さて、体育祭当日だ。入場までの待ち時間私は控え室で頭をうんうんと悩ませる。性格終わりのボンバーマンくんに変わり私が開会の挨拶を行う事になった訳だが·····苦手なんだよなぁ挨拶とか。正直面倒なんだがわざわざ頼まれたのだ。
さすがに断るのは気が引ける·····というか爆豪に丸投げしたらロクなことにならないのは私にもわかる。
何?当日までに考えてなかったのかって?そんな暇は欠片も無かった。新しい技の制御とトレーニングに明け暮れていたからな。そもそも挨拶なんぞアドリブで大丈夫だろうまぁ、ある程度方向性くらいは決めておこうとこうして必死に頭を回しているのだが·····つかさっきからうるせぇな??何やら轟と爆豪がまた揉めながらこちらへ来た。
まったく、人がせっせと頭を回しているところを·····誰のせいだと思ってるんだ。私は「迷惑です」オーラ全開で2人を睨め付ける。
「それで?人の考え事を邪魔してまで必要な用事なんだろうな?轟、爆豪。そうじゃなかったら覚悟しろよ」
「アァ!?余裕こいてんじゃねぇぞ強骨!」
「ハァ·····爆豪、これは余裕とかじゃなくて普通にウンザリしてる人間の顔だボケ。誰のせいで今頭悩ませてると思ってる。ちゃんと相手して欲しけりゃ相応の態度でこい。それで?轟お前は?」
「チッ!!!」
「·····いや邪魔して悪かった。けどお前にも「あの時の授業じゃ遅れを取ったが次は勝つ·····か?」ああ、そうだ」
「炎も使わずにか?ハッ笑わせんなよそんなクソの役にも立たないプライド引っ提げてるようじゃ無理だろ。舐めんな」
「何だと?お前に「知らん。興味もない。だが炎も使わなきゃお前は私にも爆豪にも勝てないそれだけだ」ッ!」
「もういいか?あと5分くらいで入場だろ私は行くからな」
そう言って私は入場口に向かう·····ちょっと言いすぎたか?まぁいいか。
アナウンスと共に競技場へ入場する。まぁ、あんな事件の後だしな。当然注目を集めるのは私達A組だ。それをさらにプレゼントマイクが煽る煽る。おいおい、一言喋る事に後ろからの負のオーラが凄いんだがな。まぁその程度でパフォーマンスの落ちる奴はA組には居ない。何人かアガってる奴は居るようだがな。
「選手宣誓!A組代表今筋強骨!」
そして私の名前がミッドナイト先生に呼ばれ、壇上の前に立つ。ところで今更も今更なんだが、18禁ヒーローは高校の学舎に居ていい存在なのか??というかコレ地上波生中継もされてるんだろう?まぁ、いいか·····
「宣誓。私たち選手一同は雄英の歴史に名を刻む偉大なヒーロー達の名に恥じる事ないよう、正々堂々闘い抜くことを誓います」
んー·····我ながらなんと面白みの無いことか。私は模範解答を考える事は出来るんだが、なんかもうちょい捻りが欲しいんだよな·····すこし「かます」か。
「それはそれとして」
私は全身の筋肉を体内の範疇で隆起させ体躯をふた回り膨張させて全員を見下ろし手を広げてニィと嗤う。どちらが挑戦者なのか解らせるように
「勝つのは私だ。お前ら全員真っ向からねじ伏せてやる」
数瞬の沈黙の後、異口同音にA組以外が全員が叫ぶ
「「「「「「上等だオラァァ!!!!!」」」」」」
荒れすさぶブーイングの嵐
溜息を吐く相澤先生
「やりやがったこいつ·····!」と呆れた空気のA組
うーん、カオス。まあ、殺る気マシマシで来る分には結構だ
ミッドナイト先生が続ける
「やる気があるのは結構!早速第一種目の発表よ!所謂予選!毎年ここで多くの者が涙を飲むわ!!さて運命の第一種目!!今年は障害物競走!!コースはスタジアムの外周約4km!様々な障害があなた達を襲うわ!そして!なんと言ってもこの競技の特徴は自由!コースさえ守ればなんでもありよ!さぁ!位置につきまくりなさい!」
さぁやろうか。
「位置について·····スタート!!!」
瞬時に冷気が大気を漂い地面が凍る。元々ギチギチの狭いスタート位置だかなりの人数が足止めを食らう。まぁそれは無論読めている。私以外ももちろん、A組は全員が回避した。轟としてもA組を足止めしようとなんて思ってないだろう。目的はその他大勢の足止め轟の大規模凍結を初見で回避するのはかなり厳しいだろう。それでもB組もそれなりに抜けてきているようだ。だが
「ぶっちぎれば問題無い·····なっ!!」
私は脚を強化し全力疾走している。轟、爆豪、と並びトップだ
そしてそろそろ第一関門が見えてくる。アレは試験の0ポイントロボか·····
『第一関門ロボインフェルノ!最初にたどり着いたのは轟、爆豪、今筋だァ!開始早々デッドヒート!ここで差がつくか!?』
プレゼントマイクが盛り上げてくれている所悪いが瞬殺だ。
「相手にもならんな。邪魔だ鉄クズ」
0ポイントロボにシャイニングウィザードを叩き込み砕く。隣では爆豪はスルー、轟は凍らせて後方に倒していた。私は倒れゆくロボットを踏み台にさらに加速跳躍する。
『今筋が流れるように加速!一気にトップに躍り出る!轟、爆豪も迫る迫る!』
「お先」
「待てやァ!!!」
「チッ!」
トップを保ちつつ走っていると次の障害物エリアが見えてきた。ザ・フォール·····崖を綱渡りか。よし、ここいらで妨害してやろう。両腕を極端に肥大化させ、両手の拳を思いっきり崖際に叩き付ける!その反動で次の足場に跳躍、これを繰り返し私が通った足場を次々なぎ倒していく。
『ここで今筋の強烈な破壊工作が炸裂ゥ!これは後続にかなりの圧がかかるぜ!』
『空中を飛ぶ爆豪はともかく最短でついて行くとなると轟は推進力にのみ使用していた氷を足場形成にも割かなければ行けなくなる。必要な出力が段違いだこれはキツイぞ』
あとは駆け抜けるだけだ。スロースターターの爆豪とこれ以上競り合いたくないからな。私は一気に全身に筋肉を纏い圧縮して空気抵抗がないようなアスリート体型の細身へと変え、さらに加速する。最後の障害物は·····なんだあれ、地雷か??なら逆にこうだ!!
『最終関門!怒りのアフガン!!よく見りゃわかるからって嘘だろ今筋!地雷の爆風をものともせず進む進む!!ヤベーなオイ!!殺傷力はほとんど無いったって音も爆風の衝撃も本物だぜ!』
『アイツの筋肉の鎧なら確かに無視できる。普通なら後続に道を与えるリスクのある選択だが今1番近くで競り合っているのは空中の移動手段のある爆豪だ。それならこのまま走り切る、悪くない選択だ』
巨大なマッシブ体系へと瞬時にシフトし、爆風をフルシカトで突き進む。それを僅差で追いかける爆豪さらに続く轟。
その時
BOOOOON!!!!!と後方で大爆発が起こった。爆豪にしてはいささか後ろが過ぎる。そう思っていると恐らくロボットの装甲を板替わりに凄まじい速度で私達の前を通り過ぎる緑谷·····ハハッ!!まじかアイツ!!さらに再加速する気か!?
そのまま再度爆風に飲まれながら私、爆豪、轟、緑谷が競り合い、そして
『ゴーーーーール!!!スゲーな1年!気になる順位は残りの定員がゴールした後ビデオ判定で決定するぜ!』
そして最終的な順位は
1位緑谷
完全同率2位私、爆豪
3位轟
の順番となった。うん·····なんだ。柄にもなく悔しいな。こう言ってはなんだが、欠片も眼中に無かった緑谷に出し抜かれるとはな·····まだまだ油断も慢心もあったってことだ。我ながら情けないな。さて、次の競技だ。切り替えていこう
同時刻観客席
金髪のガタイの良い男と黒髪の10代前半のように見える山羊の角を生やした少女が並び観戦している。注目しているのは今筋強骨だ。
「ハッハッハ!まだまだ甘ェな!」
「でも強骨だって頑張ってたじゃない?笑うのは可哀想よでもまぁ確かにあの子はあんなもんじゃ無いわよね?」
「当たり前だろ『筋肉増強』を持つ俺とお前が作ったガキなんだからよ!もう一度暴れたらいい線行くんじゃねぇか?あぁ·····ダメだな·····殺したくなってきたぜ·····!!」
「ダメよ強斗。暴れないって条件で着いてきたんでしょう?それにこの体育祭にはエンデヴァーもオールマイトも居るのよ。いくら貴方でも『まだ』手も足も出ないわよ。」
「チッわーってるよ」
「うん、いい子いい子。でも、そうね一緒にご飯くらいは食べたいわね。私達『家族』だものね?フフフッ」
そう言って少女はニコニコ微笑みながら中継モニターを眺めるのだった·····
体育祭編は続けて出せたらいいなーと思いつつ頑張ります。