貞操逆転世界になっていたので、幼馴染を色仕掛けで落としたい   作:138ネコ

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第42話「夏休みどうする?」

‐栄太郎視点‐

 

 

 体育館でクソ長い校長の話を聞き流すこと数十分。

 ついに、この時がやってきた!

 

「明日から夏休みですが、事故等には気を付けて過ごすように」

 

 体育館から教室に戻り、教壇では担任が夏休みの注意事項などを説明しているが、誰一人まともに耳を傾けていない。

 近くの席の仲の良い友達とワイワイガヤガヤ喋る姿は、既に夏休み気分だな。

 

「それでは、起立ッ!」

 

 あれだけ騒いで担任の話を無視しておきながら、号令の合図だけはちゃんと聞いているのでちゃっかりしている。

 まぁ、その気持ちは分からないでもない。

 実際に俺もワクワクして、今にでも教室を飛び出したいくらいだからな。というか合図とともに教室を飛び出した。

 向かう先は勿論、京のクラス。

 

 どうやら京のクラスも、丁度担任の小言が終わったらしく、教室から京のクラスの担任が出ていくのが見えた。

 

「夏休みどうする?」

 

 そのまま教室に入り、京に話しかける。

 

「当然のようにウチのクラスに来てるけど、同じクラスでそのセリフを言う相手居ないの?」

 

「居ると思うか?」

 

「……ごめん」

 

 軽い冗談のつもりだったのに、ガチ謝罪は心に来るからやめて欲しい。

 マジで申し訳なさそうな顔しないでくれ。

 

「あっ、島田君は夏休み何か予定あるの?」

 

 湿った空気を流すように、大倉さんが話しかけに来てくれた。

 

「京がインターハイ決めたから、その応援には行こうかなって考えてるよ」

 

「あっ、そうなんだ。じゃあ私も一緒に行こうかな?」

 

「別に二人とも来なくて良いわ。遠いだろうし」

 

 髪をバサッとかき上げ、素っ気なく返す京。

 素っ気ない割には、チラチラと俺と大倉さんを見てるけど。本当は来て欲しいんだろうな。素直じゃない奴め。

 

「いや、行くよ。それに行かなかったら父さんに『なんで応援に行かないんだ!』って言われるだろうし」

 

「あっ、島田君一人で行かせるのは危険だから私も一緒に行くよ」

 

「栄太郎大丈夫? 大倉さんと一緒な方が危ないんじゃない?」

 

 いつもの冗談で、3人一緒に笑い合う。京の目が笑ってない気がするけど。冗談、だよな?

 京からインターハイの日程を聞きつつ、どうやって現地まで行くか話す。

 京の出場する種目の開始時間を考えると、結構朝早くから家を出ないといけないな、これは。

 

 京は前日から現地の宿に泊まっているらしいから、それなら俺も一緒の宿に泊まるのも悪くないかもな。朝早く起きるのだるいし。

 でもそうなると金がなぁ……、父さんか母さんにお願いしたら出してもらえるかな。

 京のインターハイの応援だし、出してくれるとは思うけど、普通に「朝早く家を出れば良いだけ」と言われそうな気がしないでもない。

 

 となると、バイトするか?

 バイトかぁ……小遣い欲しいからそれもありかな。

 

「やぁ、島田君。我が校ではバイト禁止なのは知っているかい?」

 

 などとバイトの事を考えてたら、小鳥遊君が早速釘を刺しに来た。何故か高めのテンションで。

 

「あぁうん。もちろん知ってるよ」

 

「バイトは禁止だが、身内のお手伝いとかなら良いんだ。良ければ僕の叔母が経営してる海の店で短期のお手伝いとかはどうかな?」

 

「海の店?」

 

「そう、海の店。基本的にオーダーを取って料理を運ぶだけだ。店を華やかにしたいから男手が欲しいらしいが、来るのはナンパ目的の女の子ばかりらしくてね」

 

 俺が卑屈過ぎるのかもしれないが、海なんて家族連れ以外は、泳がずにナンパしてなんぼだろうからな。

 人が集まりやすい海の店ならバイトしながらナンパも出来て一石二鳥。この世界の女子ならこぞって応募するだろうな。 

 

「うーん」

 

 コソコソしなくて済むし、小鳥遊君の親族というなら多分安心だろう。なんせ小鳥遊君の親は警察官と弁護士。

 もしも何かがあったとしても頼れそうだし。

 悪くない話だし、受けようかな。そう思った瞬間だった。

 

「おい、小鳥遊が学校に合法バイトの斡旋してくれるってよ」

 

 盗み聞きしていた誰かがそう言うと、クラス中の視線が小鳥遊君に集まる。

 

「あっ、いや。というか合法って言い方はやめてくれないか。親族が経営する海の家のお手伝いだ」

 

 親が警察官だからこそ、小鳥遊君は「合法」という言い方が気にくわなかったのだろう。

 ちゃんと「お手伝い」だと訂正させるのだが、その行動は宜しくない。

 訂正させるなら「斡旋」の部分も訂正しておくべきだっただろう。

 

「えっ、マジな話なの?」

 

「ねぇねぇ、俺も! 俺も出来る!?」

 

 わらわらと小鳥遊君の周りに、クラスメイトが集まっていく。

 

「それって女子でも参加出来るの?」

 

「えっ、あぁ一応しつこいナンパ客とかに対応してもらうために、女子も若干名は欲しいと言っていたが」

 

「給料はいくら? いくらでるの?」

 

「当然出るに決まってるだろう!」

 

 クラスの人間が知らなかったという事は、多分小鳥遊君は俺にコッソリ教えて誘ってくれるつもりだったのだろうな。

 まぁ、ここまで来ては収まりもつかないだろうし、見ない振りしておこう。「島田君だけ」などと言われた日には、目線が怖い事になりそうだし。

 

 インターハイに向けて、今日も陸上部は練習がある。なので俺はいつも通り大倉さんと部室に向かう事にした。

 クソ研は今日も開いてるらしいので。

 

 部活では、即売会に参加するから売り子をして欲しいと先輩に頼まれ、小鳥遊君からはスマホのメッセージでバイトをしないか聞かれ、帰り道では京からインターハイに応援にくるならどうやってくるか話をした。

 明日から夏休み。どう過ごそうかな。




今回はクソゲー研究部の部長で十夜(じゅうや)先輩というキャラを出す予定でしたが、今まで部室に顔を出さなかった理由を考えないといけないのと、そもそも淫夢語録が分からないので没になりました。
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