今日のヒーロー基礎学は災害救助訓練である。特別な場所で行われる為バス移動だ。雄英、相変わらずスケールのデカさを叩きつけてくるな·····
学生らしくバス移動中は賑やかで雑談に花が咲く
「やっぱり個性の派手さで言ったら爆豪と轟、そんでもって強骨だよな!特に強骨は筋肉を纏えば纏うだけ強くなる派手だし男らしいぜ!!」
「強骨は女の子でしょ」
「確かに!ていうか強骨は最早ジェネリックオールマイトだもんな」
「俺なんか硬くなるだけなんというか、ちょっと地味だよなぁー」
「私がジェネリックオールマイト?瀬呂、嬉しいが私程度では足元にも及ばんだろ」
いや、これは謙遜ではなくガチで。少なくとも今の私ではオールマイトにダメージらしいダメージを与えそうな手段はあってもぶち込める手段がない。これでは戦えるとは言わないし、ましてやジェネリックオールマイトなど夢のまた夢だ。そう話していると緑谷へと梅雨ちゃんが話しかける
「ケロ、オールマイトで思い出したのだけれど緑谷ちゃん貴方の個性オールマイトに似てるわね」
「えぇ!?そ、そ、そ、そんな事ないよ!!」
「そうだぜ梅雨ちゃんオールマイトは腕壊さないだろ似て非なるアレだぜ!」
切島がそう否定するが私は普通に梅雨ちゃんに同意する。何故なら個性は身体能力の延長線にある。つまりリミッターを設けずにぶっぱなしたら身体がパワーを受け止めきれないに決まっている。なぜ分かるかって?私も同じだからな。身体に収まりきらない筋繊維、盛れば盛るほど筋肉で身体が溢れ、より俊敏により堅牢により剛力になる·····がやはり限界が来れば私の骨を引き潰してしまうだろう。まぁ私は骨も個性で強化できる故にその弱点をカヴァーできるのだ。まぁ、本人が下手だろうと否定してるのだから深くは追求すまいよ。
そんなこんなと談笑していればあっという間に目的に着く·····なんかイヤにテーマパークじみてるな??USJかよ
呆けていると宇宙服のコスチュームに身を包む教師、ヒーロー、13号が出迎えてくれた
「皆さんようこそ!ここはありとあらゆる災害のシチュエーションが人口で用意されている訓練所U(ウソの)S(災害や)J(事故ルーム)です!」
USJだったわ。いいのか?まぁ略称なら良いのか·····授業の本格開始前に、13号先生が前に出て話を始めた。人を簡単に殺せる行き過ぎた個性·····思い当たる節しかないね。この血に流れ私の力となっているこの
そして授業の説明に移るその時
悪意が
溢れ出す
「オールマイトが居なくないか?子供を殺せば来るのかな??」
中心の広場に広がる黒いモヤ、そしてその中から無数のチンピラ然とした男女がワラワラと出てくる。その中でも明らかにヤバげな雰囲気を纏う黒い大男と手だらけの痩せた男
「ん?なんだアレ前見たくもう始まってるってアレか?」
呑気な切島の声に相澤先生の鋭い声が轟く。
「全員ひと塊になって動くな!!アレは
そう言って相澤先生、イレイザーヘッドは駆け出す。
カモが来たとニヤリと笑うチンピラの個性を消してそのまま蹴り飛ばす。13号が声を張り避難を促すが、しかしその無双劇に目を奪われていたクラスメイト達は一呼吸遅れてしまう。
「させませんよ」
後ろには先程の黒いモヤ中には光る眼があるためそれが異形系の個性を持つ人間だということが分かった。
「始めまして、私は黒霧。そして我々は
「しかし肝心のオールマイトが見当たらない。何か変更があったのでしょうか?まぁ良いでしょう。あぁ、それと」
黒霧は私に顔を向け
「今筋強骨さん。お父様がお越しですよ」
「は?」
「なぁにくっちゃべってんだァ!?舐めてんのか死ね!」
「俺も行くぜ!!オラァ!」
「ハッ!これが金の卵ってか!?笑えるな!!」
「増援か?一緒に殺したるわ!?ぐァっ!?」
「爆豪!?ごはっ!?」
「2人とも!!くっ!!」
私が呆けた瞬間に切島と爆豪が飛び出すが、黒霧の中から飛び出した何者かに吹き飛ばされ、13号共々地面を転がる。
そして溢れ出す筋繊維を体内に納め、私に笑いかけるその男私の父親、血狂いマスキュラー
「よォ愛娘、授業参観に来てやったぜ」
「願い下げだわボケ親父」
「そいつァ·····嫌われたもんだ·····なァ!?!!!!」
マスキュラーはそう言って筋肉を纏っての爆発的踏み込み。ラリアットの要領で私を吹っ飛ばす。緑谷含め何人かが助けようと身をだすがそれより早く黒霧に包まれて行ってしまった。
意識を数瞬しか向けられなかったからそれ以上の事は分からなかった。そのまま私が叩きつけられたのは、倒壊した街並が並ぶ場所だった。
「ここのエリアには誰も飛ばさねぇように言ってんだ!!親子水入らずで楽しもうぜ!!って事で血を見せろ!愛娘ェ!!」
「血ィ見んのはテメェだバァァァァカ!!!」
「ブグァ!?」
叩きつけられた私に頭をそのままストンピングしようと降ってくるマスキュラー。最大まで引き付けた所で、ハンドスプリングのように跳ね上がり、顔面に両足でカウンターキックを叩き込む。渾身の入り方をしたが、そこそこのダメージしか入っていない。クソが、お前自身の運動エネルギーと合わせたら普通は首をちぎり飛ばせたレベルだったろうが!化け物め! マスキュラーはゴキゴキと首を鳴らしながらくつくつと笑う。
「イテェじゃねぇか!しっかしよォデカくなったよなえぇ?強骨最後に会った時は俺にかすり傷ひとつつけらん無かったのになぁ?あの時殺さなくて正解だったぜ!楽しいなァ!?」
「クソイカレポンチが·····しかしそうだな久しぶりだな?お前も見ない間に随分愉快な顔になったじゃないか?なぁ親父」
トントンと顔周りの傷を嘲るように挑発してやるが「良いだろ?コレ、2年前にヒーローに付けられたんだよ楽しかったぜ」とか抜かしやがる。皮肉にも気付けねぇのかド低脳が。親がアホだと苦労するぜ全く·····と·····まあ愚痴ってみたもののマジでどうするかな。いや、どうするもこうするも無い。やれるだけやるだけだ。
「じゃあ·····殺し合いの続きと行こうぜ!強骨ゥ!!」
お互いに全身を強化しての殴打殴打殴打殴打殴打!!骨も強化している分肩の回転力は私の方が上·····なのだがヤロウ、全く食らって無い。連打の嵐を受けても全て筋肉の堅牢な壁に阻まれている気がしてならない。一方、マスキュラーの打撃は殴られる度に私の身体の軸が思いっきりブレる。力のまま四方八方に振り回されている。ダメージこそ今は大したことがないものの、ガードを崩されッ!!しまった!!!ガードをかちあげられた!!
「ラッシュがなってねぇなぁ強骨!?ラッシュてぇのは一発一発殺意を込めて!芯を抉り混む様に!!こうやって打つんだよ!!!」
「ぶっ!?がっ!?ゴホッ!?ガハッ!!」
マスキュラーはそのまま凄まじい勢いで私にラッシュを叩き込む!クソッマジで死ぬっ!?とにかく距離を·····ッ!?
「そうだよなァ!?一旦逃げてぇもんな!!けどダメだ!潰れとけェ!!!」
「がぁぁぁ!!??」
距離を離そうと垂直蹴りを放つが、読まれてそのまま足首を捕まれて力任せに握り潰された!!クッッソ痛え!けど骨が潰されても私にはそこまで痛手じゃない!!しかしそのままぶん回されて何度もビルの支柱に叩きつけられ、床に転がった所をそのままアームハンマーを振り下ろされてビルの地下階をぶち抜いて地下鉄に叩き落とされた
「どうしたァ!?もう終わりかよ!お前は俺の上位互換だろうが!もっと遊ばせてくれよ!!」
「クソッ·····マジで·····ヤバ·····死ぬ·····クソ親父め·····」
筋肉と骨でガードをしたから内臓炸裂だけは免れたとはいえ·····正直今すぐ痛みでのたうち回りたいくらいだ·····だが少しだけ離れる事が出来た。今すぐ体制を立て直さないと·····!背骨の骨折、全身のヒビと足首の粉砕骨折を何とか回復しないとな。私は地下鉄の線路を伝って電車の傍に身を隠し、無理やり筋肉で骨片を身体の外へひり出して、不足箇所を骨を増強して埋め何とか動ける程度まで回復させた。とはいえこのままだとジリ貧、先生方の増援が確実で無い以上、ここで勝ち切るしか生き残る方法は無い。
だがどうする?今の戦法は尽く通用しない。試していない物が幾つかあるが、どれもこれも隙の大きさ、効果の不透明さ、発動後のリスク。授業ならまだしも、実戦投入には遠く及ばない。ならどうする!?クソ親父はすぐ側に近付いてきている·····方法は1つしかない。私の脳裏にあるのはオールマイトの一撃、デトロイト・スマッシュ。私に通用する攻撃がクソ親父に通用しないわけが無い。そう、一撃だ。一瞬の隙を作り、ワンパンでアイツを沈める。できる出来ないじゃない、やるんだやらなきゃ死ぬそれだけだ。覚悟はとうにできている
今の私に出来る最大限の膨張率で筋肉を肩から腕にかけて集中させる。これでは足りないし、こんな大ぶり当たらない。だから、さらに圧縮する。バンテージで抑え込むように筋肉の上から筋繊維を巻き付け引き絞り圧縮、そして骨もそれに比例させるように密度を高めてゆく。少しでも力めば破裂しそうな程に限界値まで筋肉を圧縮してしまい込み、普段と変わらないシルエットにまで抑え込む。
そして準備が整った私は親父の前に姿を現した。
「何だよ、まだ生きてんじゃねぇかよならさっさとかかって来いよ!」
「あぁ、そうさせてもらうよっ!!!」
私は電車を蹴り飛ばしてクソ親父に猛スピードでぶつけた。だが奴は易々と電車を受け止め、ひしゃげさせ笑う
「この程度じゃ殴った方が強いんじゃねぇか!?」
だがそれは目眩しだよ!!
「あぁ私もそう思うよ。だから」
私は懐に潜り込み、腹に渾身の一撃を解き放つ。
「血ぃ見ろや!!!!クソ親父ィィィィ!!!!!」
放たれた一撃はクソ親父の全力の防御を完全突破することは叶わなかった。けれど、何故か私の一撃は膨大な電撃を纏い、全身を丸焦げにし、奴の意識を刈り取った·····と思っていた。だが奴は満身創痍ではあるものの何と立ち上がりやがった!!もう私は欠片も戦う力を持ち合わせていない。口すらきく力も残ってない。
「〜〜〜〜っってぇ!!!マジか!!凄かったなオイ!アイツはそんな事も出来るようにしたのか!?ヤベェな!!」
「·····」
「けど、俺の方が強かったな。だからお前を今から殺すぞ強骨!楽しかったぜ!!」
マスキュラーの父親の手が私の頭に迫る。あぁクソ、死ぬのか。掠れゆく意識の中でクソ親父の背後から黒霧のモヤが広がった
「そこまでですマスキュラー、ゲームオーバーです。帰りますよ」
「あ?コイツ殺すから待て。邪魔するならお前も殺るぞ」
「いえ、今は彼女を見逃していただきます。これは先生からの、そしてリリス様からのご要望です」
「チッ·····あークソ、まぁ楽しみが増えたと思ったら良いか。良かったな強骨。次会う時までにはさらに強くなって最高の殺し合いをしような!!」
そう消えてゆくクソ親父と黒霧を見届け私の意識は暗闇へと落ちていった。
2人が戦っていたのはUSJ倒壊エリア。本来ここに飛ばされるはずだった爆豪切島くんは他のところに飛ばされました。