最後成長したショタくんの逆転も最高だった。
休憩しながらも道を進んでいく。
「おーい」
どこからかこちらを呼ぶ声が聞こえてきた。
「こっちだよー」
回りを見回すが声の主はいっこうに見つからない。
第4位階 マナスコープ
魔法を唱える。
乱雑に生える木の、とりわけ立派な木のひとつにマナを放出するものがあった。
道を外れそれに向かっていく。
すると、放出されるマナが渦を巻き、そのまま人の形を造り出した。
「こんにちは、奇妙な人間さん」
幼い少年のような見た目をしたそれは、人懐こい笑みでこちらに向かってくる。
...悪意はないようだ。
「君は?」
「僕はニル、ドライアドのニルだよ、奇妙な人間さんの名前は?」
奇妙との評価は、そのままお返ししたいが。
「僕はアレス、この先の王都へ向かってるんだ」
「へー、自由に動ける種族は羨ましいなあ!それにしても君はこの道を歩いてきたんだよね?」
ニルが言うにはアレスが歩いてきた道を戻った先には、世界を滅ぼすほどの力を秘めた、恐ろしく強い魔女が住むと言われている場所らしい。
「...へぇ」
「今から200年ぐらい前の話なんだけどね、昔この森を支配していた魔神がこの先の国を滅ぼそうと、たくさんの強力な配下を連れて攻め行ったんだ」
心当たりがありすぎる。
「当時最強の聖騎士たちもなすすべなく魔神に敗北し国が滅びかけた時、魔女が現れたんだ」
神話として語り継がれている通りなら、
一つの魔法で配下の魔物全てを焼き滅ぼし。
二つの魔法で逃げる魔神を捕え。
三つの魔法で完全に消滅させた。
「そんな恐ろしい魔女が、その後姿をくらませたのがこの森だと言われているんだ」
「...そうなんだ」
好奇心に輝く瞳でこちらを見つめてくるニル。
「そんな場所から、腕を振るだけで強力なオークを倒す君が現れたもんだから気になってつい話しかけたんだ」
見られてたのか。
「いやいや、さすがに関係ないよ、それにその話は200年も前の話でしょ?」
「ん?たったの200年前でしょ」
本に書いてあった通り、長寿種は時間感覚がバグっているらしい。
「でもそっか、関係なかったか。それでもそんな強い君にお願いがあるんだ」
申し訳なさそうに彼は一枚の紙を手渡して来た。
「どうか僕のことをここまで連れていって欲しいんだ」
渡された地図には丸で囲まれた所があった。
「どうか僕を仲間達の所へ連れていって欲しいんだ」
..............
「...魔女って絶対自分のことじゃん」
マジか、もうずっとここを離れてなかったせいでそんなことになっていたなんて知りもしなかった。
「まぁ、今の私には関係ないか」
だって今の私はただの、愛する息子の母なんだから。
おにまいもええねんな、かえでちゃんの胸たまんねぇ