貞操逆転世界になっていたので、幼馴染を色仕掛けで落としたい   作:138ネコ

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第61話「あっ借り物競争で、良いから来て」

 そろそろ文化祭が終わるな。

 文化祭が終わるとどうなる?

 知らんのか? 体育祭が始まる。

 

 というわけで、文化祭に引き続きやってきました体育祭。

 別に何か特別な事をするわけではない、簡単な競技に出て、後は適当に時間を潰すだけ。

 やりたいかやりたくないかで言えばやりたくないが、心底やりたくないわけではない。

 

 なので、盛り上がってるクラスメイトを尻目に、今はグランドの隅で一人フラフラしている。

 一応クラス用の応援席とかも用意されているが、近寄るつもりはない。そんなところに居れば、どうせ今日も応援団の格好で応援をやってと言われるのが目に見えているから。

 

「あれ、キミ今日は応援団やらないの?」

 

「今日はやらないですね」

 

「そうなんだ」

 

 まぁ、クラスの応援席に行かなくても、こんな風に学年クラス男女関係なしに声をかけられたりするけど。

 クソッ、アイ先輩たちの影響力というのを舐めていた。どうやら先輩たちはこの学校でもかなり顔が広い人たちだったようだ。

 そのおかげで、アイ先輩達とドスケベな格好で応援団をやってた男子として、全校生徒に顔を覚えられる始末。勘弁して欲しい。

 

 あと、アイ先輩たちがやったからか、今日は後追いのように応援団のマネをする男子生徒が多い。もちろんアイ先輩達もやっている。なんかこっちを見てる気がするけど無視無視。

 アイ先輩たち以外も当たり前のように腹出し学ランに短パン着てるけど、そもそもそんな服どこで売ってるんだよ。 

 

 はぁ……どうせやるなら陸上部の応援の時にやってくれれば、俺があんな恥ずかしい思いしなくて済んだのに。

 まぁ、そのおかげで2度目のおっぱい童貞が捨てられたのだから、今にしては悪くない思い出かもしれないけど。

 

 とりあえず、部の存続の危機もなければおっぱいの見返りもないのだから絶対にやらない。

 今日は全力で平和に過ごしてみせる!

 

「クソッ、なんで俺はこんなところにッ!」

 

 決意をして見たものの、俺はクラスの応援席で座っていた。

 何故か?

 

 忘れている人たちもいるから、もう一度説明しよう。

 ここは貞操観念が逆転した世界だ。

 そして、貞操観念が逆転しているので、色々と考え方が違う。その最たるがファッションである。

 

 こちらの世界で女性はズボンをあまり穿かない。スカートが女らしい服装という固定観念があるからだ。

 なので、制服だけでなく、体操着もチアガールのようなミニのスカートである。

 そんな恰好で全力疾走をすれば、見えるのだ! パンチラが!

 

 今日という平和と、女子のパンチラ、どちらが大切かなんて言うまでもない。女子のパンチラだ!

 その為なら、あの恥ずかしい応援団の格好だってしてやらない事はない。やらないけど。全力で拒否するけど。

 

 今のところ問題は……あるんだよなぁ。女子がキャーキャー言うから、味を占めた松村が俺の顔にすね毛当ててくるっていう最悪な問題が。あれか、貞操観念が逆転する前の世界でいうところの、女子の顔に巨乳の女子が胸当ててるような物なのか?

 それなら女子がキャーキャー言って興奮するのも仕方ないとは思うが、それはそれ。これはこれ。

 クソムカついたから、すね毛をブチ抜いて女子の方に投げつけたら、女子は興奮するわ、男子たちからはガチ説教されるわ、松村がちょっと涙目になるわでヘンタイな、違う、大変な事になった。いや、ヘンタイでもあってるわ。

 

 ちょっとした波乱はあったけど、おかげで変なちょっかいをかけられず、ドキッ☆スカートだらけの大運動会。チラりもあるよを楽しめたのだから良いだろう。

 おっ、あの女子、凄い胸揺れてるじゃん! って大倉さんだった。わざわざ胸を揺らしながら、何故かこっちへ走って来るんだけど。

 

「あっ、島田君。お願いがあるんだけど」

 

『だが断る!』

 

 どうせ碌な事じゃない。なので初手で断る心が大事だ。

 もちろん、俺にそんな事を言う勇気はない。

 

「えっ、俺? どうしたの?」

 

「あっ借り物競争で、良いから来て」

 

 よく見たら、大倉さんは一枚の紙を手にしていた。

 クラスメイトから「好きな相手だった?」などとからかわれ「あっ、違います。そう言うのじゃないですから」と顔を赤らめながら、小声で必死に反論している。

 大倉さんについていけばクラスメイトにからかわれるだろうが、このままここに居てもからかわれ続けるだけ。あとちょっと涙目の大倉さんが可哀そうだし、仕方がない。

 

「良いよ。さっさと行って終わらせよう」

 

「あっ、うん。ありがとう」

 

 顔を赤らめ涙目で嬉しそうにお礼を言う大倉さんに、ちょっとだけ、そう、ほんのちょっとだけドキっとしたのは秘密だ。

 俺の手を握り、走り出す大倉さん。一体何が書かれていたか気になったが、今はそれどころじゃない、京以外の女の子と手を握っちゃったから!!

 女の子の手って柔らかいよね。そりゃあおっぱいが柔らかいのも頷けるよ。

 

 そんな事を考えてる間に、ゴールまでたどり着いた。

 大倉さんから紙を受け取り、ゴールに居た審判役の女生徒が紙と俺を見比べ、納得するように頷く。

 どうやら、OKだったらしい。

 

 大倉さんは1位の旗を受け取ると、軽くお礼だけ言って、顔を赤らめながら逃げるようにそそくさと去ってしまった。

 そんな態度を見せられたら、なんて書かれていたか余計に気になってしまう。もしかし、本当に「好きな相手」とか書かれていたのだろうか?

 

「借り物競争の紙、なんて書かれていたんですか?」

 

 俺の質問に、審判役の女生徒が半笑いで紙を見せてくれた。

 

『スケベ』

 

 おい! 

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