ウェイクアップ
フィーバー
レナはディスプレイを作り、ライドウォッチのをセットした。
「これで完成」
そこにマコトの持っていたライドウォッチが並べられた。
「マコトに報告しないと…」
レナが降りると一階の店の方では吸血鬼やお姫様など様々な衣装に身を包んだ子供たちがやって来ていた。
「何か仮装してる親子がやけに多い…」
レナはそう思っていると店の中央にネクスが現れた。
「いらっしゃいませー!」
「ようこそ店へ!今日は楽しんで行ってください!」
ネクスは客たちに明るく元気に歓迎の挨拶をした。
「マ、マコトーっ!?」
レナは急いでネクスの元に駆け寄った。
「ど、どうして変身しているの!?」
「あ、レナ、今日はハロウィンなんだよ」
ネクスはレナに店でハロウィンパーティを行う告知のビラを渡した。
「ということでレナも早速この服に着替えて」
「え?」
「これ着替えだから」
「ちょっとマコトー!」
レナは強制的にシスター衣装に着替えさせられた。
「レナ!超似合ってる!」
「そ、そうかな…」
レナはネクスに褒められて満更でもない表情を浮かべた。
♢♢♢
その頃、英次が廃墟ビルに行くとハルトがいた。
「あ、ずっと帰るの待っていたんだよ!お兄さん!」
ハルトは頬を膨らませながら明らかな態度を取った。
「俺はあいつの家に住むことにした。ここに帰ることはもうない」
「あいつってお父さんの!?」
「ええー!僕と一緒にいてよ!」
ハルトは子供のように英次の腕を掴んで振った。
「あんた達、随分と仲良さそうね」
「あ、メア!」
「お前っ!」
英次はすぐにライドウォッチを構えた。
「わたしたちに構ってる場合じゃないんじゃない?」
「なに?」
「街にアナザーライダーが出現しているわよ」
「へー」
英次はその場所に向かおうとした。
「…待て、出現しているだと? なぜ他人事のように話せる?」
「もしかしてお前達の他に仲間がいるんじゃないのか?」
「流石は僕が認めたお兄さん!」
「いいから答えろ!」
「…うん、いるよ」
英次はもう一人の存在を知った。
♢♢♢
街ではアナザーキバが人からライフエナジーを吸い上げていた。
「こいつがアナザーライダーか…」
英次はアナザーキバの元にやってきた。
「ん、黄羽?」
「…きっと他人の空似だな」
「人から正気を吸い上げているのはまるで吸血鬼だな」
英次は向かってきた牙を横に転がることで避けた。
(別の方から視線を感じる)
英次はその方を見ると思わず目を塞ぎたくなるほどの眩い光が放たれた。
(何が起こった…!?)
英次は自分の手を見た。
「はは、成功!」
光が放たれたところから白髪の女がやってきた。
「…その格好、お前がハルトたちが言っていたっ!?」
英次は自分の声がおかしい事に気がついた。
「女になっているっ!?」
英次の驚き様を見て女が嘲笑った。
「ざまあ ないわね」
「私はウィン。ナイトの奴に頼まれてあんたを苦しめに来たってわけ」
「ナイト!?誰のことだっ!!」
「行くわよ」
ウィンはアナザーキバを連れて去って行った。
(この姿になった以上は店には戻れば…)
英次はマコトの行動を考えてみるだけで体が震えた。
「追いかけるか…」
英次はウィンが去った方向に歩き出した。
♢♢♢
マコト達がハロウィンパーティをしているとメロディが聞こえてきた。
(ん?これどこかで?)
この場にバイオリンで演奏をしている男がいた。
「どうもお姉さん、あなたの美しさのあまり見惚れてしまいました。是非俺と付き合ってください」
レナは男に手を取られた。
「え…」
レナは嫌だという顔を男に向けた。
「レ、レジェンドの一人、紅音也だーっ!」
マコトは驚きのあまり音也に指差した。
「じゃ、じゃなくて!困りますよ。レナは俺の彼女なんです!」
「マコト…!」
マコトは音也とレナの間に割って入った。
「なんだもう彼氏がいたのか。でも、この紅音也様には関係ないな」
音也は諦めずにレナにアタックを仕掛けた。
♢♢♢
ウィンは裏路地に行くと頭を抑えて蹲った。
「ど、どうしよう!私なんかがやって後でナイトに怒られたりしたら!」
そこに英次がやってきた。
(七罪と似てるがコレジャナイ感が強いな)
「お、おい、大丈夫か…?」
英次は優しくウィンに声をかけた。
「ひゃっ!た、鷹神!あんたいつから見てたのっ!」
「……」
ウィンは英次の言えないという表情を汲み取って全て見ていたという解釈をした。
「み、見たわね!」
「あんただけは生かしてはおかないんだからっ!!」
ウィンはアナザーキバを英次に向かわせた。
「それはこっちだって同じだっ!」
英次はアナザーキバを蹴って距離を作った。
【クアンタ】
「変身!」
【ブラックタイム】
【仮面ライダークアンタ】
英次は仮面ライダーネオクアンタに変身した。
【ジカンマグナム】
「元の男の体に戻してもらう!」
ネオクアンタはジカンマグナムをアナザーキバに向かって放った。
「……」
この場に黒兜が現れた。
「このままだとあいつが来れないな」
黒兜はマコトのことを思いながらそう呟いた。
♢♢♢
その頃、マコトの耳にバイオリンの音が聞こえてきた。
「この音ってもしかしてキバの時の…」
「どうしたのマコト?」
レナがマコトの元に駆け寄ると音也も付いてきた。
「…ちょっと耳いい?」
「うん?」
「おい、それだと俺に聞こえないだろ?」
「……」
マコトはレナの耳元で怪人が現れたかもしれないと伝えた。
「わかった。でも、店はどうしようか…」
「何だか知らないが店なら俺に任せておいてくれ」
「お父さんありがとう!」
マコトとレナは店から出て行った。
「どこに行くんだ、マイハニー逃がさないぞー」
音也はそれに追いかけて行った。
♢♢♢
ネオクアンタはジカンマグナムをアナザーキバの体ゼロ距離に擦り付けた。
「この距離なら行けるな」
ネオクアンタは自分が吹っ飛ぶことお構いなくジカンマグナムを連射して合計3弾でアナザーキバに与えた。
【フィニッシュタイム】
「はっ!」
ネオクアンタは後ろの柱を踏んでアナザーキバの方に戻った。
【ビルドマグナムシュート】
ネオクアンタはアナザーキバにフルボトル型の弾丸を放って倒した。
「でも、アナザーライダーは元になったライダーの力がないと倒せないんでしょ」
ウィンの言う通り、アナザーキバは復活を果たした。
「ぐっ…」
ネオクアンタはアナザーキバの牙に刺され、跪いて変身が解除された。
「まだだ…」
英次は自分の前に転がるライドウォッチに手を伸ばした。
「そこまでライドウォッチが必要なの?」
「俺の目的を叶えるために必要な力だ…!」
「馬鹿みたい」
そこにマコトたちがやってきた。
「どうして女の子がクアンタウォッチに手を伸ばして?」
「…英次さんだ」
「え、あいつがあの女の子…?」
レナは頭が追いついていない様子だった。
「事情は知らないけどとにかく助けないと!」
【ネクス】
「変身!」
【ライダータイム】
【仮面ライダーネクス】
マコトは仮面ライダーネクスに変身した。
【ジカンギレード】
【ケン】
「はぁーっ!」
ネクスはアナザーキバを攻撃した。
「やーっと追いついたぞ」
この場に音也がやってきた。
「ん?」
音也は地面に伏せている英次の姿を見た。
「っ!!!」
音也は英次を見て胸の高鳴りを感じた。
「…交わした約束が今を繋いでくれるものだッ!」
英次は今まで大切な人たちと交わしてきた約束の事を原動力にして起き上がった。
「約束なんて簡単に破れるものの為にそんな真剣になれるなんて正真正銘の馬鹿 呆れて物も言えない」
ウィンは英次の決意を嘲笑った。
「約束か。いい言葉だ」
音也は英次の前にやってきた。
「グリス!?」
「まあ、見てな。俺のかっこいい瞬間。必ず虜にしてみせるから」
音也の元にキバットⅡ世がやってきた。
【ガブリ】
キバットⅡ世は音也の手を噛んだ。
「変身」
音也はキバットⅡ世をベルトにセットした。
「俺は誰もが認める百年の天才 紅音也。またの名を仮面ライダーダークキバだ」
音也は仮面ライダーダークキバに変身した。
「行くぜ、見てな」
ダークキバはアナザーキバに向かって攻撃をした。
「えっ、音也さんがダークキバに変身した!?」
「はぁっ!」
ダークキバは紋章でアナザーキバを拘束して何度も自分の元に寄せてパンチを叩き込んだ。
「馬鹿でもなんでも言え。俺は俺が信じた正義を貫くだけだ」
【クアンタ】
【ケルビム】
「変身っ!」
【ブラックタイム】
【仮面ライダークアンタ】
【スピリットタイム】
【ケルビム!】
英次は仮面ライダーネオクアンタケルビムアーマーに変身した。
「面白いじゃない!」
ウィンは二つのスピリットウォッチを取り出した。
「それは…」
それはメタトロンとハニエルのスピリットウォッチだった。
「どう?私の力、気になる?」
「そいつをどうするつもりだ?」
「こうするのよ」
【メタトロン】
【ハニエル】
ウィンは魔女とウェディングドレスの両方の要素が合わさった衣装をその身に纏った。
「あいつを蹴散らして、メタトロン」
「行け…!」
二人が放ったメタトロンとケルビムが戦い合った。
「はぁっー!」
ダークキバはアナザーキバを吹き飛ばした。
「……」
ダークキバのベルトにキバットⅡ世が離れ、変身が解除された。
「おい、坊主。こいつは俺の息子の力だ。有効活用しなければ化けて出てやるからな」
音也はネクスにキバライドウォッチを投げた。
「化けて出てくるって怖い事言わないでくださいよ…」
【キバ】
「変身!」
【アーマータイム】
【ガブッ!キバ!】
ネクスはキバアーマーに変身した。
「キバって行くぜ!」
ネクスはアナザーキバに向かって連続でパンチを叩き込んだ。
【フィニッシュタイム】
【ウェイクアップタイムストリーム】
「はっ!」
「はぁーっ!」
ネクスはダークネスムーンを模したライダーキックでアナザーキバを倒した。
「やっぱり必殺技は夜に限るな〜」
ネクスが離れるとアナザーキバはガラスのように砕けた。
「これでお前を守る物はなにもないぞ」
ケルビムはメタトロンを突き刺して破壊した。
「くっ、よくも私のメタトロンを!」
ウィンは周囲の物を変化させてネオクアンタにぶつけようとしたがことごとく避けられた。
「どれもお前の力じゃない!」
「うっ…」
ネオクアンタはウィンに向かってパンチを叩き込んで気絶させた。
「これで俺の体は元通りだ」
ネオクアンタは変身を解除し、体が戻っているのを確認した。
♢♢♢
意識を取り戻したウィンの元に英次が駆け寄った。
「やりなさいよ!」
「だったらお望み通りやってやる!」
英次はウィンにそう返した。
「英次さん!」
マコトは止めに入ろうとしたがレナに止められた。
「あいつも変わっているって信じてあげたい」
「確かに今は完全までとはいかなくても昔の英次さんに戻って来ている…」
マコトたちは英次を見守る。
「いたっ!」
英次はウィンの頭にデコピンをした。
「この程度で許しておいてやる」
「あんた…」
「エ、エロ同人のように私をめちゃくちゃにするんじゃないの…!?」
「……」
その言葉を聞いて英次は黙り込んだ。
「いや、そっち!?」
その言葉を聞いてマコトとレナはずっ転けた。
「私の裏の顔を見ておきながらそれを口実にすらしないなんて…」
ウィンははっと気づいた顔をした。
「やっぱり私の身体に何の魅力もない…」
ウィンは隅で三角座りをしてナーバスな気分を現した。
「少なくともお前の体と魂は魅力があるとは言っておく」
「本当!?」
「誤魔化しじゃないわよね!?」
英次の言葉を聞いてウィンは飛び上がった。
「ただし、人をもう襲わない、その力を悪のために使わないというのならお前はもっと輝くことができる」
「ぐっ…!」
すると、ウィンの体は鈍い音と共に剣に貫かれた。
「なっ!」
「ナイト!あんた…!」
ウィンの後ろには黒兜が佇んでいた。
「目的を果たせなくなった道具は不要だ。よって処刑する」
「はぁっ!」
英次は黒兜に向かって殴り掛かろうとしたが、次の瞬間に黒兜の姿はなかった。
「おい、しっかりしろ!」
英次はウィンの元に駆け寄った。
「私もあんたに輝き方を教えてもらってもっと明るく生きることができたらな…」
ウィンの体は消滅に向かっていた。
「ねえ、お願い、あんたは輝きを失わないで…」
「おい!」
ウィンは英次にそう告げて完全に消滅した。
♢♢♢
少し離れたところに黒兜がやってきた。
「返してもらった。こいつらにはまだ使い道があるからな」
黒兜はウィンからメタトロンとハニエルのスピリットウォッチを回収していた。
「今度はお前の番だ、メア」
「…何も殺さなくたってっ!」
メアは黒兜に不満を持っていた。
「出来損ないの人形に存在価値はない。お前もそうだ」
「……わかったわよ」
メアは目的を遂行しに向かった。
「残るレジェンドはあと一つ…電王か」
黒兜はそう呟いた。