全身痛てぇ·····なんかこんな起き方前もしたな·····目を覚ますと保健室。凄い速度で出戻りしちゃったな
「あ、目ぇ覚めた」
「目、覚めたんや!よかったぁ!」
「おつかれー!優勝おめでとう!」
「優勝おめでとうございますわ!」
「ケロ、身体はもう大丈夫?」
響香たちがお見舞いに来てくれていた。どうやら表彰式とHRは終わったらしく、聞けばオールマイトはグダグダだわ、1位の私は居ないわ2位の爆豪は黙りこくってロクなコメント残さないわで中々地獄だったらしいクソッ、見たかったな·····まぁでもどうせネットに上がってるか。
「ああ、大丈夫だ。心配かけたな」
スマホには男子達の心配の連絡もきてるし無茶した自覚はあるけど相当ヤバイ倒れ方したんだろうなぁ·····
「ほら!目が覚めたんならさっさと帰りな!身体ゆっくり休めるんだよ!」
明日明後日は休校で休み明けにプロからの指名やら何やらを発表するらしい。とりあえずゆっくり休もう。このまま本当は打ち上げと洒落こみたい気持はあるが、皆は家族と過したりするだろうし、疲れもちゃんと抜きたいからな。私達は早々に帰路について別れた。
·····しかし優勝か
·····ゆうしょう
·····ふ·····ふふふふふふふ
「よっしゃ!!」
いやぁ流石に嬉しいな。うん
柄にもなくガッツポーズしてしまった。ふふっ、この興奮で軋む身体もなんのそのだ。いや、流石に嘘ついた早急にカロリーを補給しないとぶっ倒れそうだ。
「二郎でもカチ込むか?明日休みだし全然ありだな·····近所の所は麺1kgまで増量無料なのはアチぃからな·····」
ということで今晩の飯は大豚ダブルの麺1kg。無論全部マシマシだ。今日はご褒美に食後のデザートにパフェまで食べてしまった·····うーん優勝も含めて人生最高の日だな。明日は1日ダラダラ過ごそう。そうしよう
ホクホクの気持ちで家に帰るとふと違和感に気付く。ドアが空いてる·····?泥棒か?カロリー補充も十分だ。ぶん殴ってやると思いドアを開ければそこには
「あらおかえりなさい。優勝おめでとうお祝いにケーキ買ってきたわよ」などとほざきやがる。クソッ良い気分がマジで台無しだ
咄嗟に殴りかかりそうになるが、雄英襲撃の時の敗北ぶりとこのアパートの事を思い、1度冷静になりながら問いかける
「·····んの用だクソアマ、マスキュラー」
「もう!パパとママ、でしょう?」
ぷりぷりと頬を膨らませ怒る姿はいわゆる男ウケ間違いなしなあざとさを含むが本性を知ってる身からすれば寒気と殺意しか覚えない。
「チッ」
「やぁん強斗ぉ娘が反抗期ぃママショックぅ」
などと猫撫で声でマスキュラーに縋り付く。いい加減にしろよ
「マジでなんの用だ帰れよウゼェなぁ!?鼻腔で物喋んなその鼻へし折るぞ。娘だとか私のためを思ってだとか言うならもう寝かせろ」
「いけずぅ本当にお祝いに来ただけだよ。娘の晴れ舞台だったものね?カッコ良かったわよ?強い個性に産んであげた甲斐があるってモノよね♪さすが最高傑作よね!」
「ハッ!あんな温ぃお遊び興味ねーよ。俺は
「·····そうかよ。じゃあもういいな二度と来るな。タダでさえ
「その時は·····大人しくママのところ来たら?」
「俺ァお前がヒーローの方が無条件で襲えて良いけどな!!」
「死ね」
マジでため息が出る。いよいよ私の堪忍袋の緒が切れそうな事を見た
「わかったわよ……じゃあもう帰るわよケーキは冷蔵庫にあるから食べてね?アンタ好きだったわよねオレンジジャムのチョコケーキ。また今度お茶しましょ?チャオ〜♪」
「じゃあな愛娘。今度は最後まで殺し合おうぜ!」
「どっちもごめんだクソボケ」
中指を立てて見送ったあとで冷蔵庫を開ける。そこには言っていた通りのマーマレードが挟まれたチョコケーキが皿に乗っていた。それを無造作にゴミ箱に放り込む
「……………私はチョコケーキが嫌いだよクソが」
生まれてこの方あの女をマトモな親だと思った事は無かった。だから別に期待なんかしてないし今更悲しくなるとかそういうおセンチ気取ることはない。とは言えムカつくものはムカつくのだ。昔ケーキを食べに行ってチョコケーキを私が注文したのは事実(そのケーキがどうにも不味くて嫌いになった)とかいうムダに芸術点の高い毒親ムーブをかまされた事や、その事自体は普段は出かけてなんてくれなかった母親との思い出として確かに自分の中にはある事、せっかく気分が良かったのも合わさって本気で最悪だ。
こんな日は誰でもいいから殺したくなる。この衝動もマスキュラーとの血の繋がりを嫌でも感じざるを得なくなってまたストレスが溜まってドツボにハマっていく。
湧き上がる衝動を無視するかのように私は眠りについた。
強骨の母親。外見は10代前半の見た目をした山羊の角を持つ女性。昔から外見が変わっていないらしい。
個性:強化出産
文字通り父親の個性をさらに強化して子に与える個性。ある程度指向性を持たせることすら可能。彼女はこの個性を使いあらゆる業界に太いパイプを持ち悠々自適に暮らしている。