デュエルマスターズ darkness   作:deta豆

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第39話 交差する野望

ムラマサはカイザという人物を睨んでいた。

 

その時、竜吾が飛び出しカイザーの力を使いムラマサに攻撃を仕掛けた。

 

「死ね。」

 

そう言って竜吾はおびただしい量の炎をムラマサに放つ。

 

だが

 

その炎はみるみるうちに蒼く染まり、四散する。

 

ムラマサは無傷で変わらずカイザを睨みつけていた。

 

ムラマサが言う。その声は明らかに苛立っていたが、同時に動揺してもいた。

 

「何故ここに…邪魔をするな。」

 

 

そして、それを聞いたカイザという男は低い声で言う。

 

「…フッ、ムラマサだったか?」

 

「お前がどうしようが、お前自身の道を行けばいい。」

 

「だが私は私の愛と正義の元に、竜吾を助けた、それだけだ。」

 

「そして、お前が自分の道に本─」

 

だがカイザの言葉を遮るかのように、ムラマサが叫ぶ。

 

「黙れ!!!」

 

それを聞いたカイザは悲しそうな表情をした後に言う。

 

「…サバトはどうした。」

 

その時、轟音と共に住宅地の方からヴリドガルドに乗ったサバトがボロボロになりながら現れた。

 

そしてボロボロになりながら上手く応戦するファルゴとファルゴの後に隠れているボウイも現れた。

 

「まさかここまで強いとはな…ん?」

 

そう言ってカイザを見たサバトはデュエルを中断した。

 

「ファー!おいおい逃げんのかよ?」

 

そう言うファルゴの煽りは、サバトには耳に入っていない様だった。

 

次の瞬間、サバトはヴリドガルドを使いカイザに攻撃を仕掛ける。

 

「カイザぁぁぁぁぁ!!!!」

 

そう半ば半狂乱で叫びながらサバトはカイザに向かって触手を振るう。

 

だが、カイザは剣に炎を纏わせた。

 

その炎は熱い、だが赤と金であり、とても暖かかった。

 

その剣が、サバトを吹っ飛ばした。

 

ヴリドガルドは炎まみれになり一次的に消滅した。

 

そしてサバトは壁に叩きつけられ、血を吐き意識を失った。

 

「サバトッ!」

 

そう言ってムラマサは咄嗟にサバトに駆け寄って、抱きかかえた。

 

「…貴様…!」

 

ムラマサはカイザを睨見つけた後、刀で空間を斬りつけ亀裂を空け

 

そしてサバトを抱きかかえながら中へ入り逃亡した。

 

ファルゴとボウイはあっけにとられていた。

 

その時、竜吾が言う。

 

「…カイザお兄さん?」

 

その声はいつもの感じではなく、か細かった。

 

「あぁ、竜吾。」

 

「久しぶりだな。」

 

カイザという男はそう言って竜吾の目を見た。

 

その目は穏やかであり、いつものあの活発な感じが嘘のようであった。

 

それを、自身の燃えるような赤い目で見て、カイザという男が言う。

 

「…私はお前の夢は否定しない、お前が進みたい道なのであればな。」

 

「だが…」

 

カイザがふと何か言いかけた時、寮から突然人の騒ぎ声が聞こえてきた。

 

まるで止まっていた時間が動き始めたかのように。

 

それを聞いたカイザは少し考えた後に言う。

 

「…近い内に、月軍が大規模な何かを計画しているらしい。」

 

「奴らも一枚岩ではないからな。」

 

「そしてバベル社と言う者達、奴らもまた何か企んでいる。」

 

「…本当に気をつけてくれ。」

 

それだけ言うと、カイザという男は空間を剣で切りつけ裂け目を出現させた。

 

そしてその中へと入る、そして裂け目は消えて行った。

 

ファルゴと竜吾の傷は、いつの間にか消えていた。

 

恐らくカイザの力だろう。

 

 

そして、それと同時に複数名の足音が聞こえてきた。

 

「おい竜吾、大丈夫か?」

 

ボウイはそう言って竜吾に手を伸ばした。

 

「…ありがとう。」

 

その声は、太陽のようなものとは正反対で、とても優しく、そして寂しそうだった。

 

 

足音はすぐそばまで迫ってきていた。

 

「…あいつ…ムラマサは俺を殺す気なんてさらさら無かった…。」

 

竜吾はそう言って俯く。

 

「俺の両手を切ろうとしてた…殺す価値もないってことかよ…。」

 

竜吾はそう、静かに言った。

 

その時

 

十台ほどの輸送車が竜吾達の前に走って来て止まった。

 

そしてその後ろの扉が空けられ、武装した兵士たちが一斉に出てきた。

 

そしてその後ろには…

 

「龍文…!」

 

竜吾はそう言ってあの人物を睨見つけた。

 

「…やはりあの方の言うとおりだなぁ?」

 

「そこのしゃくれ顎とお前は記憶を保持してる様だな?」

 

龍文はそう言って手に持っていた薙刀をファルゴと竜吾、そしてボウイに向けた。

 

「一緒に来てもらうぞ。」

 

それを聞いたボウイは言う。

 

「な、なんだよ急に来て…!」

 

そしてボウイは後ろを見た。

 

傷が治ったとはいえ、竜吾とファルゴは疲れ切っていた。

 

「(…今戦えるのは僕しかいない…!)」

 

そう重い、ボウイはデッキを取り出した。

 

「真のデュエルでも、何でも受けてやる…ぼ、僕が相手だ!!」

 

それを見て龍文は鼻で笑って言う。

 

「やれ。」

 

そう言うと、兵士たちは3人に近づきスプレーのようなものを吹きかけた。

 

恐らく催眠ガスだろう。

 

「う、あぁ…」

 

そうして、ボウイ、ファルゴ、竜吾の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

その頃、零とイッサは住宅地を走り抜けていた。

 

「ホントにこっちで合ってるよなイッサ?」

 

零がそう言う。

 

「あぁ、間違い無い。」

 

イッサはそう言う。

 

その時、寮の方向からけたたましいエンジン音が聞こえた。

 

二人共、それを聞いて内心嫌な予感がしたのだろう。

 

走るスピードを上げようとした。

 

だがその時。

 

「待て。」

 

そう言う声が、上から聞こえた。

 

零達が上を見ると、エルボロムの肩に乗り、仮面のデュエリストが上から見下ろしていた。

 

「この先に行かせる訳にはいかない。」

 

そう言って仮面のデュエリストはエルボロムの方から降り、デッキを取り出した。

 

「…零、行け。」

 

イッサがそう言う。

 

「お前はあいつらを迎えにいけ。」

 

「…分かった。」

 

「こいつは光文明のデーモン・コマンドを使う、気をつけろよ。」

 

零はそう言って、走り去った。

 

 

 

 

そうして、同じ頃。

 

ムラマサは、サバトを抱え月軍の本拠地に戻ってきていた。

 

そこには、Wを連れたハデス

 

そして深刻な顔でモニターを見ているアカリ

 

更に、今さっき大急ぎで走ってきたと思われる雪が居た。

 

「…やられた、まさか帝が出てくるとは…。」

 

ムラマサがそうため息をついた。

 

それを見たハデスが言う。

 

「アカリの指示で行ったのか」

 

「にしても、龍一族の当主候補筆頭の1人が出てくるとは…。」

 

そして雪はムラマサに駆け寄り、言う。

 

「…お母さん…サバトさん大丈夫なの?」

 

声は静かだったが、とても震えていた。

 

「…わからない、サバトはとりあえず医務室に連れて行く。」

 

「私もすぐにでも…」

 

そういうムラマサに対し、ハデスは一括する。

 

「ダメだムラマサ、お前は体力を使い果たした。今は休め。」

 

それを聞いたムラマサは、舌打ちした後に部屋を出て行った。

 

「…全く、ムラマサとサバトは突然勝手に動く、ホワイトは暴れすぎる。」

 

「…アカリ、やらかしすぎだ。」

 

そう言うハデスに対し、アカリが言う。

 

「分かってる…だけど。」

 

「今しかない…」

 

「dm零が孤立してる。ここで倒す。」

 

「もしダメだったら、私総司令降りるから。」

 

それだけ言うと、アカリは背中にラルクメシアとメシアカリバーを背負い、去って行った。

 

「…おい、追わなくていいのかよ?」

 

そう言うホワイトに対して、ハデスは言う。

 

「…俺達には第6教団設立のための準備がある。」

 

「行くぞ。」

 

それを聞いた部屋に残っているホワイトと雪は、黙ってハデスについて行った。

 

 

 

…そして、少し前

 

最上川家の別荘の一室にて、リリスは布団のなかでうずくまっていた。

 

両手には黒い手袋、身体は震えており、目は強く閉じられている。

 

 

その時、ふとノック家のチャイムが鳴った。

 

そとから『おーい』と声が聞こえる。

 

恐る恐る、リリスが窓を見ると、三浦が居た。

 

誰かが家の鍵を開けた。

 

三浦はお邪魔しますと言った後、階段を登る音が聞こえ、恐らく三浦がリリスの部屋をノックする。

 

リリスは焦って隠れようとした、リリスの手はズキズキと痛んでいた。

 

黒いゴム手袋の下から、血が滴り落ちる。

 

コポコポと言う擬音が鳴る。

 

扉がノックされる。

 

「リリス先輩?居ますか?」

 

リリスは黙っていた。

 

三浦はドアを開け中に入ってくる。

 

「えっ、ち、血!?大丈夫ですかリリス先輩!?」

 

リリスは部屋の隅でうずくまっていた。

 

三浦が近づいてくる。

 

「来ないで…」

 

か細い声で言うが、三浦には聞こえない。

 

「こ…ないで…」

 

2度言うが、何も無い。

 

「大丈夫ですよリリス先輩、救急車を呼びました。」

 

「後は僕がベッドに移動させてあげますから…」

 

そうして三浦の手がリリスに伸ばされる。

 

「来るなぁぁぁ!!!!」

 

 

手袋が裂け、何かが動く。

 

次の瞬間、三浦の上半身は完全に消滅していた。

 

残った下半身からは血があふれ出している。

 

「あ…」

 

リリスは死にそうな声で言う。

 

「あーあ、リリスちゃん、やっちゃったわね?」

 

物影から突然、バロムが現れそう言った。

 

「これじゃあ、皆んなリリスちゃんを怖がっちゃうわね?」

 

「零くんも?」

 

バロムがそういうと、リリスが目を見開く。

 

その動向は縦長だった。

 

「私…どうしたらいいのか…分かるの…?」

 

それを聞いたバロムはニヤリと笑って言う。

 

「貴方の望む様になれるわ。」

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