健全な男子には厳しい姿勢で行きたい白猫の話   作:変身スキー

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高評価ありがとうございます。おかげで次の話を投稿できました。



第一話:金色を感じる白猫

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どうも。

天条院沙姫先輩(金髪縦ロールのお嬢様。超お金持ち)のパーティでアロマキャンドルをもらってホクホクのボクです。

 

んー、お屋敷丸ごと崩壊したわけだけど、あの大きさのお屋敷を立て直すとなるとおいくらほどかかるんだろう。

いや、そもそも建て直さないのかも。

僕の記憶では旅行イベントのほとんどに彼女がかかわっていたし、それこそ別荘がいくつもあるのでしょう。

 

しかし、あの先輩の家だけバブルがはじけなかったんだろうか。

まじめに考えると日本経済を牛耳る程度じゃ説明がつかない財力である。

 

入ってくるお金のほとんどをすぐに使い切るボクも経済に貢献はしていると思うけど。

彼女個人で動かしているお金となんて比べる気も起きないね。ふふん。

 

そんな感じでポクポク歩いてたわけだけど、突然ぴきーんと背中が総毛だつ感覚がボクを襲った。

急いでその場から飛びのくとさっきまでいた地面に巨大な鉄球が突き刺さっている。

あらまあ、アスファルトにひびが入ってクレーターみたいになってら。

 

なぜ?すわ正体がばれたかと一瞬警戒態勢に移行し、金色の闇(下手人)リト(本当の被害者)を確認したところでボクはすぐに警戒を緩めた。

 

そっか、このイベントってプレゼント交換のあとに起きるんだっけ。

なにせ、15年前に見た漫画の事だから重要なこと以外は記憶の彼方だから、細かい時系列なんて忘れてたぜ。

 

そんなことを考えながら、リトのことを襲う金色の闇を気配を殺しながら追いかける。

や、だって万が一あれが当たったら死んじゃうもんね。

 

たしか依頼人からの情報と暗殺対象が違うから戸惑ってるんだっけ?

それを差し引いてもここは、暗殺者の攻撃をよけながら逃げ続けるリトを褒めよう。

仲のいい奴には甘いのがボクという猫である。

 

にしても、派手な暗殺者だな。

ドッカンドカン音なってるけど。忍ばない忍びのお友達かな?

暗殺しない暗殺者(ただし対象は必ず殺すものとする)みたいな?

 

まあ派手に音を出してくれるおかげでララ様がリトを助けに来てくれるわけだけど。

 

「あー、そろそろ美少女が空を飛ぶ時期か」

 

地球人の服装とは少しセンスの違う服に身を包んで、やってきたララ様を見てそうひとりごちる。

なんちゃって。クリスマスに空を飛ぶのはサンタだけにしておいてほしい。

 

コンクリートが砕ける鈍い音と共に、遥かソラを飛んでいく桃色と金色の美少女。

あ、訂正。あそこに暗殺対象の少年もいるんだった。

描写不足描写不足。

 

え、ザスティン?奴は死んだヨ。*1

 

青空の上をかける二人の美少女と高校生男子×コンクリートのはじける音。

イコールバトル展開ということである。

 

お話的にはこれで金色の闇がエントリーしたというわけだ。

たしか続編の漫画では、メインを張ってたんだっけ。

途中でジャンプ離れしたせいで実際に続編を読んだことはないけど。

 

やれやれ。暗殺者なんて物騒だよねえ。ボクの一番苦手な人種だよ。

 

え?賞金稼ぎと暗殺者なんて似たようなもの?

 

一緒にしないでもらいたいなあ。

ボクのモットーは、『依頼は決して受けない』である。

 

ものすごーくかみ砕くと、『誰かの依頼通りに動くのは嫌だから、好きな時に働くよ』である。

 

『責任感』?ボクの一番嫌いな言葉です。

 

しかしこれで、学校で金色の闇とエンカウントするようになったわけだ。

ボクが正体を隠したい理由が一つ増えたよ。ヤッタネ!

 

なんたって、彼女とは宇宙で顔を合わせたこともあるのだ。

お金にならない労働なんてやりたくないけど、あれはしょうがなかった。

だって暗殺対象はボクだったもんね!

 

や、結局お金は出ていないんだからなんて言うんだろうか。労働じゃなくご奉仕?

頑固な汚れを一掃よ!みたいな。

 

依頼を出した元を殺すというゾルディック式解決方法でなんとか事なきを得たわけだけど、できるなら顔を合わせたくはない。

 

ボクは忘れたい過去だから。あなたも忘れましょう!みたいなのはダメ?

文字だけ見れば等価交換じゃない?

 

ともかく。

学校で戦う羽目にはなってほしくないので、彼女にも正体はバレたくない。

リトよりバレるのいやかも。

 

この地球人スーツ、地球人の平均程度しか力が出ないようになっているからね。

めんどくさいから以降ヤミちゃんと彼女の事は呼称させていただくけれど、このスーツのまま彼女と戦うのは骨が折れる。

というかちょっと無理。

 

"ボクの45口径が火を噴いて金色の闇を倒しました。"

なんて。ボクが語り部だとしても、一行ですべてのバトル描写を行うことができないくらいには彼女は強い。

そんなことしたらボクの口がさけちゃうよ。

猫又から口裂け女へのクラスチェンジである。

 

ともかく変身(トランス)の対応力をなめちゃあいけないということさえ分かればいい。

 

あと45口径はノリです。45口径のピストルは持っていません。ゴメンネ。

 

結局彼らはこのあと雇い主の……なんかこう。ちっちゃい宇宙人のでかいカエルと戦うのである。

ごめんねあんま雇い主の名前覚えてないや。ザコンボみたいな名前。*2

彼のハーレムにいた、女の子の一人がカニかクモかわからなかった記憶しかボクにはないのじゃ。

 

まー、デビルークの第一王女と金色の闇がそろってるというだけで過剰戦力気味というのはある。

彼女たち二人が和解した時点で、ほぼハッピーエンドは見えたようなものである。

 

うむ。これで地球のセコムが新しく一人増えたというわけだ。

よかったよかった。リトも暗殺者に命を狙われることになったけど、婚約者争いには勝ててメデタシメデタシ。

 

で、終わりたいところなんだけどさ。

 

なーんかまだヤミちゃんが周りを警戒してる気がするんだよね。

第三者からの視線に気づいた。くらいだったらいいんだけど。

 

気配から正体の特定とかないよね?

さすがにそこまで勘が鋭いとボクの立つ瀬がないんですけど……。

 

というわけで、おとなしく今日は抜き足差し足帰るとしよう。

猫らしくね。

 

  ●

 

「ああ。そっかもういるんだ」

 

図書室でヤミちゃんを発見。

そのまま視線を固定してると、こちらに話しかけてくるかもしれないので。

視線はすぐに外す。

 

……いや、一般人に興味をもって話しかけてくる。

なんてのはヤミちゃんはしないだろうけどさ。

 

あれだよ。先生に問題をあてられるのが嫌だから視線を逸らす。みたいなね。

いわば条件反射なわけです。

 

ふらり。

と、わずかに右足の力が抜ける。

 

誰のって?ボクなわけないでしょ。

……ヤミちゃんの、である。

 

とっさに肩を支えて、ヤミちゃんの身長より高いところから落ちてきた本を払いのける。

 

「えっ……と。だいじょぶ?」

 

なーんにも考えてなかったからとっさに手が出ちゃったけどさ。

おかしくね?

高いところにある本を取ろうとして、バランスを崩すってさあ。

 

ヤミちゃんはそんなことしないじゃん?

 

「……っ。ええ。問題ありません」

 

うーん、問題ありそうな感じだ。

原作にあった気がするなあこんな展開。

 

確か、ヤミちゃんの調子が崩れてリトが御門先生のところに連れてくんだっけ?

でも、こんなすぐだったっけ?

 

まだルンちゃん*3出てきてないんだけど。

 

ええ。まさかリトのやつこんな早くにえっちな才能が開花したの?

そのせいで原作より多くトランス能力を使って、イベントが前倒しになった、みたいな。

 

どーすんのよ。右見ても左見てもリトはいないんだけど。

 

「ありがとうございました……それでは」

 

ふらりふらりと足元が覚束ないまま、図書室の外に出ていくヤミちゃん。

このまま放っておいたらすぐに意識を失いそうだ。

 

んー。

もう。

しょうがないにゃあ。

 

「待ちなよ。いい宇宙人のお医者知ってるんだよね」

 

「は……」

 

反応を返す前に彼女を持ち上げる。

この場合は地球人スーツを着ていたことがこの場合はありがたい。

 

宇宙人ボデーのままだったら、滑稽な絵面になっただろうし。

 

そして、ヤミちゃんの方も突然話かけてきた男から宇宙人なんて言葉が出てきて、いきなりおんぶされるのは面食らうだろう。

ふはは、リトにしか許されないぜこういうの。

だからって……。

 

「なんかザクザクしてない!?そうですよね普通にダメですよね!」

 

地球人スーツの外側にザクザクと刃物が突き立つ感覚ががが。

ごめんね!距離感近かったよね。ボクは君を知ってるから距離感間違えました!

 

見栄を張って少し背が高めのスーツを着ててよかった。

ヤミちゃんが刺した場所は肉の通ってない皮だけのところだったからボクにはノーダメージ。

穴が開いて空気が抜けるような安い作りじゃないのもよかった。

 

「う……」

 

ぐらり、と背中でヤミちゃんの体が大きく傾く。どうやら、体調の悪いところに変身まで使ったからさらに具合が悪くなったらしい。

……これ、ボクが悪い宇宙人だったらアウトだな。

ToLoveる劇場版、金色の闇を救えが始まってしまう。

ボクが劇場版オリジナルボスね。

 

おとなしくなった……というか気絶した彼女を背負ったまま、図書室をそのまま出る。

これ、外側から見たらどういう絵面なんだろう。

……かんがえるのはやめとこ。

 

えーと、確か今日は御門先生まだ来てなかったよな。

じゃあ診療所にいかなきゃあ、とそのまま窓から飛び降りる。

 

え?ほかの人に見られないのって?ははは、今授業中。

学校の窓から飛び降りるくらい、身体能力が地球人程度しかなくても体の使い方を知ってたらどうとでもなるというものである。

 

ヤミちゃんを背負ったままするりするりと街中を抜ける。

 

……んー。かわいい女の子を背負ってると普通はやわらかい体を感じるんだろうけど、

興奮はしない。というかできない。

なにせ、スーツがバカになっちゃったからね。

 

つーか、胸を気にしてる場面とかあったけど、背丈からしたら育ってる方だよ彼女も。

それに比べたら僕なんかちんちくりん……じゃないですけど!

 

ぴんぽんぴんぽん、もう一つぴんぽん、と。

なんか僕の中から出てきた気がする黒いもの(比喩)を込めながら少し多めにインターホンを鳴らす。

 

「あら?ネコ、学校はどうしたの?」

 

「その言葉そっくりそのままお返ししますよ」

 

どうやらすでに起きていたようで、ぱっと見あやしめなお屋敷の扉から御門先生が顔を出す。

白衣はすでに着込んでいるあたりそろそろ学校に行くつもりだったか、そもそも別件の用事があったのか。

 

「そうじゃなくて、ほら。飯のタネ。もとい急患ですよっと」

 

そう言って、背中にいるヤミちゃんを見せると彼女は少し驚いた様子で家の中に入れてくれた。

まあ、ヤミちゃんのことはよく知っているだろうし、そもそも元患者でもあるしね。

 

そのままお屋敷の中にある患者用のベッドにヤミちゃんを寝かす。

 

「御門先生なら治せるでしょ。多分変身(トランス)能力の使いすぎだし」

 

「ええ、もちろん」

 

「じゃ、ボクは帰るね。学校に戻る気もないし……あ、あとでリト達に連絡しても……」

 

にこにこ、と笑みを浮かべる御門先生の手には桃色のナース服。

なんかデザインがコスプレっぽくない?先生の趣味じゃないよね……?

 

「や、着ないが?」

 

「あなたが急患って言ったんじゃない。急いで処置するには手伝ってもらわないと」

 

「じゃあこのままの姿でも問題なくない?」

 

「あら。うら若き乙女の服を男の子に剥かせるつもり?」

 

「よく言うよ……御門先生ボクの中身知ってるくせにさぁ……」

 

あと、ここにいるのが普通の男子高校生ならそんなこと言わないでしょ先生。

 

「他にも衛生面とか……」

 

「うー、分かったよ。一理あるしね…………あと衛生面っていうならマスクも貸してね!」

 

小悪魔スマイルの先生からナース服を奪って、カーテンを張ってある隅の方で地球人スーツを脱ぐ。

すぅ、とやや汗ばんだ体を風が撫でる。

そういや、今日は一度もスーツを脱いでなかったや。

あとで御門先生のシャワー借りよ。

 

タオルを拝借して、簡単に汗をぬぐった後ナース服を着ていく。

やっぱコスプレ感強いというか……似合わないんじゃないのかなこれ。大丈夫?

 

「ほら、着たよ!」

 

頭に特有のキャップも載せて、両腕を広げて御門先生に見せる。

そういや、僕の体にこの服ぴったりなんだけど……。

 

「ねえ。もしかして前からボクに着せるつもりだった?」

 

そう聞くと、先生はにこにこといい笑顔を返してくれた。

ああ、はい。口よりもモノを言えるのは地球人だけじゃないってことね……。

 

「じゃあこっちで支えるから、あなたは服を脱がせてあげてね」

 

「はいはい」

 

ヤミちゃんの来ているバトルスーツに手をかけて、

遠慮なく脱がしていく。

 

あ、この服。ボクの使っているバトルスーツと似た素材だ。

やっぱこれ便利だよねー、なんて考えながらぽいぽいとヤミちゃんを裸にむく。

 

このバトルスーツは体に吸い付くような形をしているから、彼女はその下に下着をつけていない。

スーツを脱いでしまえば、すぐに白い肌にご対面である。

 

そうしたら、後は彼女をヒーリングカプセルにぶちこんで終了。

カプセルの細かな設定は先生しかできないので、このあたりでボクは完全にお役御免である。

 

「あ、そうだ。ヤミちゃんにはボクのこと言わないでね。百目音子がヤミちゃんをここに連れてきた、まででお願い。音子が宇宙人だってことはバレてもいいけど、正体まではさすがにね」

 

「分かっているわ。私も余計な火種を作りたくないもの」

 

「うむ。ならばよし……あ、ついでに地球人スーツ置いとくね。それ、前にメンテしてもらったのずいぶん前だからさ。家には他のが何着かあるし、手が空いたらでいーよ。お金は前払いしとくから」

 

男子制服の内ポケットにある、三角錐の形をした簡易収納デバイスを開いて、服とカチューシャを呼び出す。

いや、ナース服で帰るわけにもいかないでしょ。

 

服は地球のシンプルなセーターとズボン。

カチューシャは特別性、と。

 

ややフリルの着いたカチューシャを頭に着けると、特徴的な猫耳と尻尾が消える。

もし髪をめくりでもしたら、人間の耳がついている……ように見えるだろう。

 

このカチューシャは簡易型擬態デバイスになっていて、ボクの特徴的な見た目を地球人と遜色ない姿にごまかしてくれる一品だ。

もちろん見えるだけで、猫耳や尻尾はついたまま。

 

緊急時とかこういうスーツがないときに使う、変装用のアイテムである。

 

うーん。

リト達にはメールでここの場所を送ったわけだけど、このまま彼らはヤミちゃんの着替えのタイミングでこの部屋に入ってくるのだろうか。

 

それはこの扉を開けるリトとララ様にしかわからないことである。

ボクのような外部観察者からはあずかり知らぬことで。

 

だからボクは自分へのご褒美にアイスを買って帰路に就くのであった。うまうま。

*1
死んでないよ。ぴくぴく動いてるけどね

*2
ラコスポだってさ。

*3
メモルゼ星の王族。男のレン君と入れ替わる女の子。まだ学校では見てない




主人公の宇宙人ネームはネコじゃありません。
主人公が御門先生というように、彼女も地球での名前であるネコと呼んでいるだけ。

次回多分三人称。閑話の予定。ちょっとバトルもあればいいよね、ジャンプ作品なんだから。

大きい方が好き?小さい方が好き?

  • 小さい方(ロリは正義)
  • 大きい方(浪漫)
  • 可変式(男なら夢をみる)
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