あらすじ
新世界に存在しない筈の仮面ライダーが現れた。
駆紋戒斗はアーマードライダーバロンに変身した。
「どうなっているんだ?」
「仮面ライダーのショーか?」
一般市民はスマホを用意してバロンの姿を撮った。
バロンはバナスピアーを召喚してインベスを攻撃した。
「どうして仮面ライダーが…」
英次が驚いていると鉄格子の上に男がいた。
「やあ、君が仮面ライダークアンタだった男だね」
「お前は怪盗の海東大樹か…」
「お見事。僕は仮面ライダーディエンド、海東大樹だ」
その男は海東大樹だった。
「どうやらこの世界に馴染んでいるようだね」
英次と海東が話していた。
【カモン】
【バナナスカッシュ】
「せいーっ!」
二人が話している間にバロンはインベスを倒した。
「まあ、君はこの世界を楽しめばいいさ」
戦いが終わると海東はこの場から離れて行った。
「この世界を楽しむだと…」
英次の元にハルトがやってきた。
♢♢♢
翌日も英次たちは普通に学校に登校していた。
(どうして新世界に存在しない筈のライダーが現れるようになった…)
(まさかと思うが一昨日見た夢が何か関係あるのか…?)
英次は一昨日の夢が忘れられずにいた。
「……」
蓮は英次の方をじっと見ていた。
「ねぇ、英次」
ハルトが後ろ席の英次の方に振り向いた。
「なんだ?」
「見て見てこれ」
「SNSが昨日のショーで持ちきりだよ〜」
ハルトは自分のスマホの画面を英次に見せてきた。
「あ、ああ…」
(昨日の戦いはこいつらの間にとってはバロン主催のライダーショーだと思っているらしい…)
その日は何も異変が起こらないまま放課後まで時間が流れた。
♢♢♢
放課後のチャイムが鳴る。
「英次、今日も一緒に…」
「英次君」
すると、蓮が英次に話しかけてきた。
「今日こそ校舎の中を案内して欲しいんだけどいいかな?」
蓮は英次に下目遣いでお願いをした。
「おい、あいつ、また話しかけてもらってるぞ!?」
「俺たちの蓮たんに頼まれているなんて羨ましいんだ!」
「俺なんてまだ一回も喋ってないのに…!」
英次は周りの男生徒たちからの妬みが聞いた。
「はぁ、仕方ない、さっさと行くぞ」
「ふふ、決まりだね」
英次と蓮は一緒に教室を出て行った。
「え、英次の浮気者ー!」
教室の外にいる英次にもハルトの声が聞こえた。
「よかったの?」
「まあな、それで最初はどこに行きたいんだ?」
「そうだね、1番行きたいのはやっぱり図書室かな!その次は音楽室で!」
「なら行くのは図書室で決まりだな」
英次は先導して歩いて蓮を図書室へ連れて行った。
♢♢♢
蓮は図書室の中に入ると目を輝かせた。
「どれを読もうかな」
蓮はあれじゃないこれじゃないと本棚を見ていった。
「あんまり走り過ぎるなよ」
「へぇ、英次君は案外優しい一面もあるんだ」
蓮は英次の顔を覗くように見た。
「ば、馬鹿言え、怪我をされて欲しくないだけだ…」
英次は恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。
「…本当よく似てる」
蓮は英次を誰かと重ねてそう言った。
「何か言ったか…?」
「いいや、こっちの話だよ。それよりもこの本が1番面白そうだから借りて来ることにするよ」
蓮は本を持って受付へと向かった。
♢♢♢
蓮が本を借る手続きをしていた。
「…っ!?」
その時、英次は頭を押さえたくなる音が聞こえた。
「この音はもしかして…」
英次は近くにあった鏡を見ると少女が映っていた。
(後ろにはいない。なら鏡の中か…)
「君のせいでこの世界は再び戦禍に巻き込まれる」
少女は英次にそう語りかけた。
「この前の戦いもお前が仕組んだことか…」
英次の問いかけに少女は怪しい笑みで答えた。
「さあ、取引といこう」
少女がそう言うと鏡に森の光景が浮かぶ。
「っ!」
その光景では複数の人が眼魔に襲われていた。
「この光景は実際に今起こっていることだが今のただの人となった君の足では到底行くことができない別次元だ」
「こんなのは今すぐ辞めさせろ!」
「力を失っている状態にあるが本当の君は仮面ライダーなんだ。辞めさせたければ君が行って戦えばいい」
「その為の力なら私が持っている」
少女はクアンタライドウォッチを取り出した。
「クアンタライドウォッチ!?」
「それを一体どこで…」
「さあ、君はただの人間である君と仮面ライダーである本当の君どっちを選ぶ?」
少女が伸ばした手は英次の元に届いた。
(旧世界でこの力で俺は数々の人を、あいつを不幸に陥れた…)
英次は旧世界で自分が犯してきた過ちを思い返した。
「俺が行って倒してくる。ただしだ。その力はもう二度と使わないと決めている」
「決まりだ」
少女が怪しい笑みを浮かべると英次は鏡に吸い込まれていった。
♢♢♢
英次がその場所に着くと眼魔が彼目掛けて一斉に襲いかかってきた。
「はぁっ!」
駆けつけた青いライダーが眼魔の一体を殴った。
「ふっ!はぁっ!」
その青いライダーは眼魔を攻撃し続けた。
「スペクターか…」
スペクターはゴーストやネクロムの仲間…
そして
(あいつと同じ名前の男が変身するライダーか)
スペクターの変身者は深海マコトという男だ。
「お前はなぜ変身しないっ!」
「何?」
英次はスペクターに知られていることに驚いた。
「変身しないと言うのならば下がっていろ!」
【ダイブ トゥ ディープ!】
【ギロットミロー! ギロットミロー!】
【ゲンカイガン! ディープスペクター! ゲットゴー!覚悟!ギ・ザ・ギ・ザ!ゴースト!】
スペクターはディープスペクターに変身した。
「これでも喰らえ!」
ディープスペクターは必殺技で眼魔を撃破した。
「っ!?」
英次は出現したオーロラカーテンによって元の場所に戻った。
♢♢♢
英次は鏡の前で立っていた。
「ん、英次君ー?」
蓮が借りた本を抱え、英次を呼びかけた。
「…なんだ?」
「なんだって事はないでしょ。さっきからずっと呼んでいたのに返事ないし心配したよ」
「それは悪かった」
英次は蓮と一緒に図書室を出て行った。
♢♢♢
スペクターはビルの屋上に来た。
「お疲れ様」
そこに海東がいた。
「どうなっているか説明してもらうぞ」
「彼が変身しなかったのはただの人間に成り下がったからだ」
「でも、彼はもう力を取り戻すための鍵を見つけている。その鍵を解放するトリガーになるのは彼自身の想いだ」
海東はスペクターにそう話した。
♢♢♢
二人は程なくして図書室を出て音楽室へと向かった。
「〜〜♫」
蓮は初めて借りた本を大事そうに抱え、英次の横を歩いた。
「本当に本が好きなんだな」
「知っている?本は素晴らしい力を持っているんだよ!」
「素晴らしい力…?」
英次は蓮の顔を見た途端、闇のオーラが見えた。
「その本に描かれた架空の世界はありとあらゆる事象がある。こんな退屈な世界とは違ってね」
「退屈な世界…!?」
蓮は英次を壁に押しやった。
「っ!?」
蓮は本を持っている状態の為、片手で英次に壁ドンをした。
「君もそう思わないかな?」
「……」
英次は蓮に投げられた言葉に黙り込む。
「英次に何をしているんだぁーっ!」
すると、ハルトがやって来て、二人を引き離した。
「おっと、残念だ…」
「大丈夫、英次?」
ハルトは英次に寄り添った。
「ああ、なんとか…」
英次は頭から汗を流し、地面に手を付けた。
「今日はもう案内はいいや」
「また明日お願いするよ 英次君」
蓮は唇に指を当て彼の名前を言うと音楽室がある方に歩いて行った。
「あいつの笑顔はなんだか嫌な感じだ…」
ハルトは蓮を見ながらそう呟いた。
「お前も気がついたのか?」
「え、何々?」
「…いや、なんでもない」
英次はハルトに蓮に変なところがあるとは言わなかった。