禁断の星の下に、月軍の幹部3人が集まっていた。
ムラマサ「…で、我々は後は何をすれば良い?」
サバト「俺は零と最上川晴明の弟の二人とデュエルで殺り合った。」
ムラマサ「零と相まみえたのか!?」
アカリ「うるさいぞ。」
「「はいはい」」
アカリ「はぁ…とりあえず、禁断爆発を見守ってお開きとしよう。アバクも居るし大丈夫だろう。」
ムラマサ「サバト、ノゾミはどうした?」
サバト「帰らせた。あの後状態が悪化したらしい。」
ムラマサ「そうか…」
ムラマサ「ドルマゲドンX…昔聞いた話によるとドキンダムの大元だとか…」
サバト「イデアと対を成すんだろ?」
ムラマサ「あぁ、確かそうだったな?」
アカリ「…聖遺物は順調に稼働している様だな?ドルマゲドンからものすごい力を感じる。」
そう言って、アカリはニヤリと笑った。
気がつくと、僕はまたあの見知らぬ場所に居た
ボウイ「ここは…」
周りを見渡すと焚き火の前に座っているゼロが見えた。
ゼロ「やあ、また会ったね!今日はとても星が綺麗だね。」
ボウイ「…」
僕は頷いて彼の隣に座った。
それを見た彼は流れる様に僕に優しく、そして探究心に満ちた眼差しで真っ直ぐに僕を見つめながら
彼は僕の肩にそっと手を置き、話し始めた。
ゼロ「ボウイ、君はまだ恐怖を捨てきれていないみたいだね?」
ボウイ「…」
ゼロ「図星だね?」
僕は少し動揺したが、黙って頷いた。
ゼロ「うーん、恐怖からは抜け出せたけど、完全に終わったと言う訳じゃない…だけど、確かに進んでいる」
そうして彼はいつもの様な眼差しで僕を見つめ、ハキハキとした声で言葉を発した。
ゼロ「君はみんなを守りたいのかい?」
僕は頷き、口を開いた。
ボウイ「…あぁ…だからノゾミも…司令も…全員僕が倒す!!!!」
ゼロ「じゃあ、もし『殺したくない相手』が出てきたら…その後は?」
ボウイ「え?」
僕は彼の質問に唖然としてしまった。
だが、前とは違う
すぐに答えた。
ボウイ「倒して…その後は…まだ…わからない。」
それを聞いたゼロは真剣な顔で話した。
ゼロ「ボウイ、世界が白と黒の二色で分かれていない様に、人もクリーチャーも、そう単純なものじゃないのさ。」
ゼロ「戦って勝って終わり…それだけじゃとても『幸せになる事は出来ない』そう、僕は思うんだ。」
ゼロ「だからこそ、自分自身の全てをぶつけるんだ。」
ゼロ「そう、『自分自身の全てを相手にぶつけてこそ』だと、僕は思うね。」
ゼロ「例えばボウイ、君がこの前、ノゾミにしたみたいにね。」
彼がそう言うと、彼は自分の前髪をかきあげた
そして僕は、彼の額を一瞬だけ見た。
そこには意味深な印が刻印されており、何が他とは違うものを感じた。
ゼロ「ボウイ、君はその感情を」
ゼロ「自分自身を」
ゼロ「自らの思いのまま振るうといい。」
ゼロ「そして…その後」
ゼロ「その後に、こんな風に仲良く星を眺められる…そんな選択が、僕は大事だと思うんだ。」
ゼロ「そう、『殺したくない相手』にはね。」
ゼロ「そして、もしも旅の途中で迷ってしまったなら…」
ゼロ「星を見るといい。」
ゼロ「星は道を示してくれる。」
ゼロ「そうすれば…うん、闇と星は共にいられて、人々は皆前を向いて進む事が出来るのさ。」
そうして彼は僕の肩にそっと手を置いた
彼は依然として落ち着いていたが、その目は輝きに満ちていた。
僕はその印に不思議と憧れの様なものを抱き、黙り込んでしまった。
それを見たゼロは、真っ直ぐ僕を見つめて言った。
ゼロ「じゃあ…近いうちに、またこんな星空の下で会おう。」
零「おい!ボウイ!大丈夫か!?しっかりしろ!」
ボウイ「あ…ぜ、零…?」
目を覚ますと、周りには零とファルゴさんが居た。
零「良かった、無事だったか。」
ボウイ「お、俺一体…」
ファルゴ「お前、あのでっかい塔が出た時に吹っ飛ばされて石に頭ぶつけて気失ってたんだよ。」
ボウイ「そ、そんな事が…」
その時、僕の脳裏にある事がよぎった。
ボウイ「騎王!騎王はどうなった!?」
零「落ち着け、今あいつは矢奈先の車の後ろで治療受けてる。」
零「あの人医師免許も持ってるらしくて治療も得意らしい。」
ボウイ「よ、よかった…」
零「にしてもすげぇよなあの人、マジで何でも出来んじゃん。」
ふと周りを見回すと、他のみんなが塔の近くに集まっているのが見えた。
竜吾「X…」
イッサ「…?どうした竜吾?」
竜吾「…いや、何でもないぜ!さぁ!早く俺たちで月軍の奴らをぶっ潰しに行こうぜ!」
水華「えぇ!?なんかとんでもないことになってますよリリスさん!」
リリス「…」
水華「え、ど、うしたんですリリスさん?そんな暗い顔して…私で良かったら相談に乗りますよ!」
水華「イッサ先輩が気になってた時期に相談に乗ってくれたの今でも感謝してるんですからね!」
リリス「…水華ちゃんは優しいね。」
その時、二人の後ろからふと声が聞こえた。
レルム「リリス風紀委員長!」
リリス「あ、れ、レルムちゃん…」
レルム「無事でしたか!地震が起きて避難してる時に急に生徒達が倒れて…それで…!」
リリス「…」
レルム「…風紀委員長?」
リリス「あ、え、そ、そうなんだ…大変だったね…レルムちゃん。」
零「お前ら、ボウイが起きたぞ。」
後ろから来た俺、ボウイ、ファルゴの姿を見た皆は集まり各場所で起きた事を話した
零「なるほど、つまるところ劇場の地下で見たあの3人が襲って来たって事か…」
ファルゴ「あぁ、あと変な鬼みたいなのも居たぜ。それに突然他の奴らが倒れ始めたし間違いなくCOMPLEXも近くに居た。」
零「鬼って多分昨日の夜俺とデュエルした鬼札アバクって奴じゃね?」
ファルゴ「そう、そいつだ。」
ボウイ「じゃあ月軍の奴らが僕達を本気で潰しにきてるって事か…?」
零「まぁ…そうだろうな。」
水華「や、やっぱり話についていけない…」
レルム「なるほど、要するに悪の組織的な者達がこの事態を引き起こした…と言う事ですね?」
水華「副委員長飲み込み早っ!?」
リリス「…」
零「あと竜吾の言ってたオーディンってのも気になるな…」
雪「眼帯付けてるのかっこいいと思う。」
零「…?」
雪「いや…何でもない。」
俺達が話し合っていると、森の方から人影が現れた。
リッパー教授「お生徒の皆さん、お大丈夫ですか?」
レルム「あ、リッパー教授。」
リッパー「突然ですが、私からもお話したい事がおあります。」
零「あ、お願いしやす。」
リッパー教授「おまず、私はノゾミとお言うお少女とおデュエルをしました。」
ボウイ「ッ!?」
ジャブラッド「なるほど、ならCOMPLEXも来てそうだな。」
リッパー教授「おや?このおちっちゃいおドラゴンがお零くんのお契約クリーチャーですか?」
零「ジャブラッドって名前っス、本当はもっとでかいっスよ。」
リッパー教授「なるほど?」
リッパー教授「…それでは、お私からの次のお情報です。」
リッパー教授「お謎のお仮面おデュエリストにおついて…」
「「「「仮面のデュエリスト?」」」」
リッパー教授「はい、お彼女はお私とお一緒におノゾミさんとおデュエルをしてくれました。」
リッパー教授「お彼女はおエルボロムと言うおクリーチャーをお使っていましたね。」
リッパー教授「何にせよ、お伝えできる情報はお以上です。」
ボウイ「情報提供ありがとうございます!」
矢奈「お!リッパークン!」
リッパー教授「お矢奈さんではおありませんか!」
そう言ってリッパー教授は車の方へ歩いて行った。
ボウイ「あ、あとそれから…倒れた人達は旅館の地下に避難させておいたから…きっと大丈夫だ!」
零「なるほど、あそこの階段的な場所のとこか?」
ボウイ「多分そのはずだ!」
ジャブラッド「そうそう、俺からもあるぞ?」
零「お、どうしたジャブラッド?言ってみろ。」
ジャブラッド「俺、空のアレ、何だか分かるぜ。」
そう言うと、ジャブラッドは空に浮かぶあの星を指差した。
竜吾「!?」
零「マジで?」
ジャブラッド「あぁ、ドルマゲドンXって言うクッソでかいクリーチャーだ。」
ボウイ「え!?あれが!?」
ジャブラッド「お、知ってるのか?」
ボウイ「あーいや…七罪がうんたらかんたらって…月軍の奴らが…」
零「ジャブラッド、七罪って確かお前が昔居た組織の名前じゃなかったか?」
ジャブラッド「まぁ…うん…そうだな、俺はあいつと昔やり合った事があるからな。」
ファルゴ「へー、じゃあどんなクリーチャーなんだ?」
ジャブラッド「星を食う、宇宙の他の星を食っていたらしい。」
「「「「え?」」」」
ジャブラッド「だから…まぁ…世界の危機って奴だ。」
少しの間静寂が訪れた
だが、零が口を開いた。
零「まぁ何にせよ、この塔登る以外に選択肢は無さそうだよな。」
零「少なくとも俺は行くぞ、あいつら月軍にはまだまだ喋ってもらわなくちゃいけない事が山ほどあるんだ。」
イッサ「右に同じく。」
竜吾「俺も行くぜ!」
ボウイ「僕も行くぞ!」
ファルゴ「ファーッ!お前らが勇敢に奴ら月軍に挑みに行くのにこのファルゴ様が行かない訳ないだろッ!」
イッサ「ファルゴ、ビビってるのか?」
ファルゴ「ビビってなぁぁぁぁい!」
水華「なんか大変な事になって来ちゃった…」
イッサ「水華、お前は先生達とここで待ってるんだ。」
水華「え?う、うん…分かった。」
レルム「…どうします風紀委員長?」
リリス「…」
レルム「風紀委員長…?」
その時、リリスが俺の腕を掴んだ。
零「え、ちょ、ど、どうした…?」
リリス「零、少し話そう」
リリス「…二人っきりで。」
零「??????」
ボウイ「な、何言ってr」
リリス「すぐ戻るから。」
ファルゴ「まぁ良いんじゃないか?ほら、さっさと行ってこい!」
イッサ「…」
ジャブラッド「んじゃ俺はカードの中に…」
リリス「ジャブラッドさん…」
ジャブラッド「んあ?」
リリス「来ないで…ください…」
リリスがそう言うと、ジャブラッドはため息をついてファルゴのリーゼントの上に乗った
そしてリリスは俺を森の奥へ奥へと俺を連れて行った。
矢奈「"青春"してるね〜!」
車の中から矢奈先がニッコリと笑ってこちらを見て言った。
リリス「…」
零「おいリリス、どうしたんだよいきなり…」
俺がそう言うとリリスは止まり、俺の方を向き、そして、震える声で喋り始めた。
リリス「ねぇ…零…」
零「どうした?」
リリス「…私と一緒に…二人で逃げよう!!!」
零「…はい?」
リリス「デッキも置いてさ…ジャブラッドとも契約を解除して…」
リリス「私が別のデッキを渡すからさ…だから!」
零「待て待て待て待て、契約解除とか何言ってんのかよくわからんし…俺があいつら置いて逃げるわけないだろ?」
リリス「ち、違っ…そんな…つもりじゃ…」
零「大丈夫だ、COMPLEXの時だってこんな状況だっただろ?」
零「俺達で勝つぞ、あの星…ドルマゲドンに。」
そう言って、俺はリリスの手を掴み、仲間の方に向かおうとした。
リリス「ごめんなさい…」
その時、上空から突然とんでもない音と共に巨大な何か現れた
それは一体だけではなく複数体であり、その姿はまるで巨人の様だった。
そして、そいつらは俺達の方を見ると、突如黄色い巨大な槍を構えた。
リリス「零!」
リリスは俺をこちらに引き寄せてくれたおかげで何とか回避できた
零「リリス、ありがとうな…とりあえず逃げるぞ。」
俺はリリスの手を引き、木々に隠れながら塔の方へと向かった。
塔の前には皆が困惑しているのをジャブラッドが何とか落ち着かせている状況だった。
ファルゴ「お、おい零!あれ見ただろ!?」
零「あぁ、あのでっかい奴だろ?」
ファルゴ「何落ち着いてんだよ!?」
零「こう言う時は落ち着いて対処しねーと…ジャブラッド!あのでっかいのなんだ?」
ジャブラッド「あれはドキンダムxだ、奴らは親玉のドルマゲドンと同じく封印とか言う攻撃手段を持ってる。」
零「封印?」
ジャブラッド「あぁ、やられたら面倒だぞ…」
ボウイ「つまりどう言う事だ!?」
ジャブラッド「逃げろ。」
零「逃げると言っても一体どこに逃げればいいんだよ!」
ボウイ「そうだ!みんなでこの塔の中に入れば…」
だが、ボウイはある違和感に気がつく。
ボウイ「…入り口が無いぞ!?」
零「なんだって!?」
だが、森の方からドキンダムが待つ事なく再び槍を構えるのが見えた
ジャブラッド「クソ!お前ら避けろ!」
水華「え、え?」
困惑する水華をイッサが引っ張り、俺含めた他の奴らも何とか回避した。
零「や、やばいな…」
レルム「穴が開きましたよ!」
レルムの言う通り、槍のおかげでちょうど車が1台入れそうなぐらいのサイズの穴が空いていた。
レルム「よし!風紀委員長!行きますよ!」
リリス「え…」
零「待て!矢奈先達が…」
その時、車が超高速で俺らの前に来た。
矢奈「みんな〜!早く乗って〜!」
俺達は瞬時に車に乗り込んだ。
レルム「零生徒!風紀委員長から離れてください!セクハラですよ!」
零「うるせぇな…狭いんだから仕方ないだろ?」
リリス「…」
ファルゴ「ぐ…せ、狭い…。」
イッサ「…水華、大丈夫か?」
水華「(い、イッサ先輩距離近ッ!…ドキドキするなぁ…。)」
ボウイ「…」
竜吾「…」
雪「…」
矢奈「みんなごめんねー?2列目は騎王くんが寝てるから3列目に集まってもらっちゃって〜」
リッパー教授「お矢奈さん、お安全確認はお出来ました。」
矢奈「よし、じゃあしっかり掴まってて!」
そう言うと、矢奈先は車で勢いよく塔の中へ侵入した
だが、それと同時にドキンダムの槍が放たれた事により、入り口が塞がってしまった。
矢奈「はい!もう降りて良いよー!」
零「ゼェ…ハァ…」
リリス「…」
ファルゴ「クソ…ぎちぎちだったぜ…」
イッサ「…」
ボウイ「何にせよ…ひとまずは何とかなったっぽいな…?」
レルム「はぁ…」
水華「な、何ここ…」
塔の中は外からかすかな光が入り、そして巨大な螺旋階段が作られていた。
ジャブラッド「…なるほど?素材は旅館のがそのまま使用されてるみてーだな。」
ファルゴ「マジかよ。」
俺は一歩前に出た。
零「とりあえず、俺は登る。」
イッサ、ボウイ、ファルゴ、リリス、竜吾が同時に前に出る。
イッサ「…さっき言っただろ?」
ボウイ「僕も行ってやらない事もないぞ!」
竜吾「…ムラマサは俺が倒す!」
ファルゴ「ファーッ!ドルマゲドンだかドキンダムだか知らんが俺が倒してやるぜ!」
リリス「…」
レルム「風紀委員長が行くなら…」
そう言ってレルムも前に出る。
水華「わ、私も行きます!」
イッサ「水華!?」
水華「イッサ先輩、並びます!貴方に!」
イッサ「そうか…」
ファルゴ「イッサ顔が赤いぞ〜?」
イッサ「うるさいな 一回黙れ ダボゴルファー」
ファルゴ「誰がダボゴルファーだ!!」
雪「…わ、私も行こうかな…?」
零「んじゃ、これで決まりだな。」
そうして、俺達は階段を登った。
矢奈「私達は騎王くん見てるからねー!」
リッパー教授「え、お矢奈さん。皆さんについて行かないんですか!?」
矢奈「大丈夫大丈夫!彼ら、強いし。」
リッパー教授「…お一応、おMR社にはお連絡をしておきます。」
ムラマサ「ドキンダムが出て来たな」
サバト「行くぞ、ムラマサ。」
ムラマサ「言われなくとも。」
アカリ「…?待て、どこへ行く?」
サバト「ドキンダムの間引きだ。」
そう言って、サバト達は下へと降りて行った。
アカリ「…チッ。」
その頃、別の場所で動きがあった。
???「…」
???「いやぁ、えらい事になってますなぁ、団長?」
団長「…行くぞ平刃。」
平刃「ほんじゃちょっくら始めるとしますかぁ?」
平刃と言う名の男がそう言うと、団長と呼ばれる者は後ろに平刃と呼ばれる男を含む無数の騎士達を引き連れ、その朱い眼で禁断の星を見つめた。
???「…水文明のドローンが既に20機ほど確認できました。」
???「カレン、引き続き調査を頼む。私は街に出て行く。」
そう言うと、男はカレンと呼ばれる忍者に背を向け、ゆっくりと街へと向かった。
???「かなりの組織が集まってるな、面白い事になって来たな、なぁ?ヒカル?」
キラ「…」
アカリは上空から街の様子を見ていた。
アカリ「…他の勢力もやはり集まって来たか。」
アカリ「…この壮大な戦いの狼煙が、今まさに上がった。」
アカリ「誰が正義となるか」
アカリ「偉大なる月の下で…もうじき決まる。」
そう言って、アカリは口角を上げた。