デュエルマスターズ darkness   作:deta豆

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第36話 聖霊王

辺りには重々しい雰囲気が根を張り、今やその闘志は俺を貫いていた。

 

「dm零、会いたかったぞ。」

 

「…白き騎士か、かっこいい肩書きだな?」

 

 

 

「それに見合う実力はあるぜ」

 

「試してみるか?」

 

俺がそう言うと、ホワイトはデッキを俺に向けてきた。

 

「きーつけろ、アイツワイもボスから話聞いとるんやけど…どえらい奴やで。」

 

そう警戒する平刃の目は、溢れ出る闘志を隠しきれていないかの様に真っ赤に光っていた。

 

「コイツは俺が相手をする、平刃のおっちゃんはそこで見てろ。」

 

そう言って俺はホワイトの方を見る。

 

「早速デュエル…と行きたいところだが、普通にやるのはつまらんな。」

 

「と言うわけで、俺から特別ルールを提案しよう。」

 

そう言うと、ホワイトは上を見上げた。

 

「この場所は展望デッキだ、そしてここから上には展望回廊があり、その更に上に頂上がある。」

 

「そこに先に辿り着いた方が先行…なんてどうだ?」

 

ホワイトはニヤリと笑って俺を見た。

 

「へぇ…で、どうやって行くんだよ。」

「…まさかエレベーターで行くとか言わないよな?」

 

それを聞いたホワイトはニヤリと笑い、180度方向転換をした後に、ガラスの割れた窓から外へと飛び出した。

 

「無論、空からだ!!!」

 

俺もそれに続き、外へと飛び出した。

 

 

「さぁ、俺に付いて来られるか!」

 

そう言うと、奴は手と足からエネルギーの様なものを噴射し、勢いよく上に上がっていった。

 

「フッ、付いて来るのはお前の方だ!!!」

 

俺はジャブラッドとの融合を使い、骨の尻尾をスカイツリーを支える一本一本の鼎に巻きつけ、上へ上へと上がった。

 

 

 

 

「あー…行っちゃいましたねぇ。」

 

「とりま展望回廊の方まで行けばええんやないか?」

 

そう言ってエレベーターの方に向いた2人の前に、司令が立ち塞がった。

 

「悪いが、黒血騎士団の幹部など、簡単に逃すわけないだろう?」

 

それを聞いた平刃はニヤリと笑ってデッキを取り出した。

 

「ほんじゃ、ぼちぼちやりますかぁ。」

 

だがその時、突如展望デッキ内のスピーカーから音声が流れた。

 

「─聞こえるか?月軍の野郎、それかババアの会社のクズ共!」

 

「俺が今から叩き潰してやる。」

 

「覚悟しておけ。」

 

 

 

「ハッ!どこの誰かだか知らぬが、返り討ちにしてくれるわ!!」

 

そう言って司令はその声の主を嘲笑った。

 

だがその時、エレベーターの扉が突如開いた。

 

その中に居た人物に、礼先生は少し納得した様な声を上げた。

 

「あぁ、君は…」

 

礼先生がそう言うと、生徒はゆっくりとエレベーターから降りてきた。

 

「俺の仲間に 手を出す月軍 許すまじ。」

 

そう五七五の言葉を言いながら、その生徒…イッサはニヤリと笑って司令を指差した。

 

「さぁ、殺り合お(デュエルしよ)うか。」

 

─────

 

「クソ…追いつけねぇ!」

 

俺はホワイトを追って、スカイツリーを登っていた。

 

その時、下からジャブラッドが登って来た。

 

「契約者、乗ってくか?」

ジャブラッドがそう言うと、零はニヤリと笑って言った。

 

「あぁ、屋上まで頼むぜ。」

 

俺はそう言ってジャブラッドの背中に飛び乗った。

 

その様子を見ていたホワイトは、少し焦っていた。

 

「おいおい!そりゃずるいだろ!?」

 

そう言うホワイトに対し、俺とジャブラッドは笑いながら上へと向かった。

 

「あっ、ちよっ!?クソッ!待ちやがれっ!」

 

そう言って、ホワイトもスピードを上げた。

 

「おいジャブラッド!あいつ追い上げて来てるぞ!?」

 

「こりゃまずいな…契約者!スピード上げるぞ!!!」

 

ジャブラッドがそう言うとジャブラッドはスピードを上げた。

 

「待ちやがれ!!!」

 

 

そうして、ギリギリ俺が先に頂上に辿り着いた。

 

「クソッ!負けた…悔しいが先行はお前だdm零!」

 

ホワイトはそう言ってデッキを取り出した。

 

「あぁ、俺もそのつもりだぜ。」

 

 

「行くぞ、俺のターン!」

 

俺がそう言うと、デュエルの幕が切って落とされた。

 

〜3t目〜

 

「一気に行くぜ、俺のターン!ドロー!」

 

「俺は3マナで邪侵入を唱える!」

 

「山札の上から4枚を墓地へ置き…ジャジーガイストをバトルゾーンに出す!」

 

「ターンエンド、その時、このターン中どこからでもカードが墓地へ送られていれば、俺は1枚ドローが出来る。」

 

「なるほど?クローシスアビスか。」

 

ホワイトはそう言ってニヤリと笑った。

 

「…知ってるのか?」

 

零の問いに、ホワイトはへらへらと笑って答えた。

 

「あぁ、よーく知ってる、ジャジーブラッドのデッキだろ?」

 

俺は少し黙ると、ホワイトはニヤリと笑って言った。

 

「それじゃあ行くぜ?俺のターン!ドロー!」

 

「ふっ、俺は3マナで呪文!ギャラクシー・チャージャー!」

 

「山札の上から3枚を表向きにし、エンジェル・コマンドを全て手札に!」

 

「そしてこの呪文はマナに送られる。ターンエンドだ。」

 

「そっちはエンジェル・コマンドか?はたまた天門か?」

 

「どっちにしろ俺の餌食だけどなぁ?」

 

俺はニヤリと薄ら笑いを浮かべてデッキのカードに指を置いた。

 

 

「行くぜ…俺のターン、ドロー!」

 

「再び3マナで邪侵入!山札の上から4枚を墓地に置き、ゲルエール=ゲールをバトルゾーンに!」

 

「ゲルエールの効果で2枚ドロー、そして2枚捨て、山札から2枚墓地に。」

 

「ターンエンド、ジャジーガイストの効果で、再び1枚ドロー。」

 

「(リソースを確保しに来たか…さっさとジャジーガイストをぶっ潰してーなぁ!)」

 

ホワイトはデッキのカードを手に取る。

その目は正しく狩人の目と言うに相応しい眼光だった。

 

 

「俺のターン、ドロー。」

 

「俺は手札より5マナで呪文!スターゲイズ・ゲートを唱える!」

 

「こいつは進化では無い光のブロッカーなら何でも1体出せる。」

 

「何を出すつもりだ?」

 

俺の問いに、ホワイトは笑顔を浮かべて言った。

 

「もちろん…サイフォゲートだ!」

 

「サイフォゲートもスターゲイズゲートと同じ能力を持っている!」

 

「手札よりウェルキウスを召喚!」

 

「そして一枚ドローし、ウェルキウスの効果で再びウェルキウス!」

 

「更に1枚ドローし、手札より!来い!我が切り札!」

 

「聖霊超王!H・アルカディアス!」

 

「こいつは出た時、3枚ドロー出来る…そして!サイフォゲートをタップし…」

 

「ハイパーモード…起動!」

 

「零!テメェはもう呪文を唱えられねぇ。」

 

「ターンエンドだ。」

 

だが、俺はいつの間にかニヤリと笑って言った。

 

「んじゃジャジーガイストの効果で1枚ドローし、俺のターン…」

 

「ドロー!」

 

「俺は手札よりアーテル・ゴルギーニを召喚!」

 

「こいつの効果で墓地から出すのは…」

 

「エピタフ!そしてエピタフに重ねつつ…」

 

「g-neo進化」

 

「来い!ジャジーブラッド!」

 

 

その時、タワーの下から駆け上がる様にしてジャブラッドが再び飛び上がってきた。

 

「…」

 

ジャブラッドは何故か黙っていた。

 

「…まずはエピタフの効果発動!」

 

「テメェの手札を1枚墓地に置き、そのコスト分俺は山札からカードを墓地に置ける。」

 

「チッ…アレックスが逝ったか。」

 

ホワイトは舌打ちしたが、俺は言葉を続けた。

 

「更にジャジーブラッドの効果発動!」

 

「山札の上から3枚を墓地に置き、コブラを手札に」

 

「そして、サイフォゲートを破壊!」

 

「行くぜ、ジャジーブラッドでシールドに攻撃!」

 

「その時!エピタフの超魂xの能力発動!」

 

「こいつよりコストの低いクリーチャーを墓地から引っ張り出せる。」

 

「墓地より来い!ジャブラッド!」

 

「山札の上から2枚を墓地に!」

 

「さぁ!wブレイクだ!」

 

ホワイトはシールドを確認する。

 

「チッ、トリガーは無ぇ。」

 

「ハハハハハハハ!!更にジャブラッドでwブレイク!」

 

俺は高笑いしながらシールドをブレイクした。

 

今度はホワイトにはシールドトリガーがあった。

 

「st!ヘブンズ・ゲート!手札からアケルナルとファディオアルをバトルゾーンに!」

 

「ファディオアルの効果で、山札の上から4枚を見て、エンジェル・コマンドかneoクリーチャーを手札に。」

 

ホワイトはそう言ったが、もはや俺の敵では無い。

 

「無駄だ!ジャジーガイストで最後のシールドをブレイク!」

 

ホワイトはシールドを確認し、黙る。

 

「…」

 

「終わったな。」

 

だが、俺がそう言った時、突如としてWが不敵な笑みを浮かべた。

 

「フッ、フハハハハハハハハハ!」

 

そう高笑いし、ホワイトは手札から1枚のカードを俺に見せつけて叫んだ。

 

「革命2発動!」

 

「パーフェクト・アルカディア!」

 

「山札から2枚をシールドに!」

 

それを見た俺はニヤリと笑った。

 

「面白い、ターンエンドだ。」

 

「その時、俺はジャジーガイストの能力で墓地からアーテル・ゴルギーニを手札に戻す。」

 

それに、Wは少し面食らっていた。

 

「あ?ドローじゃねーのかよ?」

 

そう言うホワイトに、俺は能力を言う。

 

「俺の山札が3枚以下なら、こいつは墓地から好きなカードをドローしてもいいカードになるんだよ。」

 

そう言って俺はニヤリと笑った。

 

 

それを見たWも、何を思ったか、薄ら笑いを浮かべた。

 

「行くぞ、俺のターン!ドロー!」

 

その時、突如としてスカイツリー全体に巨大な地震が起こった。

 

「俺は4マナでファディオアルを進化元に、手札より我が真の切り札を顕現させる!来い!」

 

「王導聖霊!!!アルファディオス!」

 

 

その時、上空から巨大な光の球体が落ちてきた。

 

その球体がファディオアルの上に落ちたかと思った次の瞬間、その球体から無数の手が飛び出し、それを包んでいた球体を切り裂いた。

 

その切り口から碧の眼光が見えたかと思うと、中から現れたのは、巨大な鎧を纏った天使の様なクリーチャーだった。

 

「さぁ!アルファディオスの超魂レイドで…!」

 

だがその時、ホワイトの突如背後から謎のシルクハットの男が現れた。

 

「なんだ!?また新手の月軍か?」

 

だが、ホワイトはその男をイラつきながら見て言った。

 

「ハデス!!今いいところなんだよ!!」

 

だが、緑のシルクハットの男は冷静に言う。

 

「落ち着けホワイト、これ以上やれば"我々月軍の真の目的"の達成は困難になるだろう、今は撤退だ。」

 

それに対して、ホワイトは舌打ちした。

 

「クソッ!分かったよハデスさん…じゃあなdm零、このデュエルお前に預ける。」

 

ホワイトがそう言うと、その男と共に陽炎の様に消えた。

 

それと同時に、クリーチャー達は消え、揺れもおさまった。

 

「クソ、逃げられた…デュエル中断すんじゃねーよ…」

 

俺は拳を握りしめた。

 

「…ルナについて聞き出せると思ったのに…!」

 

 

その頃、展望台では、イッサと司令が互換のデュエルをしていた。

 

「クソが…シールドが減らねぇ…どうなってやがる…?」

 

イッサがそう言ったその時、司令の後ろにあのハデスが現れる。

 

「…ハデス、何の様だ?」

 

司令の問いにハデスは答えた。

 

「撤退だ。」

 

そうハデスが言うと、司令は舌打ちしてイッサを睨みつけた後、その場から消えた。

 

「クソッ!逃げやがった!」

 

イッサがそう言って壁を力いっぱい蹴ると、平刃と礼先生が近づいて来た。

 

「坊主すごいなぁ!どれ?おっちゃんに名前教えてくれんか?」

 

平刃はそう言うが、礼先生とイッサは黙っていた。

 

「なんやおっちゃんに教えてくれないんか?」

 

平刃がそう言った後、俺は頂上からジャブラッドに乗せてもらい降りて来た。

 

ジャブラッドは俺を降ろした後小さくなり、俺の肩に乗った。

 

「…えっ!?イッサ!?どうしてここにいんだ!?」

 

俺はそう言うと、イッサは呆れながら答えた。

 

「心配でつけてたら、ちょうどお前が月軍の奴らに追われてるところ見て焦って来たんだよ。」

 

「そうなのか…司令とデュエルしてたのか?」

 

俺の質問にイッサはイラつきながら答えた。

 

「逃げられたが…サバト同様、手も足も出なかった…!」

 

俺とイッサの会話に、静かに平刃が割り込んできた。

 

「ワイも入れて欲しいんやけど…ええか?」

 

「アンタ誰?」

 

イッサの言葉を聞いた平刃は、ニヤリと笑って自己紹介をした。

 

「ワイは龍宮平刃や!よろしくなぁ!まぁ…もうワイは帰るんやけど。」

 

それを聞いたイッサは驚愕していた。

 

「はぁ!?って事はお前竜宮となんか関係ある奴なのか!?」

 

竜吾。

 

その名前を聞いた時、おちゃらけた平刃の雰囲気が歴戦の戦士の様に変わった。

 

「…坊主、色々聞きたいのはやまやなんやけど…一つ忠告させてくれや。」

 

「ガチのダチになる気無いんやったら竜吾に関わんなや。」

 

そう言うと、平刃は陽炎の様に姿を消した。

 

 

「行っちまったな。」

 

俺がそう言うと、礼先生が近寄って来て言った。

 

「さぁ、もう帰ろう…ここは居てはいけないみたいだからね。」

 

そうして、俺とイッサは礼先生と共に学園の方へ帰る事にした。

 

 

 

 

─リリスの部屋にて。

 

リリスは、1人ベッドで録音した俺の声を再生してつつ、自分の腕を見て…永遠と独り言を呟いていた。

 

「1人にならなきゃ…」

 

と、何度も繰り返し。

 

繰り返し…繰り返し…繰り返していた。

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