貞操逆転世界になっていたので、幼馴染を色仕掛けで落としたい   作:138ネコ

29 / 71
Q.西原(with大倉さん)とデート回じゃないの?

A.ネタが思いつかなかったので飛ばしました。思いついたら書きます。


第29話「それじゃあ早速視聴覚室に行こうか」

『さぁ皆一緒に、せーの!』

 

「「「「「ラブアイドル最高!」」」」」

 

 授業が終わった放課後。

 部室のドアを開けるとそこは、別世界だった。

 一緒に来た大倉さんも少々、というかかなり顔を引きつらせ引いていた。

 

 部室に備え付けられている、いつもはクソゲーを映すためのTVが、今日はコスプレみたいな恰好をした男性たちが華やかに歌って踊っている映像がながされている。

 そんな男性たちがパフォーマンスするたびに、四谷先輩や浜口先輩。それと名前も知らない先輩の女子たちが興奮しながら叫び出す。それぞれが、手に光る棒、コンサートライトを握りしめて。

 

 部室の前で立ち尽くす俺と大倉さんに気づいた浜口先輩が、リモコンを操作すると、TVの画面が消され、レコーダーからディスクが取り出される。

 

「なんで消したの。今良いところだったのに……って大倉と島田君が来てたのか。おっす」

 

「うん、大倉と島田君が来たようだ。それじゃあ早速視聴覚室に行こうか」

 

 元気よく「おっす」と挨拶する四谷先輩に、控えめに「うっす」と返す。

 知らない人がいるからだろう、隣に居る大倉さんは人見知りを発動させていた。

 貞操逆転した世界なのに、大倉さんなんで俺の影に隠れるん? まぁいいや。

 

「説明なしですか?」

 

「説明いる?」

 

 いるから聞いているんだが。

 とはいえ、相手は先輩。流石に舐めた口はきけないので、素直に頷く。

 

「ラブアイドルフェスの円盤!」

 

 そう言って、ディスクをしまったパッケージをドーンと見せびらかしてくる四谷先輩。

 タイトルには『ラブアイドルボーイズ&ラブアイドルガールズ。夢の競演』と書かれている。

 

「なっ?」

 

 パッケージを更に俺の顔に近づけ、「なっ?」と言って力押しで乗り切ろうとしてくる四谷先輩。この人見た目マッチョだけど、脳も筋肉なんだよな。

 カードゲームとかで困ると、「なっ?」とか言いながら、大倉さんや浜口先輩にコブラツイストをかけて武力による平和的解決をしたがるし。

 流石に貞操逆転した世界だから、男の俺には、そんな武力行使を働いてはこないけど。

 

「あばばばばば」

 

 なので、代わりに、隣に居た大倉さんがコブラツイストの餌食になっていた。

 

「あのね、視聴覚室借りて、文化部の皆でラブアイドルの鑑賞会しようって話になってるんだけど、キミ達も一緒にどうかな?」

 

 話が進まない俺たちに、ちょっと困った顔で他の先輩方がそう教えてくれた。

 

「なるほど」

 

 アイドルか、タイトルでボーイズ&ガールズって入ってるくらいだし、女の子のアイドルも出てくるのだろう。

 アイドル自体に興味がないわけではないが、興味のあるアイドルじゃないから見に行っても微妙な気がする。野郎のアイドルも出てくるっぽいし。

 

「あっ、島田君。興味ないなら私と部室でいつも通り部活でも良いよ。あっ、今日は皆が足を引っ張り合いながら魔王を倒すスゴロクゲームとかどうかな?」

 

 四谷先輩のコブラツイストから解放された大倉さんが、フラフラにしながらそう提案する。

 興味がないのに、無理して観に行っても微妙な気分になるだけだし、そう付け足す大倉さん。

 俺の事を思ってくれるのは嬉しいが、目線がめちゃくちゃラブアイドルのパッケージに行っている。

 ラブアイドルというものが俺には何か分からないが、大倉さんとしては見たくてたまらないものなのだろう。

 

「そんな事言って、本当は部室で島田君と二人っきりになって、手を出すつもりなんじゃないの?」

 

「……あっ!」

 

 浜口先輩の言葉に、手をポンと打ちながら「なるほど!」という顔をする大倉さん。

 そうか、部室で二人きりになるのか。

 大倉さんに、この前みたいに胸を触らせてって言ったら、また触らせてくれるかな……。

 

 いかん、俺には京が居るんだ!

 京一筋だから、大倉さんとは、そういう関係になるつもりは無い!

 ……でもおっぱい触るだけなら良いよね?

 

「四谷」

 

「あいよ」

 

 それは、瞬きする暇すらないほどに、一瞬だった。

 四谷先輩の影が多重に重なり、残像が見えた気がする。

 

 気づくと、俺の隣に居た大倉さんが、膝をついていた。一瞬で移動してきた四谷先輩の手により。

 膝をついた大倉さんを、四谷先輩が「よっこいしょ」と言いながら肩で担ぐと、部室の外へと歩き始める。 

 

「大倉は一緒に鑑賞したいって言ってるけど、島田君はどうする? 部室に居るなら鍵開けとくけど」

 

 部室の鍵を片手に、俺に「どうする?」と尋ねる浜田先輩。

 大倉さんが連行された今、一人で部室に居ても、特にする事がない。

 いや、する事、というか出来ることはいっぱいある。主にクソゲーだが。

 だが、一人でするクソゲーほど虚しい物はない。

 

「それじゃあ、俺もご一緒します」

 

 なので、俺もラブアイドルとやらの鑑賞会に参加する事にした。ちょっとは興味あったし。

 この世界での色仕掛けというものが、どんな物があるか分からない。アイドルなら、明らかに性的な色仕掛けはしないだろう。

 もしかしたらそこに、何か京を落とすヒントになるものがあるかもしれないしな。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。