A WAKING
それは突然の交通事故によって起こった。
雨が降る日、横断歩道を歩いていた少女の元に走ってきたトラックが彼女を撥ねた。
「…!」
男が名前を呼び駆け寄るがすぐに少女の周りは血が広がった。
「あーあ、このままだと彼女は死んじゃうよ」
その時、ハルトがやってきた。
「俺はどうなったっていい!だから彼女を助けてくれ!」
(…お父さんもこいつと同じであいつを守りたかったんだろうな)
ハルトは男の彼女を助けたくて必死になっている姿を見て父親の事を重ねた。
「いいよ。僕が手を貸してあげる」
ハルトは男にファイズのアナザーウォッチを手渡した。
【ファイズ】
「守るんだーっ!」
男はアナザーファイズへと変貌し、ハルトに付いて行った。
♢♢♢
時刻は午前9時30分、マコトはテレビに向かっていた。
「ぐすん…」
マコトは感動して涙を流した。
「おい、何見てるんだ?」
「これは日課である仮面ライダーの一気見をしているんです。クアンタは何度も見ても面白くて…」
「ん?」
マコトは声の主の方に振り向いた。
「こうやって俺の戦いが放送されているのを思うと俺もレジェンドライダーの一人である事を実感するな…」
「え、英次さん!?」
マコトに話しかけたのは英次だった。
「マコト宛ての荷物が届いているよ」
レナは封筒を持ってフリーズしているマコトの元にやってきた。
♢♢♢
一旦深呼吸して落ち着いた後
「差し出し不明になっているけど中身はなんだろう?」
「この大きさだと手紙じゃないかな?」
マコトは封筒を開けるとレナが言った通り、中には手紙が入っていた。
「なんだろう?」
マコトはその手紙を広げて読んだ。
『五年前の彼を止めて。手がかりは流星塾にある』
手紙にはそう書かれていた。
「流星塾?」
「…ファイズ編キタァーッ!」
「いいですか英次さん!流星塾というのはファイズの物語中に登場する小さい子供達を集める目的を持った孤児院なんです!」
「お、おう…」
マコトの勢い任せな話し方に英次は若干引き気味に答えた。
「ねえ、マコト。その流星塾というのはどこに行けばあるの?」
「ファイズの世界にあるだろうけどその世界においても塾生はほぼ全滅してる感じだし…」
「誰か塾生を探し出せる便利な力を持った人いないかなー」
マコトはちらちらと英次に期待の眼差しを向けながら喋った。
「はぁ、そんな期待の眼差しを見ちまえば答えるしかないだろうが」
英次は自身の天使ケルビムを顕現し、流星塾生がいる場所を探した。
♢♢♢
マコトとレナと英次の三人は同じ場所を歩いた。
「あなたがこんなにも変わるなんて」
「ああ、どこかの誰かに慰めてもらえたからな」
「それで英次さん、どこに塾生がいるんですか?」
「あそこだ」
英次が指差した所に洗濯屋があった。
「あの店に住み込みで働いているらしい」
「ファイズのクリーニング屋だーっ!」
「マコト、走ったら危ないよ」
レナは走って行ったマコトに声をかけた。
「…らしい?」
「女のプライベートまで調べるのは失礼だろ?」
「常識あるんだ…」
「なんだよ。それぐらい誰だって普通に持ち合わせているだろ…」
英次は人の視線に気がついてそちらの方を向いた。
「どうしたの?」
「あの赤い車から視線を感じてな」
すると、赤い車はこの場を離れて行った。
「あ、待て!」
「おおよそ人間の出せるスピードじゃない…」
英次はマコトたちを置いてその車を追いかけて行った。
♢♢♢
マコトはクリーニング屋に入った。
「…いらっしゃいませ」
男の店員が無愛想に言った。
「あ、あなたはレジェンドの一人、乾巧さん!」
マコトはその男、巧に憧れの眼差しを向けた。
「…!?」
巧はマコトにその目で見られる意味がわからない様子だった。
♢♢♢
赤い車は赤信号になって停車した。
「ここまで来れば誰も追ってくれない筈だ」
警察の服を着た運転手がそう言う。
『外を見たまえ』
「え?」
運転手がどこからともなく聞こえた声に言われて窓を見ると英次が走って来ていた。
「うそーんっ!」
運転手は青信号になった瞬間にフルスロットルで駆け抜けた。
「待て、逃がさんぞ!」
英次は車道の脇道にあるあれやこれを使って加速して赤い車を追いかけた。
♢♢♢
レナはマコトに頭を下げさせた。
「言葉足らずですみません。マコトもこの通り、反省しているので…」
「わぁ…」
マコトは店のあれこれを触っていた。
「それでお前たちは真理を探しに来たのか」
「はい」
レナはマコトの耳元に顔を寄せた。
「その真理さんが流星塾の塾生…?」
レナの小声を聴いたマコトはレナが何も知らない状態だったのを思い出した。
「あ、うん、そうだよ」
思い出したのでレナに伝えた。
「生憎だが今あいつは仕事をしている最中だ。だから要件なら俺が聞いといてあいつに伝えといてやる」
巧がそう言った瞬間、電話の着信音が流れた。
「おお、ファイズフォンだー!」
「平成も終わりかけの時代にガラケー!?」
巧が取り出したファイズフォンに二人はそれぞれの反応を示した。
「なんだ?」
「…ああ、わかった。今すぐ行く」
巧はファイズフォンをしまった。
♢♢♢
巧はオートバジンに、マコト達はライドストライカーに乗ってアナザーファイズが出現した場所にやってきた。
「これが必殺!井上ワープか!」
「井上って誰?」
マコトが関心し、レナが突っ込んでいると巧はオートバジンから降りてファイズドライバーを装着した。
「…さっきのガラケーだ」
巧はファイズフォンを取り出して『5・5・5』の変身コードを入力した。
【STANDBY】
巧はファイズフォンを手首の動きで閉めて思いっきり上に振り上げた。
「変身!」
巧はファイズフォンをファイズドライバーにセットした。
【COMPLETE】
全身にフォトンブラッドが駆け巡り、巧は仮面ライダーファイズに変身した。
「ガラケーを使って変身した…!?」
「ファイズフォンにはそういう使い道もあるんだ!」
ファイズは手首のスナップを決めてアナザーファイズに向かって行った。
「あ、俺もこうしてられない!」
【ネクス】
「変身!」
【ライダータイム】
【仮面ライダーネクス!】
マコトは仮面ライダーネクスに変身した。
「お前も仮面ライダーだったのか!」
「どうも、平成ライダー愛好家の仮面ライダーです」
アナザーファイズは二人に向かって攻撃してきた。
「行くぞ」
「はい!」
ファイズはファイズフォンを銃の形態に変形させ、ネクスはそれに合わせてジカンギレードジュウモードを召喚した。
「銃にも変形できるの!?」
ファイズとネクスはアナザーファイズを同時射ちを放った。
その後もファイズは色々な武器を使った。
「ファイズを見ているとアイディアが浮かびそう!こうしていられない!」
レナは駆け足で家に帰って行った。
「流星繋がりでフォーゼだ!」
【フォーゼ】
「変身!」
【アーマータイム】
【3・2・1!フォーゼ!】
ネクスはフォーゼアーマーに変身した。
「はぁっ!」
ネクスは両手のロケットをアナザーファイズに向かって飛ばした。
「あ、そうだ、ブレイドのライドウォッチ使おう!」
【ブレイド】
「変身!」
【アーマータイム】
【ターンアップ!ブレイド!】
ネクスはブレイドアーマーに変身した。
♢♢♢
その場所の近く
「げ…」
英次は赤い車の行く道を先回りしていた。
「やっと追いついたぞ」
「なんだ、この馬鹿力!おおよそ人間じゃないな!」
英次は腕の力で赤い車を止めた。
♢♢♢
ファイズはポインターにメモリーを刺して足のホルダーにセットした。
【フィニッシュタイム】
合わせてネクスはライドウォッチのボタンを押した。
【EXCEED CHARGE】
ファイズがファイズフォンのenterキーを押してその電子音が鳴るとポインターにフォトンブラッドが集まっていった。
【ライトニングタイムストリーム!】
「はぁっ!」
合わせてネクスはジカンギレードの刃が地面に向くように刺した。
二人はアナザーファイズの元に駆け出して行った。
「ぐっ…」
ファイズはアナザーファイズに向かって赤い円錐型に放つ。
「はぁーっ!」
ファイズはその円錐型に向かって飛び込んで行って一体になった。
「うぇーい!」
同時にネクスは雷を纏った足でライダーキックを放った。
「ぐぁーっ!」
アナザーファイズは爆発した。
「…やったか!?」
ネクスは手応え的に気になって呟いてみた。
「あ、これフラグだったーっ!」
ネクスは復活フラグを気にして頭を抱えた。
【ドライブ】
爆発の中、その電子音が流れるとアナザーファイズはアナザードライブに変わっていた。
「まさかドッライブーっ!?」
アナザードライブはこの場から走り去って行った。
♢♢♢
この場の近くでハルトが戦いを見ていた。
「どうしてファイズ以外のウォッチを持っているんだ?」
ハルトですら理由を知らなかった。
「あいつにはお前が関わるよりも前の5年前にドライブアナザーウォッチを渡した」
黒兜がハルトにそう説明した。
「おじさんの差金かぁー」
ハルトは納得という顔を浮かべてこの場を離れて行った。
♢♢♢
マコトの部屋に女の笑い声が響いた。
「ふふふ…」
レナは物入れの中から出て来てからずっとその様子だった。
「やっとできた!」
レナは自分が作ったアイテムを突き上げた。
「その名もファイズフォンX!」
レナが突き上げたのはファイズフォンに似た物だった。
♢♢♢
ネクスとファイズは変身を解除した。
「また止めることができなかった…」
この場に英次と赤い車の運転手がやってきた。
「あなたはレジェンドの一人、泊進ノ介さん!」
「なんだって…!?」
「進ノ介…」
巧は進ノ介を知っているような口調で名前を呟いた。
時刻は午後5時55分。
「始まるぞ」
「始まるって何が?」
緑の衝撃波が世界を包み込んでいく。
「こ、これって仮面ライダー3号のあの!?」
「また時が遡る…」
マコトと英次、巧と進ノ介もその衝撃波を受けた。
♢♢♢
時刻は午前9時30分、マコトはテレビに向かっていた。
「ぐすん…」
マコトは感動して涙を流した。
「おい、何見てるんだっ!?」
英次はマコトに慌てた様子で話しかけた。
「あ、英次さん…」
「これは日課である仮面ライダーの一気見をしているんです。クアンタは何度も見ても面白くて…」
「ってなんだかこの会話を英次さんとしたような…」
「お前ならわかってるんだろ。時が世界規模で遡っているんだよ」
「そうなんですか!?」