数時間前─
ボウイ「えっと…これは…こうした方が良いな…」
ファルゴ「何やってんだボウイ?」
ボウイ「うわあああ!?ファルゴさん!?」
ファルゴ「デッキ調整か?この俺が見てやろうじゃねーか!ファーッ!」
ボウイ「あ、じゃあこことか…こことか…」
ボウイ「うーん…」
その時、廊下の方から綺麗な音色が聞こえて来た。
ファルゴ「ん?何だ?」
ボウイとファルゴが廊下の方を恐る恐るのぞくと、アカリがヴァイオリンを持って音楽を奏でていた。
ボウイ「すごい上手だな…」
ファルゴ「近くで聴きに行こうぜ!」
アカリ「…」
一つ一つ、弓と楽器が重なり音を奏でる
まるで闇の間を縫う光の様に…
そしてそれを、アカリは淡々とこなしていた。
気がつけば周りには相当数の生徒達が集まっており、アカリの演奏が終わるのと同時に、廊下は拍手で溢れていた。
アカリ「ありがとうございました」
アカリ「今演奏したのは
アカリは一礼するとヴァイオリンを片付けてその場を去った。
ボウイ「あいつ、ヴァイオリン引けたんだな…」
ファルゴ「よし、とりあえずデッキ制作に戻るか。」
ボウイ「よぉーし!誰にでも勝てる最強のデッキを作ってやる!」
ファルゴ「やる気があって良いなぁ!そう言うの嫌いじゃないぜ。」
そう言って2人は13班の部屋に入って行った。
アカリは一人、旅館の倉庫の扉を開けた。
アカリ「待たせたな、お前達」
ノゾミ「遅い」
アバク「おい!失礼だぞ!」
ノゾミ「はぁ?」
バラド「何その態度?」
ジャオウガ「口を慎めよ子娘」
COMPLEX「…ノゾミ、いつでも命令を」
エンゲルス「私が鬼どもを軽く切り裂いてやろうか?」
アカリ「お前達」
一同「ッ!?」
アカリ「今からデュエマ部との戦いに向かう、もし遅れる様であれば…分かる?」
ノゾミ「チッ…」
アバク「後迷惑をお許しください司令…」
アカリは少し溜息をついた後に話を始めた
アカリ「他の二人が動き出したみたいね。じゃあさっさと始めるから準備をしろよ、お前達。」
そう言うとアカリはそばに置いてある剣と弓矢を持ち、旅館の裏口から外へと歩いて行った。
ボウイ「あぁ〜くそー!」
ファルゴ「結構難しいな…どうすんだこれ…」
騎王「やあ、ボウイくんと…ファルゴくん…だっけ?」
ファルゴ「ファ?誰だこいつ?」
ボウイ「あ、同じ班の騎王くんです。」
騎王「はじめまして」
ファルゴ「お、おう…」
騎王「ところで…二人は何を?」
ボウイ「あぁ、デッキを作ってるんだ。」
騎王「なるほど…もし良ければ僕も手伝うよ!」
ファルゴ「ありがたいな!多ければ多いほどいい!いろんな意見が手に入るからな!」
ボウイ「よし!それじゃあ早速…」
その時、突如として地震が起こった
ボウイ「な、なんだ!?」
僕達はすぐにカードを片付けた
それと同時にドアが開き、先生が生徒達を呼びに来た。
本田「皆んな!すぐに駐車場に避難を!」
そうしてボウイ達は多数の生徒、先生と共に駐車場に出た。
本田「皆さん!班ごとに並んでください!」
本田先生がそう言うと周りの生徒達が並ぼうと動きはじめた
だが、突然として謎の紋章の様なものが地面に現れたかと思うと、ボウイとファルゴ、そして騎王以外の周りの生徒が全員倒れた。
ボウイ「!?」
ファルゴ「何だ!?」
騎王「…二人とも、三人で背中を合わせるんだ!」
ボウイ「え?あ、うん…」
ファルゴ「クソ…いきなりどうなってやがる…」
騎王「…来る!」
ボウイ「え?何が─」
その時、森の木々の間から光の矢のようなものがボウイ達に向かって飛んできた
騎王「ッ!」
それを見た騎王は瞬間的にどこからともなく剣を取り出し、その矢を弾き飛ばした。
騎王「…ボウイくん、ファルゴさん。君達は倒れた人々を避難させるんだ!ここは僕が引き受ける!」
ボウイ「え、き、騎王…その剣は…」
騎王「いいから早く!!!」
ファルゴ「ボウイ、行くぞ。」
ボウイ「え?」
ファルゴ「ドランゴルギーニを出せ!俺はドランゴルギーニの上に先生とか他の奴らを乗せる!」
ボウイ「え…わ、分かりました!ドラン!頼んだ!」
ボウイはカードからドランを出し直ぐに先生達を避難させた。
その間にも騎王が戦っており、周りに別の敵もどんどん現れ、かなり厳しそうだった。
騎王「はぁ!」
???「流石は太陽軍特殊部隊の団長にして一国を背負う王…だが…まだまだだな…」
そう言うと矢を放っていた奴は突然騎王の後ろに現れ、クリスタルの様な剣を騎王に振りかざした
騎王「ぐ…」
間一髪騎王は剣で攻撃を受け止めた
ファルゴ「あ…あいつは司令!?」
ボウイ「騎王!大丈夫だ!今助けに…」
避難を終えたボウイとファルゴは騎王のもとに向かおうとしたが、目の前に突如として現れた鬼の様な見た目の存在が行手を阻んだ。
ジャオウガ「ジャハハハハハ!ここは通さんぞ!人間!」
ボウイ「ぐ…」
ファルゴ「ここは任せろ、ボウイ!」
そう言ってファルゴさんはデッキとゴルフクラブを構えた。
ボウイ「で、でもファルゴさんじゃ真のデュエルは…」
ファルゴ「ふっ、大丈夫だぜ!分かったら早く行けぇ!司令とか言う奴をぶっ潰してこい!」
ボウイ「…は、はい!!」
そう言ってボウイは振り返らずに鬼の様な存在の横を通り抜けた。
ジャオウガ「恐れ知らずだな」
ファルゴ「仲間を見捨てる事は死よりも無様な恥だとよーく教えられたからな!」
ジャオウガ「そうか…アバク!デュエルをするぞ!」
アバク「フフフ、鬼の力を見せてやろう!」
ファルゴ「どっから出て来やがった…まぁ良い!けちょんけちょんにしてやるぜ!」
COMPLEX「ノゾミ、ご命令を…」
エンゲルス「何だこいつら…!」
同時刻、COMPLEXとエンゲルス…そしてノゾミの前に謎の仮面の存在とリッパー教授が立ち塞がっていた。
ノゾミ「…真のデュエル!」
エンゲルス「行くぞピエロ!貴様の相手はこの私だ!」
リッパー教授「お手柔らかにお願いおします…お仮面さん、ここはお協力しましょう。」
仮面「…はい。」
ノゾミ達がそう言うと仮面とリッパー教授もカードを取り出しクリーチャーを召喚した。
仮面「…エルボロム…!」
ボウイは必死にその場を駆け抜けなんとか騎王の元に辿り着いた
騎王はボロボロになりつつもなんとか立っていた。
騎王「だ、ダメだボウイくん…!こっちに来ちゃ…」
司令「うるさいぞ」
そう言うと司令は騎王に強烈な蹴りを入れた。
騎王「ぐはぁ!?」
ボウイ「騎王!!!!」
ボウイ「ぐ…おい!司令!」
ボウイは司令をしっかりと睨みつける。
ボウイ「僕が相手だ!」
そう言ってボウイはデッキを取り出した
ボウイ「行くぞ!真のデュエルだ!」
ボウイがそう言うと、司令はケタケタと笑いはじめた。
ボウイ「な、何がおかしい!」
司令「フフフ…いやぁ…失礼、雑魚の癖にヒーローになれるなんてちゃっちい願望が見えて…面白くってつい笑ってしまった。」
ボウイ「な、何だと!僕だって強いんだぞ!イッサさんやファルゴさんやリリスさん…零だっていつか追い抜かしてやる!」
ボウイ「お前なんか怖くないぞ!!!」
ボウイがそう言うと、司令の目がニヤリと笑った気がした。
「「真のデュエル!」」
司令「先行はくれてやろう、お前ごときに渡しても何の障害も無いからなぁ。」
ボウイ「何だとぉ!?直ぐにその言葉、後悔させてやる!」
─2ターン目─
ボウイ「僕のターン!ドロー!チャージして2マナでアルデを召喚!ターンエンドだ。」
司令「行くぞ、私のターン。ドロー、2マナで呪文、正義ノ裁キ!カードを1枚ドローする。」
司令「そして、この呪文を手札から唱えた後、シールドの上に表向きにして置く。」
ボウイ「(不気味な効果だな…シールドを増やすでも無く既存のシールドに表向きにして置くなんて…どんな意味があるんだ…?)」
騎王「あのカードは…」
ボウイ「行くぞ!僕のターン!僕は3マナでゴールド・フラウムをバトルゾーンに!ゴールドフラウムのヨビニオン!」
ボウイ「効果で…良し!ガンマをバトルゾーンに出す!そしてゴールドフラウムの効果でシールド追加!そしてガンマのメクレイド発動!」
ボウイ「来た!ドラン・ゴルギーニをバトルゾーンに!」
ボウイ「ターンエンドだ!」
司令「なるほど…1ターンで4体展開し、次ターンにコスト5のクリーチャーかゴルドランに繋げると言う事か…」
司令「だが!この私を倒すのにはまだまだ程遠い!この私に手が届く訳がない!」
ボウイ「こ、来い!返り討ちにしてやる!」
司令「私のターン、ドロー…」
司令「これより、正義の裁きを開始する!」
司令「私は多分より3マナで、呪文!転生ノ正裁Zを唱える!」
司令「その効果でシールドを1枚手札に加える!私は!正義ノ裁キが乗っているシールドを手札に!」
ボウイ「せっかく貼ったシールドを!?」
司令「そして、シールドゾーンにあった裁きの紋章…憤怒スル破面ノ裁キを墓地に置き、手札よりサバキZ!発動!」
司令「煌世主ノ正裁Z!これにより私は手札より、DGをバトルゾーンに!そして煌世主ノ正裁Zと転生ノ正裁Zを同じシールドの上に置く。」
司令「DGの効果発動!自分と相手のシールドを、1枚ずつブレイクする!」
ボウイ「ぐ…トリガーは無い…」
司令「そして、私はサバキの紋章があるシールドをブレイク!そしてDGの効果により、メタリカと裁きの紋章は全てトリガーを得る!」
ボウイ「な、何だって!?」
司令「私は手札より、st!音奏ハイオリーダ!煌世主ノ正裁Z!転生ノ正裁Z!発動!」
司令「ハイオリーダの効果でシールドを1枚追加、そして、シールドゾーンにカードが置かれた時!gr召喚!」
司令「来たぞ!ギャラクシーサヴァクティス!そして、煌世主ノ正裁Z!手札よりサッヴァークDG!効果で3枚見てメタリカ、ドラゴン、呪文を全て手札に加える。」
司令「そして、転生の正裁Zの効果でシールドを1枚手札に加える。」
ボウイ「なんだ…この展開力…おかしいだろ…」
司令「おっと、フィナーレはまだだぞ?」
ボウイ「!?」
司令「唱えられた呪文はシールドに表向きで置かれる…それによりハイオリーダの効果で2回GR召喚!ドナートとマーチス。」
司令「これで私はターン終了。」
ボウイ「それじゃあ僕の…」
司令「だが!ターンの終わりに、サッヴァークDGの効果で手札より裁きの紋章を唱えられる!呪文!煌世主ノ正裁Z!ハイオリーダをもう一体バトルゾーンに!」
司令「シールドゾーンに置かれるカードは裁きの紋章とシールド1枚ずつ、それにより、ハイオリーダ2体の効果で4度gr紹介を行う、ルーベライノ、マーチス、ドナート2体をバトルゾーンに。」
司令「そして、自分のターンの終わりにシールドゾーンに裁きの紋章が3枚以上…よって!サッヴァークDGを破壊し!手札より煌龍サッヴァークをバトルゾーンに!」
サッヴァーク「…」
司令「登場時効果により、ガンマはお前のシールドに貼り付けだ。」
ボウイ「…」
司令「さぁ、お前のターンだ。」
ボウイ「(バトルゾーンにあれだけのクリーチャーが一気に…たった1ターンで…)」
司令「どうした?サレンダーしないのか?」
ボウイ「な、何だt」
ボウイが良い終わる前に、司令はボウイを殴り地面に跪かせ、そしてボウイの頭を足でぐりぐりと踏みつけた。
ファルゴ「ボウイ!」
アバク「よそ見をするな。覇覇覇ジャオウガでシールドをwブレイク!」
ファルゴ「ぐぅ…!?st!ソウルスカーレットアカネ!」
司令「さっさと降参したらどうだ?」
それを見ていた騎王は、ボロボロになりながら司令を睨みつけた。
それを見た司令はニヤリと笑い、より強くボウイを踏みつけた。
ボウイ「ぐ…僕のターンだぞ…退けよ…」
司令「チッ…まぁ良いだろう、死がお望みなら遠慮なく葬ってやる。」
ボウイ「…僕の…ターン!ドロー!」
ボウイ「ぜぇ…はぁ…ゴールドフラウムで…シールドを…!」
司令「相手クリーチャーがアタックする時」
ボウイ「ッ…!?」
司令「シールドゾーンにある表向きのカード3枚を裏向きにすれば、このクリーチャーをバトルゾーンに出せる。」
司令「来い!我が切り札!煌世主!サッヴァーク†(カリバー)!!!」
司令「サッヴァーク†でブロック。」
ボウイ「…く、クソおおおおおおおお!」
司令「それでは、サヨナラだ!サッヴァーク†でシールドをTブレイクする時、山札の上から表向きでカードを3枚追加、ドラゴントリプルブレイカー。」
ボウイ「stドル・ゴルギーニ2体!効果でサッヴァークを…」
司令「サッヴァーク効果により、離れる時、代わりにシールドゾーンの表向きのカード1枚を墓地に置く事でバトルゾーンに留まれる。お前のガンマと私の破面の裁キを墓地に!」
ボウイ「…」
司令「DGでシールドに攻撃、その時、私とお前のシールドを1枚ずつブレイク。」
ボウイ「トリガーは無い…」
司令「st発動、DG、憤怒スル破面ノ裁キ、剣参ノ裁キ、1枚ドロー、山札から3枚見て1枚を手札に、残りを山札の下に。」
司令「そしてDGの登場時効果でシールドをお互い1枚ずつブレイク。」
ボウイ「…」
司令「st、天ニ煌メク龍終ノ裁キ。お前のクリーチャーを全てタップし、私のマスタードラゴンを全てアンタップする。」
司令「DGで、ダイレクトアタック。」
DGが力を溜め、まさにボウイに向かって放たれようとした正にその時
地面に巨大な地割れが発生した。
ボウイ「な、何だ!?」
ノゾミ「ぜぇ…はぁ…」
仮面「エルボロムでシールドを…」
ノゾミ「COMPLEX!」
ノゾミが声を上げると周囲が暗闇に満ち、気がついたらその場から消えていた。
仮面「…」
リッパー教授「どうやら、お逃げられておしまったお様ですね。」
リッパー教授「おや?お仮面さんも居なくなっていますね?それでは駐車場に行くとおしましょうか。」
司令「チッ、命拾いしたな?まぁいい、どちらにせよこれからお前達は死ぬ定めなのだからな!」
そう言うと、司令は通信機器の様なものを取り出し声を上げた。
司令「行くぞ!ノゾミ!アバク!」
アバク「チッ、クソ!行くぞ!ジャオウガ!バラド!」
そう言って鬼達もその場から姿を消した。
ファルゴ「クソ!待ちやがれ!」
騎王「う…せめて…一撃を…!」
騎王はそう言うと地面に落ちていた木の枝を力いっぱい投げ、司令の足に命中させた。
司令「ぐ…敗者が悪あがきを…!」
アカリがそう言おうとした瞬間、江戸村の方からヴリドガルドに乗ったサバトが、虚空からムラマサが現れた。
司令「…来たか、お前達。」
サバト「下準備は出来たか?」
司令「あぁ、マナと残滓は充分集まった。」
ムラマサ「では飛ばそうか。」
そう言って3人は剣を取り出し、地割れに向かってエネルギーの様なものを剣先から放った。
すると、地割れから巨大な赤く輝く球体の様なモノが現れた
その中には、生物のような何かが眠っており、それがゆっくりと目を開けると球体は超高速で空の彼方へと消えて行った。
ボウイ「な、何なんだあれは…」
司令「冥土の土産に教えてやろう!」
サバト「あれこそが、過去に一度世界を滅ぼしかけたが、覇王と7罪、そして五血族によって討たれた最悪のクリーチャー」
ムラマサ「終焉の禁断ドルマゲドンXだ。」
その頃、俺たちは車に乗って急いで旅館に向かっていた。
矢奈「こーりゃまたやばい事になってるっぽいね〜?」
水華「えぇ!?ま、また!?って事は…何回かこう言う事経験してるって事ですか!?」
矢奈「うん。」
零「にしてもリリス、急にそんな薄い手袋なんかつけてどうした?」
リリス「え、あーいや…そう言う気分かなーって?」
零「まぁ最近寒いしなぁ〜」
リリス「ねぇ零…似合ってる?この手袋…」
零「あぁ、結構似合ってると思うぜ?それがどうした?」
リリス「いや、気になっただけ…」
零「そう言えばリリス、邪心臓の魔法陣って一体誰から貰ったんだ?」
リリス「え、えっと…それは…」
零「どうした?」
矢奈「あー、そう言えば零くん。昨日の夜何かに襲われたんでしょ?」
零「あーそれについてなんスけど…」
リリス「…」
零「リリス、また今度な?必ずだぞ?」
矢奈「なーにお二人さん話してるの?」
リリス「零…私…!」
その時、雪が突然声を上げて空を指差した。
雪「え、あ、あれ見て!」
竜吾「あれは…」
イッサ「…」
零「どうやら…事態はかなりヤバそうだな…」
空には、Xが掘られた巨大な星が浮かび、空の色は真っ赤に染まっていた。
そして、それに向かっているかの如く、旅館の下から巨大な木の塔が作り上げられていた。
矢奈「…さぁ、スピード上げるからね!」
そう言って、矢奈はアクセルを力いっぱい踏んだ。