デュエルマスターズ darkness   作:deta豆

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第30話 記憶

───部屋の中で、2人が机を囲み、神妙な面持ちで話していた。

 

アカリ「…釘の内1本が奪われたけど…どうする?」

 

サバト「どうするもなにも、探す以外の選択肢は無いだろ?」

 

サバト「聖遺物は言わば覇王の記憶…力そのもの…そんなものをよく分からんやつに持ってかれる危険性は充分承知のはずだ。」

 

アカリ「よく分かってるから、いちいち話さなくていい。こっちもイライラしてる事ぐらい分かるでしょ?」

 

アカリ「…それはそれとして、ムラマサはどうした?」

 

その時、部屋の扉が突如として開かれた。

 

ムラマサ「戻ったぞ。」

 

サバト「遅かったじゃないか…何やってたんだ?」

 

ムラマサ「少しな?」

 

サバト「…お前、背中の傷はどうした?」

 

ムラマサ「あの騎士にやられた…完全に負けだ。」

 

それを聞くと、アカリは黙って部屋を出て行った。

 

サバト「おい、どうした?」

 

アカリ「…少し用事がある。」

 

 

 

 

部屋に入ると、アカリはナイフを取り出した。

 

アカリ「…」

 

そうして座ったアカリは、騎王に傷付けられた足にナイフを突き刺した。

 

アカリ「ぐ…あ"あ"あ"!!!!」

 

ナイフを深く、深く突き刺しながらも、傷ついた左足を引き裂いた。

 

アカリ「あ"ぁ"ぐ…ルナなら…きっと…片腕も…切った…」

 

そうして、アカリは左腕にも同じ様に突き刺した。

 

 

 

 

サバト「おい!大丈夫か!?」

 

ムラマサ「すごい声が聞こえたが…なるほど、サバト、これアカリ自分の手足切り落としたっぽいぞ?」

 

サバト「はぁ?んな馬鹿な事フツーするかよ!?」

 

ムラマサ「吸血鬼ならいくらでも再生出来る。手段としては十分アリだ。」

 

アカリ「ぐ…わ、私は疑似だけどね…」

 

そうアカリが言うと、アカリの左手左足が生えてきた。

 

アカリ「…私ルナみたいにぶっ壊れじゃないから、再生力だけ研究班に組み込ませたの。」

 

サバト「イカれてるな?再生するなら手まで切らないでも良かっただろ?」

 

アカリ「…何とでも言えば?少なくとも、そこの侍気取りさんよりはマシだけど?」

 

ムラマサ「…」

 

アカリ「…とりあえず、私が次行くからよろしく。」

 

ムラマサ「…殺すのか?」

 

アカリ「…私は貴方達とは違う、私はアイツを殺したいし。」

 

サバト「まぁそうだな?」

 

アカリ「…それじゃあ、また今度。」

 

そう言ってアカリはその場から去って行った。

 

 

 

 

 

 

零「矢奈先生、アカリと騎王はどうなったんスか?」

 

俺は壊れた2年の宿の代わりに来た1年の宿の廊下で矢奈先生に尋ねた。

 

矢奈「騎王くんは無事らしい、アカリちゃんも。」

 

零「そうなんスか?」

 

矢奈「そそ、少なくとも私が聞いた話ではね?」

零「そうッスか…」

 

矢奈「とりあえず…今日は寝た方が良いんじゃない?疲れたでしょう?」

 

零「…まぁ…そうッスね…?」

イッサ「…おい零、ちょっと来い。」

零「…?」

 

矢奈「行ってくれば〜?」

 

零は矢奈に一礼した後に、イッサを追って倉庫の方へと向かった。

 

 

 

イッサ「…」

倉庫に入るなりイッサが神妙な面持ちで俺に尋ねて来た。

 

イッサ「…塔であの時…何があった?」

 

俺は洗いざらい全てを話した

 

学園長の事…記憶の事…水華の事…

 

それを聞いたイッサの表情が徐々に怒りに満ちてゆく。

 

イッサ「水華…あぁ…そうだ…あのババアだ…アイツの…」

 

そう言うと、イッサは膝を付いた。

 

零「おい、イッサ!大丈夫か?具合が悪いのか!?」

 

俺が恐る恐るイッサの顔を見た

 

イッサは…泣いていた。

 

イッサ「…いや…いい…心配なんてすんな…お前はお前の敵を追えばいい…俺は…俺のやるべき事を成し遂げる。」

 

そう言って、イッサは俺に背を向けその場を後にした。

 

零「イッサ…」

ジャブラッド「あの眼…フッ…大した覚悟だな。」

 

零「…ジャブラッド、お前なんであの時出て来なかったんだ?」

 

ジャブラッド「MR社…だったか?アイツら何かして俺の力を限界まで抑え込んでいやがった。」

 

零「マジかよ…?」

 

ジャブラッド「…水華の件は…残念だったな…」

 

零「…」

 

 

 

 

─町の何処か─

 

裏路地で、2組が話していた。

 

団長「…平刃、それでは我々は帰るぞ。」

平刃「あー…団長、ワイもうちょい残ってええですか?」

 

団長「何故?」

 

平刃「もうちょい調査するってやつですわ、月軍とかMR社はまだまだきっと手を残しとるで?」

 

団長「そうか、なら単独行動を許可しよう。」

そう言って、団長と呼ばれる女は影の中へと消えていった。

 

 

その会話を、屋根の上から聞いている者が居た。

 

カレン「…」

 

 

─MR社本拠点─

 

レルム「失礼します、こちらレルムです。」

 

荊花「レルム?どうしたのかしら?」

 

レルム「はい、dm零は記憶を残していた様です。」

 

荊花「知ってた。」

 

レルム「…ご存じだったんですか?」

荊花「いや?でも想定内ではあった…けど、あれはあらゆるモノを超えて伝わる力のはずだ…ジャブラッドが相手でも、通用しないと言う事は無いはず。」

 

荊花「…でも、一点に集中させれば何とかなる…もしかすると、忘れさせたい記憶でもあったのかしらね?」

 

 

 

 

 

─裏路地─

 

リリス「…」

 

???「来てくれたのねリリス。」

 

リリス「…何?」

 

???「それで、決まった?」

 

リリス「まだ…」

 

???「ふーん…まぁ…いつでも声かけてねー?我々はいつでもリリスを歓迎するよー!」

 

リリス「…零だけは…絶対に裏切らないから…!」

そう言って、リリスはその場を去っていった。

 

???「さて、どうだか?」

そう言って、山羊の頭を持つ女はその場から消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして翌日、俺達はバスに乗り学園へと帰って行った。

 

零「…」

ボウイ「騎王…帰ってこなかったな…」

零「戻ってくる、きっとな。」

 

リリス「…」

矢奈「リリスちゃーん?」

リリス「…何ですか?」

矢奈「あれ?元気無い?」

 

リリス「…」

矢奈「じゃあこれあげる、はいこれ!」

そう言って、矢奈はチョコをリリスに手渡した。

矢奈「甘いものでも食べて元気になりなー?」

リリス「…」

 

 

 

 

 

零「…」

 

零「(ルナ…そうだ、ルナだ…あの子がルナ…)」

 

零「(ルナ…ルナ…ルナ…)」

 

 

零「(俺は…必ずあの子…ルナに至ってみせる。)」

 

ジャブラッド「…」

 

そうして俺は、バスの中で朝には無い夜空に思いを馳せていた。

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