竜吾はムラマサの斬撃を一瞬でかわし、瞬時に距離をとった。
竜吾「ぐ…」
ムラマサ「やはり避けられるか…流石だな、竜宮竜吾。」
竜吾「お前何者だよ!なんで俺の…」
ムラマサ「お前の知らない情報も知ってる。」
ムラマサ「例えば…お前の姉の安否とかか?」
竜吾「…お前…ッ!」
ムラマサ「私にデュエルで勝ったら、教えてやらんこともない。」
竜吾は静かにデッキを取り出した。
気がつくと俺達は鉄格子のついた牢屋に閉じ込められていた。
零「…こりゃ…ヤバそうだな…」
イッサ「ぐ…うぅ…ぜ、零…こ、ここは…」
零「どうやら俺らは捕まったみたいだな…」
イッサ「マジか…どうすんだこれ…」
水華「…うぅ…い、イッサ先輩…?」
イッサ「水華!?」
水華「ここは…あ!それより喫煙は未成年に限らず良くないですよ!」
水華「それにそんな事してたらイッサさんが軽音に戻ってこれなくなるかもしれないじゃないですか!」
イッサ「み、水華…」
???「随分と余裕そうだな。」
その声は辺りの空気を一瞬で変えた。
サバト「よう、久しぶりだな。」
イッサ「お前は…!」
零「忌神サバト…!」
水華「え?なになに!?なんかのアトラクション!?」
サバト「ほう、じゃあそう言う事にしておいてやろう。」
そう言うサバトをイッサは真っ直ぐ睨みつけながら言う。
イッサ「目的は何だ」
それを聞いたサバトは口を開いた。
サバト「俺とデュエルして勝ったら、教えてやらんこともない。」
サバト「あぁ、あとお前の兄貴の話もしてやってもいい。」
サバト「あいつが命をかけて守り抜いた秘密も、もはや全て水の泡だからな。」
その言葉を聞いたイッサが怒りを露わにする。
イッサ「おい…お前どこまで知ってやがる…」
サバト「さぁ?どこまでだろうな?」
そう言ってサバトはデッキを取り出した。
ムラマサ「カードの用意はできたか?」
ムラマサはジッと自分の用意した手札5枚を見つめて言った。
竜吾「…あぁ」
ムラマサ「それじゃあ早速デュエル…と行きたいが、一言だけ宣言させてくれ。」
そう言うとムラマサは竜吾を青い目を光らせながら言い放つ。
ムラマサ「3ターンだ。3ターンでけりをつけてやる。」
竜吾「…行くぞ!」
「「真のデュエル」」
ムラマサ「先行は私から行くぞ、チャージしてターン終了だ。」
竜吾「チャージしてターン終了。」
竜吾「 (何が3ターンでけりをつけるだ…シールドトリガーが出る可能性だってある!) 」
竜吾「(それに手札には革命の絆が2枚!負けるわけない、ハッタリだ!) 」
ムラマサ「私のターン、2マナで昇カオスマントラを召喚し、ターンエンド。」
竜吾「俺のターン!2マナで呪文!ボルシャックゾーン!山札の上から1枚目をマナに!ターンエンド!」
ムラマサ「私のターン、宣言通りけりをつけよう。」
ムラマサ「3マナで来い!暴覇斬空SHIDEN-410!昇カオスマントラの上にg-neo進化!」
ムラマサ「行くぞ!410でシールドを攻撃!その時!侵略発動!」
竜吾「何だと!?」
ムラマサ「410を進化元とし!来い!超神羅星!アポロヌスドラゲリオン!」
アポロヌス「グオオオオ!」
竜吾「あ、あのクリーチャーは…!」
ムラマサ「よそ見をするな。」
ムラマサ「まず410の効果発動!アタックする時、山札の上から2枚をこのクリーチャーの下に置く!」
竜吾「アポロヌスでシールドを全部潰す気か…だが俺にはまだシールドトリガーがある!」
ムラマサ「ならその望みすら潰えさせるのみ。昇カオスマントラの能力発動!アタックする時、このクリーチャーのコスト以下のクリーチャーを出せる。」
ムラマサ「本来なら2コス以下…だが今は違う!410のコストは3!よって手札より!単騎マグナムをバトルゾーンに!」
竜吾「なんだって!?」
ムラマサ「単騎マグナム…こいつがいる限り…相手は私のターン中クリーチャーを出せない。」
竜吾「ぐ…」
ムラマサ「行くぞ!アポロヌスドラゲリオン!メテオバーン発動!このクリーチャーの下のカードを3枚墓地へと送り、相手のシールドを全てブレイクする!」
竜吾「ぐああああああ!!」
ムラマサ「アポロヌスドラゲリオンでダイレクトアタック!」
アポロヌスの放った一撃が、竜吾に向かって飛んでゆく…その時、辺り一面に謎の文字が浮かび上がった。
ムラマサ「これは…ルーン文字…」
次の瞬間、天から放たれた何かが、ダイレクトアタックの軌道を逸らした。
ムラマサ「来たか…オーディン。予定通りだな。」
ムラマサが空を見上げてそう言うと、空から十の脚を持つ馬のクリーチャーにまたがったとても背の高い眼帯を付けた老人が姿を現した。
オーディン「…」
オーディンを見たムラマサはニヤリと笑い、剣を使い黒い裂け目の様な物を開いた。
竜吾「待て!」
ムラマサ「…」
竜吾「次こそは…俺が勝つ。」
その言葉を聞いた後、ムラマサは空間の中へと消えてゆき、黒い裂け目の様な物も、元に戻っていた。
オーディンはそれを空から眺めた後、口を開いた。
オーディン「…竜吾よ、お前達が宿泊している旅館とお前の仲間の零とイッサの元に危機が迫っている。」
竜吾「え…」
オーディン「では、さらばだ。」
そう言うとオーディンはまるで幻かの様に馬と共に姿を消した。
竜吾「…」
カイザー「竜吾…大丈夫か…?」
竜吾「カイザー!」
カイザー「すまない竜吾…力になれなくて…」
竜吾「いや、大丈夫だ…そ、それよりも!今すぐ旅館に戻らねぇと!」
その時、突然竜吾の後ろから声が聞こえた。
雪「ごめん竜吾…遅くなった…」
竜吾「!?」
カイザーは咄嗟に竜吾のポケットに入った。
雪「それじゃあ、行こっか。」
竜吾「…雪」
雪「どうしたの?竜吾。」
竜吾は焦りつつも考えこみながら答えた。
竜吾「すぐに零達のとこに戻るぞ、雪!」
────
サバト「そうだ、dm零。お前も俺とデュエルをしないか?」
デッキを手に持って、サバトはそう俺に言ってきた。
サバト「お前が勝ったら、知りたい情報を答えられる範囲で一つだけ教えてやる。」
サバト「例えば、お前が探している白く長い髪と朱の眼を持つ少女の事とか。」
その言葉を聞いた時、俺もイッサと共にデッキを構えていた。
零「おい、一人で二人も相手にするってわけじゃないだろ?」
それを聞いたサバトはニヤリと笑った。
次の瞬間、サバトが二人に分裂した。
零「…マジかよ。」
イッサ「水華、お前は隠れてろ。」
サバトA「お前達には二人の俺を相手にしてもらう。」
サバトB「さぁ、行くぞ」
「「「「真のデュエル!」」」」