前回までのあらすじ
黒兜を探すマコトたちにハルトが告げた正体
そして明かされる仮面の中の素顔とは……
黒兜は自ら仮面を外してマコト達に正体を見せた。
「お父さん…!?」
その正体は刃だった。
「そうだ」
刃は仮面を装着して戦闘状態に入った。
「どうしてお父さんが未来の俺なんかの協力をしているんだよ!」
「息子の肩を持つのは父として当然だ。二人の娘がいた君ならば理解できる筈だ」
「……」
【クアンタ】
「変身!」
【ライダータイム】
【仮面ライダークアンタ】
英次は仮面ライダーネオクアンタに変身した。
「…複雑だろうが今は戦え!」
「……」
「だったら戦えないお前に代わって俺がやるまでだ!」
ネオクアンタはジカンマグナムを刃に向かって放った。
「何だと…!?」
刃は飛んできた弾丸を真っ二つに切り裂いた。
「残念だ…」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
刃はネオクアンタに急接近して激しい斬撃を叩きこんで変身を強制解除にさせた。
「………」
刃は英次に近づいて行った。
「息子のために戦ってくれたお前には感謝しても仕切れない」
「あいつの為…?」
英次は刃に向けたジカンマグナムを弾かれた。
「うっ…」
英次は気を失った。
「どんな強者も弱点があれば弱くなる」
刃は英次の体を持ち上げた。
「お父さん!」
「英次さんをどうするつもりだ!」
「こいつには器を完成させる道具になってもらう。お前にはどうすることもできない」
刃は英次を連れて出現したブラックホールの中に消えた。
「英次さんを返せ!」
マコトがブラックホールに伸ばした手は震えていた。
「目の前で連れ攫われようとしている英次さん一人すら助けられなくて何がヒーローなんだ!」
マコトは自分の非力に嘆いた。
♢♢♢
その後--
「お前が夢見ているヒーローは孤独良がりの者か?」
マコトと正面で向かい合う紫のクアンタが聞いてきた。
「ヒーローだって元を辿れば一人の人間だ。弱点は仲間と共に補い合えばいい」
マコトは平成ライダーの力が使えるネクスフォトンに変身してアナザーデンオウを倒した。
「流石はあいつだ…」
紫のクアンタはそう呟いた。
「あの人の行動は何もお前の事を思っていないからじゃない」
「寧ろその逆、お前を愛しているからなんだ」
「俺を愛しているから…」
「あなたも英次さんなんですか?」
マコトが聞いた次の瞬間に紫のクアンタは消えていた。
♢♢♢
その頃、施設に人体実験をされていた英次は敵の悪意により心を閉ざしていた。
「……」
英次の前から狂三がやって来た。
「霰もない姿ですわね、英次さん」
英次は掠れそうな声で狂三の名前を言った。
「助けに来ましたわ」
狂三は鉄砲で英次を縛っていた鎖を破壊した。
♢♢♢
狂三は英次を連れて幹部から逃げていた。
「知ってしまったのですね」
「まさか知っていた上で助けに来たのか…」
狂三は英次の問いかけに頷いた。
「どうして隠していたんだ」
「わたくしだっていつかは教えようとは思いましたわ」
「でも、英次さんが知れば怒りで自身を見失ってしまうに決まってます」
狂三がそう話していると刃がやってきた。
「どこに行こうと言うんだ」
刃は剣を構えた状態で英次たちに近づいてきた。
「逃げろ狂三、あいつはマキナ・ゼウスの手下の中でも1、2を争うぐらいに強い」
英次はケルビムの力で狂三を遠くの場所に瞬間移動させた。
「あの方の息子であるお前にお褒めの言葉を貰えて光栄だ。つきあたっては俺の目的の前に敗れろ」
「言っていろ」
【クアンタ】
【ケルビム】
「変身!」
【ライダータイム】
【仮面ライダークアンタ】
【スピリットタイム】
【ケルビム】
英次は仮面ライダーネオクアンタケルビムアーマーに変身した。
「如何様な姿になったところで神の剣に忠誠を誓った俺には無駄だ」
ネオクアンタはそう言った刃にケルビムアーマーを飛ばしたが宣言通りに全て弾き返された。
「これがあの方から譲り受けた力だ」
「っ…!」
ネオクアンタは急接近してきた刃の斬撃を瞬間移動で避けた。
「どこに行こうが無駄だ!」
刃は同じ速度で走り、ネオクアンタが現れた瞬間に剣を振り下ろした。
「ぐあっ…!」
(なんて早さなんだ…!)
ネオクアンタは両腕で防いだが斬撃を受けた瞬間によろけた。
「ぐぁーっ!」
ネオクアンタは刃に蹴り飛ばされて叩きつけられた壁と一緒に崩れた。
ネオクアンタの変身は強制解除された。
「ベルトが…!」
英次の前で彼のジクウドライバーが粉々になっていた。
(俺ではあの人には勝てない…!)
英次は瓦礫の中で弱さを隠すように拳を握りしめた。
「どうせ戻る運命だ。言っても構わないだろう。本物のマコトは交通事故で死んだ」
「俺はマコトを蘇らせるために君の技術を元にしてクローンを生み出した」
「それがマコトだ」
「……」
英次は下を向いた時に揺れ動く影を見つけた。
「だが、マコトもこのままなら計画から外れた危険な存在になる。しかも時を巻き戻しても何度もだ」
「未来のあいつのことか…!」
「そしてお前がマコトの身代わりとして覇王になればあいつは思い通りのレールを歩むことができる」
「ふっ、あいつがそう簡単に誰かのレールの上を歩くと思うか?」
英次は刃の気を晒させるためにそう言った。
「誰かを助けたどころでその者を失い、時には蔑まれるお前が唯一感謝される時だ!」
「ぐっ…」
刃は英次の思惑通りに彼の首を掴み上げた。
(今だ!)
「このタイミングを待っていましたわ」
狂三は影から出て来たと同時に刃に向かって弾丸を放った。
「この死に損ないめ!」
刃は下から剣を振り上げて狂三の体を切り裂いた。
「お前にもらったチャンスは無駄にしない!」
英次は刃に向かってジカンマシンガンの弾丸を連射した。
「孤独になったお前を救ってやろうと思ったが…」
「ふざけるな。俺をこんなのにしたのは他の誰でもない。お前たちだ」
刃は開いた壁と共に地面に落ちていった。
「狂三!」
英次は狂三に寄り添って脈を確認したが冷たかった。
「どうして俺なんかを庇った!」
「俺がどうなってもお前らさえ生きていれば…それがお前らに願っていたことだったのに!」
英次が涙を流すとこの場にもう一人の狂三がやってきた。
「安心してくださいまし。そっちはザフキエルで作った分身体のわたくしですわ」
「…でも、お前である事は変わんないだろ!」
「それだけ大切に思われてわたくしたちは幸せですわ」
狂三は泣いている英次を抱きしめた。
♢♢♢
泣き止んだ英次は狂三の話を聞いた。
「今から話すのは事実ですわ」
狂三が言うにはマキナ・ゼウスにやられた後に目覚めれば英次の姿を見つけたとのことだった。
「わたくしの力でそれができると言えば…」
「ヘットか?」
英次は思い当たる節を言うと狂三は頷いた。
「まあ、その弾による物なのかは分かりませんがこうして英次さんの近くにいれるのはありがたいことですわ」
「そうだな…」
すると、この場にも沢山の怪人が現れるようになった。
「世界の崩壊が始まった」
「ここがあいつが未来のあいつの運命の分岐点の要だ」
「そうだよお兄さん」
英次たちの前にハルトがやってきた。
「やっと見つけたよ」
「おじさんの正体をバラした時にお兄さんと取引した内容は忘れていないよね?」
ハルトはクアンタアナザーウォッチを取り出した。
「ああ、決着だろ…」
「お兄さんのドライバーはもう使えないだろ?」
「……」
「じゃあ決着は早く着くね」
【クアンタ】
ハルトはクアンタアナザーウォッチを取り込んでアナザークアンタに変貌した。
「僕にもお兄さんやお父さんのような力を使えるようになった」
「その力でお兄さんを消してあげる」
「ぐっ…!」
アナザークアンタは風を吹き出して英次を苦しめた。
「この力は俺の弱さが生み出した物だ。ずっと感じている。みんなを守れず、家族を目の前に消滅した」
「ならばこの力で全てを終わらせる。俺の命と共に。それであいつの運命ですら救うことができる!」
「なのに…」
英次はマコトとの日々を思い浮かべた。
「あいつの目指すヒーローになる夢を見たくなってしまった…」
英次は自身を襲っていた風を我が物のように打ち消した。
すると、英次と狂三の胸が光った。
「これは…?」
英次の元に10の光が一つの形として結集して新たなライドウォッチになった。
【フルセイバー】
英次はそのウォッチ、フルセイバーライドウォッチを起動した。
同時に風が英次とアナザークアンタの周囲に渦巻いた。
「いつか見つけてみせる!俺が俺でい続けられる場所を!」
英次はそれをジクウドライバーにセットして強化形態用待機音が流れ始めた。
「変身!」
英次はいつものようにジクウドライバーを回した。
【タイム・ア・ライブ】
10の剣が英次の中に取り込まれていった。
【リアライズ!フルセイバー!】
英次は新たなクアンタに変身した。
「字名は仮面ライダークアンタフルセイバー」
「さあ、俺たちの決着を付けよう」
クアンタフルセイバーはアナザークアンタとの決戦に挑んだ。
【"Ⅰ”】
クアンタフルセイバーはフルセイバーライドウォッチのダイヤルを1回回した。
【フルセイバー“メタトロン"】
「行け!」
「ぐっ…」
「これは折紙さんのメタトロン!」
クアンタフルセイバーはメタトロンの筒を飛ばしてアナザークアンタに砲撃を放った。
【Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ,Ⅵ,Ⅶ,Ⅷ,Ⅸ,“Ⅹ”】
クアンタフルセイバーはフルセイバーライドウォッチのダイヤルを10回回した。
【フルセイバー“サンダルフォン”】
「サンダルフォン!」
「十香さんのサンダルフォン!」
クアンタフルセイバーはサンダルフォンを権限した。
「行くぞ」
別の天使を行使している中でも継続してあり続けるメタトロンが放ったビームで煙ができた。
「はぁーっ!」
「ぐぁーっ!」
クアンタフルセイバーはその煙で辺りを見失っているアナザークアンタに接近してサンダルフォンによる横降りを放った。
「この力はまだこんなもんじゃないぞ」
【Ⅰ,Ⅱ,“Ⅲ”,“Ⅳ”,“Ⅴ”】
クアンタフルセイバーはダイヤルを3、4、5回回した時にそれぞれ天面のボタンを押した。
【フルセイバー“コンバイン”】
「この炎と氷で!」
「琴里さんと四糸乃さんの力!」
クアンタフルセイバーは炎と氷を纏った攻撃を放った。
「おかわりだ!」
「わたくしの力まで!」
クアンタフルセイバーは時を巻き戻してその攻撃を最初からやり直した。
「この力はわたくしたち精霊の天使が結集したもの。わたくしたちの想いを力にしたもの」
「そして天使の同時使用がこの力の要ですわね」
「お兄さん、僕は知っているよ。お兄さんが本当に愛しているのは人の不幸だ!」
「違うな!俺は人を陥れる不幸を真正面からたたきわる!」
【Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ,Ⅵ,Ⅶ,Ⅷ,Ⅸ,Ⅹ】
【オールリアライズ】
「あいつらの想いを背負い、未来を切り開く!」
【フィニッシュタイム】
【フルセイバータイムストライク】
「まずはこの力で!」
クアンタフルセイバーは筒と分身体を生成してアナザークアンタを攻撃させた。
「行くぞ!」
クアンタフルセイバーの分身体は砲台から収束した炎を放ち、別の分身体は氷を纏った攻撃を放った。
その間にクアンタフルセイバーは穴と穴の間を通って高い場所にワープをした。
「はぁっ!」
「ぐっ、お兄さんの愛で人を縛るんだ!」
クアンタフルセイバーの分身体は鎖でアナザークアンタの体を巻きつけ、同時に槍で攻撃した。
(やられる!)
アナザークアンタに斬られそうになって目を瞑るがその分身体が音に変化して耳元を攻撃した。
「お兄さんはどうして人を守るんだ」
アナザークアンタが見上げる場所にクアンタフルセイバーがいた。
「ずっと昔から人を守り続けてきたからだ!」
「さあ、俺の、俺達の力を魅せてやる!」
クアンタフルセイバーは足元に10つの力が結集したライダーキックをアナザークアンタに放った。
「これが俺たちの力だ!」
「ぐぁぁぁぁっ!」
アナザークアンタは自ら起こした大爆発に飲み込まれた。
「うっ!」
起こった大爆発の中からクアンタアナザーウォッチが放出されて木っ端微塵に砕け散った。
「……」
地面に着地した後にクアンタフルセイバーは地面にうつ伏せるハルトに視線を移した。
「お前の命までは取らない」
「アナザーウォッチだけを破壊するように事実を捻じ変えたのですわね」
「お前は親に何も教えられていない。普通を知ればお前もきっと変わることができる」
「やるならやれよ!負けた僕なんか価値がないのも当然だ!」
「価値はお前がお前の運命と戦って見つけてみせろ」
クアンタフルセイバーは狂三を連れてこの場を去って行った。
♢♢♢
クアンタフルセイバーたちは壊れていく街が見下ろせるところまでやってきた。
「事実を捻じ曲げて世界の崩壊を救ってみせる」
クアンタフルセイバーはフルセイバーライドウォッチのダイヤルを触った。
「一人になるのが怖くないのですの?」
狂三が話しかけたことでクアンタフルセイバーはその手を止めた。
「ああ、怖い、怖くてたまらない」
クアンタフルセイバーは狂三に振り返ってそう言った。
「でも、何よりあいつらのことを救ってやりたいんだ」
クアンタフルセイバーはダイヤルを回した。
【Ⅰ,“Ⅱ“,“Ⅲ”】
クアンタフルセイバーはダイアルを2、3回回したところで天面のボタンを押した。
【フルセイバー“コンバイン”】
次の瞬間に世界は色を変えていった。
「それに俺には狂三たちがいるからな…」
クアンタフルセイバーは狂三と一緒に塗り替えられた世界に飲み込まれた。