貞操逆転世界になっていたので、幼馴染を色仕掛けで落としたい   作:138ネコ

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第49話「あった。やっぱりこれだ!」

 インターハイの結果は、西原が良い成績を収め幕を閉じた。

 特に問題が起きる事もなく、それぞれが帰宅したその日の夜。

 

「栄太郎と大倉さん、なんか良い雰囲気になってた気がする」

 

 あれほど努力し、ようやく手に入れたメダル。

 西原はそれを、ポイっと自分の机の上へ投げると、ベッドに横になった。

 彼女が頑張ったのはメダルが欲しかったからではない。もしかしたら、インターハイで良い成績を収めれば、栄太郎との関係に何か進展があるかもしれないと期待していたからである。

 そんな期待を抱いていた西原だが、残念ながら栄太郎とは何一つ進展する事はなかった。

 

 それだけなら、西原もこんな憂鬱な気持ちにはならなかっただろう。

 問題は、応援に来ていた栄太郎が、大倉さんと仲良さそうにしていた事だ。

  

 普段の栄太郎は、大倉さんに対し色々とオープンなところはあるが、それでもどこか線引きをしていた。

 だというのに、応援をしていた栄太郎と大倉さんの間に、西原視点で線引きは感じられなかった。

 栄太郎との関係を進展するはずが、何故か大倉さんと栄太郎の仲が進展した事に焦り始める西原。

 そんな西原が出した結論。それは……

 

「もしかして、栄太郎はスケベな目で見てくる人が好きなんじゃ!?」

 

 西原は大倉さんの魅力を分析に分析を重ねた。

 だが、どれだけ分析したところで、下心が丸見えな時点で論外である。

 自分は女だから気にしないが、もし男性が女に胸や下半身を凝視されたら嫌悪感を抱くだろう。それがどれだけ仲の良い相手でも。

 

 そこで西原は一旦発想を逆転させることにした。

 栄太郎は運動、勉強、見た目、どれをとっても突出した物がない普通の男子。

 だからこそ「何か誇れるものが欲しい」と栄太郎は考えたのではないかと。

 そして、誇れるものがないから、せめて露出するような格好をしたのではないかと。

 

 ただ周りに構って欲しいがために肌を晒す。

 それをバカな奴だと笑うのは簡単である。

 でも、と西原は考える。

 もし自分が逆の立場で、誇れるものが何もなかった時に同じ行動をしないと言い切れるだろうか?

 

(きっと、今の栄太郎に必要な言葉は「自分を大切にしろ」なんてありきたりの言葉じゃなくて、「おう、兄ちゃん。良い体しとるやないか」なんじゃないかな)

 

 そこまで考えながらも、彼女の中の理性が叫ぶ。そんなわけがない、と。

 

(大体、大倉さんなんて、栄太郎が肌露出させたらすぐにガン見してるし……あれ?)

 

 大倉さんの行動を思い浮かべ、西原の中で何かが引っかかる。

 栄太郎が露出するたびに、ガン見する大倉さん。

 

「……まさか!?」

 

 ハッとした表情で、ベッドから起き上がると、慌てて本棚から本を取り出し調べ始める。

 パラパラとめくっては、次々と床に投げ捨てながら。

 

「あった。やっぱりこれだ!」

 

 とある本に書かれた特集を、一文字一文字逃さぬように読んでいく。

 書かれていた内容はこうだ。

 

『男の子は、些細な変化にも気づいて貰えると喜ぶもの』

 

 西原は栄太郎が露出するたびに、あえて見ないようにし、気づかない振りをしていた。 

 だが、その特集を読み、愕然とする。自分が間違っていたのだと。

 栄太郎は気づいて欲しくて大胆な行動を取っていたのに、自分はそれを見て見ぬふり。

 

 それに対し大倉さんはどうだ?

 彼女は事あるごとに栄太郎をガン見している。

 それはつまり、栄太郎が気づいて欲しいというサインを見逃していない事になるのではないか。

 

 大倉さんの奇行が、男にモテるためのポイントを抑えた行動に見えてくる西原。

 一度そう考えると、どんなヤバい行動でも好意的に感じられてしまう。西原、完全に暴走状態である。

 

「今度会ったら、大倉さんに負けないくらい、栄太郎の事を堂々とエロい目で見まくってやるんだから!」

 

 彼女の暴走は留まる事を知らない。

 

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