会議から数週間が過ぎた頃
「ここにサンジェルマンがいるってワケダ」
パヴァリアの幹部であるカリオストロとプレラーティはアダムから送られた住所の建物の前まで着ていた。
「確実に罠よねこれ……」
「だとしてもってワケダ」
アダムに呼び出されたサンジェルマンから連絡が途絶えて数週間が経過している。仲間意識の強いカリオストロとプレラーティは、たとえ罠だとしてもサンジェルマン救出のために乗り込むしかないのであった。
建物の中を散策して数分が過ぎたころ彼女達は見てしまった
「な、なんというワケダ……ッ!?」
「さ、サンジェルマン?」
クッションに包まれポケーっとしてダラケきっているサンジェルマンの姿を……。ちなみに横のテーブルにはワインとポテチが置かれている。
「ふふふふふ……」
不気味な笑い声と共に優が2人の前に現れる。
「……サンジェルマンをこんな週末の死にかけ社会人みたいな姿にしたのはお前ってワケダ」
「ふふふふふ……。クッションに座って一瞬でああなるとは正直思わなかったよねマジで」
「あ、これあっちにも想定外な事起きたパターンだわ」
優は2人に何が起こったかを簡単に話す。
「つまり【人をダメにするがメンタルは回復させるクッション】に座らせたらこうなったというワケダ」
呼び出したサンジェルマンにこっちの意見を通し易くするためにクッションに座らせたらこうなってしまったのだ。想定外の事態である。
「あんなになるの幼児ババアだけだと思ったのに……」
「誰よ幼児ババア」
「キャロル。ほれ写真」
そういうと優は現在のキャロルの写真を見せる。
「既にクッションの被害者いるじゃないの……。何齧ってるのこの娘?」
「バターのマヨネーズ掛け」
「……これ見るとサンジェルマンは比較的マシってワケダ」
マシなだけで問題はあるだろうに。
「ていうか、このクッションは大丈夫なわけ?」
「いや大丈夫ですよ。ほれ……、癒されるぅダメになるぅ」
「本当に大丈夫なのよね!?」
優は自らメンタル回復クッションに腰かけ横になりダメになる。数分が過ぎたころ。優はクッションから起き上がり。
「あー、癒された。カリオストロさんもどうぞ」
「ちょっと気になる自分が憎いわね。…………あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛これヤッバいわ温もりスゲーわ。ビールとかある?」
「声ヒック」
「もうただのオッサンなワケダ」
カリオストロは寒い日に風呂に入ったオッサンの様になっている。
「ストレス社会を生き抜く為に作った回復クッションによって心神喪失ダメ人間を2人も爆誕させてしまうとは思わなかった……。これ売って収入源にしようと思ったのに」
「これメンタルダメージ受け続けた年数とかも関係ありそうなワケダ。あと、心神喪失ダメ人間がどれだけ爆誕するか予想出来ないから売るのは止めとくワケダ」
普通に危ないから売るのは止めておけとプレラーティが止める。
「いや、ヤッバイわね、このクッション。ここから出たくないもん。普通に欲しいもんこれ。ビールうま」
カリオストロは既にクッションの虜であった。既にこっそりと緒川が持ってきたビールとナッツでアルコールをキメている。
「ぶっちゃけると、アダムさんと話し合った結果、計画止める方向で決まったため、サンジェルマンさんを説得したかっただけなんですけど……」
「本人が疲れやらストレスを貯めすぎたせいでこうなったワケダ」
本質が善人寄りなうえに、責任感が強いタイプだったため、貯めてたストレスが爆発してしまったのだろう。
「あんなになるまでストレス貯めてたなら休ませた方がいいかもしれないわねぇ」
「お前はそろそろクッションから出るワケダ」
「もうプレラーティも座ればいいじゃない。そのクッションもう1個ないの?」
「ありますよ」
そういうと、優はクッションを取り出す。プレラーティは恐る恐る、クッションに腰かけると
「……これは確かに癒されるワケダ」
「ていうか、計画だの説得どうこう以前にサンジェルマンがあれならどうしようもないわね」
「しょうがないから基本的に2人でパヴァリア回すワケダ」
アダムはあれだし、サンジェルマンはダメになっているので、2人で組織を回すことになったカリオストロとプレラーティであった。