠実で真摯な人間でした。その話を聞くうちに、次第に私もミカさんのことを知りたくなりましたが...親が見ている手前、それを尋ねることは憚られました。
そして数週間後、セイアさんは元の家に帰りました。一旦療養していただけなので、当たり前ですが。
その時は気づきませんでしたが――セイアさんがこの家から去ったとき、言い表せない空虚さに襲われたんです。
きっと...いいえ、やめておきましょうか。あまり人に話すものではないでしょうし。
それからまた幾らか経ったある日、私と妹は
その時、初めてミカさんに出会いました。
けれどあの人は、セイアさんが語っていた人物像とは少々...かけ離れていました。少なくとも、私の目にはそう映ったんです。
綺麗な桃色の髪とは正反対に、少しでも触れようものなら噛みつかれそうな、凶暴な目でこちらを睨みつけていました。
今まで見たことのないその目に、ひどく恐怖と嫌悪を感じたことは今でも忘れがたいです。
それに、周囲の大人達は...セイアさんと、付き人のサオリさん以外は、一様に彼女に冷たく接していました。
斯く言う私も、それに外れることを恐れて、彼女に冷たくしてしまいましたが...
――いえ、それは建前ですね。確かに、桐藤家の後継者としてあまり関わりを持ってはいけないというのも事実でしたが...それ以上に、あの人の持つ異質で、近づくだけで手を噛まれそうになるあの雰囲気に、無意識のうちに警戒していたのでしょう。」
そこまで話して、ナギサは少しの間俯いた。
この絶妙な間のうちに、整理がついたのかまた顔を上げて話し始めた。
「――言い訳がましくなってしまいますが、その後も度々目にする機会はあり、その度に私の方から近づこうとはしました。勿論、家族に気づかれないようにする為に、酷く鈍間な速度ででしたが。
結局、近づこうとする度にあの人は遠ざかってしまい...一度出来てしまった溝を埋めることは叶いませんでした。
そして数年前、百合園家は消えて、セイアさんは桐藤家の人間になりました。
ええ、そういった話が以前から出ていたのは知っていましたが...結局、百合園家が傾きかけ、セイアさんが当主になったときに漸く纏まった具合です。
その後は暫く忙しなく、ほとんどのバトラー達はこの家に来ましたが、ごく一部はあの邸宅に残ることを希望し、私もそれを受け入れました。
しかし...こちらに来ると思っていたミカさんは一向に姿を現しませんでした。
サオリさんにも尋ねましたが、ただ一言『分からない』とだけ。
ただ、その時の顔を見て、それ以上ミカさんについて聞くことはやめました。
そうして、セイアさんと寝食を共にはしたのですが...。
――あの人の目には、ただ一人しか見えていないようで。それが、何とも寂しかったです。本人にこそ言いませんでしたが。
それに、ミカさんがいなくなったせいかは分かりませんが...時々、空を見ながら何かを呟いていました。そういった時は決まって青白くなり、すぐに倒れこんでしまいました。
サオリさん曰く、そういったことは以前から屡々あったようですが...やはり、こちらに来てから頻度は増したようです。
そのせいか次第に衰弱していき、生来の身体の弱さも相まって、とうに亡くなってしまいました。
――結局、私はあの人が何かに満たされた顔を見ることはできませんでした。
最期まで、ミカさんのことを気にかけたまま、目を閉じていったんです。
あの人の心中に私が入り込む余地はあったのでしょうか。あの人の中に私はいたのでしょうか。私は――」
今度は、窓の向こうを向いた。
一言何かを呟いたように聞こえたが、消え入りそうなほどか細いその声を再び尋ねる気は起きなかった。
「そして、あの日がやってきました。
――あの人が、魔女となってこの家に来た日です。
固く閉ざしていた門が壊される音に飛び起き、直ぐに部屋を出ました。
その時、私は見たんです。
吸い込まれるほど美しかった桃色の髪は、土や泥で酷く汚れていて。
嫌悪感を感じさせた眼は、激しい怒りとと後悔で満ちていて。
足元には――首を切られ、床に投げ捨てられた妹の体が。
その時になって漸く、初めて出会った時の、あの恐怖を思い出したんです。
あれは、自分の全てを奪われるという恐怖が、魔女の目を通して自分に映し出されたものだったのか――いえ、きっとそうなのでしょう。
すぐに剣を取って立ち向かいましたが...決着は、私の左腕と右翼を切り落されるという形で、一瞬で着いてしまいました。
そして薄れかけた意識の中、魔女が狂笑の中で叫んだとき、もはや恐怖は別の何かに取って代わられました。
そしてそれは、未だに私の中で燻っています。」
ふう、と息をつき、再度先生を真正面から捉えた。
「これで、私からの話は終わりです。
先ほども言いましたが...きっと、これが最後の機会でしょう。
――そんな顔をしないでください、は無茶な要求ですよね。
でも、これは私の問題です。あなたまでこれを抱える必要は無いんです。」
でも、と続けそうになった言葉を咄嗟に飲み込んだ。
これ以上踏み込めば、この語らいをも無下にしてしまいそうな気がした。
結局どうすることも出来ず、軽く会釈をして部屋を立ち去ってしまった。
部屋を出たとき、サオリの背中がすぐ前に見えた。
すぐに行ってしまったが――その背中に何か声を掛けることすら躊躇われてしまった。
同日・某所
「...くっくっく、お待ちしておりましたよ、先生。」
「あのさぁ...急に呼び出して何の用?」
あの邸宅を出た直後、見計らったかのように黒服から連絡があった。何でも急を要するとかで。
「マイクラでダイヤ見つけたとかのクッソどうでもいい報告なら帰りたいんだけど。」
「確かにダイヤは見つけましたしマエストロが先生のダイヤフル装備を消し飛ばしましたが...今はいいでしょう。」
「オッケー後でぶん殴る。...で、それ以外って何さ。」
「最近、
「そうだけど...それがどうした?」
「他でもない、聖園ミカ..いえ、魔女と呼んだ方が良いでしょうか、その方についての忠告です。
どうやら、明日立ち向かうようですのでね。」
「何でそこまで...それで、忠告って?」
「先生。私はアレを間近で見たことがあります。そのうえで断言しましょう。」
ぬっと顔を近づけながら、黒服は続けた。
「アレを生徒と思ってはいけません。
そして、明日あの邸宅に向かうのはやめておいたほうがいい。」
「...。」
「クックック、そんな目で見ないでください。」
出来る限り睨みつけたつもりだったが、つかつかとわざとらしく足音を立てながら、黒服はあくまで説明を続けるつもりらしい。
「とはいえ、流石に理由もなしに言い切るつもりはありません。
端的に申し上げましょう。彼女、聖園ミカは。」
色彩に触れています。
「...!」
色彩だと?瞬間、脳裏には様々なことが駆け巡る。それら全てが苦難の記憶であったことは言うまでもない。
「ミカが、テラー化しているってことか?」
「まあ落ち着いて。順を追って話しましょう。」
数年前、ゲマトリアの名前を借りて活動を始めたばかりの頃...私たちは色彩の出現を観測しました。
ええ、それは私たちにとって、あまりにも早すぎました。何せ研究も進んでおらず、どうすることもできないものでしたから。
それでも、好奇心というべきでしょうか。とにかく色彩をこの目で見ようと、色彩が現れた場所...あの邸宅に向かいました。
幸いなことに、着いたころには色彩はどこかに消えていました。
そこに残っていたのは――一人の生徒の姿でした。
初めは近くにいた誰かがテラー化したのかと思いましたが...どうにも様子が違いました。
濃い血の匂いに、握りしめられた大剣。そして、反転せず在り続けるヘイロー。
直感的に、テラー化していないことはわかりました。
ですが、何故色彩に触れて反転しないのか、それが不可解でした。
勿論、接触を試みようともしましたが――クックック、とても話ができる状態ではありませんでしたね。
その後も、色々と調べまわりました。分かったのは、色彩が現れたのは百合園セイアが亡くなったのと同じタイミングであること、そして私たちが観測できない範囲で、度々同じ場所に現れていたこと。
それ以上は分かりませんでした。ミカ本人はおろか、ナギサさんやその周囲もまた、容易に近づける状況ではありませんでしたから。
「...大体は分かった。でも――」
「...くっくっく。あくまであの物語に関わり、魔女も生徒として受け入れるおつもりですね?
何故、とは聞かないでおきましょう。」
黒服の言葉に、静かに肯いた。
「では――健闘を祈りましょう、先生。」
「...ありがとうね、黒服。」
「...くっくっく。」
苦痛の中で、漸く私はお前がすぐ傍にいることを悟った。
この話は、私かあいつの血でしか終わらないから。
忌々しく思い出したくない癖に、毎日のように夢に見る、あの悪夢の日と。
あの日のように、固く閉ざされた門を、こじ開けて
力の限り、叫んでやるんだ。
誰かの崩壊と破滅でしか幕を閉じない、この物語を。
プロムン関係無い純粋なブルアカ創作をここに載せてもいいか
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ええよ
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あかんで