貞操逆転世界になっていたので、幼馴染を色仕掛けで落としたい 作:138ネコ
「ふっふっふ、今日こそはアイツ(幼馴染)を俺に振り向かせてやるぜ」
せっかく貞操が逆転したのだ。ならばそれを最大限に活用すれば良い事に気がついた。
この世界の女は、前の世界の男のようなものだ。ならばこの世界の女の事を俺ならよく分かる。なんせ貞操が逆転した世界から来ているのだから。
この世界の思春期の女子に有効なのもの、それはすなわち、スケベだ!!
前の世界の思春期の男子は、言ってしまえばスケベで頭がいっぱいだ。その証拠に俺もスケベで頭がいっぱいだ!
なので、スケベを前面に押し出せば京が俺に振り向くのは自明の理!
さぁ制服の胸元のボタンを外し、いざゆかん!
「おはよう」
「おっす、おはよう」
いつもより三割増しの俺の挨拶に京の眉が一瞬ピクつくが、気にせずそのままスタスタと歩き始める。
あれ? 俺の胸元はスルー?
「今日は暑いな」
「そうだね」
わざわざ胸元を仰いだりしてアピールしてみるが、ジロジロ見てくる様子はない。
この世界では男の胸に興味はないのかと思ったが、すれ違う女たちはチラチラと横目で俺の胸元を見ているので効果はあるはずだ。
なのにこの幼馴染にだけは何故か効かない。あれこれしている内に、気が付けば学校に到着していた。
「ってかどこまで付いてくるの?」
というか京のクラスまで来ていた。アピールするのに必死になり過ぎて教室までついて来てしまっていた。
そんな俺を気にもとめず、自分の机に座り漫画を読み始める京。
「ねぇ、それって面白い?」
そう言って俺は腰を曲げる。斜め45度、胸チラがする最高の角度のはずだ。
「うん。まぁ」
だというのに京は俺に興味を示してくれない。
「あっ、島田君も博多の錬金術師に興味あるの?」
そして京の代わりに、彼女のクラスメイトの女子が釣れた。
彼女は確か、大倉さんだったっけな。貞操が逆転する前は教室の隅の席でいつも俯いて漫画やラノベを読んでいるキャラで、好きな作品の話を誰かがしてると『ビクッ』と反応して、話しかけたそうにしている陰キャ女子だったはず。
貞操が逆転しても陽キャは陽キャのままだし、陰キャは陰キャのまま。だというのに、陰キャである大倉さんが、異性の俺に話しかけるようになるというのは珍しいパターンだ。あとめっちゃ俺の胸をジロジロ見ている。
お前に用はない、去ってくれないか? と言いたいところだが。
「あぁ、うん。まぁね」
幼馴染以外の女子と話したことがない俺には、当たり障りのない返事しか出来ない。
「あっ、よ、良かったら全巻持ってるから貸してあげるよ」
「あはは。嬉しいけど、でも悪いよ」
「あっ、大丈夫だから、明日何冊か持ってくるね」
思ったよりもぐいぐい来るんだけど。
困ったな。物騒なのに絡まれてるから助けてくれと京を見る。
「フーン。二人は仲が良いんだ」
おや、京が今までと違う反応をしている。もしかして妬いてるのか?
ここは慎重に、地雷を踏まないようにいかねば。
「あっ、初めて話したんだけど。趣味が合うからそう見えるのかな」
そう言って照れくさそうに顔を赤らめる大倉さん。
「そっか。じゃあ二人の邪魔しないようにするわ」
「えっ、おい」
呼び止めようとするが、そのまま教室を出ていく京。
「あっ、西原さん行っちゃったね」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!!!!!!!
この女、地雷原でタップダンスしやがった!
がっくりと項垂れる俺の隣で、大倉さんは早口言葉で漫画の見所を説明してくれた。あとめっちゃ俺の胸をジロジロ見ている。
その日の帰りは、京が俺の教室に来ることはなかった。
あと大倉さんから借りた博多の錬金術師は面白かった。