空を見上げると月が見える。こんな夜はココアでも飲みながらゆっくりしたいものだ。
「くそっ……!?」
目の前で、白いタイツがボコボコにされてなければの話なのだが……。
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数日前
「ねぇ、気分転換に流れ星見に行かない?」
「困ったゲロでそう」
「流れ星で!?」
優は未来からの提案により胃の物を戻しそうになるのを堪える。
「どうして流れ星で具合悪くなってるの?」
当たり前の反応だ。流れ星を見に行こうと誘われただけで体調崩すのは普通ではない。
「もしかして流れ星の日に何か起こるの?」
この流れ星というのはBadイベントだ。基本的によろしくない事しか起きない。
「簡単に言えば、響が白い全身タイツに襲われて風鳴翼が自爆して血涙流して倒れる」
「未来、優くんが何言ってるか分かる?」
「分からないけど、多分言葉通りなんだと思う…」
困った事に言葉通りである。白い全身タイツに自爆するアーティストとはどういう事なのだろうか。
「じゃあ、流れ星は見に行かないの?」
「いや、別に見に行くだけなら大丈夫だと思うから行こう」
優は何でもいいから気分を変えたいのである。
「戦闘はツヴァイウィングに丸投げしよう。2対1なら勝てるでしょ」
「いいのかなぁ」
戦闘はツヴァイウィングに任せることにした。頑張れ特異災害対策機動部の人たち。
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しかし、結果は割りと苦戦してたので……
「だって、ちらっと様子見に来たら、ツヴァイウィングも苦戦してたし。……うん、仕方ないね切り替えてこう」
「一人でブツブツ何いってんだ!?」
「黙れ!? お前に俺の苦しみ(頭痛と胃痛)が分かるか!?」
「知るか!? なんなんだお前はいったい!?」
なお、やったことは不意打ちで20体ほどメカを自爆特攻(在庫処分)させてただけである。正々堂々なんて言葉は優の辞書には存在しない。
「……おっと時間だ。では、自分は用事があるので」
「は!? お前、散々やっといて逃がすわけ無いだろ!? って消えた!?」
逃げ足だけ誰よりも早い男、それが如月 優である。
その後、ツヴァイウィング相手にどうにか善戦するも、敗北し撤退するのであった。
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「遅かったね」
「ちょっと色々とあったもんでね」
よいしょと優は響と未来が準備したピクニックマットに寝転ぶ。
「すぐ横になるんだから」
「疲れてるんだから許してくれよ。何よりこっちの方が空が見える」
「じゃあ私も、っと!」
優の真似をして響も寝転ぶ。
その様子を見ている未来が微笑む。
空を見上げて少し経ったころ。
「ねぇ、優くん」
「ん? どうした?」
響が優に話しかける。
「優くんってさ全部は話してくれてるわけじゃないんだよね」
「まぁ、起こる可能性が低い事は話してないな」
流れを見る限り、原作に近い事は起こる可能性は高い。しかし、現在ギャラルホルンは優が2課にバレないように細工した為、停止状態にある。しかし、XDの出来事が起こる可能性は判断が出来ないというのが優の見解だ。
「じゃあ何でそんなに怖がってるの?」
「……そうだな」
優は空を見つめるながらゆっくり話しだす。
「別の世界には、この人類が対応出来ないような存在が居るかもしれない。空の先に居るかもしれない異星人が悪意を持ってこの世界にやって来るかもしれない……」
「……」
「正直な話、そもそも来るかどうかも分からない存在を怖がってどうするって話ではあるんだけどな」
けれど怖いのだ。かつて画面の中で見た存在が目の前に現れる可能性があるということが。
「難しいことは分からないけど、大丈夫じゃない?」
「……どうしてそう思ったんだ?」
「だって……」
優が響を見ると横で寝転ぶ響を見と目が合う。
「悪い人が居るなら善い人だって居るでしょ?」
「あぁ、そういうことか……」
抜けてた……と優は額に手を当てる。
「優、一人でどうにかしないとって思ってたでしょ?」
「そうだな」
「頼りないかもしれないけど私も居るし、響だって居るんだから」
未来が優の頭を撫でながら、ゆっくりと諭すように話す。
「一人で、そんなに抱え込まないでいいんだよ」
「……そうか」
「あっ、優くん! 未来! 上見て!」
響の声を聞き空を見上げる。
「……綺麗」
「そうだな」
優は今だけは何も考えず空を見上げ、流れる星を見るのであった。