零「長いな…この階段…」
零達は塔の最上階を目指し、階段を登っていた。
ボウイ「な、なぁ…ほんとにこの階段でいいのか?登る階段間違えたとか?」
零「いや、それは無い。階段はこれしか無かったしな…?」
レルム「にしても高すぎると思いますが…」
水華「…もしかして最上階までずっと階段とか?」
ファルゴ「いや…1階からでもしっかり天井は見えてただろ?」
竜吾「じゃあ何で一向にその天井が見えないんだ?」
零「何かがおかしい…」
リリス「…」
その時、リリスが急に階段を降り始めた。
ボウイ「え?」
零「なるほど…リリス、ちょっと待っててくれ。」
リリスは黙ってこちらを向くと少し微笑んでその場に座った。
レルム「…」
零「イッサ、ちょっと俺達と来い。」
イッサ「え?」
零「…?どうしたイッサ…?」
イッサ「…いや、何でもない。」
そうして俺達は階段を1度降った
すると、上の方から降りて来ており、下の段の方には他の奴らが居た。
零「…やっぱ無限ループって感じか。」
ボウイ「え?ど、どう言う事だ!?」
零「あれだ、『無限ループって怖くね?』ってやつだ。」
レルム「要は登っても登っても先に辿り着く事が出来ないと言う事ですか?」
リリスが頷く。
レルム「でも…」
レルムが何か口を開こうとすると、蛇に睨まれた蛙のような表情を一瞬だけ浮かべ、黙り込んだ。
だがそれも意に介さず、ファルゴは口を開いた。
ファルゴ「…でもどうすんだよ、無限ループしてると分かっても、どうしようもないだろ?」
零「うん…まぁ…そうだな…」
ボウイ「じゃあどうするんだよ!このままじゃ一生ここから出れないじゃないか!」
ボウイが焦った様に言う。
零「…何が手がかり的なのは無いか…?」
俺は必死に辺りを見回す
ふと、壁に目をやると、見慣れない文字の様なものが描かれていた。
零「なぁ、こんなの下の方にあったか?」
俺がそう言うと、デッキの中からジャブラッドが表に出て来た。
ジャブラッド「これは禁断文字だな。」
零「何だよ禁断文字って?」
ジャブラッド「…古代文字的な奴だ、英語で解読出来るぞ。」
零「…」
俺は禁断文字を舐め回す様に見つめた。
零「…無理だ、これ分かんね。」
ファルゴ「いや無理なのかよ!」
レルム「はぁ…」
ボウイ「どうするんだよ!このままじゃあの星がこっちに来るんだろ!?」
イッサ「…!読める…読める読めるぞ!!」
零「何!?」
ファルゴ「なんて書いてあるんだ!?」
イッサ「…これあれだ…楽譜だ。」
水華「え?」
そう言うと、イッサは水華の近くに行き、小声で囁いた。
イッサ「水華、俺の言った通りに楽譜を書いてくれ。」
水華「あ、は、はい!えっと…紙…紙…」
リリス「はい…」
リリスは水華に紙とペンを手渡した。
水華「あ、ありがとう!」
レルム「…」
そうして二人は楽譜を書き上げた。
水華「…多分、ピアノの楽譜かな?」
零「…なぁボウイ、ピアノって何だ?」
ファルゴ「ピアノってそりゃ…あー表現難しいな…」
水華「キーボードのデカいバージョン…みたいな?」
レルム「ピアノは、弦をハンマーで叩くことで発音する鍵盤楽器の一種である。鍵を押すと、鍵に連動したハンマーが対応する弦を叩き、音が出る。内部機構の面からは打楽器と弦楽器の特徴も併せ持った打弦楽器に分類される」
レルムがスマホ片手にそう言った。
レルム「以上です。」
零「…それって洋琴じゃね?」
水華「よ、洋…何?」
イッサ「…?」
その時、ジャブラッドが口を開く。
ジャブラッド「だが、楽譜だけじゃどうにもならないだろ?ピアノのアプリ的なの使うのか?」
雪「…それ以上に、誰かピアノ弾けるの?」
水華「ピアノアプリは一応私のノートpcに入ってるんだけど…ちょっとこの曲は…難しいかな…?」
零「…俺やってみるわ。」
ファルゴ「ファ!?お前出来るのか!?」
零「とりあえず試すだけ試してみるんだよ。」
水華「じゃあ…はい」
水華が鞄からタブレットを取り出し、アプリを開いた後に俺に渡した。
水華「ここはこうやれば良いの、おけ?」
零「…」
俺は楽譜をジャブラッドに持ってもらい、演奏を始めた。
音が心地よく空間全体に響き、まるで世界に俺一人だけ取り残された様な気がした。
そして少しだけ、肩に感触が─
次の瞬間、周りの数人が俺に向かって拍手をした。
零「…ん?」
水華「すご!零先輩これほんとに初めて?」
ファルゴ「何だよ…上手じゃねぇか…」
竜吾「いい曲だったな!」
ボウイ「ぼ、僕だってこれぐらい上手く弾けるぞ…?」
レルム「あ、階段の上見える様になりましたよ。」
雪「じゃあ、登ろう。」
竜吾「そうだなー!」
イッサ「なぁ水華…やっぱお前戻ってた方が…」
水華「大丈夫ですよイッサ先輩!全然役に立てます!」
ファルゴ「威勢がいいのは良いが…ドルマゲドンと殺り合う時には流石に連れてけないな!レディーは隠れていてくれ!ファーッ!」
雪「…」
水華「えー…あ!零先輩!タブレット返してねー?」
レルム「風紀委員長、私たちもいきましょう。」
リリス「…先行ってて。」
レルム「…はい。」
レルムが先に行ったのを見たリリスは俺に近づき、質問を投げかけて来た。
リリス「零…さっきの曲…本当に初めて弾くんだよね?」
零「そうだと思うんだけどなぁ…」
それを聞いたリリスは少し暗い顔をした後、何かをブツブツと呟いて他のメンバーに続き先へと向かった。
ジャブラッド「…契約者、俺達も行くぞ。」
零「…あぁ、そうだな。」
そうして俺も上の階へと向かった。
登った先には別の階段があるだけであり、周りはただただ殺風景だった。
ボウイ「何も無いな…」
零「んじゃ、早速先に進も─」
その時、塔の壁が突如として破壊され、何者かがこちらに突入してきました。
零「…」
ファルゴ「あ、あいつは!!」
その者達は間違いなく『鬼』であった。
ジャオウガ「見つけたぞ!」
アバク「呑気にお友達ごっこか?dm零!」
零「…お前ら、先行ってろ。」
ボウイ「え?」
零「こいつは俺が片付け─」
???「待て」
そう何者かが声を発したその時、突如として目の前に巨大な眼帯をつけた老人のような者が現れた。
竜吾「お前はオーディン!」
零「…」
オーディン「…」
雪「…」
アバク「…まぁ良い、お前が相手ならそれで良い、ただし!ここからは一人も逃さないぞ。」
アバクがそう言うとアバクとオーディンはデッキを構える。
「「真のデュエル」」
オーディン「先行は譲ろう。」
アバク「いい気になるなよ!」
─2t目─
アバク「俺のターン!ドロー!俺はカンゴク入道を2マナで召喚!効果でターン終了時にシールドを1枚手札に加えてターンエンドだ。」
オーディン「私のターン、ドロー!私は2マナで奇跡妖精メルクリを召喚、ターンエンドだ。」
アバク「俺のターン、ドロー!俺は3マナでジャドク丸を召喚!シールド1枚手札に加え,メルクリを破壊」
水華「あ…せっかく用意したのに…」
雪「いや…」
零「(オーディン…何かあるな…)」
アバク「さらにsバック発動!ゲドウ大権現!ターン終了時もsバック!ゲドウ大権現2体目!」
オーディン「その時、私は、パーフェクトペテンシーを2枚唱える!」
アバク「何!?」
オーディン「まずは2枚ドローし、1枚捨て、墓地のコブラをバトルゾーンに」
オーディン「もう一1枚でも同じく,2枚引き1枚を捨てる。」
オーディン「そして墓地から呪文!ブレインスラッシュを宣言する!」
ボウイ「…あれ?」
ファルゴ「ファ?どうしたボウイ?」
ボウイ「あーいや…なんでもないです。」
オーディン「まずはコブラの効果からだ!」
オーディン「2枚を墓地に置き,墓地からアーテル・ゴルギーニをバトルゾーンに」
オーディン「コブラは破壊される…だが!アーテル・ゴルギーニの効果により!墓地から来るが良い!メルクリ、ロレンツォ・アセンド!」
オーディン「ロレンツォの効果で山札からシールドを一枚追加する。」
水華「やっぱり生のクリーチャーはまだまだ慣れないなぁ…」
雪「…」
オーディン「そして、ブレインスラッシュの効果を処理する」
オーディン「私は山札から3枚を引き、手札を1枚捨て、そして…」
その時、アバクが槍を持った。
雪「…え?」
ボウイ「おい鬼札アバク!反則だろ!」
アバク「勝てない相手には不意打ちが一番良いんだよ!!死ねオーディン!」
俺は目の前に出ようとしたが、速さなら奴の方が上だった
止める間も無く、槍は放たれた。
雪「あ…」
オーディン「…」
その槍はオーディンを貫いた。
バタン
そう音が聞こえた次の瞬間、オーディンがバラバラになった。
零「…?」
竜吾「…なんだ?」
鬼達も含め、その場にいる全員が困惑した。
何しろ槍の貫いたオーディンの腹には血ではなく、バチバチと音を立てる配線とぐちゃぐちゃになった鉄屑のみだったのだから。
アバク「…どう言う事だ!」
ジャオウガ「どこかに隠れているかもしれない!気おつけろアバク!バラド!お前も戻ってこい!」
そうジャオウガが言うと、槍は即座にアバク達の元に引き寄せられ、人の姿になった。
バラド「…兄ちゃんあれ操縦式ロボットだよ…しかもエメラルドの都製のパーツが何個かある、ご丁寧に迷彩機能まで付いてるし…」
ジャオウガ「何…?」
零「…なぁジャブラッド、これどう言う状況だ?」
ジャブラッド「…そうだなぁ…オーディン探しだろう、まぁ粗方予想はついているんだが。」
ジャブラッドは雪の方を見つめる。
ジャブラッド「お前、まさかデュエルを放棄するとは言わないよな?」
ジャブラッドがそう言うと、雪は困惑した表情で周りをキョロキョロと見回す。
周りも同様に雪の方を見ていた。
雪はダラダラと汗を流しながらも自分の左目をぐりぐりと触ると、ポトリと目が落ちた
だが、それは機械のようなそうで無いようなものであり、ビリビリと音を立てて破裂した。
そうして雪は機械の残骸の目から眼帯を取り、自分につけ、そしてカードを手に取った。
雪「…」
雪「とりあえず、墓地からコブラを…」
その時、またアバクが槍を構えた
竜吾「ゆ、雪…」
そう言うと雪が竜吾を静止する
次の瞬間、再び槍が放たれた
だが、一瞬にしてその槍が空中で静止する。
バラド「???」
ふと雪の方を見ると、ハンドガンのようなものを片手で持ち、槍のある方角に向けている雪の姿があった。
その銃の銃口からは煙が出ていた。
ボウイ「あれって!リボルバー!?」
雪「知ってるんだ!!!」
雪「いいよねリボルバー!あの片手で持つ感じとかさー!でも実際やるとかなり大変で私も片腕で撃つのに慣れるまでに結構時間がかかって44マグナム弾とか撃ってみたりとかして一回骨折してムラマ…」
雪「あ…ごめん…」
レルム「いいから早く進めてください、時間の無駄です。」
雪「…コブラの効果で山札の上から2枚を墓地に置いて、至高の邪騎 スベルニルをバトルゾーンに。」
零「…アビス?なぁジャブラッド、あれ何かわかるか?」
ジャブラッド「…スベルニルって言う昔消えたアビスの馬だ、新たな主を見つけたっぽいな?」
雪「…コブラは破壊される、そして!スベルニルの効果発動!墓地から…エンドレスジャスティスロマノフバイブルにgneo進化!」
雪「…バイブルは出た時、一枚ドローして、手札から1枚をこのクリーチャーの下に置ける。」
雪「効果処理終了、それじゃあ私のターン、ドロー!」
雪「私はチャージだけして殴る!アーテルゴルギーニでシールドをwブレイク!」
アバク「st!襲来、鬼札王国!お前のロレンツォ・アセンドを破壊し、墓地から来い!覇覇覇ジャオウガァ!!」
ファルゴ「まずいな…あのカードは…」
ジャオウガ「ジャハハハ!!!お前はシールドを3枚、手札を2枚、クリーチャーを1体選べ!」
バラド「それから!その選んだカード以外のカードを全部墓地に!」
雪「…じゃあ、クリーチャーはメルクリで。」
アバク「それで良いのか?」
雪「だって、これで私の勝ちだからね。」
アバク「何だと?こうかちゃんと読もうか。」
雪「バイブルはgneoクリーチャー、よって下のカードが代わりに離れる。そしてカードが離れた時!効果を選んで使える!私はゲドウ大権現2体を破壊!」
雪「トドメ!メルクリでダイレクトアタック!」
アバク「行け!バラド!」
槍がもう一度突撃するが、またも銃弾によって防がれる。
バラド「ぐぅ…」
雪「それじゃあ、バイブルで、ダイレクトアタ…」
その時、アバクの開けた穴から呻き声が聞こえた。
「AAAAA…」
その穴の方を見ると、ドキンダムが3体、顔を覗かせていた。
「「「i am…KINDAN…」」」