英次たちの元に海東がやってきた。
「君達の仲良くしている姿は羨ましいな」
「なっ…!?」
英次はハルトを腕から離そうとしたがハルトは決して英次の体を離さなかった。
「それで僕のお宝は?」
「ここにちゃんとある」
英次はディエンドライドウォッチを取り出した。
「あいつにトドメを刺す瞬間に取っておいた」
「仕事がよくて助かる」
【ディエンド】
海東はディエンドライドウォッチを起動した。
「じゃあ僕は僕の居場所に帰るよ」
海東はオーロラカーテンを出現させた。
「何はともあれ君はライダーに戻った。その事実を胸によく刻んで欲しいな」
海東は英次の胸に鉄砲を撃つポーズをしてオーロラカーテンの中に消えた。
♢♢♢
英次は自宅のPCに向かい合って小説の最後の文字を打ち込むところだった。
「やっと全てのエピソードを投稿し終わったな」
英次はPCをそっと閉じた。
「ニヤァー」
PCの前にはハルトがニヤついていた。
♢♢♢
その後、英次はハルトに話した。
「へぇ、ネクスの物語をエピソードごとに分けて新世界のインターネット上に送り込んだんだ」
ハルトの頭は脳天突きを食らって湯気を出していた。
ちなみに打たれたとしても英次だから何でもご褒美になるらしい。
「この世界が今もこうして新世界としてあり続けられるのはあいつのお陰だ」
「でも、この新世界の人間であいつのことを覚えているのは誰一人として居ない」
そこでこいつの出番だと英次はハルトに投稿した小説を見せた。
「誰か一人の頭の中でもい」
「俺がこの世界を去るまでにあいつが生きた道を覚えてもらえる為に書き上げたんだ」
英次は真剣そのもので話すと、ハルトはふふっと笑った。
「じゃあ前の世界の僕とお兄さんの出会いもあるわけだ」
ハルトは揶揄い気味に悪魔っぽく微笑んだ。
「うっ、背筋が…」
英次はそんなハルトを見て背筋が震え上がるのを感じた。
「えっ、そんなに嫌だった?」
「……」
「えっ、なにその微妙な黙り込みーっ!」
英次はハルトを見てふっと笑った。
♢♢♢
英次たちが教室に行くと蓮の姿はなかった。
「やっぱりあいつは英次に倒されたみたいだね」
「本当にそうか…?」
英次は胸に嫌な違和感があった。
(トドメを刺した実感は確かにあるがあいつがそう簡単にやられるような奴だとは思えない)
英次は視線を感じて学校の屋上を見た。
「気のせいか…」
その場所で彼を見ている者は誰もいなかった。
♢♢♢
数年後
「……」
英次はオーロラカーテンを出現させた。
「俺はあいつの背中を追いかける」
「それがどれだけの時間がかかろうが必ず追いついてみせる」
英次は後ろで見守っているハルトにそう語った。
「英次…」
「僕もいずれ君のようになれるかな」
「お前は大切なことを知った。それを胸に刻んで生き続ければいつかは掴める筈だ」
英次はハルトの胸に指を当てながらそう返した。
「またいつかの明日な」
「うん…」
英次はオーロラカーテンの中に消えた。
♢♢♢
暗闇に蓮が現れた。
「今回は君に勝ちを譲ってあげるよ」
「英次君」
「ふふ、あははは!」
蓮は悪魔のように笑いながら消滅した。