レナはヘルヘイムの森の中に閉じ込められそうな状況だ。
「我が王、あの時の続きと行きましょう」
メアはマコトに手を差し伸ばした。
「もし俺がお前に応じるならレナを解放してくれるのか」
「…あなたは本当に彼女が大切なのね」
「…どういうことだ?」
「我が王、あなたがそもそも最低最悪になったのは--」
すると、クラックとその周囲の空間が徐々に広がるようにひび割れた。
「はぁ、やっぱりあんたはその程度じゃどうにもできないわよね」
割れたところからレナが現れた。
「その力はまさか…?」
マコトはその力はわからないが一つだけ理解できる格好を今のレナはしていた。
「精霊?」
マコトが好きな作品に名前が出てくる精霊と言われる少女たちのこと。
「霊装まで携えてよっぽど話をして欲しくなかったと見える」
メアはタイムマジーンに乗った。
「この姿を見せてしまった以上はあなたを倒す」
レナはメアの乗るタイムマジーンと交戦に入った。
(精霊は設定が設定だけにあれ以上増えることはないんじゃなかったのか…?)
マコトは何が何だかわからず目の前の光景を疑問に思うことしかできなかった。
『これでも喰らいなさい!』
タイムマジーンは指などあらゆる所からミサイルを放った。
「……」
しかし、ミサイルはレナの体を通り過ぎたところで爆発した。
「はっ!」
レナは両手に携えたデスサイズでタイムマジーンの元に向かい、縦に切れ込みを入れる事で縦真っ二つに分断して破壊した。
『やっぱり化け物ね、あんた』
メアはタイムマジーンが爆発する前に捨て台詞のようにそう言って脱出した。
「あなたにだけは言われたくない…」
レナは逃げていくメアを見ながらそう返した。
♢♢♢
今度こそ戦いが終わり、レナは霊装を解除した。
「レナは精霊なんだよな…?」
マコトはレナの事を知ろうと聞いた。
「私でも私のことはよくわからない…」
「でも、本当の私なら知ってると思う…」
「本当のレナ?」
レナはコクリと首を縦に振ってそうだと答えた。
「詳しい事は教えられない。それがマコトの為になるから…」
「俺のため…」
それでもマコトは知りたい欲求が抑えられそうになかった。
♢♢♢
その日、マコトはベッドの上で中々眠りにつけずにいた。
(レナは精霊なんだよな…)
マコトは押入れで眠るレナに視線を移した。
(レナの今までの言葉が意味こそわからないけど、多分こういうことなんだろうってことでわかってくる…)
マコトはレナを見れば見るほど、彼女の謎に包まれていた発言を思い浮かんだ。
(…精霊なら霊力を封印しないといけない。ただの高校生の俺にその力はない)
(その力を持っている人がデートして、レナはその人に惚れるようになる…)
マコトは胸が締め付けられる感覚があった。
(何でこんなに胸が苦しんだ。これならまるで俺がレナに霊力を封印されて欲しくないと思ってるって事になるじゃないか…)
マコトが枕に顔を埋めて小さく唸っているとモゾモゾと布団が動いた。
「え?」
マコトが隣を見るとそこにはレナがいた。
「ごめん、一人で中々寝付けなくて、マコトに頼るしかなかった…」
(レ、レナ!?)
(顔近っ!こう見ると美人過ぎる!)
マコトは頭の中でそう思い、顔を赤くさせた。
「マコト?」
レナは訳がわからず、不思議がる。
「あ、ご、ごめん、レナが綺麗だと思って…」
「……!」
「え?」
レナの顔がぼっと赤くなり、大きな開いたまま動かない目はマコトを見つめる。
「もしかして照れてるの…?」
「て、照れてるなんて…そんな…」
「レナの顔赤いよ」
「それを言うのならマコトの顔だって」
「「………」」
二人は気まずくなって黙り込んだ。
「…マコトの言う綺麗は私なんかに向けられるべき言葉じゃないよ」
「……」
「マコト…?」
マコトはその言葉を聞いて静かになった。
「うん…」
マコトは決意を決めた。
「教えて、どうしてレナのこと」
「ダメだよ、マコトにとって間違いなくよくない話だから…」
「いい話かよくない話かは聞いてみないとわからない」
「それに俺はレナの事を全て受け入れる。その覚悟を胸の中で決めた。だからレナ話して欲しいんだ」
「……」
レナはマコトの顔を見つめた。その顔は真剣そのものだ。
「マコトがそこまで私のことを思ってくれているなんて嬉しい」
「でも、同時に失った時のことを想像したらと思うと怖くなるんだ…」
「失った時のこと?」
「もう夜遅いから話は明日にしよう」
「わかった。明日必ず」
マコトは灯を消して、眠ろうとした。
「「………」」
二人はお互いを近くに感じて眠れなかった。
「ごめん、離れるね」
「あ、うん…」
レナは押入れに戻って行った。
♢♢♢
翌日、マコトはレナと一緒に墓参りをしていた。
「俺のお母さんは俺が生まれる前に交通事故に遭って死んだらしいんだ。それからはお父さんが男一人で俺を育ててくれた」
「そうなんだ…」
レナはマコトの家族事情を知った。
♢♢♢
ハルトは人の時間が止まった中を楽しそうにステップで歩いていた。
「あ、この人はたしかウォッチを渡した!」
ハルトはかつてアナザーライダーにした人間を見つけた。
「もう一度ウォッチを渡せばアナザーライダーになってくれるかな?」
ハルトが近づこうとするとその人間が自らの力でアナザーライダーになった。
「え?どういうこと?」
「一度アナザーライダーになった者はウォッチがある限りは何度でもアナザーライダーになるのよ」
ハルトのところに現れたメアがそう説明した。
♢♢♢
その頃
「割と近いところにあったんだな…」
マコトは自分のところの墓参りを済ませた後、レナに連れられてある墓のところに行った。
「他人の墓なんて気にする方がおかしいから問題ない」
レナはマコトにそう返した。
「ここだよ」
そこは何年も花束が飾られてない墓だった。
「深海矢。それがレナの両親の…そしてレナ自身の名前なのか…」
レナはコクリと首を縦に降りそうだと答えた。
「本当の私達はこの墓参りで出会う筈だった」
「え?」
「マコトが初めて最低最悪の王になった時に本物の私は死に、私は複製体として生み出された」
レナはその時のことを詳細に話し始めた。
♢♢♢
ただの男の子とただの少女だった二人が出会い、少し経った時に世界の崩壊が始まった。
「玲奈…」
「ごめん…」
深海矢玲奈という少女が崩壊の現象によってマコトの前で死んだ。
マコトの絶望は計り知れず絶望に染まった彼は最低最悪の力を手に入れた。
その力で彼は世界を思うままに変えて好きだったヒーローを次々と倒した。
全ては玲奈のため。
自分の城を守るためにマコトは戦う選択を選ぶしかなかった。
♢♢♢
レナの話を聞いたマコトは驚愕した。
「それが俺たちのビギニングナイト…」
レナは頷くように俯いた。
「今までこの時は何度も繰り返されてる。それでもあなたは何度も最低最悪に堕ちてしまう。全ては私なんかのために…」
レナが話すとメアとハルトがやってきた。
「あんなに嫌がっていた癖に話すなんてやっぱりあんたはこの運命を避けようとは思ってないってことよね」
「お父さん、遊ぼう」
「今まで倒してきたアナザーライダー…ウォッチがある限り何度でも蘇るのか…」
ハルトはアナザーライダーを引き連れていた。
「マコトは私が守る!」
レナが戦おうとした時、マコトがレナの前に出た。
「いや、俺がレナを守るんだ」
「マコト!私の話を聞いていた!?私を守るのはいけないことなんだって!」
「そうかな?守ること自体は悪いことじゃないと思う。その時の状況が状況なだけで」
マコトはレナの方に振り向いてそう言った。
「偽物なんか守って何もならないよ」
ハルトはマコトにそう返した。
「偽物か本物なんか知らない。俺は今のレナとしか会ったことがない。だから言える事は一つだ。レナを守る」
【ネクス】
「変身!」
【ライダータイム】
【仮面ライダーネクス】
マコトは仮面ライダーネクスに変身した。
「俺は大切な人を守れるそういうヒーローでありたい」
「マコト…」
ネクスはジカンギレードを召喚して、アナザーライダーに向かって攻撃を仕掛けていった。
「アナザーライダーを完全に倒すにはウォッチを破壊しないといけないよ」
「変身アイテムを壊すのが解決方法か、ライダーあるあるだ!」
ネクスは戦っているアナザーライダーに対して有効打になるライドウォッチを取り出した。
【鎧武】
「変身!」
【アーマータイム】
【ソイヤッ!ガ・イ・ム~!】
ネクスは鎧武アーマーになった。
「はっ!」
アナザー鎧武とアナザーウィザードに向かってオレンジのエネルギーを発射して拘束した。
【フィニッシュタイム!】
「これで!」
【スカッシュタイムストリーム!】
ネクスはまっすぐ向かいながらエネルギーを纏った大橙丸でアナザー鎧武を切り裂いて撃破した。
【ウィザード】
「変身!」
【アーマータイム!】
【プリーズ!ウィ・ザード!】
ネクスは爆発の中で炎に包まれる状況でウィザードアーマーになった。
「フィナーレだ」
【フィニッシュタイム】
ジカンギレードジュウモードの銃口に炎が集まった。
【ウィザードスレスレシューティング】
ネクスは引き金を引いて収束した炎をアナザーウィザードに一直線に放って撃破した。
「ウォッチを破壊した。これでお前達の使えるアナザーライダーはゼロだ」
「余計なことを…!」
メアとハルトはこの場から離れて行った。
「これがこの世界の仮面ライダーか」
スーツを着た男がカメラでネクスの姿を写した。
「再生怪人もライダーあるあるだけど何事もなくてよかった」
マコトは変身を解除してボツボツとそう呟いた。
「マコト…」
「ん?」
「本当に私のことを受け入れてくれるの…?」
「言った通り、レナはもう俺の中で大切な人だから」
「大切な人…」
レナは照れ隠しか腕を別の腕の手で抑えた。
(この時代のマコトは私のこと…)
マコトに見せないように俯いた顔は赤くなっていた。
「空間震を起こす可能性があるならレナの霊力を封印しないといけない」
(あの人にしてもらわないと…)
マコトの胸は締め付けられる感覚にあった。
(どうしてまたこんな気持ちになるんだ…)
(レナを守るためには1番いい事だというのに…)
マコトは暗い顔を浮かべた。
「心配しなくても大丈夫。私の時代のあなたがうまいこと調整している」
「え、そ、そっか…」
マコトはレナの返しを聞いて自分でも意味がわからず『良かった』と思った。
「そ、そういえばここお寺なのか」
マコトは気分を誤魔化すようにそう言った。
「うん…」
マコトたちはお寺の庭にいた。
「ん?」
「どうやら世界がまた変化を起こすみたいだな」
マコトが何かに気づいた次の瞬間、この場所の形が少し変化した。
「ん?んんん???」
「どうやら他の世界と融合したみたい」
マコトが説明するレナに視線を送ると寺の建物の中から青年がやってきた。
「て、天空寺タケル!」
その青年はレジェンドの一人、仮面ライダーゴーストの天空寺タケルだった。