愛する人を守るマコト、奪われた物を取り返す英次。
君はどっちを応援する?
IF世界は誰が為に回る:2019
マコトと英次は遂に同時変身を果たしてアナザークウガになったメアと戦っていた。
♢♢♢
黒兜は遠くからその戦いの様子を見ていた。
「あの服は縄と同じ効力がある」
黒兜が見ていた爆発がそろそろ止みになった。
「…分岐点の答え合わせの時だ」
黒兜は見えるようになったメアに視線を送った。
♢♢♢
マコトの元にレナが近づいてきた。
「いい加減目を覚ましたらどうだ」
英次はメアに近づいた。
「お前、その力…」
メアの体に炎が浮き出て傷ついていた箇所が治っていった。
「ぐっ…」
炎は服ですら溶かした。
「き、気味が悪い!何なのよ!この力っ!」
メアは一糸縫わぬ状態になった。
「マコトは見ない」
「わー!目の前が見えないよー!」
「私だけ見ていればいい」
レナはマコトの両目を両手で覆った。
「お前のそれは…」
英次は言いかけたところで止めた。
「何を躊躇う必要がありますの?」
英次の側にメアと瓜二つの姿をした少女がいた。
「狂三…!?」
「精霊の一人、時崎狂三さん!」
「マコトは見ない!」
「折角の精霊との出会いがー!」
「私だけで満足だよね」
それは英次の仲間の一人、時崎狂三だった。
「どうして…」
「どうやらお互いに聞きたいことは山積みのようですわね。ですが、今は…」
狂三はメアを見るように英次の視線を誘導した。
「い、嫌…」
「死にたくないっ!」
メアはもう一人の自分を見たかのような恐怖も相まってかなり怯えていた。
「ああ、お前には意外だと言われるかもしれない…」
「でも、ここで撃つ」
英次はジカンマグナムを両手で持ってメアに近づいて行った。
“ダーン”と発砲音と共にメアは消し炭になった。
「ライドウォッチだと?」
英次はメアの体から出てきた物を見た。
「え?」
マコトはレナの手から解放されて英次と同じ物を見た。
「精霊であればセフィラが出てくる筈だが、まさか天使の力を宿したウォッチ…スピリットウォッチが出てくるなんてな…」
英次はそれを拾おうとしたが先に狂三が手にした。
「きっとこれはカマエル、合わせて言うのならばカマエルスピリットウォッチですわね」
「はぁ、それを渡せ時崎」
英次は呆れながら狂三に手を差し出した。
「…もう遅いですわ」
言った頃には狂三はカマエルスピリットウォッチを自分の体内に入れていた。
「お、お前っ!」
「これで二つ目の天使の力を手に入れたことになりますわね」
狂三の元々のゴスロリの霊装に羽衣の要素が追加されて新しくなった。
「はぁ、まあ、琴里の力が誰かに悪用される事を考えればお前でよかったかもしれないな…」
「さあ、英次さん、帰りましょう」
「どこにだよ」
「さあ?」
英次と狂三はこの場を離れて行った。
「あ、あの英次さん、狂三さん、俺たち忘れてますよー」
「私たちはあっち」
「あっちってラブホテルがあるよ!?」
レナは強引にマコトをラブホテルがある方に連れて行った。
♢♢♢
英次たちはメアが最後に使っていたタイムマジーンの中にいた。
「まさか空中戦艦だとはな…」
その中は広々としていた。
「しかも色々と…」
コックピット以外にも色々な部屋があった。
「二人暮らしをするのには充分の生活スペースがありますわね」
「あの時は驚いて言えなかったが時崎、本来ならお前達の記憶には俺は居なくなっているんだぞ…」
「コップはこのお揃いので、わたくしは猫ちゃんのを使いですわね」
「人の話聞けって!」
「英次さんはわたくしが世界が記憶を消したから忘れられるような安い精霊だとお思いですの?」
「けど…だが…」
英次は世界に戻って来た時に忘れられていた事を思い返した。
「性格を変えることで強い自分に仮面をしているようですがわたくしには無駄ですわよ」
「狂三…」
「さあ、諦めてわたくしと二人暮らししてくださいまし、英次さん」
狂三はコップを持ちながら言う。
(ああ…)
英次は涙が流れた。
(俺は忘れられた人に記憶が戻ることを、色褪せない笑顔が俺に向けられることを忘れられずに願っていたんだな…)
英次は涙を拭こうとするがまったく取れなかった。
「今は泣いてくださいまし。涙が全て出るまで側にいますわ」
狂三は英次を後ろから抱きしめた。
♢♢♢
涙が全て出終わった頃
「ありがとう。もう大丈夫だ」
英次がそう言うと狂三は体から離れて行った。
「それでわたくしはなぜこの世界へ?そもそも英次さんの髪色や目の色が変わっているのはどうしてですか?」
英次は自分が知っている限りの情報を狂三に伝えた。
「世界が融合した影響と可能性としてわたくしたちが何者かに敗れたこと…」
「ああ。そして融合したタイミングはここじゃない。未来の世界だ」
「今が時が流れて未来になるという訳ではなさそうですわね…」
「また、これはメアから気づいたことなんだが、みんなは体と魂がそれぞれ別れた状態で別々の依代に付けられたんだと思う」
「思う?」
「英次さんがアルさんから与えられた天使はたしかラジエルを元にして進化したものではなかったのですの?」
「実はこの世界に来た時からほとんどが使えなくなった。使えるとすれば瞬間移動の一つだけだ」
英次は実際に目の前で使うことで狂三に説明した。
「では、考察した部分でのお話しかできないということですわね」
英次は『まあな』と呆れながら答えた。
「難しい話はここで終わらせておきましょう」
「そうだな」
「さあ、英次さん」
狂三は何かを狙っているような怪しい笑みを浮かべた。
「…男女二人が同じ屋根で一つ。何か起きても不思議ではありませんね」
狂三は英次に近づいて行った。
「…あ、あのな、狂三…お前にとっては残念な話なんだが…」
「俺はアルと結婚した」
「…?」
「(血の繋がりはないが)子供もいる」
「こど…も…?」
狂三は突然の情報に宇宙猫になった。
「流石に三人を裏切ることはできないんだ…」
「……」
狂三はガクッと倒れた。
「ま、まさかわたくし達が忘れている合間に恋愛の二文字とは無関係だと思っていたアルさんに出し抜かれているとは…」
狂三は部屋の隅でナーバスになった。
(…あいつが七罪みたいになっているの初めて見たぞ)
英次はそんな狂三の初めての姿を見れて嬉しい気持ちになった。
♢♢♢
夜、英次はタイムマジーンの剣部分に乗って風を受けていた。
(他のみんなはどこにいるんだ…)
英次は精霊全員のことを思い浮かべて拳を握りしめた。
実はアナザーライダーになって倒れされている者もいます。
一体誰がこんな事をしたんでしょうね。