貞操逆転世界になっていたので、幼馴染を色仕掛けで落としたい   作:138ネコ

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第3話「大胸筋震えてマジエロくね?」

 この世界では、ズボンを穿く女子は少数派だ。ズボンは男が穿く物という固定観念がある。前の世界でいうところのスカートに分類されるのだろう。

 なので女子の体操着は、ズボンではなくスカートになる。この世界の素晴らしいところの一つだと思う。ちなみに、見た目はチアガールみたいな衣装だ。

 

 目の前でヤンキー座りをして、今にもパンツが見えそうな女子達が、男子を見てキャッキャと卑下た笑みを浮かべている。

 

「この学校、男子の体操服が短パンなの、最高だよね」

 

「ねぇねぇ、あいつハミトランクスしてない?」

 

「ちょっ、どれどれどれ」

 

 会話内容はともかく、見た目は最高だ。

 

「また女子が変な目で見てる」 

 

「この学校の体操服、男子は短パンとかマジ恥ずかしいからやめて欲しいよな」

 

 こっち(男子)は会話内容も見た目も最悪だ。

 クラスの女子達の体操着姿も悪くはないが、俺の目標は別だ。

 俺が見たいのは京の体操着姿!

 体育はクラス合同なので、京の体操着姿が拝める。俺にとってはオアシスのような時間だ。

 

 とはいえ、合同といっても当然男女別である。

 一緒だったら最高なのだが、仕方がない。

 男女別だとしても、俺には京にアピールする算段がある。

 今日の体育は男子はマラソン。アピールするにはうってつけの競技だ。

 

「よーい。ドン」

 

 ジャージ姿の体育教師がスタートの合図をすると、皆一斉に走り出す。

 だが、全員何か気にしたように、ぎこちない走り方をしている。

 

「見て見て、田村の奴、走るたびに胸の形が出てる」

 

「着やせするタイプなのかな? アイツ絶対に胸板厚いよね」

 

 そう、女子達がいやらしい目で見てくるので、男子は気になって上手く走れないのだ。

 中には胸を隠すように走っている奴もいるくらいだ。

 

 男子が体操着姿で走るだけで、女子が興奮する。

 そんな中、堂々と胸を張って走る男子がいたとしたらどうなるか?

 

「なぁ、島田の奴。めっちゃエロくね?」

 

「なんか最近アイツ、めっちゃ色気づいてるよな」

 

 そう、物凄くスケベに見えるのだ!

 

 こうして女子達の間で幼馴染の俺が話題になれば、京も気にせざるを得ないはず!

 実際に、トラックを走っている俺を、横目で見ている京の姿が見えた。

 京と一緒に居る女子が、なにやら俺を指さして何かしゃべっている。俺か? 俺の事を話してくれてるのか?

 スピードを上げ、やや外回りでトラックを走り、京たちが何をしゃべっているのか聞き耳をたてながら横を走り抜けていく。

 

「あれ西原の幼馴染っしょ? 大胸筋震えてマジエロくね?」

 

「頑張って走ってるんだから、そういう目で見るのは良くないよ」

 

「あっ、うん。そうだよね」

 

 いやいやいや、もっとそういう目で見て!

 ってか京の奴、もしかして俺には興味なし?

 ほら、大胸筋ブルンブルンさせて走ってるよ? 年頃なら気になるだろ!?

 

 それでも京は俺に見向きもしない。思春期ならばスケベに反応して然るべきなのに。

 そういえば、前の世界で「Eカップ未満はおっぱいと認めない!」と言って女子からひんしゅくを買った男子がいたな。

 実際にEカップ未満に対しては、エロ画像ですら一切興味を示さなかった過激派だが、もしかしたら京もそれなのかもしれない。

 男の胸に貧乳も巨乳も無い気がするが、大胸筋の鍛え方で好みが分かれたりしてるとかはありそうだ。

 

 とはいえ、、見て貰えない事にはスケベ心を駆り立てられない。

 クソッ、胸がダメならこれでどうだ!

 

「ふぅ、疲れた……」

 

 そう言って俺は、体操服の裾を持ち上げ、顔を拭く。

 胸でダメなら、腹で勝負!

 シックスパックとまではいかないが、だらしない体ではない……はず。

 

 チラリと横目で見ると、早速京の友達が気付いたようで、俺を指さし京に何か言っている。

 女子達はエロ親父のような顔つきで俺を見ているし、これならいけるだろう。

 

「うわっ」

 

 だが、京は見るからにドン引きしていた。

 京が何言ったか聞こえないけど、絶対今『うわっ』って言った!

 顔からもう「うわっ」って感じ出てるもん。 

 

 そうこうしている間に、授業の終わりを告げるチャイムの音が鳴り響く。

 クソ、今回も色仕掛けは失敗に終わった。

 これじゃあ全力で走っただけ損じゃねぇか。

 仕方がない。授業も終わったし、さっさと着替えるか。

 そう思って更衣室に戻ろうとした俺に、京が話しかけてきた。

 

「ねぇ。栄太郎」 

 

「ん?」

 

「女子たちが栄太郎見てエロいエロいって言ってたから、その、気を付けた方が良いよ」

 

「別に見られて、減るもんじゃねぇし。そっちこそ、その恰好、パンツが見えそうだけど恥ずかしくないのか?」

 

 貞操が変わったとはいえ、流石にここまでパンツが見えやすい格好をしていて恥ずかしくないのだろうか?

 

「女のパンツなんて見ても誰も喜ばないでしょ?」

 

 そう言って京はスカートをたくし上げ、俺にパンツを見せてくれた。

 

(……京がパンツを見せてくれた)

 

「あっ、島田君もしかして女子のパンツに興味あるの? 私ので良かったら見せようか? フヒッ」

 

「いや、いい」

 

 体育も終わり、座学が始まったが俺の頭は京の事で一杯だった。

 途中で大倉さんが話しかけてきた気がしたけど、そんな事はどうでも良い。

 

(……京がパンツを見せてくれた!)

 

 窓から空を眺める。あぁ、流れる白い雲はまるで京の純白のパンツのようだ。

 この日、俺はずっと上の空だった。

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