デュエルマスターズ darkness   作:deta豆

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第4話 デュエマ部

「なぁボウイ、あの人について知ってるか?」

 

零がボウイに入ってきた生徒について聞くと、ボウイは快く答えてくれた。

 

「最上川イッサさん…お前が上がるまで1位だった人で…めちゃくちゃ強い…。」

 

「ありがとう…なるほどなぁ?」

 

零がそういっている間に、イッサとリリスが話し合っていた。

 

「何しに来たの?」

 

リリスが軽くそう聞くとイッサは真顔で答えた。

 

「デュエマ部に入部しに来た。」

 

だが、それを聞いたリリスは少し不思議そうな表情をしてイッサに問いを投げかけた。

 

「あれ?イッサって軽音じゃなかった?」

 

「辞めてきた。」

 

そう答えたイッサの表情はどこか暗かった。

 

 

 

そう言うと、イッサは零の方に近いて来た。

 

「お前が零だな?」

 

「あぁ、入部希望なら俺の手を握って握手をしてくれ。」

 

それを聞いたイッサは、零の手を握った。

 

「よろしくな。」

 

そう言う零を見たイッサはニヤリと笑った。

 

「あぁ、俺とファルゴ入部でよろしく頼む。」

 

イッサの言葉を聞いたファルゴは瞬時に零とイッサの間に割って入ってきた。

 

「お、おいイッサ!勝手に何言ってやがる!?」

 

「あれ?ファルゴ入んないのか?」

 

イッサがそう言うと、ファルゴは少し考えた後に零の手を握っり握手を交わした。

 

「決まりだな。」

 

そう言った零を見たイッサは、ふとリリスの方を見た。

 

「リリス、お前はどうする?」

 

「まぁ、入ろうかな?」

 

そう言って、リリスは零の手を握った。

 

「零、改めてよろしくね?」

 

リリスはイッサを見てニヤリと笑った。

 

そうして、イッサ、ファルゴ、リリスの3人が入部を希望したのを見て、ボウイはあからさまに動揺していた。

 

「ファルゴさん!?リリス!?イッサさん!?な、なんで…!?」

 

「(校内の大物が…こんな…こんな一片に…?)」

 

ボウイは何故か唖然としていた。

 

「ボウイ、一緒に来ないか?」

 

零の言葉を聞いたボウイはふと我に帰ると苛立ちながらも零の手を取った。

 

「あ"あ"!もう分かったよ!入る!」

 

「お前が来てくれるなら安泰だなボウイ!」

 

零はそう言って部長らしく皆の前に立った。

 

「それじゃあ早速部室に…。」

 

零が声を出そうとしたその時、扉が開いた、そこには教頭の矢奈先生が立っていた。

 

「皆さーん部活の話するのは良いけど授業してくださーい。」

 

そう言われた零達は、放課後に部室で待ち合わせる約束をした後に教室へ戻った。

 

 

そうして放課後、俺達は4-4教室で再度会った。

 

 

「よう、待たせたな。」

 

零が来た時には既に零以外のメンバーが揃っていた。

 

「揃った様だな。」

 

イッサがそう言うと、リリスが中を覗いた。

 

「どうする?中がらがらだけど…。」

 

その時、ファルゴが口を開いた。

 

「こんな事もあろうかと!机や椅子を持ってきておいたぜ!」

 

そう言って、ファルゴは隣の教室を指差した。

 

そこにはそこそこな量の机と椅子、更にタンスやホワイトボードなどといったさまざまな物が置いてあった。

 

「おおおおおお!!!じゃあこれセットしようぜ?」

 

零がそう言った時、後ろから足音が聞こえた。

 

「いや、それに関しては我々がやるので大丈夫です。」

 

気が付くと零達の後ろにはレルム副風紀委員長が居た。

 

「レルムちゃん!」

 

リリスを見て、レルムは誇らしげに少し笑った。

 

「風紀委員長、我々にお任せください。」

 

そう言うと、レルムの後ろから風紀委員会のメンバーと思われる生徒がぞろぞろと集まって来た。

 

「はい、お任せくださいリリス様。」

 

「我々が準備をいたします。」

 

そう言って、数人の風紀委員の生徒達が運ぶのを手伝ってくれた。

 

「あぁ、頼んだ。」

 

「じゃあ、僕は優雅に一人回しでも…」

 

そう言うイッサとボウイを見て、零とファルゴは声をかけた。

 

「お前ら何言ってんだ?俺達も手伝うぞ。」

 

「ファーッ!レディに任せてる様じゃあこのファルゴ様のメンツが立たないからなぁ!」

 

それを聞いたリリスも頷いた。

 

「そうだよ!皆んなだけに任せるのは悪いし…。」

 

それを見たイッサは驚いた様にリリスの方を見て立ち上がり、隣の教室に入って行った。

 

それに続き、ボウイも焦って立ち上がり、手伝い始めた。

 

 

 

 

「おい零、タンスはこの入り口の辺りでいいか?」

 

零はファルゴの質問に頷いた。

 

「部長、これ壁に掛けてもいいか?」

 

そう言ってイッサは『水ノ華』と書いた掛け軸を俺に見せてきた。

 

「お前ら飾るもんがあっていいなぁ!どんどん飾ってけよ?」

 

その時、ふとリリスとボウイがそれぞれ別々の場所でボーッとしているのが目に入った

 

「…お前ら2人はなんか…置きたい物無いのか?」

 

「私は大丈夫!」

 

零の問いにリリスそう言ったが、ボウイは黙っていた。

 

しばらくして、ボウイが口を開いた。

 

「僕は置く物無いしいいかな…。」

 

 

 

 

〜数時間後〜

 

「部室が完成したなぁ!」

 

ファルゴはそう言って高らかに笑った。

 

「…なんか余分に席多くないか?」

 

ボウイはそう言って困惑しながら零に聞いてきた。

 

「新入部員とかも居るかもしれんしな、席は多ければ多い方が良い!」

 

それを聞いたボウイは少し首を傾げたが、納得した様だった。

 

「…」

 

「どうしたイッサ?」

 

イッサ「いや…リリス…あんな明るかったか?」

 

「風紀委員長も青春してるんじゃねぇか?」

 

ファルゴはそう言ってイッサの肩を叩いた。

 

「そうだったらいいんだが…。」

 

そう言うイッサを見たファルゴがふと口を開いた。

 

「お前も彼女と上手くやれてるかー?」

 

それを聞いたイッサは瞬時にファルゴの肩を押した。

 

「や、やめろって…!」

 

「ファーッ!まあ"まだ"黙っといてやるぜ。」

 

 

 

 

「風紀委員の人達にも色々世話になったし、ジュースでも買ってやろうか?」

 

そう言う俺を意に介さず、レルムは黙って風紀委員の生徒達を連れて帰って行った。

 

 

 

「じゃあ、解散!」

 

そう言って、皆散り散りになった。

 

 

 

 

そうして帰り道、また…零は1人になった。

 

「もう出て来て良いぞ。」

 

零がそう言って零のリュックサックを叩くと、ジャブラッドがあくびをしながら出てきた。

 

「はぁ、お前と出会った日も、こんな感じの星空だったな。」

 

そう言って、零は空を見上げた。

 

「もう4年以上前なんだよな…俺がお前と契約したの。」

 

零がそう言うと、ジャブラッドはケタケタと笑った後に零に問を投げかけてきた。

 

「そう言えば、お前が俺に言った『過去の記憶を取り戻したい』って願い…まだなのか?」

 

「いや…正直…もう過去とかどうでもいいかなって。」

 

零の答えを聞いたジャブラッドは少し黙った後に『そうか。』と一言だけ呟いた後、俺と一緒に帰り道を進み始めた。

 

 

 

しばらく、零とジャブラッドは歩いていた。

 

「今日集まったメンバーに契約者、居たか?」

 

零がジャブラッドにそう聞くと、ジャブラッドはニヤリと笑って答えてくれた。

 

「あぁ、2人な。」

 

「1人はボウイだろ?」

 

零がそう言うと、ジャブラッドは頷いた。

 

「そうだ、だがあいつはなぁ…結構ややこしいんだよ…なんか願ったのは分かるんだがいまいち掴めないと言うか…。」

 

 

「そして、2人目は最上川イッサ、ありゃやばいの付いてるぜ。」

 

そうやって話していると、ふと踏切の前で足が止まった。

 

なぜなら、踏み切りが閉じたからだ。

 

そんな当たり前の事を思いながら、俺は暇だから空に出てきた月を見つめた…今日の月は、不思議と綺麗に見えた。

 

「月か…なんか早いな…。」

 

そんな会話をしていると、向こうから誰かが歩いて来た。

 

「やば、隠れとけ。」

 

俺はそう言ってジャブラッドをリュックサックにぶち込むと、ふと前を見た。

 

向こうから歩いて来たのは、丁度俺と同年代ぐらいの女子高生だった。その子は、綺礼な白く長い髪と、こちらを見通す様な朱い眼を持って居た。俺は不思議と、その女性に見覚えがあった。

 

「(あの子…どっかで会った事あったっけ…?にしても綺麗な子だな…うちの高校の生徒か?)」

 

俺がそんなことを考えていると、踏み切りが開いた。

 

俺とその子はすれ違った─その刹那、俺の耳元に誰かが囁いた。

 

「…忘れないで─私のことを─」

 

その言葉を聞いた瞬間、俺は思わず後ろを振り向いたが、そこには街頭に照らされた道と、虚しく夜空を照らす月だけだった。

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