テラフォーマーズ Beast of destroyer 作:ダイダゼノンド
地球。
青く輝く生命の星。
現状唯一確認されている、生命体が自然発生した場所。
人間を始めとする多種多様な生態系が形成された奇跡の惑星。
およそ4000年以上の歴史を持つ人類が霊長たる生存圏。
火星のゴキブリ達の本来の故郷とも言える。
テラフォーミング計画に起因するゴキブリの異常進化は、火星に留まらず不遜にも地球にまで牙を剥いた。
「これが・・・・・・
地球に舞い降りた進化ゴキブリ・・・・・・テラフォーマー達の目撃情報の増加。
それに伴って発生し続ける、行方不明事件。
かつて火星に向かったアネックスの
地球にはテラフォーマーがいる。
しかし、テラフォーマーの存在を公にすることはできない。
その中でも戦士達は戦うことを止めなかったのだ。
町中に出没するテラフォーマーと戦い、情報を集めていた。
自らの目的を果たすために。
仇を討つために。
人類の未来のために。
その全ては地球のテラフォーマー達の大元を叩くことに帰結する。
そんな戦士達が守る星に、男が降り立った。
全身の武装、その戦い方の全てが破壊へと至るする皇帝。
火星のゴキブリを滅びの道に乗せた者。
デストロン破壊大帝、マグマトロンである。
「・・・・・・地球、か」
人気の無い山中に身を隠し、安堵したのかこれからしなければならないことに辟易したのか、体から抜けていくように呟いた。
「トランスワープで過去に飛んで来たが、まさかここまで開発された時代だとはな」
目視できる距離にビル群。
近くに意識を移すと道路が見える。
自分がいる星の成れの果てとされる、惑星ガイアとは違う、文明が栄える様相。
破壊大帝と名乗り、荒くれ者達の上に立っているような自分も、なにか感慨深いものを感じないわけではない。
「まあ、良い。今ばかりは関係のないことだ。奴の反応は・・・・・・D-NAVI!」
虚空に叫ぶ。
『クリスティーナ』
「そうか。クリスティーナ、奴の反応を探ってくれ」
そう、マグマトロンはその身一つで地球まで来たのではない。
サイバトロンと争っていた時代からのナビゲーションロボット、D-NAVIと小型の宇宙船に乗ってきたのだ。
『・・・・・・反応見つけた。あら、そこから近いじゃない』
「なに?」
『そこから東の海上。貴方の方に向かってるわね』
「ほう・・・・・・」
『そこ、海が見えるんなら移動しておいた方が良いわよ?なんか仲間を作ったみたい。
「どれ程の数がいるかわかるか?」
『う~ん、ざっと千体以上はいるかもね。数え切れないって感じ。あ、散った。まあ半分くらい減ったんじゃない?』
「そうか・・・・・・」
D-NAVIからの情報を聞いたマグマトロンは山を抜け、沿岸部に向かった。
「・・・・・・人間か」
沿岸部には複数名の人間がたじろぎ、一人の人間が剣を支えにして立っていた。
「何あれ・・・・・・」
「・・・・・・まだ遠いな」
自らの姿に驚嘆する人間達を尻目に、マグマトロンは海に入っていく。
「・・・・・・あれか!ウィングミサイル!」
海の中になにを見つけたのか、マグマトロンは頭部の翼から無数のミサイルを打ち込んだ。
海面に着弾し怪獣映画さながらの爆破により、そこにいた多くのテラフォーマーが海面、または地面に叩きつけられ死んでいった。
「・・・・・・見つけたぞ」
「痛てて・・・・・・」
地面に打ち付けられたテラフォーマーの中に、他の個体とは違い明らかに人語を発した個体がいた。
「よもや自らの軍団を作っていたとはな。驚いたぞスカベンジャー」
「マグマトロン・・・・・・!」
「全く・・・・・・貴様がこんなところまで逃げ出したせいで、同じデストロンであるワシが、破壊大帝であるこのワシが、責任者と白羽の矢を立てられたのだ!」
「へ!サイバトロンの奴らとつるみやがる野郎が悪い!デストロン全員がお前に従順だと思ってんじゃねえぞ!」
「ふん。従順な奴の方がいなかった」
「うるせえ!」
マグマトロンの言葉に激情を顕にしたスカベンジャーは、背部から取り出した銃でマグマトロンを襲う。
「ふん・・・・・・マグマブレード!」
しかし、威力が足らずに反撃を許してしまう。
「ぐうぅ!」
薙ぎ払われたマグマブレードはスカベンジャーの腕を圧し折り胴体を抉り、その勢いのまま吹き飛ばされる。
「ぐぶっ!ぐっ!かはっ!」
転がり木々に当たり勢いが殺され止まったスカベンジャーの姿は、両腕両足が折れ体中にヒビが入っていた。
「こんなところか・・・・・・」
海から上がり、マグマトロンはスカベンジャーを見下ろした。
「く、うぅ・・・・・・か、はぁ・・・・・・」
「お縄についてもらうぞスカベンジャー」
「へ、へへへ・・・・・・こんなんで、まだ・・・・・・帰るわけにはいかないからな・・・・・・ビーストモード!」
人型から巨大なゴキブリの姿に変身したスカベンジャーは猛スピードでその場から消えた。
「逃がしたか・・・・・・」
「おい!あんた!」
「うん?」
逃げ去ったスカベンジャーを目で追っていたマグマトロンに、一人の人間が話しかけた。
「急に出てきて好き勝手やってたけどさ、あんた、何者?」
「・・・・・・」
このとき、マグマトロンは悩んでいた。
自らの素性を全て明かしてやるのも良いが、もう二度と会うこともないであろう他種族に、必要以上に関わってやることは無いだろう。と。
実際マグマトロン自身にこの星に対して何か感情を抱いているかというと、希薄である。
別に滅んだとしても構いやしないが、些か気分が悪いくらいのものである。
そんな惑星の原生生物への対応を模索していた。
「ねえ、なんか言いなよ」
「・・・・・・ワシは」
「?」
「・・・・・・ワシは、敵ではない」
「・・・・・・へえ?」
敵ではない。
ひとまず問題を起こさないであろう無難な回答。
地球人の言語体系はおよそ全ての知的生命体の使う言語と等しい。
トランスフォーマー達の言語体系とも同一のものであり、余談だが火星に生息する進化ゴキブリ達とは全く違う。
だからこそ慎重になる。
同じだからこそ余計な問題を作りかねない。
「まあ、敵じゃないならいい。私はサムライソード。あんたは?」
「サムライソード・・・・・・ワシらのような名前だな。ワシは・・・・・・マグマトロン」
「マグマトロン?人間じゃないのはわかる。何者?」
「・・・・・・なんでも良いだろう」
「そうもいかない。いきなり出てきて敵じゃないからそういうことで、じゃあ都合が良すぎる。無条件に信用が出来るほど、私は人間ができてないんでね」
「・・・・・・」
一理ある。
初対面。それも戦いのさなかでの邂逅。
なにかピンチを救ったわけでもない。
ただ自分の用事を済まそうと来ただけの存在。
そんな者にかける言葉は、大方保身。
目の前にいる人物は自分に危害を加える存在か否か。
それを知るための行為。
進んで名前を明かしたのもその一つだろう。
「・・・・・・宇宙人」
「宇宙人?」
拍子抜けしたように間の抜けた顔で返す。
それはそうだ。
目の前のやたら金属的な体の御仁が、自らを宇宙人と言い放ったのだ。
突拍子もない、しかし合点がいく。
こんな存在、宇宙人とすれば片がつく。
理解するしないの問題ではなく、割り切ってそういうものだと納得する他ない。
「まあ、そうか。そうだよな。明らかに人間じゃない。
「わかったのなら、いい」
「じゃあ、聞くけど。さっきあんたが戦ってのはあんたの仲間?」
「・・・・・・仲間、とも言えなくはない。だが、ただ同族というだけだ」
「そ、そう・・・・・・」
「D-NAVI、スカベンジャーの反応を追えるか?」
『フン』
「・・・・・・クリスティーナ、だったか」
『はいはい。追えてるわよ。そこからひたすら海岸沿いを進んでるわ。まあ、貴方が本気で走れば全然追いつけるんじゃない?』
「そうか、わかった。ビーストモード!」
「え、ちょっと」
ビーストモードになったマグマトロンは、陸海空全てから逃走者を追った。
「行っちゃった・・・・・・」
なにをしだすかわからない未知との遭遇は、あっさりと幕を閉じた。
「まあ・・・・・・良いか。なにかされるよりはずっといい。ここに来てた奴らも一掃してくれたみたいだし。はあ、このことは報告したほうが良いかな・・・・・・さてどうしようか・・・・・・」
対話が多いと地の文が書きづらい・・・・・・
とにかく、まあ今回一応オリキャラが出せました。
本文で長々と解説していく余裕がないのでここで少し解説しておきます。
デストロン追撃兵スカベンジャー
ゴキブリから変身。
見た目のイメージはテラフォーマー達の背中にゴキブリの背中の平たいアレがくっついていて、顔はバイザー付き。
変形方法はいわゆる一発変形系のソレです。
わかりにくいかもしれませんが、何卒ご容赦を。
それでは。