貞操逆転世界になっていたので、幼馴染を色仕掛けで落としたい   作:138ネコ

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第46話「あっそう言えば、部屋なんだけど……」

 同室の女子相手に人見知りを発動させたせいで居たたまれなくなり、たまたま外に出ていた大倉さん。

 たまたま栄太郎を見かけ、声をかけようとしたが陽キャ男子に囲まれていたために大倉さんは声をかけられず、栄太郎たちがアイの告白を覗き見し、戻ってくるところまでの一部始終を物陰からずっと見ていた。

 

(これは、島田君とエッチな事が出来るチャンスなのでは!?)

 

 女子を部屋に連れ込むという話題で盛り上がる陽キャたちの会話をしっかり聞いていた大倉さん。

 陽キャ男子たちと別れた栄太郎が一人きりになったのを見計らい、すかさず声をかけに行く。

 

「あっ、栄太郎君も外の空気を吸いに来たの?」

 

「あぁうん。まぁそんなところかな」

 

 流石に「応援団をやってたメンバーの告白現場を覗きに行った帰りです」と言うわけにもいかず、適当な返事で誤魔化す栄太郎。

 覗きをしていて後ろめたい気持ちがあったせいか、曖昧な返事で誤魔化せたことによる安堵から、陽キャたちと離れてすぐに大倉さんが声をかけてきた事に、栄太郎は疑問を抱けないでいた。

 

「大倉さんも外の空気を吸いに来た感じ?」

 

「あっ、うん。中々寝付けなくて」

 

 そもそも寝るには早い時間だしねと付け足す大倉さんに、そうだねと返事を返す栄太郎。

 部屋に戻っても特にする事もない栄太郎に、そもそも部屋に戻りづらい大倉さん。

 お互いすぐに部屋に戻るという選択肢がない。なので他愛のない雑談は続いていく。

 

「あっそう言えば、部屋なんだけど……」

 

 ある程度雑談をした後に、一度ごくりと生唾を飲んだ大倉さんが勝負に出る。

 

『男子の部屋って、女子と違うのかな?』

 

 頭の中で何度もシミュレートし、自然な流れで栄太郎の部屋へ行く口実。

 もし大倉さんがその言葉を口にすれば、栄太郎も「それなら部屋見に来る?」と答えるだろう。

 そして、大倉さんが迫れば、栄太郎も流れに身を任せただろう。他の女子が相手なら西原の顔が浮かび、悩みに悩んで断るだろうが、大倉さんが相手なら断らない。そのくらいの感情を大倉さんに対しては持ち合わせている。おっぱい童貞を捧げた相手なので。

 

「あっ……そろそろ、お部屋に戻った方が良いんじゃないかな?」

 

 そんな千載一遇のチャンスを、大倉さんは、自ら投げ捨てた。

 

「もうそんな時間かな?」

 

「あっ、ほら。男子一人でこんな時間にウロウロしてたら危ないし」

 

「別に宿の前だから大丈夫だと思うけど」

 

「ダメダメ。あっ、部屋まで送ってあげたいけど、誰かに見られたら変な誤解生むかもしれないから、ここで。じゃあね」

 

 そう言って宿の入口へ向かう大倉さん。

 大倉さんが急に態度を変えた事に首を傾げつつ「まぁ大倉さんが急に挙動不審になったりするのはいつもの事か」と一人で納得し、栄太郎も宿へと入っていく。

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